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あなたは損している? 意外に多い「保険のミスマッチ」〈週刊朝日〉
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/146.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 8 月 26 日 16:15:35: igsppGRN/E9PQ
 

             保証内容、覚えてますか?(※イメージ)


あなたは損している? 意外に多い「保険のミスマッチ」〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150826-00000010-sasahi-life
週刊朝日  2015年9月4日号より抜粋


「生命保険に入っているが保障内容は覚えていなかった。それで、自宅に戻って保険証券を見てビックリした」

 50歳を前に、周囲に入院や手術の話題が増えた会社員の香山康司氏(仮名・49歳)は打ち明ける。

 そもそも保険には、万一の際に残された家族を支える死亡保険、病気やケガによる入院や手術に備える医療保険、貯蓄と万一の保障を兼ねた養老保険などがある。死亡保険には保険期間が一定で満期金のない定期保険と、保障が一生涯続き貯蓄性もある終身保険がある。子どもの教育費がかかる間は定期保険で保障を厚めにし、老後に妻が残された場合のお金は終身保険で準備することが多い。

 医療保険も保障が一定期間の定期型と一生涯続く終身型がある。定期保険や定期型の医療保険は、若いうちは保険料が安いものの、契約更新のつど保険料が上がる。終身保険や終身型の医療保険は契約時の保険料が払い込み終了時まで続く。

 香山氏の保険は主契約となる終身保険に、保険期間が10年で65歳まで契約が自動的に更新される定期保険と、65歳までの医療保障が特約として上乗せされた定期付き終身保険。30歳で結婚した際、職場にやってきたセールスレディーにすすめられたもので、死亡や高度障害の状態になったときには3200万円の一時金と10年間毎年300万円の年金が出ると聞き、「これならいつ何があっても大丈夫だと安心した」(香山氏)とか。

 ところが、この保険は死亡時期で受け取れる保険金が違ってくる。65歳までに死亡もしくは高度障害の状態になれば、前述の一時金と年金を受け取れる。しかし、65歳以降に死亡もしくは高度障害の状態になった場合には、200万円の一時金しか受け取れない。

 そのうえ、現在の保険料月額は「おこづかいで払える金額」(香山氏)といっても2万9073円と安くない。50歳以降はさらに上がり、30歳の加入時から65歳までの保険料の総支払額は1727万2680円にのぼる。

 65歳以降も医療保障が欲しい場合は、195万円を一括払いする必要がある。払い込んでも保障は80歳で終了する。

「自分がどんな保険に入っていて、どんな保障を受けることができるのかを知らない人が多すぎる」

 ファイナンシャルリサーチ所属のファイナンシャルプランナーの野尻美江子氏はこう強調する。

「家計相談で『月々2万円も保険料を払っているから保障はバッチリ』と言う方の保険を確認したら、なんと貯蓄型の養老保険だけ。医療保障はないのに『入っている』と思い込んでいたので心配になった」(野尻氏)

「保険に悪いものはない」とファイナンシャルプランナーの山口京子氏は言う。

「ただし、自分が必要とする保障内容と、いま加入している保険がミスマッチの可能性はある」(山口氏)

 節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏は「ムダな保険は節約の大敵」とバッサリ。ミスマッチな保険からは一刻も早く卒業したほうが良さそうだ。

 

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コメント
 
1. 2015年10月07日 08:14:20 : jXbiWWJBCA
http://diamond.jp/articles/print/79450
【第5回】 2015年10月7日 
岩瀬大輔先生に学ぶ「保険」の話
お金の謎を解く冒険。今回はわかっているようでわかっていない「保険」のお話。先生は生命保険会社の社長、

岩瀬大輔さんです。ハーバードへの留学経験もある岩瀬さんは「日本人のお金感」に疑問を抱きます。お金、リ

スク、そして、保険。お金の本質が見えれば、人生が開かれる! 人気投資マンガ「インベスターZ」とのコラ

ボ企画。最高の講師をお迎えして、お金の授業がいま始まります!!
取材・構成:岡本俊浩/写真:加瀬健太郎/協力:柿内芳文(コルク)

