原子力安全・保安院が　まともか検査する機関が必要
違法なら　懲戒免職　刑事責任も負わせる機関が必要

この力を仮定し部材の強度との比較で安全かどうかを判定するわけだが、通常時の力に対して３程度の安全率とし地震のような短期の荷重では１,５程度の安全率で決める。これは仮定した力の１,５倍の力がかかればその構造部は破断するということを意味する。ただしこれはいつも50％の余裕があることを意味しない。個別の部材の強度にはばらつきがあり施工のやりかたによりこちらもばらつきがある。コンクリートなど部分的に劣化が進む。鋼材も経年変化で錆が進む。そのための余裕である。

以前の建築土木構造物では設計水平力は０,３とか０,４Ｇで計算していたが各地での地震被害ではこれでは心もとないということで最近は少し数値を上げて０,５Ｇつまり500ガル程度を設定して計算している原発もある。今度再稼働を承認した川内原発ではこれを０,６Ｇつまりつまり600ガル程度で計算したので規制委員会は安全と判定したとしている。しかしこの数値はこれ以上数値を上げれば工事費用が高くなりすぎるために政治的にまた経済的な要請により決めた基準に過ぎない。最近の多くの地震では1000ガルを超えたり2000ガルに達したデータも報告されている。阪神大震災でも新潟中越地震でも記録した。

はっきりいって600ガルなどの設計基準では話にならない。東海大地震の震源域にある浜岡原発は当初からこの600ガル程度で計算されているとされるがこちらも話にならないと断言できる。ここをプレート境界型の地震が襲えばまず間違いなく配管はズタズタになるだろう。浜岡原発がメルトダウンすれば今度は東海道が寸断される。影響は福島の比ではない。

私は数年前橋梁の耐震補強の設計施工に係ったがそのときの計算基準は地震時１,５Ｇつまり1,470ガルだった。こちらと比べても話にならない。配管を止めているボルトもそれを支えているコンクルートもとても持たない。振幅の異なる構造物にかかる力は計算式を仮定することも難しい。