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急増中! 妻に先立たれて「家計崩壊」 〜年金は半分に! でも、出て行くカネはむしろ増える(週刊現代)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/249.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 8 月 31 日 18:01:15: igsppGRN/E9PQ
 

急増中! 妻に先立たれて「家計崩壊」 〜年金は半分に! でも、出て行くカネはむしろ増える
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44886
2015年08月30日(日) 週刊現代 :現代ビジネス


巷では「夫が逝くと妻は元気になるが、妻を亡くした夫は早く逝く」とも言う。うるさい、小憎らしいと思いながらも、長年ともに生きてきた妻。夫にとって、その死は驚くほど致命的なものになる。

■妻の後を追った演出家

「まさか、アイツが先に逝っちまうとは、思わなかったですよ。私は酒もタバコもやめられない口だけど、女房は一切、やらなかったしね……。

妻なんてのは空気みたいなもんだと言いますね。しかし、空気が突然なくなったと思ってごらんなさい。そりゃ、大変なことですよ」

東京・板橋区在住の高木信一さん(73歳・仮名)は、こう言って、一昨年に亡くなった妻の位牌を見やった。

長年連れ添った夫婦と言えど、寿命は人それぞれ。妻の生前は「口うるさいやつ」、「もう飽きた」などと言っていた夫でも、いざ妻を喪ってみると、ショックは大きいものだ。

その衝撃の深刻さを物語る事件が、7月29日に起きている。同日午前3時、ミュージカルなどの舞台演出や台本の翻訳で高い評価を受けていた、演出家の吉川徹氏(54歳)が自宅で首を吊って亡くなったのだ。

この日は、吉川氏の54回目の誕生日。そして午前3時は、今年1月3日に心不全のため急逝した、妻はるみさんの亡くなった時刻だった。

吉川氏が手掛けた舞台で、スタッフをまとめる舞台監督を務めた男性は、こう明かす。

「舞台の演出家には、気性が激しく、スタッフや出演者に怒鳴り散らすような人も多いのですが、吉川さんはとても物静かでした。ミュージカルの楽曲の歌詞を翻訳するときなどは、曲にぴったりの日本語を見つける。内向的で文学肌の人でした。

奥さんもとても控えめな人で、劇場に来ることがあっても、あまり目立たない印象でしたね。吉川さんより10歳くらい年下だったと思います」

芸能界では、仕事もプライベートも区別せず、家族ぐるみの付き合いをするような役者、スタッフも多い。だが、吉川氏は一線を引き、プライベートの話を避けるタイプだったという。

「お子さんもいなかったと思います。プライベートは奥さんと二人きりの時間が多かったでしょうね。1月に突然、奥さんが亡くなった後は、1ヵ月ほど仕事を休んでいました。復帰後、私が『ご愁傷様でした』と挨拶をしたら、『いやいや……』と苦笑いしただけで、自分は大丈夫だと見せようとしていたようでした。

吉川さんは奥さんに捧げる詞を書き、知り合いのミュージシャンに歌わせてオリジナルCDを作成し、私たち知人、友人に配っていました。いま、それを聴くと、何て繊細な人だろうと改めて思います。きっと傷つきやすかったんだろうなと……」(前出・舞台監督)

吉川氏は複数の遺書を残していた。実兄には密葬にしてほしい旨などを書き残したほか、仕事の関係者には「1月から整理をしてきて、いまはすがすがしい気持ちです」などと綴っていたという。

妻に先立たれることで夫の負う精神的ダメージは、かくも深い。夫の多くは、心のどこかで、「男の自分は妻より先に死ぬ」とイメージしていることも、衝撃をより大きなものにしているだろう。

男性も長寿を謳歌するようになった現代、妻に先立たれる男性も増えている。そんななか、実際に妻を亡くした夫たちからは、心理的な傷を負っただけでなく、「生活ができなくなった」「もう老後破産するしかない」と、家計崩壊目前だという悲鳴があがっている。いったい、何が起こっているのか。