話題の投資マンガ「インベスターZ」とは
中学生が株式投資!? 世界一タメになるお金漫画、誕生!創立130年の超進学校・道塾学園にトップ合格した財前

孝史。入学式翌日に明かされる学園の秘密、それは各学年成績1位のみが参加する「投資部」が存在することだっ

た。少年よ、学び儲けよ!そして大金を抱け!! 投資部・財前の「株儲け」がいま、幕を開ける。

<今回の先生>


岩瀬大輔(いわせ・だいすけ)

1976年生まれ。東京大学法学部を卒業後、ボストンコンサルティング グループなどを経て、ハーバード大学経営

大学院に留学。06年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2010年には、世界経済フォーラムの「

ヤング・グローバル・リーダーズ2010」に選ばれる。13年6月から、ライフネット生命保険代表の取締役社長兼C

OOを務める。主な著書に『ハーバードMBA留学記 〜資本主義の士官学校にて〜』(日経BP社)、『生命

保険のカラクリ』(文春新書)、『入社1年目の教科書』(ダイヤモンド社)などがある。

きみは65歳までに3000万円貯められるか?

 いま、世界のいろいろな国が「お金」の問題を抱えています。

 むろん、日本もその例外ではありません。そのなかで、ぼくが一番懸念を持っているのは「老後資金の不足」

です。これは将来、深刻な社会問題になると考えています。

 現在、日本の出生率は1.42(2014年、厚労省)。あと10年もすると、団塊世代(戦後の最大のベビーブーマー

)が75歳を超え、後期高齢者になります。

 この段階で、日本の人口ピラミッドは、現在のキノコ型から限りなく逆三角形に近い形になる。つまり、若く

なればなるほど、人口が少なくなっていくことを意味します。若い世代には重い負担がのしかかってくるので、

年金受給額は減るでしょう。医療負担も増大する可能性も極めて高い。

 だから、「65歳段階で3000万円貯金がないと乗り切れない」とか、そういう話が世の中で盛んにされるように

なっている。しかし、こんなに貯金できる方は実際どれだけいるでしょうか。

 状況として相当まずい。だから、現状の公的年金になんらかの形で上乗せしないと、老後を暮らせない人が続

出するのじゃではないかと思います。

「誰かがなんとかしてくれる」と思っている日本人

 残念ながら、現在の日本では対応策もほとんどとられていません。

 ただし、海外に目を向ければヒントはあるんです。

 たとえば、近年のイギリスです。

 高齢化の問題は、日本だけが突出しているように思われていますが、実は先進国はどこも同じ問題を抱えてい

るのです。イギリスも老後資金が足りないという問題に直面しています。そこで何をやったかというと、上乗せ

の年金サービスの加入を「オプトアウト」にしたのです。「拒否」を意味するオプトアウトという仕組みは、「

追加の年金に加入しません」と書類にチェックを入れない限りは、自動的に加入させる仕組みです。「入りなさ

い」と言ってもなかなか入りませんが、この仕組みにしたところ、加入率が大幅に上がったというのです。

 しかし、こういった試みが日本社会で議論されることは、なかなかありませんよね。

「誰かがなんとかしてくれるでしょ」

 このぐらいの認識かもしれません。

「社員は家族です」を掲げた、「日本型企業」が社会のスタンダードだった1990年代なかごろまでは、年金など

の社会保障費は会社が面倒を見てくれました。最たるものは「企業年金」ですね。毎月の給料から会社が天引き

。積み立てたお金を、退職以降にもらうシステムです。黙っていてももらえますから、安心は安心ですが、これ

では年金システムに当事者意識が及ばないのも当然です。

 要するに、老後資金の問題は、多くの人にとって「会社」に象徴される——「大きな父親」が面倒をみてくれる

パターナリスティック(父権主義)な問題だったといえます。

 でも、そんな日本型企業のありようは、この20年で変わりました。もはや転職はあたりまえ。会社がなくなる

ことだってある。退職金をもらえる人はそう多くないのです。それ以上に、非正規雇用も増えました。国民年金

を払えていないケースも多い。

 もはや老後資金の問題は、自分で考えなければならない問題になりました。

きみは1万円札を破けるか?

