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独首相 ウクライナとロシアの対話期待:ウ東部復興を独支援:火曜日のプーチン−ポロシェンコ会談が分水嶺
http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/857.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 8 月 25 日 02:22:55: Mo7ApAlflbQ6s
 


独首相 ウクライナとロシアの対話期待[NHK]
8月24日 5時35分

戦闘が続くウクライナ東部の情勢を巡りドイツのメルケル首相がウクライナのポロシェンコ大統領と会談し、東部の復興のための経済支援を打ち出すとともに、近く行われる予定のウクライナとロシアの首脳が参加する会談で停戦に向けた対話が進むことに期待を示しました。

ウクライナ東部では、政府軍が親ロシア派の拠点ドネツクなどを包囲し攻勢を強める一方、戦闘に巻き込まれる市民の犠牲も増え続け、国連によりますと、ことし4月以降の死者の数は2000人を超えました。

こうしたなか、親ロシア派の後ろ盾のロシアとウクライナとの仲介役を果たしているドイツのメルケル首相が23日、ウクライナの首都キエフを訪れ、ポロシェンコ大統領と会談しました。

会談後、メルケル首相は、ポロシェンコ大統領と共に記者会見し、「ウクライナの領土の一体性を支持する」と述べたうえで、東部の復興のためEU=ヨーロッパ連合として5億ユーロ、日本円でおよそ690億円の特別基金を創設することなどを打ち出しました。
そのうえでポロシェンコ大統領とロシアのプーチン大統領が参加して、今月26日にベラルーシで行われる予定の会談で停戦に向けた対話が進むことに期待を示しました。

ウクライナ政府はロシア政府がウクライナ東部の親ロシア派に今も武器などを供与していると非難しており、マレーシア航空機の撃墜事件以降、初めて顔を合わす両国の首脳が会談で歩み寄れるのか注目が集まっています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140824/k10014034021000.html

 

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01. 2014年8月25日 13:41:01 : nJF6kGWndY

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/41540
ウクライナとロシア:戦闘は続くか
2014年08月25日(Mon) The Economist
(英エコノミスト誌 2014年8月23日号)

ウクライナ東部では、親ロシア派の反政府組織が形勢不利に陥る中で戦闘が激化し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の今後の狙いに新たな疑問符が突きつけられている。

「ロシア軍の装甲車を破壊」、ウクライナの発表で緊張激化
人道支援物資を積んでロシアのカメンスク・シャフチンスキーに到着したトラックの上を飛ぶロシア軍のヘリコプター〔AFPBB News〕

 ウクライナ国境からほど近い、ロシア領内の土ぼこりが舞う草原に、300台近いトラックの車列が夏の暑い日差しを浴びながら待機している。車列は8月14日に到着したが、これはウクライナ国内で起きている戦闘から見ればつけたしのようなものだった。

 これは政治的な駆け引きの一手であり、(ロシア政府が言うような)純粋な人道的任務でも、(ウクライナ政府が恐れているような)ロシアの「平和維持軍」による侵略の序章でもない。

 トラックとその積み荷自体が決定打になることはない。しかし、約2500人の犠牲者を出した3カ月に及ぶ紛争の最終局面に何らかの関わりを持つ可能性はある。

転機を迎えようとしている戦い

 戦いは転機を迎えようとしている。ウクライナ軍は砲撃や爆撃を仕掛けて徐々に領土を奪還し、反政府組織を東部に追い詰めている。ラズムコフ・センターのオレクシー・メルニク氏は、キエフには「終わりまで突き進む」、つまり戦いを力づくで終わらせようとするムードが漂っていると言う。

 軍事力の争いだけを見ても、ロシアから重火器や地上部隊が投入されない限り、ウクライナ政府に反旗を翻す武装集団は敗れ去るだろう。多くの犠牲者を出す可能性はあるが、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領はロシアに譲歩することなく、戦場で勝利を収められるはずだ。

 反政府組織内部では統制が失われつつある。ロシア政府が反政府組織に送り込んでいた高名な指導者を引き上げ、実戦経験がなく適任とは言えない地元出身者に置き換えているためだ。これらの人々はウクライナ東部の出身だという信頼性があるものの、能力も経験も不足している。

