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米国 イランとのテロ戦争での協力は危険
http://www.asyura2.com/14/warb14/msg/716.html
投稿者 DOMOTO 日時 2014 年 12 月 29 日 16:56:08: VRQtq/0DZtRLQ
 

          イランの革命防衛隊


DOMOTO
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735


【◆◆以下の記事は、11月27日に発信したものに加筆したものです】


    【2】 米国 イランとのテロ戦争での協力は危険


イランは米国にとって長い間、宿敵でした。ところがいま、米国は、「イスラム国が拠点とするシリアのアサド政権の後ろ盾であるイランから一定の協力を引き出す」ことを模索しています(9月23日 共同通信)。

11月24日に再延長された7カ国によるイラン核問題の交渉では、「イラン側がイスラム国対応を絡ませて、譲歩を引き出そうとする」のではという観測がありました。現に9月21日、複数のイラン政府当局者がそのような交換条件を求める発言をしたとロイター通信は伝えています。

また共同通信は次のような説明をしています。

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オバマ政権は、シリア領内への空爆拡大は「アサド政権ではなく、イスラム国との戦いだ」と強調する。しかし、イランの革命防衛隊の支援を受けるシリア政府軍が空爆に乗じて、イスラム国や反体制派の支配地域を取り戻そうとすれば、内戦の激化を招き、制御不能の状態に陥りかねない。

 オバマ政権はイランと軍事面で調整を図る可能性は明確に否定しているものの、せめてシリア領内への空爆を黙認し、アサド政権がおかしな動きを見せないようにらみを利かせてもらいたいというのが本音とみられる。

オバマ米政権、宿敵イランに秋波 対イスラム国で協調模索 (9/23-2014 共同通信)
http://www.47news.jp/47topics/e/257331.php

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イランは上記のような、米国のオバマ政権の思うような、都合のよい方ばかりには動きません。

オバマ政権のこの方向での外交姿勢に対しては、米国の保守派から批判が多く出ています。
ヘリテージ財団の中東専門家であるジェームズ・フィリップス氏は、「イランは中東地域でのテロ戦争に対して「放火犯のように行動してきたので、火消しをするのを信用して任せられない」と言っています。

Why the US Can’t Trust Iran to Help Defeat ISIS (10/30-2014 ヘリテージ財団)
http://dailysignal.com/2014/10/30/us-cant-trust-iran-help-defeat-isis/

フィリップス氏によれば、2001年以降だけを見ても、イランは計画的にスンニ派とシーア派の宗派戦争を煽って、中東情勢を非常に混乱させてきたと言います。そしてそれがイスラム国の台頭に必要な状況を作ったとも言っています。

Iran is a major part of the problem in both Iraq and Syria. It has fueled sectarian hostilities between Sunnis and Shiites that created the conditions for the rise of the Islamic State.

以下は、ジェームズ・フィリップス氏の記事の、最初の部分の抄訳です。

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(抄訳開始)

イスラム国は、近隣の国家の政府すべてを転覆させようとしている。イランと米国の戦略的協力を支持する者たちは、イスラム国の増大を防ぐなかで、一定の共通の国益をイランと米国は共有していると主張する。

しかし、この当然のように聞こえる両国の国益に基づいた考えは、テヘランの政権がしばしば、イランがより広い国益を退けて、偏狭なイデオロギーの利益を追求してきたという事実を無視している。

イランのイスラム革命の論理は、再三にわたりイランの国益の論理に優ってきた。

イラクに対しても、イランと米国では全く違う目標を持っている。
米国がイラクに安定した民主主義を作ろうとしているのに対して、イランはイラクを自分達の<衛星国にする>ことを目標にしている。

(抄訳終了)
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イランのイラクに対する企てと同様、フィリップス氏が、イランを米国は信用してはいけないというのは、シリア政府軍をイランの革命防衛隊などが支援しているからです。

イランの国家的な目標は、アジアでの中国の野望と同じで、中東地域から米国を追い出し、地域の覇権を獲得することです。


.  

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コメント
 
01. 2014年12月29日 20:14:28 : 8hoNl2VIyY
低俗の余りコメントする意欲が起きない。

自堕落な事大主義から湧き出た俄かの興味を脱して、西側マスコミからではなく、人類の大多数が属する非同盟諸国と独立国からの情報と視点から自己教育し直すことを勧める。


02. 2014年12月29日 23:24:03 : 9TxERk7N6s
米国はイラクに安定した民主主語を作ろうとしている。何これ
やったことは空爆に軍事進攻、イラク経済の破壊だけ。

笑わすでない、


03. 2015年1月06日 00:39:47 : jXbiWWJBCA

日本と世界の重要論点2015
【第2回】 2015年1月6日 ダイヤモンド・オンライン編集部
【2015年、中東情勢はどうなる?】
日本人も信じ恐れる「イスラム国」の虚像と実像
残酷な神のベールに包まれた真の素顔と目的は?
――酒井啓子・千葉大教授に聞く
イラクとシリアの国境地帯を制覇して「カリフ国」の樹立宣言を行い、勢力を拡大しながら政府と対峙するイスラム国。国際社会からは、得体の知れない存在と見られている。奴隷制を復活させ、残酷な刑罰を占領地域の住民に強いるなど、ニュースで報じられるその思想は過激で前近代的だ。戦闘員として現地へ渡ろうとする若者の存在が報じられてからは、遠く離れたかの国に対して、日本国内でも恐怖が募っている。いったいイスラム国とは何者で、報道されている姿は真実なのか。彼らの台頭によって、2015年の中東情勢はどう変わるのか。国際政治学者で中東研究の第一人者である酒井啓子・千葉大学法政経学部教授に、詳しく聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也)