■年金の救済策は専業主婦向け

練馬区在住で長年、都内の菓子卸会社に勤務していた中里正実さん(76歳・仮名)は、こう話す。

「うちの女房は、がんだとか、寝たきりになったとか、そういう長患いをしないで、2年前に突然、脳梗塞でぽっくりと逝ったもんですから、私はびっくりしてしまってね。

現実感がなくて、ぼうっとしているうちに、葬儀も済み、納骨も済み……。自分で買い物をしないと冷蔵庫が空のままだと気づいたのが、妻が亡くなってから2週間ほど後でしたかね……。スーパーで『牛乳の値段というのは近頃こういうものか』なんて思ったりしていたところに、年金の支給日が来たんですよ」

銀行で記帳した中里さん。その段になってようやく、もう妻の年金が入らないことに思い至った。

「家に帰って、妻のつけていた家計簿でかつての収入を確認してみてギョッとしました。月額計算では夫婦で28万円あった年金が、月15万円強に減ってしまったと分かったんです」(中里さん)

なぜ、そんなことになったのか。中里さんの妻は看護師の資格を持ち、二人の子供が乳幼児だった時期を除いて私立病院で勤務していた。

妻の生前、中里家の年金収入は月額換算で、夫婦各人の基礎年金が約5万5000円。厚生年金は中里さんが約10万円、妻が約7万円。月額収入は計28万円だった。

ところが、妻の死亡にともない、基礎年金と厚生年金の計12万5000円がごっそり減ってしまったのだ。老後の家計に詳しいファイナンシャル・プランナーの横川由理氏は、こう指摘する。

「厚生年金を受給している配偶者が亡くなっても、遺された妻や夫が遺族厚生年金を受け取ることができない場合があります。

ただ、厚生年金の制度は『夫が働いて専業主婦の妻を養う』という家族を前提に設計されている側面が強く、夫、妻ともに厚生年金を受け取っている共働きだった夫婦の場合、救済の効果は限定的なことが多いのです」

遺族厚生年金は、遺された配偶者の厚生年金が、死亡した夫や妻の厚生年金の4分の3に満たない場合に発生する年金だ。

複雑なので、中里家の実例で見てみよう。妻の厚生年金は7万円。夫の厚生年金は10万円だ。

中里さんの厚生年金のほうが多いので、妻が死亡しても、中里さんには何の救済措置もない。

一方、仮に夫の中里さんが先に死亡したとする。妻の厚生年金は、夫の厚生年金10万円の4分の3=7万5000円に満たない。すると妻には妻自身の厚生年金との差額5000円が加算される。

さらに、もし妻が専業主婦だった場合を考えれば、妻自身の厚生年金はゼロなので、妻は7万5000円の差額をまるまる受け取る計算になる。遺族厚生年金はまさに、「専業主婦向けの救済策」なのだ。

年金収入が激減した中里さんの生活。独りになったのだから生活費も2分の1になるかと思いきや、そうはならないと中里さんは次第に気付いた。

「まずはアパートの家賃が4万5000円。これは独り暮らしでも夫婦でも、変わりはしません。

水道・光熱費も、半分にはなりません。会社勤めをしていた頃ならいざしらず、リタイア後のいま、家で電気やエアコンをつけている時間は独りになっても変わらない。

風呂だって二人暮らしだったら2回溜めるというわけじゃない。少しでも出費を削れないかと、水道の蛇口に節水ゴマを入れたり、シャワーヘッドを節水にしたりと考えを巡らせましたが、そんな工夫は女房がとっくにやっていた。

それに、独りだと夜なんかは家が静かすぎてね……。気が付けばテレビをつけっぱなしにしている時間が、むしろ増えていた。電気代がかさむのが怖いので、近頃は『3・11』のとき買った、防災用の手回し発電のラジオを引っ張り出して聞いています」(中里さん)

さらに、こんな例もある。中野区で表具店を営んでいた太田順吉さん(74歳・仮名)の妻は、化粧品メーカーの事務職だった。太田さんは言う。

「私は親から店を継いだんですが、自営業ですから年金は月5万円の基礎年金だけでした。妻のほうは会社の厚生年金が月4万円、基礎年金と合わせて9万円くらいもらっていた。その妻が一昨年、大腸がんで逝きまして。月14万円だった収入が、妻の遺族年金3万円と合わせても8万円になった。ほんとに毎日の生活が苦しいですよ」

