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辺野古改良工事『代執行訴訟』沖縄県敗訴の影響は/西銘むつみ・nhk
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投稿者 仁王像 日時 2023 年 12 月 28 日 15:39:09: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

辺野古改良工事『代執行訴訟』沖縄県敗訴の影響は/西銘むつみ・nhk
2023年12月21日 (木)
西銘 むつみ 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/490633.html

沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設先になっている名護市辺野古沖の地盤の改良工事をめぐる裁判で、福岡高等裁判所那覇支部は20日、国の主張を認め、移設に反対する沖縄県に対し、工事を承認するよう命じました。裁判の争点から見えてくる移設計画の課題と判決の影響について考えます。

国と沖縄県が争ったいわゆる「代執行訴訟」。玉城知事みずからも法廷に立って意見を述べました。判決の日の20日は、32の席に対し172人が希望し、倍率およそ5.4倍の注目の裁判となりました。

今回の裁判に至る経緯を振り返ります。普天間基地の移設計画は、名護市辺野古沖を埋め立て、長さ1800メートルの滑走路をV字型に2本建設するというものです。
しかし、アメリカ軍キャンプシュワブの北側、大浦湾側の区域で軟弱な地盤が見つかりました。防衛省は、地盤の改良工事が必要になったとして県に設計変更を申請しましたが、移設に反対する県は申請を「不承認処分」としました。このため、改良工事ができず、埋め立て区域全体の7割ほどの面積を占める大浦湾側では工事は進んでいません。
今回の裁判とは別に、国と県はこの問題を法廷で争いましたが、「不承認処分」を取り消すよう県に求めた国の「是正の指示」は法律上問題がないとして、最高裁で県の敗訴が確定しました。しかし、県が国の求めに応じなかったため、国は県に代わって承認を行う「代執行」に向けて福岡高裁那覇支部に裁判を起こしました。そして、20日、国の主張を認める判決が言い渡され、県が敗訴しました。

裁判の争点の1つは「代執行」以外の方法で解決できるのかという点でした。
国は「代執行以外の方法によって是正を図ることが困難だ」と主張し、県は「国は対話による解決を放棄してきた」と主張しました。
もう1つの争点は、県が国の設計変更の申請を承認しないことが「著しく公益を害するか」という点でした。
国は「日本の安全保障と普天間基地の固定化回避という公益上の重大な課題が達成されず著しく公益を害する」と主張し、県は「県民投票でも反対の民意が示されていて、明確な民意それ自体が公益として考慮されるべきだ」と主張しました。

判決で福岡高裁那覇支部の三浦隆志裁判長は、「普天間基地の危険性が人の生命や身体に大きく関わるものであることに加え、設計変更の申請からおよそ3年半がすでに経過していることなども踏まえると、承認せずに放置することは社会公共の利益を侵害する」などとして国の主張を認めました。
そして、県に対し、判決を受け取った翌日から土日を除く3日以内に工事を承認するよう命じました。期限を過ぎても県が承認しなければ、国が県に代わって工事を承認する「代執行」が可能になります。国が過去に自治体の事務を「代執行」したケースはなく、行われれば異例の事態となります。

国と県は、これまでも“法廷闘争”をくり返してきました。辺野古移設に関連するだけでも14の裁判が行われ、これまでに7件で県の敗訴が確定しています。このうち「代執行訴訟」は翁長知事の在任中にもありました。前任の仲井真知事が承認していた辺野古沖の埋め立てを、翁長知事が取り消す処分を行ったことによる裁判で、和解が成立し「代執行」には至りませんでした。

“法廷闘争”は辺野古移設に関することだけではありません。28年前に「職務執行命令訴訟」がありました。私も取材班の1人でしたが、民有地をアメリカ軍用地として強制使用するため、土地調書に署名捺印する「代理署名」を、当時の大田知事が拒否しました。アメリカ兵による少女暴行事件が起き、基地の整理縮小を求める機運が高まる中でのことでした。この裁判でも県は最高裁で敗訴しています。
今回の裁判も、審理が1度しか開かれなかったことなどから、県にとって厳しい結果になるのではないかと見られていました。それでも県が“法廷闘争”を繰り返すのはなぜなのでしょうか。
歴代の県知事のことばからは、国土面積のわずか0.6%の沖縄に、アメリカ軍専用施設のおよそ70%が集中する現実と向き合ってきた苦しい胸の内が見て取れます。
大田知事が代理署名を拒否する数か月前、別の取材で知事と話した私は、大田さんが「沖縄はこれまでずっと長いものにまかれるというようなことをしてきました。このままでいいのかと思うことがあるのです」と語ったことが、強く印象に残っています。代理署名拒否を見据えていたかのようなことばでした。
辺野古移設を容認して当選した稲嶺知事のことばです。「国民の皆さんには、沖縄は基地の負担が重く、軽減されるべきだという考えを持ってもらいたい」。埋め立て申請を承認した仲井真知事は、承認前、「明らかに不公平・差別に近い印象すら持ちます」と発言。翁長知事は「代執行訴訟」の際、「裁判所には基地の過重な現状と、それを是正できない日本の民主主義の現状なども見通して判断を願いたい」と述べました。

では、判決の結果、普天間基地の移設計画はこれからどうなるのでしょう。
県は判決から1週間を期限に最高裁に上告できますが「代執行」を止める効力はありません。判決のあと玉城知事は「多くの県民の民意という真の公益をくんだ判決がなされるべきだった」と裁判所の判断を批判しました。工事を承認するかどうかなどについては、判決内容を踏まえて検討することにしています。
防衛省はすでに工事業者と契約を結んでいて、今後、資材や機材の搬入などを行い、年明け以降、工事に着手することにしています。
ただ、この改良工事には課題があります。埋め立て予定区域で見つかった軟弱地盤を強化するため、およそ7万1000本のくいを海底に打ち込みます。
70メートルの深さまで打ち込む予定ですが、防衛省は、この深さの工事はこれまで国内で実施されたことがないとしています。そして、アメリカ軍に施設を提供するまでには、およそ12年、経費は当初の見積もりの2.7倍、およそ9300億円に膨らむとしています。
沖縄にあるアメリカ軍基地は、78年前の沖縄戦をきっかけにつくられました。その後27年間のアメリカ統治下で日本国憲法が適用されない中、本土にあった基地も沖縄に移転し今に至っています。
基地をめぐるさまざまな局面を取材してきて耳にするのは「何を言っても国のすることにはあらがえない」という落胆の声です。今回取材した普天間基地がある宜野湾市に住む30代の男性は「辺野古に移設したら沖縄の負担が減るのかというと納得がいかず、問題が移動しただけで根本的な解決にならないと思います」と話していました。
今回の裁判を、単に国と県との“法廷闘争”としてとらえるのではなく、その背景に沖縄へのアメリカ軍基地の集中と負担が変わらずにあるということに、いま一度、目を向けてほしいと思います。  

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