中東情勢における最大の懸念勢力
得体の知れないイスラム国の正体

――今、日本でも話題になっている「イスラム国」ですが、多くの人は彼らに対して「得体の知れない過激派組織」という印象を持ち、怖い存在と捉えています。もともと中東地域は、近代以降における欧米の中東戦略との絡みのなかで、情勢が複雑化し、絶えず紛争が勃発してきた地域。イスラム国の台頭は、国際社会にも大きな波紋を広げています。ひとことで言って、どのような国なのでしょうか。


さかい・けいこ
1959年生まれ。中東研究者、国際政治学者。千葉大学法政経学部教授。東京大学卒業後、アジア経済研究所に勤務。24年間の同研究所在任中に、英国ダーラム大学(中東イスラーム研究センター)で修士号取得。1986〜89年、在イラク日本大使館に専門調査員として勤務。2005年より東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。2012年より現職。専攻はイラク政治史、現代中東政治。主な著書に『イラクとアメリカ』(岩波新書、アジア・太平洋賞大賞受賞)、『<中東>の考え方』(講談社現代新書)、『中東から世界が見える』(岩波ジュニア新書)など
 正直な話、イスラム国の行動様式や組織の中身などについて、詳しい情報はまだ十分に出てきていません。重要なのは、イスラム国のような存在がなぜあれだけの力をつけて大きくなったのか、という背景について知ることです。

 イスラム国が生まれ、勢力を拡大した原因は大きく2つあります。1つはシリア内戦の影響、もう1つはイラク戦争の戦後復興の失敗です。

 イスラム国は2006年の段階で出現しましたが、もともとイラク戦争の戦後復興のやり方に反対する反政府勢力によって組織化されました。中心メンバーは、当時イラクにいた米軍の駐留政策や新政府の政策に不満を持つスンニ派(シーア派と並ぶイスラム教の二大宗派の1つで、主流派)の住民や、戦後にパージされてしまった旧体制派の人々。そうした人々の不満を吸収する形で、イラクのファルージャを中心に「イラクイスラム国」ができたのです。そのうち外国人の義勇兵なども参加し、彼らのいる地域はイラク国内の無法地帯のようになって、拡大して行きました。

 しかし、米国の掃討作戦に加えて、2008年頃から駐留米軍が新政府の政策に反対する人々を取り込む復興政策へと方針転換したこともあり、反対派が政府に協力的になった結果、一旦内戦状態は収まります。そのため、外国から入ってきた義勇兵などは居場所がなくなって追い出されてしまった。これが第一の原因です。

 イラクから追い出された人々は、2011年から始まった「アラブの春」の潮流の中で、隣国のシリアが政府軍と反政府軍との泥沼の内戦状態に陥ったことをきっかけに、息を吹き返しました。無法地帯となったシリアを拠点にして勢力を増し、再びイラクに舞い戻ってきたのです。第二の原因がこれです。

 なぜそうなったかと言うと、2008年以降、国民融和策をとってきたイラクに登場したマーリキー政権が権力集中を行ない、せっかく取りこんだスンニ派の人々を排斥するスタンスを、2011〜2012年頃から強めたせいです。そのため、イスラム国の前身が生まれたファルージャ周辺において、昨年頃から反政府活動が再燃しました。この隙を狙って、かつてイスラム国を形成していた勢力が入り込んだのです。

 彼らは、今年6月にイラク第二の都市・モスルを制圧・奪取。この約3週間後、それまで使っていた「ISIS」(イラク・シリア・イスラム国)から「イスラム国」へと国名を変更し、現在のイラクとシリアの国境地帯にカリフ制国家を樹立すると宣言しました。現在、事実上彼らの支配下にある地域は、シリア北部のアレッポからイラク中部のディヤラあたりまでとなっています。

なぜか世間に広まっている誤解
「イスラム国はアルカイダ系」

――なるほど。そう言えば、イスラム国を形成する勢力は、もともとアルカイダと関係が深かったという話を聞きます。しかし、イスラム国の生い立ちを聞く限り、あまり接点がなさそうですね。どういう経緯でアルカイダと結びついたのですか。

 イスラム国はアルカイダ系だとよく言われますが、一概に言うことは難しい。アフガニスタンで活動していたアルカイダのグループと、アルカイダを名乗るそれ以外の人々とは、実は直接つながりがない場合が多く、実態がよくわからないのです。

 アルカイダを標榜するほとんどの人たちは、ネームバリューのあるアルカイダの「分派」を勝手に名乗っています。ただ一部には、以前アルカイダでウサマ・ビンラディンに次ぐナンバー2の幹部だったアイマン・ザワヒリに認められて分派を名乗った人たちもいる。イラクでイスラム国につながる反米武装活動を主導したヨルダン人のアブ・ムサブ・ザルカウィなども、その1人です。

