http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/13178528.html
地震と原発、そして地震衝撃波

　ほぼ２か月前、空間線量計を売っているお店で聞いた話ですが、最近は全くお客が来ないと言うことでした。秋葉原と鹿児島の、両方とも同じ状況でした。「みんな、関心が無くなっている」ということでした。

　地震衝撃波のことを訴えていますが、多分、ほとんどその危険性は伝わっていません。原因はいろいろあるように思います。最も大きいのは情報の流れがコントロールされていて、現状の深刻さがほとんど明らかにされていないからでしょう。

　２０１１年３月１１日の大地震、東北地方太平洋沖地震が起こる前のことを振り返ってみましょう。

１．２００４年10月、新潟県中越地震、Ｍ６．８
２．２００４年１２月、スマトラ島沖地震、Ｍ９．１
３．２００５年３月、福岡県西方沖地震 、Ｍ７．０
４．２００７年７月、新潟県中越沖地震、Ｍ６．８
５．２００８年６月、岩手・宮城内陸地震、Ｍ７．２
６．２００９年８月、駿河湾で地震、Ｍ６．５

　２００４年の中越地震から、中越沖地震、岩手・宮城内陸地震と東北地方でＭ６の後半の大きさの地震が連続していて、３１１の大地震の震源域を地震の空白域として、その周辺でＭ６程度の地震が頻発をするという現象が起こっていたことが分かります。

　問題は、２００５年の福岡県西方沖地震や、２００９年の駿河湾での地震です。つまり、既に西日本での巨大地震、南海地震とか、東南海地震、または東海地震の発生が視界に入りつつあり、それらの前震活動が始まっているということです。

　１９９７年に起こった鹿児島県北西部地震（M6.6）で、鹿児島県の宮之城高校は明らかに地震衝撃波の被害を受けています。西日本は関東地方や東北地方よりも古い地層が多く、花崗岩の岩盤が多く分布しています。また、西日本の原発は加圧水型の原子炉で、蒸気発生器という巨大な部品が格納容器の中に入っていて、格納容器の大きさが沸騰水型に比べて格段に大きいのです。これらのことから、西日本の原発の方が東日本にある原発よりも地震衝撃波被害を受けやすいと言えます。また、加圧水型原発はどれもまだフィルターベントの装置が付いていません。同様に、免震重要棟もできていません。西日本の原発が事故になれば、漏れた放射能は関西、関東、東北、北海道へ向かうわけで、福島とは比較にならない広範囲での被害が発生します。

　静岡県にある浜岡原発は、東海地震と言うマグニチュード８級の海溝型の地震の震源域の真上にあり、世界で最も危険な原発と言われています。１号機から５号機まであり、１・２号機は廃炉となっていて、核燃料は使用済みを含めて運び出しを完了しているという話です。しかし、３号機から５号機は再稼働を目指していて、核燃料は原発内部にそのままあります。海溝型の大地震では、陸側プレートが跳ね上がるわけで、まさに地震衝撃波被害を大きく受けることになります。中部電力は耐震性能を１０００ガルまで高める補強工事を行っているということですが、地震衝撃波の大きさは５０万ガル程度にまで大きくなると言われていて、１０００ガルなどほとんど話にならない数値です。特に、岩手・宮城内陸地震では震源域近くで４０２２ガルを記録していて、震源域では、周辺域よりも加速度の大きさが比較にならないほど大きくなることがはっきりしています。浜岡原発の敷地全域で１万ガルを大きく上回る揺れが発生することは明らかであり、まったく想定していないような被害が発生するでしょう。

　一度ある程度の大きさの被害が発生してしまえばすべては後の祭りです。そして、被害を発生させないための準備にはとても長い時間がかかります。核燃料を原発敷地内にとどめておくという前提で考えても数年では済まない時間が必要です。そもそも使用済み核燃料の乾式キャスクでの保管には５年以上のプールでの水冷が前提ですし、また、日本の電力会社は乾式キャスク自体を十分な数用意していません。

　３１１後の日本は、全てが軍産複合体によりコントロールされていて、危機対応がピントはずれになっているように思います。次の原発震災が起こったとき、「なぜ日本は原発再稼働をやったのか？地震が起こることは明らかであったのに、なんて無責任なのだ」という世界世論からの批判にさらされることは明らかでしょう。