 ところが、こういう状況になって久しいにも関わらず、日本のマネーリテラシーは高いとは言えませんよね。

 お金を貯めこむことは必死にやろうとするのに、どこかお金の本質から背を向けるきらいがあるとはいえない

でしょうか。

 小説『億男』(マガジンハウス)を書いた川村元気さんと対談をさせてもらったとき、印象深い話をされてい

ました。

 ある晩、川村さんは仲間と呑んでいました。宴席で「お金の実験だ」と言ってやったこととは何か。いきなり1

万円札を破いたそうです。そしたら周囲がドン引き――。

 1万円札は高額紙幣ではあります。ただ、その一方では「ただの紙」でもあります。

 破ったのはただの紙。極端な話、それで誰かを傷つけるなんてこともないのに、みんながドン引きした。

 なぜこんな反応が起きたかというと、川村さんは、お金が「仏像」「宗教画」的な側面を持っているからでは

ないかとおっしゃるのです。「お金を破く=偶像破壊」なんだと。

 こんなお話も聞きました。

 日本の親は、子どもによくこう言います。

「お金をさわったから、手を洗いましょうね」

 当然、お金はたくさんの人の手を渡り歩いていますから汚れています。ただ、バイ菌が付着しているのは、階

段の手すりやドアノブとか他にも幾らだってあります。それなのに、お金を触ったときにだけ「洗いなさい」と

強調するのも、おかしな話ですよね。

 いまお話しした2つのことから見えてくるのは、お金は「神さま」のようでもあり、一方では「汚い」ものでも

ある。二律背反したものが同居するという構造です。


日本人は借金が大好き?