 ザルカウィは、もともとアルカイダと関係がなかったのに、勝手に「アルカイダ」と名乗り始め、だいぶ後になってからザワヒリに、「メソポタミアのアルカイダと名乗ってもいい」というお墨付きをもらったようです。

 よって、関係があると言えばありますが、アルカイダとイスラム国に直接のつながりはありません。アフガニスタンの活動家がイラクに流れて、イスラム国を形成したわけでもありません。

――それは意外でした。「イスラム国はアルカイダ系だ」という思い込みが、彼らに対する恐怖を増幅しているフシもありますから。ところでイスラム国は、占領地域の拠点に省庁をつくったり、独自の警察部隊を持ったりと、足もとで国家としての体を本格的に整え始めていると聞きます。そもそも彼らの目指すところは何なのでしょうか。1つの国として独立し、国際舞台で影響力を行使したいのか、それともイラク・シリア地域で勢力を強めたいだけなのか。報道からは、彼らの目的がよくわかりません。

 イスラム国は今年6月のカリフ制樹立宣言のとき、指導者のアブ・バクル・アル=バグダディを「カリフ」とし、あらゆる場所のイスラム教徒のリーダーであると謳いました。

 つまり、彼らの言葉を額面通りに受け取れば、「カリフ国を築く」ことが目的です。カリフ制は、「預言者であるムハンマド(マホメット)の後継者たちがイスラム共同体の長たるべし」と考えるシステム。オスマン帝国が解体されるまで、スンニ派の諸国家で連綿と続けられてきた国家システムですが、イスラム国はそのシステムを現代に復活させようとしています。

「空き地」にできたコミュニティ
国家承認される可能性はかなり低い

 なのでその意味では、何らかの国の体系をつくりたい気持ちはあるのでしょう。ただそれは、国際社会で言うところの国家とは次元が違う。これまでイスラム国の勢力があったところは、イラクであれシリアであれ、中央政府による統括ができておらず、行政が破綻状態にあった地域でした。つまり、「空き地」に勝手に陣取って、自分たちが好きな国づくりをやっているようなもの。

「国」という言葉がつくので誤解されがちですが、彼らがつくっているのは単なるコミュニティに過ぎません。歴史上の似たケースで言えば、太平天国のようなもの。そもそも彼ら自身にも、「まともな国家として国際社会に認められたい」などという気持ちはないと思いますよ。

――そうした状況は、近世以降、国家が統一されている状態が当たり前だった日本人にとって、実感がわきづらいですね。たとえば、そんな彼らが今後、大方の予想に反して、国際社会に認められるような国家体制を樹立することはあり得ますか。またあり得るとしたら、それにはどんな要件が必要でしょうか。

 まずないでしょうね。あり得るとすれば、アフガニスタンのタリバンのように、過激派勢力が政権を奪取するというパターンでしょうか。

 ただ、タリバンは初めから国政を目指していたし、政権を取った後は国家承認もされて、アフガニスタンのほぼ全地域を統治していました。また、彼らはもともとアフガニスタン生まれの組織なので、アフガニスタン人の組織が国家を統一して政権をつくり上げたという、正当性を持っていた。それでも、当時タリバン政権のアフガニスタンを承認したのは、パキスタンをはじめとする一部の近隣諸国だけでしたが。

 一方イスラム国は、ある勢力が国の主権を取るというパターンと違い、「空き地」に勝手に陣取っているだけの勢力です。もし彼らが国際社会に認められようとしたら、その前にまずイラクやシリアから正式に独立しなくてはならない。でも、シリアのアサド政権もイラク政府も、そんなことは絶対に認めないでしょう。そうなると、国境の設定自体も大変難しい。

 だから、現実的にあり得るとすれば、1つの国家の中の一地域に治外法権のマフィア国家のようなものができるというもの。住民がうっかりそこを通ってしまうと、高い通行税をとられたり、ひどい目に遭ったりする、という場所になるわけです。

 いずれにせよ、わけのわからない人たちが棲みついて、無法地帯をつくって、元から住んでいた住民が強制的に支配下に置かれているわけなので、現地人にとっては大きな恐怖でしょうね。

イスラム国について語られる
「残虐性」の誤解と誇張

――わかりました。恐怖と言えば、イスラム国について国際社会が抱く恐怖の原因の1つに、ニュースで報じられるような「残虐性」があります。たとえば、罪を犯した者の手首や足を罰として切断すること、女性の過度な抑圧が行われていることなどです。歴史的に中東地域には、欧米などの先進国と協調しながらやってきた人々がいる一方、こうした非常に前近代的な思想を持つ人々もいる。その思想的な背景には、どんな違いがあるのでしょうか。

 実は、彼らの残虐性については誤解や誇張もあります。「カリフ国を築くべし」と考える人たちは他にもいますが、イスラム国が特徴的なことは、イスラム教が成立した7世紀当初の法体系や統治法をそのまま導入するという、極端に厳格な政策を採用していることです。

