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戦争への道をウソで舗装している欧米(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/14/warb14/msg/202.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 9 月 07 日 00:43:05: igsppGRN/E9PQ
 

戦争への道をウソで舗装している欧米
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-a40a.html
2014年9月 7日 マスコミに載らない海外記事


Paul Craig Roberts
2014年9月5日

ロシア政府の公式声明は、アメリカが引き起こした、ウクライナでの問題を、何とか合理的な外交によって解決する為、大統領と外務大臣が、“我々の西欧パートナー”の善意を当てにしようとし続けていることを示している。欧米の各国政府には、善意という兆しが皆無なだけでなく、ロシアに対する敵対的施策が強化されつつある。しかも、その主な効果が、ヨーロッパに損害を与えるものなのに、敵対的施策は強化される傾向にある。

例えば、社会主義者のフランス大統領は、アメリカ政府の命令に従い、契約上、ロシアのものである船舶の引き渡しを拒否した。ニュース報道は、実に無能で、ロシア船の代金を支払ったのか、あるいは、完成してから、支払うことになっていたのかも報じない。もし、ロシアが既に支払い済みでなければ、引き渡し不履行で、船の建造に融資した当事者が損害を被るだろう。もしロシアが支払い済みであれば、間抜けなフランス大統領は、フランスに契約違反をさせたわけで、国際法の下で、フランスは、重い金銭的罰金を科せられることになる。

これが、どのようにロシアを傷つけるのかは明らかではない。欧米が恐れべきなのは、ロシアの戦略的核兵器であって、ヘリコプター空母ではない。オランドがロシアに与えた教訓は、フランスとは、あるいは、どのNATO加盟国とも、取引はするな、ということだ。

ロシアは、即座に、契約違反で訴訟すべきだ。フランスは、契約価格を上回るような罰金を科される、欧米が、連中が支配する国際法など無意味であることを証明するかのいずれかだ。もし私がロシアだったら、この点をはっきりさせるため、私はヘリコプター空母をあきらめたろう。

フランス唯一の指導者、マリーヌ・ル・ペンは、支持者は増えつつあるとは言え、権力の座にはない。ル・ペンは、オランドがオバマに服従したことは“フランスにとって膨大な被害をもたらすだろう。何百万時間もの労働時間損失と、50から100億ユーロの罰金だ。”と述べた。

オランドは、アメリカへのへつらいを、ウソで正当化しようとしている。“ウクライナ東部での、ロシアの最近の行動は、ヨーロッパ安全保障の基本原則に違反する。”

全く逆だ。ロシアとの戦争へと向かう、アメリカの衝動を可能にして、ヨーロッパ安全保障を危険に曝しているのは、オランド、メルケルと、キャメロンの愚劣な行動なのだ。

どれだけ価値があるのか知らないが、ニュース報道によれば、アメリカと、そのEU傀儡連中は、ロシアに対し一層の経済制裁を準備中だ。アメリカとEUの無能さを考えると、経済制裁で、被害を受けるのが、ロシアなのか、ヨーロッパなのか、はっきりしない。要は、ロシアは、いかなる経済制裁に値するようなことは何もしていないのだ。

経済制裁は、オバマ大統領の言葉(9月3日)によれば、“ロシア兵器を持ち、ロシア戦車に乗った、ロシア戦闘部隊”が、東ウクライナに配備されているという、アメリカ政府のウソに基づいている。ミシェル・チョスドフスキー教授がGlobal Researchで報じている通り、欧州安全保障協力機構(OSCE)の監視団は、“過去二週間の間、ロシア-ウクライナ国境を越えた、軍隊、弾薬、あるいは武器を全く記録していない。”

下記は、OSCD所見に関する、チョスドフスキー教授の記事からの抜粋だ。

“OSCE監視団は、ロシア政府の要求で、グコヴォと、ドネツクのロシア検問所に派遣されている。多くがウェールズでのNATOサミットに代表を送っているOSCE参加57ヶ国全ての合意で、この決定は行われた。

“OSCE報告は、キエフ政権と、アメリカ-NATOスポンサーが出した声明と矛盾する。ロシア戦車の殺到に関する、NATOによる非難が、あからさまなデッチあげであることを裏付けている。