 反政府組織の2大拠点であるドネツクとルガンスクは既に包囲されている。つまり、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は厳しい選択を迫られる可能性があるということだ。その選択とは、反政府組織にさらなる武器と内密の支援を行うか、交渉による戦いの終結を目指すかのどちらかだ。前者の場合はあからさまな侵略に進展する可能性もあり、後者の場合は反政府組織への支援を取り下げ、地政学的な敗北という不名誉に直面することになる。

 これはウクライナ(と西側の支援者たち)にも、選択を迫る事態だ。反政府活動の崩壊を狙って、ウクライナ軍および同軍とともに戦う軍勢が反政府組織に占拠された都市を迫撃砲やロケット弾で攻撃することを容認するか、(名目上か事実上かはともかく)プーチン大統領と何らかの取引を行い、戦いの終息を目指すかだ。

ロシアのプーチン大統領とウクライナ次期大統領が初会談
各国首脳は政治的解決を図ることができるのか〔AFPBB News〕

 今後数日の間に、さまざまな外交上の動きがみられるはずだ。8月23日にはドイツのアンゲラ・メルケル首相がキエフを訪問する。また、8月26日にはベラルーシのミンスクで開催される「ユーラシア連合」首脳会談に合わせ、プーチン大統領とポロシェンコ大統領が会談する予定だ。

 米国はウクライナでの戦いに散発的にしか関与していない。一方、欧州連合(EU)は、ドイツをはじめとして、これを1世代に1度あるかどうかの安全保障上の脅威と捉えている。メルケル首相はキエフ訪問により、ポロシェンコ大統領とその政権を支えるとともに、同大統領に対話の意思があるかどうかを探りたいと考えている。

 メルケル首相はポロシェンコ大統領に対し、「ウクライナを支持し続けるのが困難になるような一線を越えないことを確約する」よう迫るはずだと、ジャーマン・マーシャル・ファンドのコンスタンツェ・ステルツェンミュラー氏はコメントしている。

 ミンスクでの会談はドイツのベルリンで最近行われた外相会合を上回る成果を期待できないかもしれないが、両国の大統領が6月以降初めて直接話すという事実そのものが、対話の余地を示唆している。

原則としては両者とも政治的解決を望んでいるはずだが・・・

 原則的には、ウクライナとロシアはともに紛争の軍事的な決着より政治的解決を望んでいるはずだ。ポロシェンコ大統領にとっては、ドネツクの街を破壊してロシアの侵攻を招く危険を冒すより、外交によって解決した方が得るものは大きい。プーチン大統領も軍事作戦による損失やリスクは避けようとするはずだ。

 それでも、紛争がエスカレートしないという保証はない。ポロシェンコ大統領は一歩も譲らないよう政治的な圧力を受けており、ロシアが数カ月にわたって裏で糸を引き、反政府組織を支援してきたことから、ウクライナ政府内では不信感が高まっている。メルニク氏は「ロシアとの交渉に意味はない」と断言する。「仲介役を演じようとしているが、実際は紛争の当事者だ」というのだ。

 キエフ・モヒーラ・アカデミー国立大学のオレクシー・ハラン氏は、たとえポロシェンコ大統領に外交的な提案の用意があっても、「相手側からのまともな反応はない」と述べる。

 ポロシェンコ大統領やキエフから戦闘を指揮する者たちは、この争いをウクライナの存続を懸けた戦いだと考えているため、このまま突き進むだろう。西側諸国からさまざまな支援を得ているとはいえ、助けてくれる者はいないことをウクライナは分かっている。

親ロ派との戦いを終わらせることで頭がいっぱいのウクライナ政府

ウクライナ軍、親露派拠点ルガンスク進攻を発表
ウクライナ東部ドネツク州ドルシコフカ近郊を走るウクライナ軍の部隊〔AFPBB News〕

 2008年にロシアとの紛争に入る前、グルジアのミハイル・サーカシビリ大統領が抱いていたような幻想は、ウクライナには皆無だ。「ウクライナ人は自分たちだけで戦い、死ぬ覚悟だ」とハラン氏は述べている。