 つまり彼らは、罪を犯した者の刑罰のやり方も当時に則しているだけ。手首を切り落とすといった、現在から見れば残虐な刑罰は、当時いくらでもありました。同じ時代の日本にも、普通にあったでしょう。こうした7世紀の刑法が現代にそぐわないのは、誰でもわかることです。イスラムの国々では、時代の流れに応じてイスラム法学者らが刑罰の考え方を近代化させて行きました。

 イスラム主義というのは、そもそもそのように、現代にそぐわないイスラムのシステムをいかに現代に適応させて活性化させていくかを考えて生まれた思想なので、イスラム主義を政治に導入しようという発想の多くは過激派ではなく、穏健派の人たちのものです。反対に、イスラム国はそうした工夫の努力を最初から無視して、イスラムを狭く解釈して適用しようとしているのです。

 日本でもそうですが、冠婚葬祭は宗教的な思想・慣習が色濃く残る部分。イスラム国に限らず、冠婚葬祭に関わる民法の規定にイスラムの教えをなるべくそのまま残すという考え方は、イスラムを政治に導入していない他のイスラム教徒の国々であっても、普通にあります。

 一方で、世俗法をとっているトルコだけでなく、イスラム教徒の多い国でも、平気で飲酒を認める国は少なくありません。北アフリカや地中海諸国は、ワインの一大生産地でもあります。また、女性がスカーフを被らなければならないということを国として決めているのは、イランやサウジアラビアのように少数の国しかありません。イスラム教徒の多い国が全てイスラムを政治に導入しようと考えているわけではないし、イスラムが文化や生活に及ぼす影響も、国によって大きく異なっています。

 イスラム国のようにイスラム法の順守を厳格に主張するような人々は、現代風に解釈することによって規律がどんどん緩くなることに、危機感を感じている。だから、7世紀にできたコーランに書かれていることをそのままをやれば「間違いがない」という発想になります。つまり、手首を切り落とす刑などは「そう書いてあるから、そうしておけば無難だ」と思ってやっている。それが現代にマッチしているか否かの検証については、思考が停止しているのです。

イスラム世界における「奴隷」の
位置づけは現代人の認識と違う

――そういうことだったのですね。イスラム国は「奴隷制」の復活も唱えているようですが、これも同じ考え方によるものなのでしょうか。

 そうです。ただ、イスラム世界における奴隷の位置づけは、主人に隷属して重労働を課せられていた欧米の奴隷のそれとは、意味合いが違います。

 たとえば中世には、イスラム国家が捕虜にしたキリスト教徒を軍人として雇い入れることがよくありましたが、そうした人々も奴隷と呼ばれました。逆に彼らは、イスラム教徒に改宗すれば自由人になれた。そうした経緯を経て出世した奴隷も、たくさんいました。

 イスラムの歴史には「奴隷王朝」と呼ばれる国がいくつも出てきますが、これはイスラム帝国が拡大して行く過程で、奴隷の身分で帝国に参画し、後に自由人となって将軍にまで上り詰めた人が建国した王朝。だから、一口に奴隷制と言っても、日本人がすぐにイメージする悲惨なものばかりではありません。

 このように、イスラム世界でかつて存在した奴隷のイメージに近いのは、「移民」でしょう。たとえば、インドから欧州へ移民してきた家族が、最初はその国で国籍をとれなくても、二世、三世と代を重ねるなかで国籍を有するようになる、といったパターンですね。

 ただし、現在ではそうした奴隷制はイスラム世界でも廃止されています。ですから、今の世の中で「かつての奴隷制を復活させたい」とイスラム教徒の人々が考えているわけでは決してありません。7世紀のイスラム教では、「キリスト教徒の女性を、自由に妻や召使いにしてもよい」とされていましたが、今の世の中では当然人権問題になります。

 イスラム国のように、イスラムを厳格に解釈して、その統治を暴力をもって住民に強要する集団は、近代以降においては後にも先にもないでしょう。

なぜ日本の若者までもが
彼らにシンパシーを感じるのか?

――そうした思想を強く持った人々がなぜあの地域に出て来たのでしょうか。

 イスラム国のような思想を持つ人たちは、もともと数としてはあまり多くありません。ただ、彼らの思想に魅力を感じる人々が少なからず出てきて、大きな勢力になってしまうことはあります。

 たとえば、シリア内戦でアサド政権と戦っているときに、イスラム国の原理主義的な思想に賛同して戦いに参加していた人は、少なかったと思います。逆に、彼らがアサド政権や米国と戦っていることを素晴らしいと思い、戦いに参加していた人は多いでしょう。

 というのは、シリア内戦でアサド政権がイスラム国だけではなくシリア国民を残虐に弾圧する映像を、欧州の人たちは国際ニュースなどでたくさん見ていました。そうすると、「悪い政権と健気に戦う反政府勢力は偉い」と考える人も出てくる。結果として、「おれも戦うぞ」と自らシリアの反政府勢力に参加する人たちもいたわけです。それらが「イスラム国」に流れた。