“ウクライナ主権の領土内で、ロシア戦闘部隊が軍事作戦を行っているのを示すとされる偽の衛星写真(2014年8月28日)を使ったオバマの声明を、NATOは支持している。こうした声明は、ロシア-ウクライナ国境に駐在しているOSCE監視団の詳細報告によって反証されている。衛星写真を含め、NATO報告は、でっち上げの証拠に基づくものだ。

“OSCEが綿密に国境周辺の動きを分類しているのは注目に値するが、そのほとんどは避難民だ。”

イラク、アフガニスタン、そして、リビアが、見え透いたうそに基づいて攻撃されたのと同様、そして、シリアとイランが見え透いたうそに基づいて、攻撃対象に決められているのと同様、対ロシア経済制裁も、ひたすら見え透いたうそに基づいている。イギリスのテレグラフ紙によれば、新たな経済制裁は、全てのロシア国営石油会社と軍需企業防衛に、ヨーロッパ資本市場での資金調達を禁じるものだ。言い換えれば、ロシアで操業している、あらゆる欧米の石油会社は、免除される。

経済制裁へのロシア反撃策の一つは、経済制裁によってもたらされた損害に対する補償として、ロシア国内で操業している、あらゆる欧米企業を、差し押さえることだろう。

もう一つの対策は、中国から融資を得ることだ。

もう一つの対策は、エネルギーと国防産業への自己金融だ。もしアメリカが、4ないし、5つのメガ銀行を破綻させない為に、お札を印刷できるのであれば、ロシアも、その必要性を満たす為に、お札を印刷できるだろう。

アメリカが、世界の多くの国々に与えつつある教訓は、欧米と取引する為には、国家が狂っていなければならないということだ。事業は、懲罰、搾取と略奪に使う覇権の手段と見ているのだ。これだけ十分な教訓を得た後も、多数の国々が、いまだにIMF融資を希望しているのは驚くべきことだ。そろそろ、IMF融資には二つの目的があることを理解せずにはいられないだろうに。欧米による国家からの略奪と、欧米の覇権的主義的政策に、国家を従属させること。ところが薄のろな諸国政府は、いまだにIMF融資を申請している。

ウクライナ状況のあらゆるエスカレーションは、アメリカ、EUと、キエフによって引き起こされている。アメリカは、ロシアの控えめな対応を、ロシア政府がおじけづいている証拠だと解釈しているもののようだ。しかし、プーチンが切り札を全部持っていて、天然ガスの流れを止めることで、ヨーロッパを衰弱させることができ、二週間、あるいはそれ未満で、ウクライナ丸ごと、ロシアに再編入できる状況で、アメリカは一体どうやって、その意思を押しつけられるだろう?

ロシアは、欧米の一員になりたい余りに屈し、もう一つのアメリカの傀儡国家になろうとするだろうか?

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2014/09/05/west-paves-road-war-lies-paul-craig-roberts/


 

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コメント
 
01. 2014年9月07日 10:55:14 : hU27HOLzq6
将来の極東情勢を想定してパロディ化してみた。

中国政府の公式声明は、アメリカが引き起こした、アジアでの問題を、何とか合理的な外交によって解決する為、国家主席と外務大臣が、“我々のアジアでのパートナー”の善意を当てにしようとし続けていることを示している。日米欧の各国政府には、善意という兆しが皆無なだけでなく、中国に対する敵対的施策が強化されつつある。しかも、その主な効果が、日本に損害を与えるものなのに、敵対的施策は強化される傾向にある。

(中略)

日本の唯一の指導者、安倍は、支持者は増えつつあるとは言え、権力の座にはない。安倍がオバマに服従したことは“日本にとって膨大な被害をもたらすだろう。何百万時間もの労働時間損失と、50から100億ユーロの罰金だ。”と述べた。

安倍は、アメリカへのへつらいを、ウソで正当化しようとしている。“極東での、中国の最近の行動は、日米同盟の基本原則に違反する。”

全く逆だ。中国との戦争へと向かう、アメリカの衝動を可能にして、日米安全保障を危険に曝しているのは、石原、野田と、安倍の愚劣な行動なのだ。

どれだけ価値があるのか知らないが、ニュース報道によれば、アメリカと、その日韓傀儡連中は、中国に対し一層の経済制裁を準備中だ。アメリカと日韓の無能さを考えると、経済制裁で、被害を受けるのが、中国なのか、日本なのか、はっきりしない。要は、中国は、いかなる経済制裁に値するようなことは何もしていないのだ。