 この戦争の文脈では、反政府組織を支持する人々はテロリスト、またはロシアの傭兵と捉えられている。そのため、ドネツクやルガンスクは、戦後の和解は困難を極めるだろう。

 国境沿いのロシア領内にあるロシアの病院では、ルガンスク州出身のユーリという52歳の反政府組織の兵士がけがを負って入院していた。ウクライナ側からは自身もテロリストと見なされるかもしれないが、「私のような人間は何百万人もいる」と、ユーリは語る。

 当然ながら、ウクライナは戦いを早く終わらせることで頭がいっぱいだが、そのために政治家は必要な手順を省く道へと進んでいる。

 最近、東部の「対テロ作戦」地域を対象に、国家の広範な権限を認める、一連の法律が成立した。警察は具体的な罪状がなくても疑わしい人物を30日間にわたり拘留できるほか、警告なしの発砲も可能になった。これらの法案は提出されたその日に可決され、即日施行された。

 政治法律改革センターのロマン・キビダ氏は、ビクトル・ヤヌコビッチ前大統領の時代からラダ(議会)の「やり方は何も変わっていない」と話す。法案は「議論や意見表明の機会も与えられずに成立する」というのだ。ウクライナは、ヤヌコビッチ時代に選出された信用できないラダを刷新する必要がある。ただし、選挙規則の改革がなければ、有権者が再び同じような議会を選ぶ恐れがある。

プーチン大統領の思惑

 一方、プーチン大統領の側は、ほかに選択肢があれば、部隊を送り込んで真正面からウクライナを侵略することを望んでいないのは明らかだ。侵略の意思があるのであれば、その口実を作ることはこれまでも可能だったはずだ。その一方で、プーチン大統領は幾度となく、戦いから手を引くことよりも緊張を高めることを選択してきた。ロシアが少しずつ関与の度合いを高めていけば、西側はその状況に慣れるだろうと踏んでいたためだ。

 現時点では、プーチン大統領の戦略や目標を推し量る不可能だ。行き当たりばったりな政策を神秘的な全能のベールで覆い隠すための手段として、予測不能であること自体が目的となっているように見える。

 つまり、モスクワから送り込まれた人道支援のためのトラックは考え抜かれた作戦の一手ではなく、とりあえずの仕掛けなのだ。プーチン大統領にとっては自らの手に主導権を取り戻し、7月にマレーシア航空のジェット機を撃墜した犯人探しから、ウクライナ東部の真に悲惨な人道的状況に話題を移すための手段だ。

 同時に、ロシア国民に対しても、戦車を送り込むことなくウクライナ東部の人々の役に立っているとアピールできる。

凍結した紛争

 現在は何台かのトラックが国境に移動し、赤十字による検査を待っている。多くのトラックが国境を越えてウクライナに入れば、ロシアに戻る可能性は低く、ロシアが長期的に駐留するための拠点となり、紛争は凍結状態に入るだろう。これはプーチン大統領にとって都合の良い展開だ。

 プーチン大統領にとっては、ウクライナがこのまま分裂し、不安定な状態が続いてくれる必要がある。そうした状況をどうやって引き起こすかはそれほど重要でない。ロシア国防省に近い防衛専門誌の編集者イゴール・コロチェンコ氏が述べているように「ウクライナは敵対国家になっても構わないが、強敵になってはならない」との考えがあるからである。

 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/41565
ウクライナとロシア:戦闘は続くか
2014年08月25日(Mon) The Economist
(英エコノミスト誌 2014年8月23日号)

ウクライナ東部では、親ロシア派の反政府組織が形勢不利に陥る中で戦闘が激化し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の今後の狙いに新たな疑問符が突きつけられている。

「ロシア軍の装甲車を破壊」、ウクライナの発表で緊張激化
人道支援物資を積んでロシアのカメンスク・シャフチンスキーに到着したトラックの上を飛ぶロシア軍のヘリコプター〔AFPBB News〕

 ウクライナ国境からほど近い、ロシア領内の土ぼこりが舞う草原に、300台近いトラックの車列が夏の暑い日差しを浴びながら待機している。車列は8月14日に到着したが、これはウクライナ国内で起きている戦闘から見ればつけたしのようなものだった。

 これは政治的な駆け引きの一手であり、(ロシア政府が言うような)純粋な人道的任務でも、(ウクライナ政府が恐れているような)ロシアの「平和維持軍」による侵略の序章でもない。