――日本でも最近、戦闘員としてイスラム国に参加しようとする若者が増えていると報じられ、波紋を呼びました。ただでさえ、中国・韓国との領土問題などもあり、今の日本は右傾化していると言われます。原理主義的な思想を持ち、悪と健気に戦うイスラム国の人々に、日本の若者がシンパシーを感じる風潮が強まっているのでしょうか。

 その傾向はあると思います。また右傾化に加えて、「今の社会が不安だ」「この国はやはり何かおかしい」と不満を感じている若者が、今はたくさんいる。彼らから見てイスラム国の人たちは、いいか悪いかは別として、みな自分の信念に従ってバリバリ突き進んでいます。それがうらやましいと思う人たちは、日本のみならず世界中にいると思います。

 しかも、シリア政権のように虐殺を行う悪者を相手に戦うという建前があると、イスラム国の戦いが正しく思えてくる。そして、彼らが唱えるイスラムの理想も、「よくわからないけど、正しいに違いない」と思えてしまう。そういう自己満足に浸れるわけです。イスラム国は、インターネットで美しい映像を使って自分たちをPRするので、余計に憧れる若者も出て来るのでしょう。

「得体の知れない人たち」と警戒される一方で、イスラム国は一部の人たちが確実に魅力を感じる国なのだと思います。

「日本にいるよりずっといい」
そう思う若者だっているかもしれない

――それにしても、先進国において「戦闘員としてイスラム国に行こう」と思い立つ若者がいるのは何故なのか。なかなか理解できませんね。

 ニュースなどで見る限りでは、日本でも欧州でも、「実際にイスラム国が何をやっているのか」「何のために戦っているのか」をよく知らずに行く若者が多いようですね。そして、「残虐なシリア政府はけしからん」と参加してみたら、実はイスラム国自身が結構ひどいことをしていた。それがわかって抜けようとしても抜けられなくて困っている、という話は結構あるようです。もっとも欧州サイドが言っていることなので、本当に当事者たちが抜けたいと思っているのかは、よくわかりませんが。

――普通に考えれば、いずれ抜けたくなるような気もしますが……。

 私もそう思いますが、全てそうとは言い切れません。たとえば、北アフリカのチュニジアからイスラム国へ渡る人が最も多いと報道されていますが、アフリカは世界の中で相対的に貧しい地域です。べつに熱心なイスラム教徒でないけれども、職もない、お金もない、結婚もできないといった、将来に希望を見出せない人がイスラム国へ行くことも、多いのではないかと思います。

 そんな人たちが呼びかけに応じてイスラム国へ行ってみたら、夜露をしのげるし、三食食べられるし、わずかではあるものの給料をもらえるし、同じくイスラム国を理想と考えて参加した女性とも結婚できる。何より周囲にいるのが、皆自分の祖国に不満を持って来ている人たちであり、同じ理念に従って突き進んでいるので、連帯感があってとても温かい感じがする。

 こうした環境を、居心地がいいと感じる人は少なくないでしょう。日本のワーキングプアの若者が現地へ行って、「日本にいるよりずっといい」と感じることだって、あるかもしれない。躊躇する点があるとすれば、戦闘員として人殺しをしなくてはいけないことですが……。

――戦闘員が給料を貰えるということは、コミュニティの中にちゃんと貨幣経済のシステムがあるわけですね。

 あります。たとえばイスラム国は、制圧したモスルで最初に市の財源を全て押さえました。その財源を原資に、公務員にはそのまま給料を払い続けている。要は、イスラム国の言うことを聞いていれば、元からいた住人に危害は加えない、ちゃんと普通に生活させてやる、ということです。

 市の財源はだんだん減ってきますが、一方で彼らは周辺地域の石油資源を密売したり、誘拐した外国人ジャーナリストの身代金を要求したりと、闇経済によってやりくりしています。なので、到底国家とは呼べない状態ではあるものの、一応経済・財政の概念を持っているわけです。

闇経済が回る限りは存続できる
イスラム国が周辺に与える影響力

――闇経済でやって行こうと思えば、できてしまう。不思議な気もしますね。それにしてもイスラム国は、今の状態でいつまで存続できるのでしょうか。

 案外長く存続するかもしれません。南米では国家経済と並行して、マフィア経済が無視できないほど大きな規模を占めていると言われます。それと同じことで、闇経済が回っている限りは、当面存続できる可能性があります。

 ただ、今の状態では、将来国家承認される可能性はまずないだろうし、イラクやシリアを乗っ取れる力もありません。「空き地」にできた家の中で、家族がハッピーに暮らすという状況は、長く続くかもしれませんが。

――よくわかりました。こうしてお話を聞くと、イスラム国は「中東紛争のあだ花」と言えそうです。そんななかで先進国は、イスラム国のような勢力も視野に入れながら、今後どういう中東政策を展開して行けばいいのでしょうか。米国も、イラク戦争後に新秩序の枠組みをつくることに苦戦し、むしろ国際社会における信頼や発言力を弱めてしまった観があります。

 解決策は、1つしかありません。イスラム国は、国の統治が行き届かない「空き地」で勢力を拡大しているわけなので、イラクやシリアの政府がきちんと地方にまで目が行き届く政治体制をつくることです。

 イラク政府は過去、反政府勢力の人々が国政に参加するチャンスを与え、一旦イスラム国を追い出すことに成功している。問題は、過去にそれができたのに今はできなくなったこと。イスラム国に制圧されている地域の人々に、「政府につくほうがもっとよいことがある」というメリットを、各政府がきちんと提示すべきです。

 イラクは現在の政府の正当性が国際社会で認められているので、米国も気兼ねなくバックアップすることができますが、問題はシリアです。「アサド政権は国民をいじめている独裁政府だ」と国際社会で認識されているため、今シリア国内で、イスラム国が「空き地」に入りこまないよう統治を徹底させようとすると、それはアサド政権を認めることにもつながりますから。

言わば根深い中東紛争の「あだ花」
米国や周辺国はどう動くべきか?