 この概念は、日本社会における「お金の貸し借り」に、大きな影響を与えているとも思うのです。

 ご存じですか? 日本のコンシューマーファイナンス(=消費者金融)は、世界的に見ても、実に巨大なマー

ケットを形成しているんです。マーケットが大きいということは、日本人はお金を借りることが大好きともいえ

ます。

 ところが、あるとき、ドイツ人の友人にこう聞かれたのです。

「ダイスケ、なんで日本では銀行がコンシューマーファイナンスをやらないんだ?」

 1990年代末。日本のコンシューマーファイナンスは、極めて特殊な状況下にありました。そのころ、コンシュ

ーマーファイナンスを手掛けていたのは銀行ではなく、独立系の事業者でした。日本人にとってはそれが普通の

ことでしたが、ドイツ人には「特殊」なことに見えた。お金を貸すのは銀行の仕事のはずなのに、それをやって

いないのか、と。

 なぜ、日本の銀行は、コンシューマーファイナンスをやらなかったんでしょうね。背景にあるのは、「本音」

と「建前」です。

 銀行は「本音」でいえば、やりたくて仕方がなかったのです。独立系事業者にシェアをかなり持っていかれて

いましたし、銀行が適性の金利でやれば、一時は社会問題にさえなった違法金利の問題も解決できたかもしれな

い。

 でも、やらなかった。当時は「消費者金融なんて、とんでもない」という建前があったからです。

 結局は大手の事業者が倒れ、銀行は次から次へと買収ないしは資本提携に走りました。いまでは無担保ローン

からキャッシングなど、なんでも扱うようになりました。きっかけさえあれば、ガラリと変わるというのはいか

にも日本的と思わざるを得ませんでした。


借金は恥ずかしいことなのか

 使う側(消費者)の意識にも、独特なものがありました、

 ぼくは以前、コンサルティング会社で働いていたのですが、その時、この分野について調査した時期がありま

した。利用者を集め、グループインタビューをやったときに、ある方がこんなことを仰っていたのです。

「いいオーディオを買いたかったから、(コンシューマーファイナンスから)お金を借りた」

 こう尋ねました。

「なぜ銀行じゃなかったんですか」

 こんな答えがかえってきました。

「いやいや、銀行は結婚して家を買うときにお世話になる場所でしょう。自分の趣味とか、そういうことのため

に使っちゃいけないんです」

 むろん、このころ銀行のサービスには「オーディオローン」はなかったわけですが、この建前にしても独特な

んですよね。

 要するに、お金を貸すのも借りるのも「ごにょごにょ」やるもので、周りの人にオープンにはしたくないんだ

と。

 そう考えると、アメリカ社会で根づきつつある「ソーシャルレンディング」が日本でうまくいかないのも頷け

ます。

 ソーシャルレンディングとは、「CtoC(個人対個人)」の融資を企業が橋渡しするITサービスです。ア

メリカでは代表格の「レンディングクラブ」が上場し、たいへんな株価がついた逸話があります。たとえば、あ

る男性が「家族のために新しい車が欲しいんだけど、あと200万円足りない」。女性が「素敵な結婚式を挙げたい

んだけど、あとこれだけ足りないの」と、サイトを介して資金を募るとします。すると、金利は年で3%とか、そ

ういった範囲で個人の誰かが貸してくれる仕組みになっています。

 当然、個人間でお金の貸し借りをするわけですから、相手がどんな人間であるかが大切になります。その点は

、ソーシャルメディアを介して「この人なら、大丈夫」という周囲の人間の評価がついてくるので、判断の材料

が担保される。つまり、食べログのような評価システムがあるのです。

 とてもいいサービスで、日本でも何社か類似のサービスを始めましたが、個人間となるとなかなか大きくなら

ない。クラウドファンディングは軌道に乗っても、このソーシャルレンディングが広まらないというのは「お金

の貸し借りは、ごにょごにょで」の表れなのかもしれません。

「無借金経営」は経営が下手な証拠?