 トラックとその積み荷自体が決定打になることはない。しかし、約2500人の犠牲者を出した3カ月に及ぶ紛争の最終局面に何らかの関わりを持つ可能性はある。

転機を迎えようとしている戦い

 戦いは転機を迎えようとしている。ウクライナ軍は砲撃や爆撃を仕掛けて徐々に領土を奪還し、反政府組織を東部に追い詰めている。ラズムコフ・センターのオレクシー・メルニク氏は、キエフには「終わりまで突き進む」、つまり戦いを力づくで終わらせようとするムードが漂っていると言う。

 軍事力の争いだけを見ても、ロシアから重火器や地上部隊が投入されない限り、ウクライナ政府に反旗を翻す武装集団は敗れ去るだろう。多くの犠牲者を出す可能性はあるが、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領はロシアに譲歩することなく、戦場で勝利を収められるはずだ。

 反政府組織内部では統制が失われつつある。ロシア政府が反政府組織に送り込んでいた高名な指導者を引き上げ、実戦経験がなく適任とは言えない地元出身者に置き換えているためだ。これらの人々はウクライナ東部の出身だという信頼性があるものの、能力も経験も不足している。

 反政府組織の2大拠点であるドネツクとルガンスクは既に包囲されている。つまり、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は厳しい選択を迫られる可能性があるということだ。その選択とは、反政府組織にさらなる武器と内密の支援を行うか、交渉による戦いの終結を目指すかのどちらかだ。前者の場合はあからさまな侵略に進展する可能性もあり、後者の場合は反政府組織への支援を取り下げ、地政学的な敗北という不名誉に直面することになる。

 これはウクライナ(と西側の支援者たち)にも、選択を迫る事態だ。反政府活動の崩壊を狙って、ウクライナ軍および同軍とともに戦う軍勢が反政府組織に占拠された都市を迫撃砲やロケット弾で攻撃することを容認するか、(名目上か事実上かはともかく)プーチン大統領と何らかの取引を行い、戦いの終息を目指すかだ。

ロシアのプーチン大統領とウクライナ次期大統領が初会談
各国首脳は政治的解決を図ることができるのか〔AFPBB News〕

 今後数日の間に、さまざまな外交上の動きがみられるはずだ。8月23日にはドイツのアンゲラ・メルケル首相がキエフを訪問する。また、8月26日にはベラルーシのミンスクで開催される「ユーラシア連合」首脳会談に合わせ、プーチン大統領とポロシェンコ大統領が会談する予定だ。

 米国はウクライナでの戦いに散発的にしか関与していない。一方、欧州連合(EU)は、ドイツをはじめとして、これを1世代に1度あるかどうかの安全保障上の脅威と捉えている。メルケル首相はキエフ訪問により、ポロシェンコ大統領とその政権を支えるとともに、同大統領に対話の意思があるかどうかを探りたいと考えている。

 メルケル首相はポロシェンコ大統領に対し、「ウクライナを支持し続けるのが困難になるような一線を越えないことを確約する」よう迫るはずだと、ジャーマン・マーシャル・ファンドのコンスタンツェ・ステルツェンミュラー氏はコメントしている。

 ミンスクでの会談はドイツのベルリンで最近行われた外相会合を上回る成果を期待できないかもしれないが、両国の大統領が6月以降初めて直接話すという事実そのものが、対話の余地を示唆している。

原則としては両者とも政治的解決を望んでいるはずだが・・・

 原則的には、ウクライナとロシアはともに紛争の軍事的な決着より政治的解決を望んでいるはずだ。ポロシェンコ大統領にとっては、ドネツクの街を破壊してロシアの侵攻を招く危険を冒すより、外交によって解決した方が得るものは大きい。プーチン大統領も軍事作戦による損失やリスクは避けようとするはずだ。

 それでも、紛争がエスカレートしないという保証はない。ポロシェンコ大統領は一歩も譲らないよう政治的な圧力を受けており、ロシアが数カ月にわたって裏で糸を引き、反政府組織を支援してきたことから、ウクライナ政府内では不信感が高まっている。メルニク氏は「ロシアとの交渉に意味はない」と断言する。「仲介役を演じようとしているが、実際は紛争の当事者だ」というのだ。

 キエフ・モヒーラ・アカデミー国立大学のオレクシー・ハラン氏は、たとえポロシェンコ大統領に外交的な提案の用意があっても、「相手側からのまともな反応はない」と述べる。