 そうなると、これまで自由を求めてアサド政権に抵抗してきた反政府勢力が、逆にアサド政権に虐殺されることも起こりかねない。実は、周辺国のトルコやサウジアラビアが恐れていることも、それなのです。彼らはイスラム国を潰すのはいいけれど、アサド政権の追い風になることはしたくないわけです。

 これではまさに、マッチポンプ状態。米国がイスラム国を潰そうとする一方、周辺諸国がアサド政権を潰そうとしている複雑な現状では、より一層大きな「空き地」が出現し、そこにまた得体の知れない勢力が入り込むリスクもある。まずは、米国や周辺諸国がきちんと話し合い、「アサド政権を残すか、残さないか」「残すとしたら、空き地をつくらないように、どうやってまっとうな政権に生まれ変わらせるか」という合意を、つくらないといけません。

――お話を聞くにつけ、本当に複雑な状況ですね。中東地域は歴史的にずっと出口のない紛争を続けている印象があります。今後もこの状況は変わらないのでしょうか。

 中東地域は、以前と比べて質的には大きく変わってきています。中東問題の諸悪の根源は、やはりイスラエル・パレスチナ間のゴタゴタ。第二次世界大戦後にイスラエルが国をつくり、パレスチナ人を追い出して、難民問題が半世紀以上続いている影響は大きいです。

 さらに最近では、「アラブの春」の結果として独裁政権が崩壊し、その後国の統治がまともに行なわれない地域が出て来て、各地に「空き地」ができ、本来のパレスチナ問題とは全く関係のないところで、イスラム国のような過激派組織が台頭している。1つの紛争が次々に別の種類の紛争を呼び起こすような状態になっています。中東問題は、本当に根が深いのです。

http://diamond.jp/articles/-/64587


04. 2015年1月06日 00:44:30 : jXbiWWJBCA

「イスラム国VSオバマ」
イスラム国現象が巻き起こす“負の連鎖”の仕組み

シリアの混乱が世界に広がる可能性

2015年1月6日(火)  菅原 出

 オバマ政権の対イスラム国戦争は、イラクにおいては一定の進展を見せているものの、シリアにおいてはますます混乱を助長させており、状況はむしろ悪化している。オバマ政権は早くも対シリア戦略の見直しを迫られており、その過程で国防長官を解任した。しかしその間にもイスラム国の影響力は中東から世界へと拡散している。

戦略の誤りを指摘した国防長官が解任

 2014年11月13日に米下院の軍事委員会で証言したチャック・ヘーゲル国防長官(当時)は、「イラクとは違いシリアには、我々が協力すべきパートナーの政府がおらず、通常軍隊のパートナーもいない。だから我々のシリアにおける短期的な軍事作戦は、ISIL(イスラム国)のセーフ・ヘイブン(隠れ家)を孤立させ破壊することに限定される(中略)我々のシリアにおける戦略は、結果を出すまでに時間、忍耐、根気を必要としている。シリアにおける目標をすぐに達成することは出来ない」と述べた。苦渋に満ちたこのヘーゲル前長官の発言は、シリアでの軍事作戦が順調に進んでいないことを明確に物語っていた。

 オバマ政権は当初、「イラク・ファースト戦略」、つまり、まずはイラクでイスラム国を撃退することに焦点を当て、「シリアでの作戦はイラク作戦を成功させるための条件を整える」程度でよいと考えていたという。しかし、シリアにおいて、米国の支援する穏健派反政府組織が、アサド政府軍とイスラム国やヌスラ戦線のような過激派グループとの二正面作戦に遭って苦戦する中、「イラク・ファースト戦略」はどんどん非現実的になっていった。

 まずはイラクに集中してイスラム国をイラクからシリアに追い返し、その間にシリアで穏健派反体制派を訓練・育成して、次のステップでシリア国内のイスラム国掃討に移るというのが、オバマ政権の当初の考えだったようだが、実際にはそんな悠長なことは言っておられず、「イラク・ファースト」アプローチをとっている間にも、シリアで穏健派がどんどん過激派とアサド軍に攻撃され、このままでは穏健派が粉砕されてしまう事が懸念されるようになったのである。

 このままでは軍事作戦がうまくいかないことに不満を募らせたヘーゲル氏は、昨年10月にオバマ大統領に非常に近いスーザン・ライス国家安全保障問題担当補佐官に、現在の対シリア政策の再考を促すメモを送ったことが広く報じられている。ヘーゲル氏はそのメモの中で、