 この構造から見えてくるのは、日本では「借金=みっともない」という感覚があるということ。実はこれ、ビ

ジネスの現場にも通ずる部分があります。

「あの会社は(わが社は)無借金経営で立派だ」なんて、よく言いますよね。

 でも、これは上場企業としては評価に値しないのです。なぜなら、経営でレバレッジ(てこの原理)がきいて

いないわけですから。

 資金調達さえすれば、少ない元手でも新たな取り組みができるのに、それをやっていないのです。リスクをと

っていないとも言い換えられますが、外にあるお金を有効に使えていない——というのは、「わが社は経営が下手

」と言っているのと同じことです。

 いま叫ばれているのは、内部留保があるならまずは株主や従業員に還元しましょう。資金が必要なら、きちん

とした戦略でお金を借りてくださいということで、これをうまくやれば、ROE(自己資本比率)が高い企業。

つまり、企業価値が高まるという話です。

 実際、アップルやマイクロソフトはお金を貯めこんではいるものの、一方では多くのお金を借りています。企

業買収やベンチャー育成で投資をするからです。つまり、お金のある人ほど借金するんですよ。

 何も、闇雲な借金を奨励しているのではありません。当然、借りる側、貸す側の節度は問われます。自分のキ

ャッシュフロー(流れるお金の総量)に見合った金額でないと、必ずリターンとリスクが交差してしまうので、

リスクに変わる何歩も手前で止める必要はあります。要するに常識の範囲の話であれば問題ないと思うのです。

「お金を借りること=みっともないこと」と捉えることは、もったいないですよね。

 仮に、お金を借りることができない世の中だとしたら、それはとても貧しい社会だと思います。誰もが、手元

のお金だけで生きていかなければならないので、手元資金を超える試みは一切できない。社会として萎縮してい

ますよね。


家庭の「経営説明会」をしよう

 これからの日本社会、どう考えてもお金の問題はついて回ります。

 お話ししたように、いままではやらなくてよかったことも、考えなければいけなくなります。

 お金のことだけではありません。たとえば、病気で働けなくなったらとか、そういった生活的リアリティのあ

る義務教育課程で必須なのではないか。ぼくはそう考えるのですが、現実問題はそうなっていません。

 だとすると、まずは家庭なのかなと。

 こんなお話があります。

 以前、日本のとあるファイナンシャル・プランナーの方とお会いしたのですが、この方が家庭でやっている試

みはとてもユニークでした。

 この方のご家庭は、お子さんが3人いらっしゃる。ディズニーランドに連れていったり、何かイベントがあると

きには当然、お金がかかります。一方で、この方の場合、毎年収入が変動するそうで、収入が一定ではないため

、去年できたことが今年はできないかもしれないと。

 だから、年末に家族報告をやると言うんですね。収入と支出を全部開示して、「来年はこれだけお金を使えま

す」と、家族報告会をするのです。

 確かに、お父さんが稼いできたお金で家族みんなは生活しているのですから、情報開示してはいけないなんて

ことは、ありませんよね。会社にたとえるなら、経営説明会。

 子どもの側に立って考えてみると、自分が暮らしていくためのコスト意識を高めるのは、決して悪いことでは

ありません。これに限らず、「塾代はいくらか、学校の行き帰りで使うお金はいくらかを使っているか」を割り

出して、知っておいてもらう。あるいは、お年玉やお小遣いも入れて同じことをやるのもいいのではないかと思

います。

 お金って「道具」でもあり「パワー」でもあるわけで、使い方と影響力を理解することが大事。使いようによ

っては善い方向に転びますし、間違えば人を傷つけてしまうことだってある。単にお金を持っているのが「幸せ

」なのではなく、それを使って何をするかの「基準」を持てるかどうか。

 そのことを、興味をもって勉強してもらえるかどうかが鍵ですよね。

お金の話をしたがらない日本人

 話を、ファイナンシャル・プランナーのご家庭に戻します。

 あるとき、その方が中学校で授業をして欲しいと頼まれました。家族報告の延長で「生命保険の書類もふくめ

て、全部明らかにして授業をしましょうか」と言ったら、生徒の父兄から猛烈な反対にあったそうです。

「自分たちも年収を明らかにしないといけなくなる!」

 クラスのなかで格差が生まれかねないと。だから「けしからん」と。どうやら、周囲にとってインパクトがあ

り過ぎたようです。

 このように、日本においては「お金の話はタブー」とされていますが、多くの国ではお金は普通に話す話題の1

つです。

 海外におけるお金の教育といえば、ぼくがアメリカのハーバード(経営大学院)に通っていたときの同級生で

、ユダヤ系ブラジル人の男性がいます。

 彼が子どものころ、おばあちゃんから受けたという教育には驚きました。

 まず手持ちのお金は、「3つの通貨に分けなさい」と教わるらしいのです。いまなら、ドルとユーロと何か、で

すよね。さらに、その3つをまた3つに分ける。株式や保険、車でもなんでもいいのですが、これをやると、資産

は全部で9つに分かれますよね。

