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日韓逆転の深層 日本のこれから/出石直・nhk
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投稿者 仁王像 日時 2022 年 12 月 30 日 06:31:11: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

日韓逆転の深層 日本のこれから/出石直・nhk
2022年09月08日 (木)
出石 直 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/473157.html

日本の経済が低迷する中で、平均賃金などいくつかの分野でお隣の韓国に追い抜かれるという現象が起きています。私はここで「どちらが勝った、負けた」という話をするつもりはありません。「韓国に抜かれる」というのは私たちにとってけっして喜ばしい話ではありません。しかし厳しい現実をしっかりと見据え、その原因を克服していくことこそが、閉塞状態に陥っている日本を再生させる鍵になるのではないでしょうか。

【解説のポイント】
この時間は、
▽ こうした“日韓逆転”ともいえる現象が、どのような分野で起きているのかを見たうえで、
▽ その原因と背景を探り、
▽ 最後にこうした現実を私たちはどう受け止め、どうやって日本の再生につなげていけば良いのか考えていきたいと思います。

【日韓逆転】
1965年、日本と韓国が国交を正常化した時、両国の経済力には30倍ほどの開きがありました。(日本:910億、韓国31億USドル、世界銀行)
豊かで強い日本、貧しく弱い韓国。そんな時代でした。

しかしそうした力関係は今や大きく変化しています。韓国のGPDはこの60年ほどの間に600倍近くも増えました。日本とはまだ3倍近い開きはありますが、韓国はイタリア、カナダに次ぐ世界第10位の先進国に成長しています。(日本:4.9兆、韓国1.8兆USドル、世界銀行)

こちらはひとり当たりのGDPです。国際比較に使われる換算レート(購買力平価)でみてみますと、2018年になって韓国が日本を上回るようになりました。その差はじりじりと開いています。(日本:4万2,940、韓国:4万6,919USドル、世界銀行)

平均賃金でも、日本が4万ドルあまり(4万849ドル)なのに対し韓国は4万5,000ドル近く(4万4,813ドル)と、こちらも韓国の方が多くなっています。(OECD)
世界的な企業となったサムスン電子やヒョンデ自動車の初任給は、ソニーやトヨタ自動車のそれを上回っていると言われています。

こうした“日韓逆転”ともいえる現象について、最近、両国の経済を比較した著書を韓国で出版し話題となった韓国外国語大学のイ・チャンミン(李昌?)教授に話を聞きました。

(イ・チャンミン教授)
「2004年に留学で初めて日本を訪れた時、日本は紛れもなく憧れの先進国だった。しかしその後、社会、経済など様々な分野で日本のガラパゴス化が進んだ。“日韓逆転”現象は、韓国経済の成長と言うよりは日本経済の停滞によるものだ」

確かにこの20年間をみますと、韓国のGDPは3倍に増えているのに対して、日本は多少の増減はあるものの全体的にはほぼ横這いか減少傾向にあります。

【日韓逆転の背景】
イ・チャンミン教授にとって“憧れの先進国”だった日本の経済はなぜここまで停滞し、分野によっては韓国に逆転されるまでになってしまったのでしょうか?
ここからは、いくつかのデータをもとに、その原因と背景を探ってみたいと思います。

こちらは国連の社会経済局が発表している世界電子政府ランキングです。
行政手続きのデジタル化などICT=情報通信技術による公共サービスの進展度を示しています。韓国はデンマークに次いで第2位、日本は上位10位にも入らず14位でした。一年前にデジタル庁を立ち上げたばかりの日本と、20年以上前から国を挙げてデジタル化に取り組んできた韓国とでは、これだけの差が開いてしまっているのです。

次に科学技術についてみてみましょう。
2019年度に博士号を取得した人は、日本は1万5,128人、韓国は1万5,308人でした。韓国の人口は日本の半分以下ですから、実際には日本の2倍以上の人が博士号を取得したことになります。韓国ではこの20年ほどで2倍以上に増えていますが、日本は2006年をピークに減少傾向にあります。

ちなみにアメリカの大学で学んでいる韓国人留学生は中国、インドに次いで3番目に多い3万9,000人あまり(3万9,491人)、日本は3分の1以下の1万2,000人足らず(1万1,785人)です。

こうした内向き傾向も影響しているのでしょうか?
自然科学の分野で引用回数が多く注目度や評価の高かった論文の数を見てみますと、日本はおととしまでの3年間の平均で3,780本、韓国は3,798本で、わずかながら韓国が上回っています。日本の引用論文数は減ってきているのに対し韓国はこの20年間で6倍近くも増えています。

GDPに占める研究開発費の割合でも、日本は3.29%なのに対し、韓国は主要国でもっとも多い4.81%、ここでも日本を上回っています。

ノーベル賞を受賞した人の数では日本は韓国を凌駕していますが、日本が得意としてきた科学技術の分野でも、韓国に迫られ、あるいはリードされていることがうかがえます。

社会の多様性を示す女性の社会進出という点ではどうでしょうか。
国会議員に占める女性議員の割合は、日本が9.9%、韓国は18.6%、国家公務員の局長など上級管理職では、韓国の方が2倍以上も女性の割合が高くなっています。(日本:4.18%、韓国:8.55%、OECD)

こうして見てきますと、日本は「デジタル化」、未来を担う「人材の育成」、「社会の多様化」こうした分野への取り組みが、韓国に較べて十分でなかったことがみてとれます。
もちろん日本の方がはるかに優れていることもたくさんありますし、韓国には貧富の格差、行き過ぎた学歴競争や若者の就職難といった深刻な課題があります。
ただ日本と韓国との関係が新たな局面に入ったことは間違いないでしょう。

“日韓逆転”ともいえる現象をどう受け止め、これからの両国関係はどうあるべきなのか早稲田大学の深川由起子教授に聞きました。

(深川教授)
「これまでのように垂直的な、追いつかれる追いつくっていう構造のフレームワークは払拭しないといけないと思います。ひとつは共通の課題に立ち向かっていく。少子高齢化以外にも資源小国ですし、第3国に向けて成功の共有という意味では途上国の支援とか難民の支援。これでもポジティブに競ったり、協力して日韓が考える良いフレームワークというのを提供していくという協力の余地というのはたくさんあります。そういう共通課題、共通部分を探していくというのがありうる考え方なのかなと思います」

【日本のこれから】
最後に、日本が再び活力を取り戻していくためにはどうすれば良いのか考えます。

先ほど述べた「デジタル化」、「人材の育成」、「社会の多様化」。こうした分野への取り組みを進め、それによってイノベーションの担い手となる人材の質と量を向上させていくことが必要でしょう。
韓国に遅れをとっているかも知れないという現実は、私達にとってけっして喜ばしい話ではありません。しかしこの国の将来を考えれば、身近なところに韓国という手強いライバルが出現したことは、むしろチャンスととらえるべきではないでしょうか。
韓国の失敗は戒めとして繰り返さず、韓国の成功からは率直に学ぶ。そんな謙虚な姿勢こそが、日本が今の閉塞状況から脱し、将来の発展につながる道ではないかと考えます。  

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