 「イスラム国に対する軍事作戦とシリアのアサド政権に対する政策に整合性がないため、軍事作戦に効果が出ない。米国のアサド政権に対する態度が明確でないため、同盟国からの不信感が募り、サウジアラビアなども軍事協力に二の足を踏んでいる。このままでは米国が訓練する反政府勢力がアサド軍に殺されるだけになる」とホワイトハウスに警告を発したようである。

懸念が現実に

 実際、このヘーゲルの懸念はどんどん現実のものになっているようだ。昨年末、アサド軍は、米軍が空爆を実施しているのと同じ地域で空爆を実施し、そこで市民たちを殺害し始めた。米軍はイスラム国の事実上の首都になっているシリアの都市ラッカで、精密誘導弾を使い、イスラム国の戦闘員だけをピンポイントで狙い撃ちするように空爆をしているのだが、その直後にアサド軍の戦闘機がやってきて市民を巻き込んだ空爆を派手に行うという。当然、ラッカの市民は「米軍やアサド軍の攻撃による被害者」としてアサド政権だけでなく米国に対する敵意を膨らませてしまう。

 さらにアサド軍は穏健派反体制派に対する空爆も容赦なく行っているので、このままではヘーゲル氏が懸念を示したように、米軍がいくらカタールやサウジで穏健派を訓練してシリアに送り込んでも、アサド軍に空爆でやられてしまうという事態を防ぎようがない。オバマ政権は、米軍に対してアサド軍には一切手出しをせず、イスラム国への攻撃だけを行うよう命じているが、敵対する米軍とアサド軍が交戦せずに同じ戦域で戦闘機を飛ばしているというこの奇妙な状況を解消しなければ、さらに混乱が拡大するだけなのは目に見えている。

 「戦略が間違っている。このままではうまくいかない」ヘーゲル前国防長官はライス補佐官に本音をぶつけたようだが、昨年11月24日にオバマ大統領にあっさり解任されてしまった。その一方でオバマ大統領はシリア戦略の見直しを命じていると伝えられているが、いまだに新たな戦略の方向性は出されていない。

 もっとも、昨年12月中旬以降、イスラム国側にも相当組織的に綻びが出てきている様子が伝えられるようになっている。イラクでは米軍の空爆により相当数のイスラム国幹部が殺害されており、イラク各地から戦闘員がシリアに逃げだしているという情報も飛び交っている。また12月中旬には、クルド勢力やイラク政府軍が、イラク北部のシリアとの国境の町シンジャールをイスラム国から奪還することに成功したことが伝えられた。

 さらにシリアのイスラム国の一大拠点であるラッカからも、逃げ出そうとする戦闘員が100名単位で処刑されたという。勝利を重ねて陣地を拡大している間は勢いにも乗っており調子はいいが、攻勢から守勢に回ると、様々な内部の対立が表面化して組織に綻びが出始めているのかもしれない。

 もともと寄せ集めの集団であるため、出身国や出身民族間のライバル関係や対立が激化しているという見方もある。今後イスラム国が、支配下に置いた領域を防御し、統治を維持することができるのか、米国を中心とする有志連合が、こうしたイスラム国の内部対立の亀裂を拡大させる戦略をとるかどうかにも注目する必要があるだろう。

シドニー人質事件と過激主義「負の連鎖」

 一方、こうしている間にも、イスラム国の「影響」が、イラク・シリアを越えて世界に拡散している。

 昨年12月16日にオーストラリアのシドニーで発生した人質事件では、単独犯とみられるマン・ハロン・モニス容疑者とイスラム国の直接的な関係は確認されていないものの、イスラム国の旗を要求したり、インターネットで「イスラムのカリフへの忠誠」を誓う書き込みをするなど、イスラム国の影響を受けていた可能性は十分に考えられる。

 イスラム国の発信するメッセージが、現状に不満を持つモニス容疑者のような一匹狼タイプに強く訴えるのだとすると、今後オーストラリア以外の先進国でも同様の事件が発生する可能性はあるだろう。

 イスラム国樹立以来、この過激勢力はインターネットを通じて、主に3つのメッセージを発信している。一つは「イラクとシリアに来て自分たちの聖戦に参加せよ」、二つ目は「自国に止まってイスラム国を支援するコミュニティを創出せよ」、そして三つ目は「自国に止まってイスラム国の敵に対する攻撃を行え」である。

 今回のシドニーの事件の背景として、オーストラリアの寛容な移民政策や白人と移民の格差の問題が指摘されている。オーストラリアは中東を含めて様々な国、地域からの移民を受け入れてきたが、白人と移民の経済格差は厳然として残っており、民族間の対立も根強いという。2001年の米同時多発テロ後には反イスラム感情が拡大し、2005年には中東系の若者が暴行を働いたのをきっかけとして、シドニー南部で白人たちが中東系住民を襲う大規模な暴動が発生したこともあった(「シドニー立てこもり 中東系移民に残る経済格差『日本経済新聞』12月16日付」。

