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「新シルクロード」も借金頼み 出口見えぬ中国経済
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投稿者 rei 日時 2015 年 5 月 19 日 16:39:09: tW6yLih8JvEfw
 

「新シルクロード」も借金頼み 出口見えぬ中国経済
中国総局 大越匡洋
2015/5/14 6:30日本経済新聞 電子版
 全長600キロメートルを超える高速鉄道でぐるりと島全体を囲む。すでに真夏の日差しが照りつける中国最南部の海南省で進む巨大プロジェクトだ。今年中に環状線の西半分に当たる高速鉄道を完成させ、すでに開通している東環状線とつなげる。高級リゾート地として人気の三亜市の鳳凰国際空港のすぐ向かい側でも、建設工事が急ピッチで進んでいる。

中国海南省では年内の開通をめざして高速鉄道西環状線の建設が急ピッチで進む
中国海南省では年内の開通をめざして高速鉄道西環状線の建設が急ピッチで進む
■既に3700億円投資

 西環状線は全長約345キロメートル。2013年3月に旧鉄道省から分離して設立された中国鉄道総公司が初めて本格的に手掛ける大型事業として、同年秋に着工した。地元紙によると、4月下旬までに西環状線の13のトンネルは全て貫通し、すでに総投資額の7割に当たる190億元(約3700億円)を投じたという。

 「中国の高速鉄道の営業距離は1万6000キロメートル、世界の高速鉄道の60%以上だ」。李克強首相は3月、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)での政府活動報告で、細かく数字を挙げて全国に広がる鉄道網を誇った。海南省では国家イベント「博鰲(ボーアオ)アジアフォーラム」の開催地近くで新空港の建設も始まった。中国から欧州までを陸と海で結ぶ「シルクロード(一帯一路)構想」の玄関口としての体裁を整えようとしている。

 高速鉄道を含め、中国の鉄道の営業距離は昨年末までに全長11万2000キロメートルに達した。今年も8000億元以上を投じ、8000キロメートルを新たに建設する計画だ。鉄道整備は、減速が続く中国景気を下支えする施策の柱となっている。

 確かに、内陸部にまで鉄道網が張り巡らされてモノや人の流れが円滑になれば、新たな成長の種が生まれ、庶民の利便性も向上する。しかし、どこまでも続く中国の線路をみていると、借金をテコに投資を膨らませる旧態依然の成長モデルの印象がぬぐえない。旧鉄道省から分離する前の12年末に約2兆8000億元だった中国鉄道総公司の負債は、昨年9月末に26%増の3兆5000億元超に膨らんだ。


 安定成長と構造改革の両立をめざす習近平指導部の「新常態(ニューノーマル)」は、過剰な借金の解消(デレバレッジ)をめざす路線でもある。だが、今後も借金で投資を拡大するサイクルが加速する懸念がぬぐえない。中国メディアによると、15年までの第12次5カ年計画で当初、約2兆8000億元と見込んだ期間中の鉄道投資額は、実際には約3兆5000億元に膨らむ見通しだ。16年から始まる第13次5カ年計画でも当初計画は3兆元前後となりそうだが、実際の投資額は3兆5000億〜4兆元に上積みされるとの見方が多い。

■鉄道銘柄、株式市場で根強い人気

 海外への輸出でも鉄道は中国の戦略商品だ。「強強連合」の象徴として合併を決めた中国国有の鉄道車両大手、中国南車と中国北車など、鉄道関連銘柄は中国の株式市場で人気が根強い。目立った業績の改善もないのに、市場では毎日のように「一帯一路」「国有企業再編」といったキーワードが飛び交い、国有企業を中心に株価が乱高下している。虚実の混じった政策への期待感が株価全体を支える「官製相場」の様相だ。

 実際の国有企業改革の歩みは遅く、経済の効率と質の向上という習指導部の目標はいまだ遠いかなたにある。成長の鈍化が続くなか、借金だけ雪だるま式に増えていけば、いずれ返済がおぼつかなくなる。すでに、過去の過剰な借金のツケは、民営企業だけでなく、国有企業にも債務不履行(デフォルト)が発生するという形で表面化しつつある。

 「中国が今後5年、10年の間に『中所得国のわな』に陥る可能性は五分五分だ」。中国メディアによると、楼継偉財政相は4月下旬、北京の清華大学で開かれたフォーラムでこう述べた。楼氏は人口の高齢化が急ピッチで進むことを原因に挙げ、市場の力を大きく発揮する構造改革の必要性を訴えた。中国の政策当局者が、中国の経済成長が頭打ちになるリスクを公の場で認めるのは珍しい。

 中国の指導者も、過剰な借金が成長力の鈍る経済の重い足かせとなることはよく承知している。一方で、投資を鈍らせれば、目先の景気が一段と落ち込み、雇用に悪影響が出かねないジレンマに直面している。習指導部は4月末の政治局会議で「投資の重要な役割を発揮する」として、景気の下支えにより軸足を移す姿勢を鮮明にした。借金返済に苦しむ地方政府も、そろって「一帯一路」を錦の御旗に新たな投資に動く構えだ。借金頼みからどう抜け出すのか。中国の出口戦略に向けたレールは、いまだ未完成のままにみえる。

「チャイナViews」は原則毎週木曜日に掲載します。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO86504050Y5A500C1I00000/  

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コメント
 
01. 2015年5月19日 16:52:51 : IhyxZsifAs
借金をテコに投資を膨らませる旧態依然の成長モデルの印象がぬぐえい。<<<

勝手な思い込み


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