 要するに、資産を様々な分野にまたがって分散保有する「アセットアロケーション」。投資の世界では、リス

ク分散の観点から基本な手法なのですが、これを子どもに教えるというんだから、そのおばあちゃんには恐れ入

ります。

 ここまでいかないにせよ、アメリカ人は、自分のお金に関してともかくなんでもチェックをします。たとえば

クレジットカードの明細ですよ。実際、記載のミスはけっこうあるものなんですが、みんな「何かあるんじゃな

いか」と自分の目でチェックする。

 単に「ケチ」なのではありません。アメリカという社会は「メリトクラシー」(能力主義)が根本にあるから

、努力したらした分だけ報われるというのが信条になっている。これはその表れ。マネーリテラシーって生きる

ための知恵であり、自己防衛本能ともいえますが、日本の親がここまで教えているかというと、そうではありま

せん。

「お金は動く」という実感を得よう

 でも、環境にさえ恵まれていれば、学ぶことはできる。

 ぼくは、小学生のころイギリスに住んでいたことがあります。30年近く前の話ですが、イギリスの小学校の奨

励で、子どもにも口座を作らされたのです。そのころのイギリスはたいへんに景気が悪かったので、政府はお金

を集めたい。だから、預金を奨励していて、金利がとても高かったんです。5%から7%ぐらいの金利でしたかね

。すると、額は小さくても預金残高が増えていく実感が得られるのです。

「あ、お金って『動く』んだな」

 子どもながらに感じて、楽しかったことを覚えています。金利によって、「お金が増えていく経験」を学ばせ

てもらいました。

 金利は、ファイナンス(金融、財務)における「コア」の概念です。コーポレートファイナンス(企業財務・

金融)で最初に勉強することも、金利。

 現在の日本の銀行預金金利は年率0.02%です。このような超低金利時代で育つと、お金が動く経験をしづらい

ため、いまの若い世代の方々は金利の概念が抜け落ちてしまう可能性があります。意識して勉強しないといけな

いテーマではないでしょうか。僕は、このように生活していく上で誰もが必要な知識こそ、義務教育で教えるこ

となのではないかと心底思っています。

上手にリスクをとって豊かに生きるには

 もう一つは「リスク」に関する考え方です。

 これから先、生きているだけであらゆるリスクに直面します。むろん、「なるべくリスクは減らしたい」。誰

もがこう考えるかもしれません。ただし、何かを選択するときに、リスクは決してゼロにはできないのです。リ

スク回避が行き過ぎてしまうと、極端な話——「何もしない」という選択になりかねない。

 将来が不安だから、結婚しません。子どももつくりません。人の人生には、いろいろな決断があるから「これ

はしません」というものはあっていい。

 しかし、人生は何かを選ばなければ、前に進みません。もちろん、選んだ結果、がっかりすることもあります

。それでも、選ぶということからは逃げられません。

 リターンはリスクをとらなければ得られない仕組みになっているのです。

 そうでなければ、人生はまるごと「棚からぼた餅」状態ですよね。そんな人生はあり得ません。

 たとえば、車を運転したいと思ったら、保険に入っていないと乗れない仕組みになっています。人が自動車に

乗れば、行動半径は飛躍的に広がる。これはリターン。その一方で、自分や人を傷つけるリスクもある。恋愛も

そうですよね。恋人ができれば、幸せになれる一方、関係が破たんすれば傷つきもする。これもリターンとリス

クです。表裏一体なんですよね。

 ぼくの仕事に寄せて考えると、生命保険というのは本来、人がリスクをとって豊かに暮らすための手段なので

す。


生命保険のはじまり

 古代からずっとそうでした。生命保険の歴史は長く、実はローマ帝政のころに原型があります。

 紀元前27年以降のローマ帝政では、貧富の差が拡大します。おびただしい弱者が生まれ、そのため、数多くの

団体がつくられました。兵士の組合や手工業者の組合などが該当します。これらの団体の中で、亡くなられた方

のご家族に死亡給付金が支払われた記録が残っています。他にも、夫が結婚までに積み立てたお金を、結婚前の

妻に渡す慣習もあったといいます。

 なぜこんなことが行われたかというと、扶養者に「もしも」のことがあったときに、遺族が路頭に迷わないた

めです。いまとまったく同じです。

 これら生命保険の維持には、細かい取り決めがありました。当時のある組合の条文には、こうあります。

__


 1. 加入金(capitularium)は100セーステルティウス(22マルク)で,その他に,美酒1カメ(26リットル

)を添えねばならない。月々の拠出は5アスセース(27 1/2ペニヒ)である。


 2. 6ヶ月間引続いて拠出を怠った者に対しては,死亡給付金は支払われない。遺言状の中にその使徒が定

められている場合でも,支払はなされない。


 3. 死亡給付金(funeraticium)は300セーステルティウス(66マルク)だが,その中から50セース

テルティウス(11マルク)を控除し,火葬の際に葬列に加わる人々に分配する。この人たちは徒歩で行く。


(中略)


 7. 自殺に対しては一切,給付金は支払われない。


(中略)


