その通りです。

現役のロシア兵でも、休暇中に個人の意思で義勇兵としてウクライナ内戦に
参戦しているなら、「戦時国際法」で認められた義勇兵であり、国際法上は
問題はない。民間のロシア人が、会社を休んで義勇兵として参加しているのと
同じです。

だから、「ドネツク人民共和国」側は、現役のロシア兵は、「海辺で休暇を
とるのではなく、われわれと戦うことを選んだ」と主張している。

●キエフの「親ナチ新興財閥政権」が「ロシア軍が直接、ウクライナ東部に
侵攻したことをわれわれは確認した」というなら、部隊名も明らかにすべき。

部隊名すらわからないなら、ロシア軍が直接侵攻したなどとは言えない。
衛星写真が本物だと仮定すると、この部隊はロシアで編成された義勇軍。
（米国もシリアの反政府軍に武器供与している）

スペイン内戦の時、アンドレイ・マルローやヘミングウェイなどが参加した
義勇軍「国際旅団」には、北海道出身の日本人「ジャック白井」も含めて、
５５ヶ国以上の国から、延べ６万人もの義勇兵が参加し、ソ連が提供した戦車や
戦闘機、爆撃機まで保有していた。

プーチンは、ロシア政府が指揮するロシアの正規軍は参加していないと言って
いるだけ。ロシア人から成る義勇軍も参加していないとは言ってはいない。

約２０年前、ウクライナが独立した時、ウクライナ軍は７０万人もいたが、
財政難で４０万人以上もの軍人を減らした。ロシア連邦軍も財政難で、軍を
３００万人弱から約２００万人減らし、今は約１００万人。

両国は大量に兵員を減らしたので、ウクライナやロシアは元軍人が異常に多い。
除隊させられた元軍人には失業者も多いはずなので、義勇兵を募集すれば割と
簡単に集められるのだろう。

「戦時国際法」によって、義勇兵・義勇軍は軍服や軍旗を掲げる等の一定条件
を満たせば交戦者の資格を認められ、捕虜になった場合などに正規兵と同様の
保護を受ける事が出来るのである。

●ロシアの病院に入院している負傷者や死者は、ロシア人義勇兵か、休暇中に
義勇兵として戦った現役軍人かもしれない。

東部ウクライナには、ロシアや米国、ドイツ、ポーランド、ベラルーシ、
リトアニア、スロバキア、ハンガリー、モルドバなどのウクライナと関係が
深い国も、諜報機関員や、特殊部隊員などを潜入させて、内戦の実情を偵察
させているはず。周囲の国で、こうした偵察をしていない国などありえない。

だから、休暇中に義勇兵として戦った現役軍人以外にも、ロシアの特殊部隊員
などの正規の軍人が、内戦に巻き込まれて死ぬ場合もあり得る。

（日本の自衛隊の場合も、陸上自衛隊の諜報部門である幕僚監部第２部の隊員
が、日米合同の諜報機関（通称「ムサシ機関」）から、台湾とＣＩＡとの合同
秘密諜報機関に移り、中国本土を偵察したり、タイに潜入して有名な「麻薬王」
クンサと接触していたこともある）

●ロシアから、義勇軍の機甲部隊が派遣されても国際法上は合法。だから、
問題は、両軍の目的・理念であるが・・・

親ロシア派軍は「マイダン革命」で治安維持機関が崩壊したため、右翼セクター
などの極右からの攻撃を防ぐために、やむなく自己権力を樹立して組織した軍。

実際にも、親ロシア派が統治している地域では、１００名ものロシア民族が
殺されたオデッサのような謀略的大量虐殺事件は起きていない。また、ＥＵとの
連携で、東部の工業地帯が崩壊するのを防ごうとしている自衛軍でもある。

プーチンが言うように、クリミアも独立しなければ、オデッサのような大量
虐殺事件が起きたかもしれない。マイダンの治安部隊員はクリミア出身が多い
とされていたので、検問所を設置して防がねば、クリミアには右翼セクターが
殺到しただろう。

★要するに、腐敗したヤヌーコビッチは退陣すべきであったが、一時、前政府
と野党との間で成立した妥協策の通り、大統領選挙を前倒して、早めに行えば
内戦は起きなかったのである。

だから、反政府側と治安部隊の双方を銃撃＝挑発して銃撃戦＝内戦を起した
米国と、ＥＵかロシアか、という二者択一的要求をしたＥＵこそ、一番悪い
のである。

●確かに、ロシア（中国も）は「野蛮国」であるが、正直な国でもある。

一方、パレスチナ人を砂漠に追いやり、かつてナチスがヨーロッパ各地に造った
ユダヤ人「ゲットー」のような「ガザ」に押し込めているイスラエルを支援する
欧米諸国は、狡猾で偽善的な、文字通りの野蛮国なのである。

★２４日から、親ロシア派が大反撃に出て、４か所合計約１万人以上のキエフ軍
が包囲されているようだ。親ロシア派に投降する部隊や、ロシア側に逃げた
部隊も出ているという。

キエフの「親ナチ新興財閥政権」が仮設州都とした南部の港町マウンポリには、
撤退したキエフ軍が集合しているが、親ロシア派はマウンポリを包囲する機動
を行い、また、撤退したスラビアンスク方面に侵攻している部隊もあるらしい。

（先日、スラビアンスクなどから撤退したのは、大帝国を築いたモンゴル軍
が得意とした戦法＝わざと敗走して深追いさせ、反転包囲する戦略的撤退＝
だったのかもしれない）

プーチンは義勇軍に対し、包囲したキエフ軍に逃げ道を与えるように求め、
義勇軍側も武装放棄を条件に受け入れたという。親ロシア派は、戦後の
ウクライナとの関係を考え、温和な処置をしているように思える。

一方で、キエフの国防省には、ウクライナ軍兵士の親族らのデモ隊が押し寄せ、
ウクライナ大統領と国防相の辞任を要求しているという。

★親ロシア派軍の機動を示すビデオ
~10,000 Ukrainian Army forces encircled, 4th Cauldron Closed at Volnovakha
https://www.youtube.com/watch?v=PbOpyzniM0o

★ドンバスの戦況図�@
Current situation in Ukraine
http://www.liveleak.com/view?i=38a_1409309293

★ドンバスの戦況図�A
NDR Map vs Junta MAP
http://www.liveleak.com/view?i=277_1409319037

★キエフの国防省建物でデモ、大統領と国防相の辞任求める
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_08_28/276535858/

★無政府状態のキエフでは、「右翼セクター」が政府に抗議した後、ロシア系
の民間企業を襲っている。
Right Sector Maidan Fascists Go On Violent Rampage After Anti Government Protests in Kiev 28 Aug 14
https://www.youtube.com/watch?v=S4pq_qBvbJQ#t=437

★自衛隊秘密諜報機関―青桐の戦士と呼ばれて（阿尾博政・講談社：１６８０円）
http://www.amazon.co.jp/%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%E7%A7%98%E5%AF%86%E8%AB%9C%E5%A0%B1%E6%A9%9F%E9%96%A2-%E2%80%95%E9%9D%92%E6%A1%90%E3%81%AE%E6%88%A6%E5%A3%AB%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B0%E3%82%8C%E3%81%A6-%E9%98%BF%E5%B0%BE-%E5%8D%9A%E6%94%BF/dp/4062154633