 ポロシェンコ大統領やキエフから戦闘を指揮する者たちは、この争いをウクライナの存続を懸けた戦いだと考えているため、このまま突き進むだろう。西側諸国からさまざまな支援を得ているとはいえ、助けてくれる者はいないことをウクライナは分かっている。

親ロ派との戦いを終わらせることで頭がいっぱいのウクライナ政府

ウクライナ軍、親露派拠点ルガンスク進攻を発表
ウクライナ東部ドネツク州ドルシコフカ近郊を走るウクライナ軍の部隊〔AFPBB News〕

 2008年にロシアとの紛争に入る前、グルジアのミハイル・サーカシビリ大統領が抱いていたような幻想は、ウクライナには皆無だ。「ウクライナ人は自分たちだけで戦い、死ぬ覚悟だ」とハラン氏は述べている。

 この戦争の文脈では、反政府組織を支持する人々はテロリスト、またはロシアの傭兵と捉えられている。そのため、ドネツクやルガンスクは、戦後の和解は困難を極めるだろう。

 国境沿いのロシア領内にあるロシアの病院では、ルガンスク州出身のユーリという52歳の反政府組織の兵士がけがを負って入院していた。ウクライナ側からは自身もテロリストと見なされるかもしれないが、「私のような人間は何百万人もいる」と、ユーリは語る。

 当然ながら、ウクライナは戦いを早く終わらせることで頭がいっぱいだが、そのために政治家は必要な手順を省く道へと進んでいる。

 最近、東部の「対テロ作戦」地域を対象に、国家の広範な権限を認める、一連の法律が成立した。警察は具体的な罪状がなくても疑わしい人物を30日間にわたり拘留できるほか、警告なしの発砲も可能になった。これらの法案は提出されたその日に可決され、即日施行された。

 政治法律改革センターのロマン・キビダ氏は、ビクトル・ヤヌコビッチ前大統領の時代からラダ(議会)の「やり方は何も変わっていない」と話す。法案は「議論や意見表明の機会も与えられずに成立する」というのだ。ウクライナは、ヤヌコビッチ時代に選出された信用できないラダを刷新する必要がある。ただし、選挙規則の改革がなければ、有権者が再び同じような議会を選ぶ恐れがある。

プーチン大統領の思惑

 一方、プーチン大統領の側は、ほかに選択肢があれば、部隊を送り込んで真正面からウクライナを侵略することを望んでいないのは明らかだ。侵略の意思があるのであれば、その口実を作ることはこれまでも可能だったはずだ。その一方で、プーチン大統領は幾度となく、戦いから手を引くことよりも緊張を高めることを選択してきた。ロシアが少しずつ関与の度合いを高めていけば、西側はその状況に慣れるだろうと踏んでいたためだ。

 現時点では、プーチン大統領の戦略や目標を推し量る不可能だ。行き当たりばったりな政策を神秘的な全能のベールで覆い隠すための手段として、予測不能であること自体が目的となっているように見える。

 つまり、モスクワから送り込まれた人道支援のためのトラックは考え抜かれた作戦の一手ではなく、とりあえずの仕掛けなのだ。プーチン大統領にとっては自らの手に主導権を取り戻し、7月にマレーシア航空のジェット機を撃墜した犯人探しから、ウクライナ東部の真に悲惨な人道的状況に話題を移すための手段だ。

 同時に、ロシア国民に対しても、戦車を送り込むことなくウクライナ東部の人々の役に立っているとアピールできる。

凍結した紛争

 現在は何台かのトラックが国境に移動し、赤十字による検査を待っている。多くのトラックが国境を越えてウクライナに入れば、ロシアに戻る可能性は低く、ロシアが長期的に駐留するための拠点となり、紛争は凍結状態に入るだろう。これはプーチン大統領にとって都合の良い展開だ。

 プーチン大統領にとっては、ウクライナがこのまま分裂し、不安定な状態が続いてくれる必要がある。そうした状況をどうやって引き起こすかはそれほど重要でない。ロシア国防省に近い防衛専門誌の編集者イゴール・コロチェンコ氏が述べているように「ウクライナは敵対国家になっても構わないが、強敵になってはならない」との考えがあるからである。


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