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中国自動車業界、伸び鈍化 再編は免れず
http://www.asyura2.com/15/china6/msg/141.html
投稿者 rei 日時 2015 年 5 月 19 日 16:58:13: tW6yLih8JvEfw
 

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO86765860U5A510C1000000/ 
中国自動車業界、伸び鈍化 再編は免れず
2015/5/15 6:30
日本経済新聞 電子版

 中国では、海外の自動車メーカーと中国の自動車メーカーの合弁企業による新工場建設が相次いでいる。だが、新車販売台数が2桁で拡大する時代は終わり、今後10年は1桁増に鈍化するという。過剰な生産能力が顕在化すれば、力のない現地メーカーは苦境に陥り、中国自動車産業の再編は不可避となるだろう。
 「ここは世界で最先端を誇り、かつ最も持続可能な自動車工場の一つだ」
 独高級自動車メーカー、BMWの中国部門の最高経営責任者(CEO)を務めるカーステン・エンゲル氏は、中国北東部に位置する瀋陽市にある同社の比較的新しい生産工場の訪問者に対して、挨拶の中でこう述べた。

上海自動車ショーの設営準備をする作業スタッフら(4月18日)=AP
 BMWと中国の自動車メーカー、華晨中国汽車(ブリリアンス・チャイナ)との合弁会社が経営するその工場は、見事で高い効率を誇り、ロボットと人間が一緒になって、1時間当たり40台のペースでクルマを生産している。
 中国は、BMWの最高級「7シリーズ」や「5シリーズ」にとって世界最大の市場であり、近年は恐らく同社が全世界で生み出す利益の半分を稼ぎ出している。それだけに、同社が中国で現地生産するモデルの数を倍増したいと考えるのは当然だ。
■販売台数の伸び率は1桁に
 4月下旬、上海国際自動車ショーのために中国にやって来た多くの世界の自動車大手のトップは、中国自動車市場の今後について、かなり楽観的な見方を示した。中国は今や米国を抜いて世界最大の自動車市場であり、近年は多くの大手メーカーが全利益の3分の1から半分を中国で稼ぎ出している。
 BMWと同様、ほかの海外自動車メーカーも、今後、好況が続くことを強く確信し、中国政府が義務付けている現地自動車メーカーとの合弁会社の生産能力の拡大に乗り出している。
 コンサルティング会社、JSCオートモーティブのヨッヒェン・シーベルト氏の予測では、今年から来年にかけてこうした合弁会社による中国での新工場への総投資額は計120億ドル(約1兆4000億円)に上り、いずれも次々と稼働を開始するという。
 だが、これら自動車メーカーは今、いわば“衝突”に向かっており、「中国市場では永遠に利益を稼げる」という夢は砕け散るという厳しい現実に直面しつつある。
 その第1の理由は、販売の伸び率が鈍化していることだ。年間の販売台数が2桁で伸びるという時代は終わった。今年1〜3月期の新車販売台数は年換算で1桁の伸びに鈍化した。
 米コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーのポール・ガオ氏は、この先10年の販売台数の伸び率は「1桁台半ばから後半にとどまる」と予測している。
http://www.nikkei.com/content/pic/20150515/96958A9F889DEAE4E5E4E7EAE4E2E3E6E2E7E0E2E3E7E2E2E2E2E2E2-DSXMZO8677611014052015000001-PN1-19.jpg 

米中の軽車両の販売台数の推移。今や中国の方が余剰生産能力が顕著
(注:軽車両=light vehicle=は乗用車、ピックアップトラック、SUVなど重量が1万ポンド=約4530kg=以下の車両を指す)
 その伸び率は、ほかの多くの国に比べればもちろん高いが、新工場が次々に稼働開始することを考えると、急増する過剰な生産能力に対する懸念を払拭するには不十分に見える。
 2015〜16年に稼働を開始する工場により、軽車両(light vehicle)の年間生産能力は新たに530万台も増加する。昨年1年間の販売台数は2280万台だった。
 自動車の組み立て工場は、ざっくり言うと、1日8時間労働の2交代制で年235日稼働させる通常のケースで、利益を出すには生産能力の約75%以上を稼働させる必要がある。
http://www.nikkei.com/content/pic/20150515/96958A9F889DEAE4E5E4E7EAE4E2E3E6E2E7E0E2E3E7E2E2E2E2E2E2-DSXMZO8677668014052015000001-PN1-17.jpg 

