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特攻70年:「特攻は日本の恥部、美化は怖い」 保阪正康さんインタビュー
http://www.asyura2.com/14/warb14/msg/521.html
投稿者 良寛 日時 2014 年 10 月 25 日 09:55:19: Vgi3QvtUnz6pE
 

特攻とは何か。特攻隊員たちの遺書が自身の執筆活動の原点というノンフィクション作家、保阪正康さん(74)に聞いた。【聞き手・高橋昌紀/デジタル報道センター】

       ◇        ◇

 ある元海軍参謀にインタビューをした際、戦時中の個人日誌を読ませてもらったことがあります。特攻隊についての記述があり、「今日もまた、『海軍のバカヤロー』と叫んで、散華する者あり」と記してありました。部外秘の文字も押されて。この元参謀によると、特攻機は離陸した後はずっと、無線機のスイッチをオンにしているそうなんですよ。

だから、基地では特攻隊員の“最後の叫び”を聴くことができた。「お母さーん」とか、女性の名前もあったそうです。「大日本帝国万歳」というのはほとんどなかった。ところが、そうした通信記録は残っていない。故意に燃やしてしまったに違いありません。“軍神”が「海軍のバカヤロー」と叫ぶ。それは当局にとって、隠蔽(いんぺい)すべきことだったでしょうから。

高校時代に「きけわだつみのこえ」を読みました。それが特攻隊について、考えるようになった契機です。その後、生き残りの隊員や遺族らに取材を重ねてきました。学徒出陣した上原良司氏(陸軍大尉。1945年5月、沖縄で戦死)の妹さんは、兄と仲間たちの会話を手帳に残していました。彼らは「向こうの奴(やつ)ら(=米軍)何と思うかな」「ホラ今日も馬鹿(ばか)共が来た。こんな所までわざわざ自殺しに来るとは間抜けな奴だと笑うだろうよ」と言い合っていたそうです。取材後の彼女の何気ない言葉は重く、響いています。「指揮官たちは『後に続く』と言いながら、誰も飛び立たなかったそうです。その言葉を信じた兄たちが事実が分かったら、どんな気持ちになるでしょう」

 高級参謀をはじめ、日本の職業軍人とは何者だったのでしょうか。英国は階級社会ですが、国を守るという点では王族・貴族もありません。戦争で死ぬということについて、平等性がある。戦争に貴賤(きせん)なしです。日本でも高松宮さまなどは前線勤務を希望していたようです。ある陸軍大学校出身の元参謀には「息子を入学させるなら、陸大だよ」と言われました。彼の同期50人ほどのうち、戦死は4人だけだったそうです。エリートは前線に行かず、戦争を美化するんです。

 兵士への危険負担を限りなく、低くすることが本来の指揮官の役割です。国民的バックグラウンドの下で、西洋の民主主義国家にはそれがあった。彼我の戦力を客観的に分析する。物量主義も、兵士を死なせないためにあるんです。日本にあったのは生煮えの軍事学です。仏独に学んだ上っ面だけの西洋軍事学に“日本精神”である武士道を乗っけた。「武士道と云(い)ふは死ぬこととみつけたり」(「葉隠」)の文言だけを取り出し、都合良く利用した。

特攻は日本の恥部です。命を慈しむ日本の文化や伝統に反することです。命中率99%であったとしても、だめなんです。志願を建前としていましたが、実際には強制でした。本人が望んでいない死を要求し、死なせる。こんなものは軍事ではない。国家のため、大義のためという、自己陶酔でしかない。戦争とは人の生死をやり取りする闘争です。ロマンなどないんです。特攻は米軍に畏怖(いふ)心を与え、日本本土上陸をためらわせた−−との説がありますが、とんでもない。米軍は暗号名「コロネット」「オリンピック」などの上陸作戦を着々と準備していました。一方の日本軍は「義勇兵役法」で国民の根こそぎ動員を決め、1億総特攻に駆り出そうとしていた。国民一人一人が特攻要員だったんです。

「特攻隊員は我々である」との視点が必要です。あの時代に生きていれば、あの時代が繰り返されれば、自分も特攻隊員になるかもしれない。特攻を考える時、必要なのは同情ではなく、連帯感です。隊員の苦衷、苦悶(くもん)が分かれば、美化することなどできないはずです。「特攻で死んだ人に失礼ではないか」「彼らのおかげで今の日本がある」などと言ってくる人がいます。どうして、そんな軽々なことを言えるのか。特攻を命じた指揮官たちと変わりませんよ。

クラウゼビッツ(プロイセンの軍事学者)は戦争を「他の手段をもってする政治の延長」と位置付けました。本来は政治こそが、軍事の上になければならなかった。日本が陥った軍部独裁は政治家たちだけの責任でもありません。国民も軍をもてはやし、甘やかした。勝つことこそが軍の目的ですから、負けると分かっても戦争をやめることなどできなかった。行き着いた先が特攻です。