2015年8月06日07時05分　武田信弘　 　

コメント
1. 2015年8月06日 09:38:45 : 80SjnDjC0c 　記事内の危惧に全く同感です。 　東海地震が日本滅亡の時ですね。（東南海・南海地震等でも伊方・川内はまず確実にやられるだろうから、そちらが先でも日本壊滅です） 　東北大地震と福島原発の現実を直視すれば、これほど明々白々な未来予測が可能なのに「未だに再稼働や新規建設を目論んだり、再処理・核燃サイクルを続ける」など「狂気」と言う以外に表現が有りません。 　これらの現実は第２次大戦で日本壊滅まで突進した事実と相似形です。 　日本の指導層には「日本自滅遺伝子」が組み込まれているのでしょう。
2. 佐助 2015年8月06日 13:46:27 : YZ1JBFFO77mpI : KTZjxPAPgA 放射能漏れが多くなり，福島自己原発と同じクラックが想定されていた，１・２号機の廃炉は正解ですが， 残りの原子炉は耐震性能を１０００ガルまで高める補強工事を行っても，分子レベルでは共鳴共振により、物質の接続箇所やパイプ部分に腐食・穿孔・発熱から逃れることは出来ません。すなわち地震津波がなくても事故発生は避けられない。もしイオン化により亀裂・腐食・穿孔・発熱が進み不具合が助長したときに，地震・津波があると，福島事故原発と同じ悲劇が発生します。しかも容器は不良品だと思います。応力テストもやってないし，受け入れ検査もやってないと思われる。デタラメである。 従って亀裂・腐食・穿孔・発熱が助長すると冷やせば放射能漏れも高温発熱も低下するという想定は、原子物理学の幻覚なのだ。 物理学は原子レベルで発見された法則と原理を、他のレベルに押しつけたために自然現象は不確定性（あいまい・確率）が原理だという結論が支配されてしまった。そして放射能を含む水素や蒸気漏れが避けられない原発の設計の隠れて見えなかった危険性が、3・11 の福島原発事故の地震と津波によって、露呈されたのである。 冷水で冷やすと、絶対破壊されることのない容器の中で、使用ズミ核燃料棒の自己溶解（メルトダウン）は発生した、自己溶解しないと断言していた原子物理学者のウソがバレたのである。しかも冷却水をかけても、共鳴振動数の一致／不一致により、腐食・穿孔・発熱を発生させることを無視している。 物理学は、分子レベルでもプラスとマイナスで結合／プラスとプラスで分離するという原子レベルの法則原理を固執する。そのため、パイプを張りめぐらせた化学工場や、リチウム電池などで、分子の共鳴振動数の一致／不一致を無視すると、パイプや容器の材料、或いは、異なる物質の接続部分で、想定外の腐食・穿孔・発熱事故を発生させることが福島原発事故で証明されている。
3. 茶色のうさぎ 2015年8月06日 14:57:33 : qtmOTsgWNIsK2 : bzzTJ1yJIo こんなに地震を心配しても、みんな知らん振りですね、無関心。！　日本人は忘れ易い性格のバカ。！ 川内原発は、８月１０日（月曜）に再稼動ですね。！ 地元の、住民説明会が無くても、避難計画が無くても、了解なんでしょ。！地元は。！💢 地元議会も、危険を知っていても、容認してるんでしょ。！　九州電力なんて知らん振りですね。！　 住民も議員も怒らないね。！　怒ったら、ニュースくらいになるね。！　うさぎ♂　無関心が悪い。！ 勇気ある者は何でも実行に移つせー。！あきらめんなよーー４日で稼動だよー
4. 2015年8月06日 15:07:00 : kdyOAg1CMc 事故が起きたら「後の祭り」。 田中規制委員長は「新基準に適合を判断するだけ、安全を保証するものではない」と云い・ 安倍草履大臣は「規制委員会が世界最高レベルの安全規制基準に合格の判断したら再稼働させる」と云う。 山本太郎の特別委員会での質問最後の時間切れ直前の発言「総理は規制委員会に責任転嫁しましたね」で終了。 議事録にはどのように記載されるのか、見ものである。 要追跡。
5. 2015年8月06日 18:38:00 : R3ezAPvbZM IAEAの如き国際シンジケートよって原子爆弾そして其の副産物の原発は、福島事故のような病理が発生しても無かったことと無視される仕組みが出来上がっている。投稿者の言う軍産複合体のコントロールにあるとの表現のとおりです。 　　福島は完全に押さえ込まれてしまったし、悲惨な被害を受けたものが救われない状態が当たり前となり、被害がない地域が今度は次々と危険の連鎖の鎖につながれることになる。原発がクラッシュするような５０万ガルぐらいは人工的にも起こせるのではないか。無防備この上ないことである。原発撤去しかないのに、新潟県知事の踏ん張りと、辺野古の沖縄人の拒絶する姿勢でしかこの民族の危機を脱却できないとしたら最早望み薄だ。

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