02. 2014年9月10日 03:25:48 : jXbiWWJBCA
「NATOが軍事オプション採用は大転換」だが…

ロシアの試みは冷戦後の新秩序への挑戦

2014年9月10日(水)  森 永輔

 NATO(北大西洋条約機構)が9月4〜5日に首脳会議を開催し、ウクライナ問題への対応を協議。即応部隊の設置を決めた。
 東京外国語大学国際関係研究所の渡邊啓貴所長はこれを「これまで避けてきた軍事オプションへの大きな転換」と評価する。
 ただし、その一方で、ロシアのプーチン大統領に対する、形を伴った強いメッセージにはなっていないと指摘する。
 NATO首脳会議、そして同じく5日に対ロ制裁を決定したEU(欧州連合)の取り組みについて、渡邊所長の見立てと今後の展望を聞いた。
(聞き手は森 永輔)
NATOが首脳会議を開き、即応部隊の創設と軍事費の増額を決めました。即応部隊は、最短2日で数千人規模の兵力を動員できる体制を作る構想です 。軍事費は、加盟各国の軍事費をそれぞれのGDP(国内総生産)比2%に今後10年かけて引き上げるもの。2%は既に定められている数値ですが、達成している国は米英など一部に限られている状態です。これらをどう評価しますか。


渡邊 啓貴(わたなべ・ひろたか)氏
東京外国語大学教授。国際関係研究所所長。
1954年生まれ。同大学外国語学部フランス語学科卒業。同大学院地域研究科修士課程および慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。パリ第1大学大学院博士課程修了。パリ高等研究院・リヨン高等師範大学院客員教授、ジョージ・ワシントン大学シグールセンター客員教授などを歴任。近著に『シャルル・ドゴール 民主主義の中のリーダーシップへの苦闘』
渡邊:これまで軍事オプションを控えてきたNATOがこれに踏み込みました。大きな転換だと思います。ただし、その実効性は高いとは言えません。プーチン大統領に対して「もうこれ以上は許さない」という強いメッセージになっているかという観点で測ると50〜60点というところでしょうか。

 ウクライナ問題の発端は、ウクライナとEUが連合協定を結ぼうとしたことにあります。ロシアは、かつてのソ連構成国で自国の勢力下にあったウクライナがEUに加わろうとする動きを阻止したかった。EU加盟の先には、軍事同盟であるNATOへの加盟が土俵に上ってきます。ロシアは当然、これを警戒します。だからこそ、NATOは表だって行動することを避けてきました。この方針を転換したわけです。

 即応部隊は、数百人を集めて形を作ることはすぐにでもできるでしょう。しかし、本格的なものにするのは10年後という構想です。しかも、予算が限られている。現在のNATOの総予算は9000億ドルと言われています。しかし、この4分の3は米国が負担しています。欧州が負担しているのは2000億ドル程度しかありません。加盟国の6割は2012年以降、軍事費を減らしています。GDP比2%を実現する目標を掲げましたが、NATOの歴史を振り返ると、こうした約束が守られたためしがありません。

9月5日にウクライナ政府と親ロ派武装勢力が停戦協定を結びました。これをどう評価しますか。

渡邊:停戦の覚書に盛り込まれた内容は、親ロ派武装勢力の主張にかなり沿ったものだと思います。同意した12項目の1つに、ドネツク、ルガンスク「両州の特定地域に『特別な地位』を与え暫定的自治権を付与する法律を制定」(日経新聞9月8日付)とあります。これは、両州が今後分離され、ロシアが編入することに含みを残すものです。

NATOのメッセージは実効性に疑問

だとすると、今回のNATOの対応は、かなり弱いものと言わざるを得ないのではないでしょうか。NATOの首脳は、この項目をはじめとする12項目の内容を知っていたと思います。クリミアに続いて、ドネツクとルガンスクの東部2州までがロシアに編入されかねない状況であるにもかかわらず、実質を伴わない口先介入しかしなかった。