特攻について、時に涙が止まらなくなるほどの感傷を持っています。それとともにわき上がるのは軍への怒りです。この二つがあってこそ、特攻に向き合えるのではないでしょうか。どちらかに傾いてもいけない。特攻は時代を測るメルクマールだと思っています。いたずらに美化することは非常に怖いことです。集団的自衛権によって、自衛隊が海外派兵される可能性が高まっています。良くも悪くも、軍隊というものには国民性が表れます。今こそ、旧軍について、十分に検証すべきです。それが無くては、特攻というシステムを採用するような組織が再び、生まれてしまうかもしれません。

http://mainichi.jp/feature/news/20141024mog00m040003000c.html  

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コメント
 
01. 2014年10月25日 10:41:11 : b5JdkWvGxs
チョンの天皇に騙されるアホが悪いのさ

02. 2014年10月25日 21:08:57 : LBtbDXFoS6
>「特攻隊員は我々である」との視点が必要です。あの時代に生きていれば、あの時代が繰り返されれば、自分も特攻隊員になるかもしれない。特攻を考える時、必要なのは同情ではなく、連帯感です。隊員の苦衷、苦悶(くもん)が分かれば、美化することなどできないはずです。「特攻で死んだ人に失礼ではないか」「彼らのおかげで今の日本がある」などと言ってくる人がいます。どうして、そんな軽々なことを言えるのか。特攻を命じた指揮官たちと変わりませんよ。

>クラウゼビッツ(プロイセンの軍事学者)は戦争を「他の手段をもってする政治の延長」と位置付けました。本来は政治こそが、軍事の上になければならなかった。日本が陥った軍部独裁は政治家たちだけの責任でもありません。国民も軍をもてはやし、甘やかした。勝つことこそが軍の目的ですから、負けると分かっても戦争をやめることなどできなかった。行き着いた先が特攻です。

>特攻について、時に涙が止まらなくなるほどの感傷を持っています。それとともにわき上がるのは軍への怒りです。この二つがあってこそ、特攻に向き合えるのではないでしょうか。どちらかに傾いてもいけない。特攻は時代を測るメルクマールだと思っています。いたずらに美化することは非常に怖いことです。集団的自衛権によって、自衛隊が海外派兵される可能性が高まっています。良くも悪くも、軍隊というものには国民性が表れます。今こそ、旧軍について、十分に検証すべきです。それが無くては、特攻というシステムを採用するような組織が再び、生まれてしまうかもしれません。


全く同意します。私もかつて『きけわだつみのこえ』を読んだ時、思ったのはそのことでした。
自分は安全な地位にいながら、勝手に美化して陶酔している連中の醜悪さがたまりません。


03. 2014年10月26日 17:42:03 : w3M1BHSquE
>「特攻で死んだ人に失礼ではないか」「彼らのおかげで今の日本がある」

これらは、馬鹿ウヨ連中の常套手段である 特攻への批判はあくまでも 特攻などさせた“組織”への批判であり
特攻を実際に行った“個人”への批判では決してない
こんな事は始めから承知の上で、組織への批判を個人への批判へといつの間にか変えてしまう
いわゆる 「すり替えの論理」 というやつでしか有りません

特攻へ行った個人個人など 誰も始めから批判などする訳がありません
当然です、彼らは有る意味、体制側に“騙された”ようなもんですから あくまでも被害者です

何をどう騙されたのか 具体的に挙げて見ましょう

* 敵のレーダーに探知され 特攻機が敵艦隊にたどり着ける可能性は極めて低い事

* たどり着けても 猛烈な対空砲火で大部分撃ち落とされる事

* たとえ奇跡的に突入出来たとしても、大型艦艇を沈める威力など 元々無かった事

* そしてなにより、ちょっとやそっと敵艦艇にダメージ与えても、戦局を挽回する可能性は無かった事

以上、これらの事が まったく知らされていなかった訳だから、ほとんど騙されたようなもんなんです

特攻が戦果を上げたのは最初の内だけ、ある程度熟練した搭乗員を使ったから成功しただけです
未熟な搭乗員 旧式な機体では、ほとんど奇跡的な確率でしか成功しません
体制側にとっては、本土決戦への単なる時間稼ぎにしか過ぎないのです

これを 「無駄死に」 と言わずして何と言うのでしょうか。


04. 2014年10月26日 17:51:36 : C3lq0gpU9A

  部下に特攻を命じた上官は、「いずれ自分も行く」、「いずれ自分も行く」と言いながら、最後まで行く事は無かった。


05. 2014年10月26日 22:43:36 : ytIWoEzSFI
その上官は、戦後、警察予備隊が設置されると、真っ先に再就職し、航空自衛隊では相当高い地位についたという。

06. 2014年10月26日 23:02:33 : FfzzRIbxkp
母親を思いやるお手紙が多いですよね。
それを見て、知日派の米国人が家族崩壊のために母親殺しをして、おしゃれなママにしたのでしょうね。

亭主元気で留守がいい。 おぼえてますよ。

単身赴任も、東京の大学、東京に就職も、家族を核家族にする戦略ですね。


日本に米軍基地の移設の旗振りをする自民党さんは、よっぽど日本の自衛隊への信頼度が低いってことですよね。
日本の自衛隊は信用ならないから、米軍がいないと困る。幕僚長までそんなもん。

米軍基地に反対している人たちこそ、日本の自衛隊への信頼度が高いのでは。



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