稼働している自動車組み立て工場の稼働率
(注: 通常の生産能力とは、8時間労働による2交代制で年間稼働日は235日)
 米国では、金融危機で工場の閉鎖が相次いだが、その後、販売が急回復したために、各工場は現在、生産能力の100%を超えて稼働している。だが、これとは対照的に中国の組み立て工場の場合、今や平均稼働率は、70%以下に下がっている(グラフ「今や中国の方が余剰生産能力が顕著」を参照)。
■高まる販売ディーラーの不満
 これは、苦境が近づいている、ということだ。既にこうした問題が生じている兆候の一つと言えるのが、クルマの販売を手がけるディーラーによる反発だ。彼らは、自分たちのボーナスが、販売が好調だった時に合弁企業によって設定された非現実的な販売目標と連動していることを不満に思っている。
 そのためBMWは今年1月、ディーラーの不満を緩和すべく8億ドル(約950億円)の支払いを申し出なければならなかった。トヨタ自動車も、合弁を組んでいる中国国有企業の第一汽車集団の系列ディーラーに対して、2億ドル(約240億円)払う予定だ。そのほかの海外メーカーも同様の対応を余儀なくされつつある。
 ここへきて人気が急上昇しているのが、かつては見向きもされなかった中古車だ。消費者は、中古車には十分優れた価値があり、新車の代替品になることに気付いたのだ。
 オンラインで中古車のオークションを展開する中国の「有信(Uxin)」はこの3月、中国検索最大手バイドゥ(百度)と米国の投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)から、計1億7000万ドル(約200億円)の資金を調達した。
 新車購入者が少なくなるにつれ、米フォード・モーターや独フォルクスワーゲン(VW)といった海外の人気ブランドとされてきた企業でさえ、販売を促進すべく販売奨励金や値引きの提供を余儀なくされている。
 2番手のブランドや中国メーカーも早晩、似た対応を迫られるのは間違いない。米調査会社サンフォード・C・バーンスタインの自動車アナリスト、マックス・ウォーバートン氏は「値引きを始めると、値引き率を拡大していかざるを得なくなる。従って、利益率は下がっていくことになる」と警告する。
 前出のシーベルト氏は、海外のメーカー各社が今年、中国市場から得る利益は、昨年の半分になると予測する。
 BMWは事業の拡大計画を掲げているものの、先日限られたアナリストだけを対象にした非公開の説明会で、ノルベルト・ライトホファーCEOは、中国の事業環境がここへ来て悪化していることを明らかにした。特に、同社が英国で生産している「ロールスロイス」といった最高級モデルに対する価格引き下げ圧力が激しいとして、「中国は何かが変わってしまった」と、発言した。ちなみに同氏は引退が間近だ。
 海外メーカーと合弁事業を組んでいない中国の自動車メーカーは、長年、消費者には見向きもされずにきた。民間の独立系メーカーのうち2〜3社だけが、最近、安価な小型SUV(多目的スポーツ車)の人気が高まっている恩恵を受けている。
 中国ではなぜかこのカテゴリーのクルマは、ほとんど現地の自動車メーカーによって生産されている。いずれもさえないメーカーだが、その中で最もましだとされる長城汽車は、このほどSUVに集中するため、セダンの生産の削減を決めた。
■補助金で生きる中国メーカー
 しかし、このつかの間の猶予が過ぎれば(海外メーカー各社は早晩、間違いなく小型SUVを中国市場に投入してくるため)、中国の現地メーカーが海外メーカーよりも困難な状況に陥ることは間違いない。
 数十社に上る中国自動車メーカーのほとんどは、品質の悪いクルマを量産する地方の中小企業で、その多くは何年も赤字に陥っている。こうした企業がそれでも何とかやってこられたのは、補助金と地元の市や省当局が優先的に公用車をメーカーから調達してきてくれたからだ。
 中国自動車メーカーで利益を上げているのは、上海汽車といったごく一部の国有企業だけだ。
 上海汽車は、米ゼネラル・モーターズ(GM)およびVWと合弁事業を展開しているが、こうした国有企業が利益を出せているのも中国政府が海外メーカーに国有企業との合弁を義務付けているからにすぎない。合弁事業を義務付けているのは、それによって中国企業が海外のメーカーから、素晴らしいクルマの設計や生産、販売の方法を学べるはずだという考えがあったからだ。
 ところが、甘やかされてきた中国企業は、学ぶどころか単なる委託製造業者に成り下がっている。
 中国政府が補助金を廃止し、外国メーカーに中国の提携先を買収することを許可する、あるいは、提携先と手を切って単独で事業展開することを許可することで、中国自動車産業に市場の力が働くことを許せば、間違いなく劇的な業界再編が起こるだろう。
 多くの中国メーカーは消滅することになるが、少ないながらも自らの才覚で生き残るメーカーは、革新を学び繁栄していくかもしれない。
 改革が実施されなかったとしても、中国メーカーが苦境に陥ることで、限定的な再編は起きるだろう。こうした動きの初期の兆候と言えるかもしれないのが、VWが長城汽車の株式を取得する交渉を進めているという噂がこのほど流れたことだ。
■期待は中国ハイテク企業か
 世界に通用する自動車の自主ブランドを手にするという中国の夢が、国内の自動車メーカーによって達成されることがないのであれば、もっと革新的で、機敏に動けるハイテク企業といったほかの分野の企業に期待すべきだ。
 クルマは、ますますソフトウエアを搭載するようになっており、それによりあらゆる種類のナビゲーション補助手段と将来、無線でつながることになる。
 米アップルが自動車生産への参入を検討しているとすれば、中国の大手携帯端末メーカー、小米(シャオミ)やSNS(交流サイト)およびゲーム大手のテンセントも考えてもいいはずだ。
 実際、中国の電子商取引大手アリババは、自動車事業への進出を考えている。上海国際自動車ショーに出展したすべての企業の中で、最も話題を集めた企業の一つがアリババだった。
 アリババはGMやBMWとの提携を発表し、これにより、中国の消費者向けに彼らの求めている両社のクルマをオンラインで探せるようにし、購入からローンや購入後のサービスまで提供する事業を展開するという。
 公式には発表されていないが、アリババには「アリカー」というクルマの開発に取り組む極秘チームが存在する。この分野から目が離せない。
(c)2015 The Economist Newspaper Limited Apr. 25−May. 1, 2015 All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
 

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