 ポーランドが1万人のNATO部隊を常駐させることを要請していましたが、NATOはこれを拒否したままです。今回の首脳会議では、ポーランドやバルト3国において軍需品や装備品を置く設備を整備することは表明するに留まっており、部隊を配備することには触れていません。中立国であるフィンランドとスウェーデンがNATOに接近し、有事の際にはNATO軍の駐留を認める協定を結ぶという話もありましたが、NATO首脳会議で進展はありませんでした。こうした点から見て、実質な効力を伴うメッセージとは言い難いのではないでしょうか。

渡邊:その通りですね。NATOは「これ以上は譲歩しない」という断固たる強いメッセージを、力を伴う有形の措置を背景に伝えているとは言い難い。

 意思を示すのが遅すぎたことも否定できません。4〜5月の時点で即応部隊の創設を決めていれば、「クリミア以上は譲らない」という強いメッセージをロシアに送ることができ、東部2州での紛争を避けることができたかもしれません。

 ただし、国際政治の場では意思を示すことは重要な意義を持ちます。理想的すぎるという指摘があるかもしれませんが…。日本はこの点を軽視しがちですね。それにNATO加盟国の首脳たちが、ウクライナと親ロ派武装勢力との交渉内容を知っていたかどうかはグレーだと思います。NATOとウクライナがそこまで密に話し合っているかどうかは分かりません。

 もしかすると西側諸国は、ウクライナの東部2州をロシアが編入することまでは容認する考えなのかもしれませんね。フィンランドとスウェーデンとの協定は、さらに状況がエスカレートした時のカードとして取ってあるのかもしれません。

冷戦後の秩序に対する挑戦

一連のウクライナ問題で、プーチン大統領は何を目指しているのでしょう。

渡邊:冷戦後の秩序に挑戦しているのだと思います。この意味でウクライナ問題はグローバルな係争という性格を持っています。ソ連崩壊後、東欧や旧ソ連諸国がEUやNATOに加盟し、西側を中心とする新しい秩序が欧州に構築されました。プーチン大統領はこれに対して不満を持ち、ソ連が力を持っていたかつての姿に戻したいのだと思います。

すると、この問題はウクライナに留まらず、バルト3国やポーランドにまで拡大する可能性があるわけですね。

渡邊:その可能性は十分にあると思います。ただし、プーチン大統領は具体的なゴールを定めてはいないでしょう。西側の対応が日和見的であるのと同様に、プーチン大統領は西側の対応を見つつ、その都度、ゴールを変更していくと思います。

 この意味で、西側がどのような対応を取るかは重要です。既存の秩序を破壊する動きを容認するかどうかを世界に向けて示すことになるからです。もし「容認する」と受け取れるメッセージを発すれば、中東やアジアにおいて、同じく既存秩序を破壊しようとする動きを誘発することになりかねません。西側が築いた既存の秩序に不満を持っているのはプーチン大統領だけではありません。

プーチン大統領は冷戦後の秩序に抵抗する行動を、なぜこのタイミングで起こしたのでしょう。

渡邊:プーチン大統領が自信を深めたからだと思います。ガスをはじめとする資源ビジネスが順調に拡大し、経済面の力が増しました。ソチ冬季五輪を無事に開催し、国内での威信を高めることにも成功しました。他方、ウクライナに対するロシアの行動に強くは反対しない層が西側にいることも見切った。ロシアとの経済関係を重視する層です。

実は色分けされているEU

NATO首脳会議と同じタイミングで、EUが新たな制裁を検討しました。これについては、どう評価されますか。

渡邊:軍事的な行動と同様に、対応が遅いと思います。宥和政策は、得てして後追いになりがちです。

今回の制裁を巡る議論を見ていると、「やりたくない」という西側の考えが伝わってきました。まず8月30日の臨時首脳会議の場で、1週間以内に追加制裁の準備を進めると合意しました。制裁の準備をすぐに始めるわけではありませんでした。9月5日の大使級会合では、ウクライナ政府と親ロ派武装勢力が停戦で合意したことを受けて、追加制裁の決定を見送ることを検討しています。一歩引いた感がある措置でした。結局、追加制裁で合意しましたが、発動するかどうかはロシアの出方を見て決めるという流動的な要素を残しました(9月8日の取材時点)。