 このようにオーストラリア社会で不満を蓄積させた移民コミュニティの中の一匹狼に、「イスラム国の敵に対する攻撃を行え」というイスラム国のメッセージが響くとなると、今後も同様の事件が発生する可能性が高いと言わざるを得ない。しかもオーストラリアのように移民や経済格差、差別や不満の問題は同国固有のものではなく、多くの欧州諸国でも見られる共通の現象である。

 すでにイギリス、フランスやカナダでは、国内イスラム教徒の過激派によると見られるテロが実施もしくは計画されていることが発覚し、大きな問題となっている。

 2014年10月22日、カナダの首都オタワにある戦没者慰霊碑近くで銃を持った男が警護中の兵士を撃ち、道路を挟んだ向かいに位置する連邦議会の議事堂に侵入する事件が発生して世界に衝撃を与えた。カナダではこの事件の発生する前日(10月21日)にも、東部モントリオール近郊のショッピングモールの駐車場で、男がカナダ軍の兵士2名を車でひき、1名を死亡させる事件が起きていた。この男マーティン・ロール容疑者は、最近イスラム教に改宗し、フェイスブック等にイスラム過激派を支持する内容を掲載していたため治安当局の監視対象となっており、トルコに渡航しようとした寸前に旅券を没収されていたことが分かっている(2014年10月22日『共同通信』)。

 またフランスでも昨年12月のクリスマス前に不穏な暴力事件が立て続けに発生した。20日に中部トゥール近郊で刃物を持った男が警察署を襲撃して警察官3名を刺し、21日と22日には、フランス東部ディジョンと西部ナントで、それぞれ暴走車が人混みに突っ込む事件が発生。車の運転手は共に「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫びながら通行人をはねたと伝えられている。また警官を襲った男はネットにイスラム国の旗を載せていたことが分かっている(2014年12月23日『共同通信』)

負の連鎖

 上述した事件が全てイスラム国の影響を受けたテロだと断定された訳ではないが、こうした事件を受けて、イギリスやフランスなど欧州諸国の治安機関はさらに国内の移民や不満分子に対する警戒を強めることになるだろう。

 そしてこうした欧州内の移民、とりわけイスラム教徒の存在に、そもそも移民に反対の極右勢力が反イスラム色をさらに強めて「移民排斥」の動きを強めるという負の連鎖も見られるようになっている。そうでなくても最近欧州各国で極右勢力が勢いを増しているが、この機会にさらにイスラム教徒の移民たちを排除する動きを強め、極右勢力による暴力や《極右勢力VSイスラム過激派》の対立が、欧州諸国でエスカレートしていく可能性も十分に考えられる。

 もともと極右勢力は移民に反対で「外国人排斥」のスローガンを掲げてイスラム教徒を襲う事件を起こしてきた。過去数年間で、ドイツやフランス、それにオランダのようなリベラルな国でも、移民排斥主義の極右勢力が影響力を増してきているが、「イスラム国の台頭」という事態を受けて、こうした極右勢力による移民排斥の動きに拍車がかかるという不吉な現象が起きている。そして当然、こうした国々で抑圧されたイスラム教徒たちは、さらに反西欧感情を強め、イスラム国のような過激主義に傾倒していくという負の連鎖が続くことになるだろう。

 イスラム国の発信するメッセージは、先進国の社会的な亀裂をさらに拡大させ、内なる過激主義を呼び起こす危険性を秘めている。

【Source】
“Secretary of Defense Testimony”, Statement on the Administration’s Strategy and Military Campaign Against ISIL Before the House Armed Services Committee, November 13, 2014
“Sources: Obama seeks new Syria strategy review to deal with ISIS, al-Assad”, CNN, November 14, 2014
“Syria denies targeting civilians, tells U.S. to criticize militants instead”, Reuters, November 28, 2014
“Syria says U.S.-led strikes have not weakened Islamic State”, Reuters, November 28, 2014
“Behind Hagel’s ouster, tensions over Syria and Obama’s team”, Reuters, November 24, 2014
“A Shake-Up Stops at One”, The New York Times, November 24, 2014
“ISIS morale falls as momentum slows and casualties mount”, Financial Times, December 19, 2014
“ISIS’s Global Messaging Strategy Fact Sheet”, Institute for the Study of War, December 2014
“Sydney Cafe Siege: Three Dead in Standoff”, The Wall Street Journal, December 15, 2014
“France Arrests 10 People in Suspected Jihadist Network”, The New York Times, December 15, 2014


このコラムについて
イスラム国VSオバマ

米国が再び対テロ戦争に乗り出した。今度の敵はイラクとシリアにまたがる広大な地域を支配下に置き、カリフ制国家の樹立を宣言したイスラム国。イスラム教スンニ派の一過激派集団が巨大な軍団に成長し、中東のど真ん中に国家を樹立したことで、中東の秩序が激しく揺れている。オバマ政権は国際有志連合を率いてイスラム国壊滅のための軍事作戦を開始したが、空爆だけでは大きな効果を挙げることができず、シリア情勢はますます混乱の様相を呈している。イスラム国の出現は、もともと矛盾に満ちた中東秩序を破壊させる起爆力を秘めているのか?米国は再び泥沼の地上戦に引きずり込まれるのか?イスラム国とオバマの新しい戦争の行方を追う。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20150105/275821/?ST=print


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