 9. メンバー・リストの順序に従って,毎年4人が祝宴のホスト役に任命される。これらの人々は,祝宴の際

に,各メンバーに2アスセース(11ペニヒ)の値打ちをもつパン,4匹のいわし,ワインと混ぜるための湯,食器

,椅子用クッションを提供し,またそれぞれが1カメずつのワインを用意しなければならない。この役目を引き受

けたくない者は30セーステルティウス(6.6マルク)の罰金を支払い,代役に費用を補償しなければならない。そ

の翌年には再びその役目に任ぜられる。


(中略)

 12. 宴席では仕事の話は一切してはならない。

(H・ブラウン著、水島一也訳『生命保険史』(明治生100周年記念刊行会)より)

__ 

 古代ローマは、現代の生命保険制度を完成していた——と言いたいところですが、実はそうでもないのです。だ

いぶアバウトな面もあったんですよ。

 たとえば、死亡給付金はあっても、現在の生命保険が備えている「年金」の機能はなかった。『生命保険史』

によると、816年のイングランド公会議で年金支出を示唆する事項が書かれていたとか、1308年にはケルンの大司

教が終身年金契約を結んだ記録が残っています。つまり、かなりあとの時代にならないと、年金の仕組みは生ま

れていませんし、要になる死亡給付金に関しては、統計的な根拠に欠けていた。

生命保険のしくみ

 人は何歳まで生きるのか。統計的な根拠に基づいたシステムで、そうしたデータに基づいて、お金を長期で積

み立てる。これが現代的な生命保険であるかないかの分水嶺なのです。

 完成させたのは18世紀のスコットランド。2人の牧師が、同業者のために考え出した生命保険の仕組みは、極め

て高度な計算に基づいていたと言われています。


 ウェブスターとウォーレスが考え出した計画は(中略)十八世紀のスコットランドにおける啓蒙運動の産物で

もあった。彼らは、牧師が死亡した場合に残された妻子を養うための年金を牧師に支払わせるだけでなく、これ

を軸に基金を創設し、この元手を有利に投資して運用できるようにすべきだ、と主張した。そうなれば残された

妻子には、年金だけではなく、投資による収益からも支払いがおこなわれる。この計画を成功させるために必要

なことは、将来、何人ぐらいの受給者が生じるのか、受給者を支えるためにどれほどのカネを生み出せるのかを

、正確に見積もることだった。(中略)

「スコットランド牧師の寡婦基金」はこの種の保険基金の草分けで、金融史にとっては画期的なできごとだった

。スコットランドの聖職者にとっての福音であるばかりでなく、早期死亡に備えたいと切望する万人にとっての

モデルを確立したからだ。基金が実施に移される前からすでに、エディンバラやグラスゴー、セントアンドリュ

ーズの各大学から参加したいという要望が来ていた。それから二〇年のうちに、英語圏のいたるところで同じモ

デルに基づく似たような基金が生まれた。(中略)


一八一五年になると、保険の原理がかなり普及し、ナポレオン戦争で命を落とした兵士にまで適用されるように

なった。ワーテルローの戦いで兵士が死亡する確率は、大まかに言って四人に一人だった。だがもし兵士が保険

医入っていれば、たとえ戦地で息を引き取ったとしても、残された妻子が路頭に迷うことはないので安心できた

(中略)一九世紀の半ばまでには、保険に入ることは、日曜日に教会に行くのと同じぐらい名誉なことになって

いた。


(ニーアル・ファーガソン著、仙名 紀訳『マネーの進化史』より)