渡邊:おっしゃる通りですね。ただし、EUの一連の動きはロシアと親ロ派武装勢力を牽制するものであったと見ることもできます。つまり、停戦合意の条件が西側とウクライナにとって納得できるものにしなければ、また、合意内容を順守することを保証しなければ、制裁の度を高めるぞというメッセージだったとも考えられます。

制裁に対しても躊躇する感が強いEUは、ウクライナの加盟を今後認めるでしょうか。

渡邊:短期的にはそれは考えていないと思います。連合協定は結びましたが、実はこれは、EUに加盟するための前提条件ではありません。現に、トルコは60年代にEUと連合協定を結んだものの、いまだにEUに加盟できていません。

一連のお話を聞いていると、西側は2つの立場を使い分けているように感じます。1つはロシアに対して、EUやNATOの加盟国が一体で当たろうというもの。即応部隊の創設は、大枠で見れば、この立場の表れです。もう1つは、西側と東欧、旧ソ連構成国は別というもの。ポーランドからの部隊常駐要請を拒否したことは、こちらの立場の表れと捉えることができます。

渡邊:その通りです。西側諸国は民主主義を旗印にするなど評価すべき点がたくさんありますが、無責任な面も多々あります。例えば、第2次世界大戦の時にナチスドイツが、チェコスロバキアのズデーデン地方はドイツに帰属すると訴えました。この時、英仏の両国はドイツに対して宥和政策を取り、チェコスロバキアに対してズデーデン地方の割譲を勧めています。自らの身を痛めない宥和政策を進めるために、チェコスロバキアを犠牲にしたわけです。

 今回、ウクライナ政府が親ロ派武装勢力と結んだ停戦協定は親ロ派の主張に沿ったものとお話ししました。ウクライナ政府が妥協せざるを得なかったのは、西側の支援が今後も続く保証がなかったからだと思います。

 西側が取っている宥和策は、得てして、ずるずると問題が拡大しがちです。西側はこの点を強く留意する必要があるでしょう。

次期EU大統領は対ロ強硬派かメルケル独首相の盾か

8月30日に決まったEUの人事に注目されています。次期大統領に現ポーランド首相のドナルド・トゥスク氏が、次期外交安全保障上級代表には現イタリア外相のフェデリカ・モゲリーニ氏が決まりました。これもロシアに対するメッセージなのでしょうか。

渡邊:そうです。トゥスク氏はEU初の東ヨーロッパ出身の大統領で、対ロ強硬派として知られています。ロシアに対して強い姿勢で臨むことを示唆しています。

 ただし、その一方で今回の人事は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が仕組んだカモフラージュかもしれません。トゥスク氏はメルケル首相が強く推してEU大統領に決まりました。「EUの姿勢は弱腰、その責任はドイツにある」との批判があります。メルケル首相はトゥスク氏を推すことで、この批判を避けようとした。トゥスク氏がメルケル首相の意向に逆らうことはないという前提での話です。

メルケル首相の対ロ融和姿勢は、ロシアの正規兵がウクライナ東部2州の紛争に参加しているとの見方が強まっても、変わっていないのでしょうか。

渡邊:変わっていないと思います。この状況は、イギリスもしくはフランスが強い態度でメルケル首相に迫らない限り変わらないでしょう。

最後に、ウクライナ問題に対して西側は今後どのように対応していくべきと考えますか。

渡邊:先ほども申し上げたように、問題はウクライナに留まらず、ポーランドやバルト3国にまで広がる懸念もあります。西側は宥和政策を改め、力を伴う有形の措置を背景にした断固たるメッセージを発信していく必要があるでしょう。有形の措置としてはミサイルの配備が有効だと考えています。そうしなければ、欧州だけでなく、アジアや中東にまで飛び火しかねません。

 この意味で、ウクライナ問題はグローバルイシューです。中韓近隣諸国との領土問題を抱えている日本にとってウクライナ問題は、直接的な利害関係につながる要素は少ない。しかしグローバルイシューに日本が無関心であってはいけない。何らかの形でこの問題の解決に積極的な関心を持つことを示しておく必要があると思います。日本は係争の調整役の一部を担うことで、米露との関係を良好に保つ方向性を模索すべきです。

このコラムについて
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日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。
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