日本の生命保険

 過去何千年にも渡って、「稼ぎ頭がいなくなったとき、一家はどうするのか」。そういった課題解決するため

に、生命保険は運用されてきました。

 現代日本を例にとるなら、太平洋戦争後の復興期に生命保険業界は隆盛を極めます。

 なぜ日本の生命保険が伸びたのかというと、保険を「貯蓄」代わりにしたためです。言わば、「死亡保険のつ

いた貯金」だったのです。金利が7%から10%もありましたから、消費者もどんどん保険に加入しました。

 保険外交員も増え、いわゆる「生保レディ」と呼ばれた人々が主な担い手になりました。なぜ女性だったかは

諸説あります。よく言われるのは、「生命保険業界が戦争未亡人の雇用の受け皿になった」という説ですが、こ

れは俗説で、本当のところは「男性の働き手がいなかった」に尽きます。戦後の復興期ですから、男性は製造業

にとられてしまって、生命保険業界は女性に頼ったというのが実情です。

 高い金利、津々浦々を回った生保レディの頑張りで、生保マネーはどんどん積みあがりました。

 これらのお金を活用したのが国です。郵便貯金、銀行預金に集まったお金が国債に流れこんだのと同じように

、生命保険各社も安定した金融資産である日本国債を買ったわけです。政策的に誘導された側面もありました。

 生保マネーは、加入者から長期的に預かる代物なので重宝されました。ですから、戦後復興期においては、「

加入者」「生命保険会社」「国」の3つがエコシステム(生態系的なお金の流れ)で——つながって、うまく回って

いたのです。

 一方で、問題もありました。

 一社専属のセールスで保険を売る仕組みには、多くのコストがかかるのです。

 でも、会社としては収益をあげなくてはなりません。

 そこでどうしたかというと、商品を複雑にしたのです。特約として色々な保障をつけ、パッケージの商品にす

る。そうすると、消費者は保険会社がどれだけ手数料を抜いているかがわからなくなりますよね。商品の中身が

ブラックボックス化(見えなくなる)されるのです。

 戦後から高度経済成長期の金利が高かった時代には、消費者にとってはそう問題ではありませんでした。預け

た保険料は金利で増えていたので、手数料を抜かれても気にならない。加えて、自分たちの給料も毎年のように

伸びていった。どこまでが保険会社の手数料かわからなくても、問題にはならなかった。

 ところが、20世紀が終わると、金利は限りなくゼロ%になり、賃金も伸びない。老後資金の不安も出てくる。

複雑な商品設計は、消費者にとってメリットではなくなるのです。

 そういうなかで、ぼくらライフネット生命保険は、生命保険をインターネットで売っています。

 自社の営業職員はいませんから、その分低コストで保険を提供できます。商品は、貯蓄性はなく、保障性の商

品のみ。お客さまに保障内容を理解いただきやすいよう、死亡保険、医療保険、就業不能保険の3種類というシン

プルな商品設計にしています。いまの社会構造だからこそ、必要だと思っています。


お金にできることは案外多い

 最後に一つお話をします。

 お金で「できないこと」を理解することも、マネーリテラシーの一つですよね。

 次のような出来事がありました。ライフネット生命保険を開業した1年目に、当社の保険ご契約者がお亡くなり

になりました。当時、ぼくと同世代の30代男性。当社にとって初めて亡くなられたご契約者で、ぼくはご遺族の

ご自宅を訪問させていただきました。東京から電車で4時間の地方都市。うかがうと、残された奥さまとお子さま

、奥さまのお父さまが迎えてくれました。

「(ライフネット生命保険のロゴマークを指して)聞いたことない保険会社だけど、入っていて本当によかった

。娘は家を売らなきゃいけないところだったから、保険のおかげで助かったよ」

 お父さまはいろいろとお話してくださって、何度も感謝の言葉をいただきました。ただ、横にいる奥さまは一

言も発しないのです。帰りも車で駅まで送ってくださったのですが、そこでも無言でした。でも、当たり前のこ

とですよね。旦那さまがお亡くなりになって、幼い子どもと2人で残された。我々の保険で、家は売らなくて済む

し、お子さまが将来学校に通うためのお金も払うことはできるけれど、お金ができることはそこまでなのです。

奥さまの悲しみを癒すことまではできない。

 お金は、極めて強力な手段ではあります。お金があれば、人に、人生を切り拓くための機会は与えられるかも

しれません。ただ、決して万能ではないということ。このことは、知っておいて欲しいですね。

※この連載は不定期連載です。

[32削除理由]:削除人:関係が薄い長文


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