商店街に面した自宅兼店舗は、築50年近い建物の固定資産税こそタダ同然だが、土地は借地で月2万円の地代がかかる。

夫婦がコツコツ貯めてきた預貯金は、妻の闘病を経て300万円まで減っていた。この蓄えを食い潰さないためにも、月4万円で生活しようと太田さんは目標を立てた。

「しかし、これがなかなかうまくいかない。一番もどかしかったのは食費ですよ。贅沢しているつもりはないのに、独りになって半分になるどころか、むしろ増えてしまった。最初は料理なんてどうしていいかわからないから、近くのファミレスに通ったんです。ところがファミレスで一人前食べると800円はする。朝晩2食で生活しても1日1600円。毎日食べたら月4万8000円で、とてもじゃないが続けられない」(太田さん)

これは自炊するしかないと考えた太田さんだったが、そこからも困難の連続だった。

■「妻のパート代」のありがたみ

「スーパーで買う食材なんかは、二人でも独りでも結局、合計金額は大して変わりません。青物は食べきれないと腐ってしまうので、ピーマンや玉ねぎをバラで買ったり、大根もカットしたものを買ってしまう。生の肉や魚も食べきれないので、便利な加工食品を選んでしまう。でもバラ売りや加工食品は、当然ながら単価が高い。おまけに1リットルの醤油のパックが流しの下にあるのに気付かず、小分けで売っている卓上用を買ったりとドジを踏むので、節約なんかできやしない」(太田さん)

何もかも面倒になり、トマトときゅうりと目玉焼きばかり食べていた時期もあった。

「でもご近所さんに、『あんた最近、幽霊みたいだけど大丈夫か』と言われて、初めて娘に泣きついた。いまは週に一度、娘に来てもらって料理指南を受けています。娘が買い出しのときカネを足してくれているのは分かっているけれども、お互い口にはしません。私の最後の自尊心を守ってくれている。武士の情けですよ……」(太田さん)

こんな証言もある。記事冒頭に登場した73歳の高木さんは、都内の機械部品メーカーで営業職を務めていた。一昨年亡くなった2歳年下の妻は専業主婦だったが、20年ほど前から、近所のスーパーで、パートタイムで働いていた。

「私が現役だった間は、『ありゃ女房の小遣い稼ぎだ』と軽んじるようなところもあったね。だけどアイツが逝ってみて、パートがほんとうに日々の家計を助けてくれていたのがよく分かった」

高木さんの妻が、狭心症が悪化して体調を崩すまでパートで得ていた収入は平均月6万円ほど。亡くなったいまは、5万円の基礎年金も入らなくなった。高木さんの年金は、基礎年金が月6万円、厚生年金が月11万円だ。

「生涯現役の時代だなんて言うけど、私みたいに、特別なスキルもない70過ぎたジイさんができる仕事なんて、滅多にない。アイツは長いことパート先でうまくやっていたから、70近くまで使ってもらえた。私がこれから頑張ったって、そう収入が増える見込みはないね」

だが、高木さんもまた独りになって、むしろ支出が増えたと話す。

「アイツがいなくなって、毎日口喧嘩する相手もいやしない。こちとら会社通いに慣れているのに、毎日することもない。特別、楽しいなんて思わなくても、パチンコ行ったり、居酒屋行ったり、何だかんだで、手持ちのカネは消えちまう。結局、あんなうるさい女房でも、いてくれたほうがありがたかったんだなぁ……」

妻を亡くし、家計崩壊の瀬戸際に追い込まれる夫たち。後篇ではさらに、その切実な生活事情を見ていこう。

後篇はこちら→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44887

「週刊現代」2015年8月29日号より

 

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コメント
 
1. 2015年8月31日 19:24:06 : nJF6kGWndY

>家計崩壊「完全なる孤独」

まあ完全な自業自得だが


>毎日することもない。特別、楽しいなんて思わなくても、パチンコ行ったり、居酒屋行ったり、何だかんだで、手持ちのカネは消えちまう

身体が動くなら、まず自炊

そして低賃金でも農家の手伝い、警備員や掃除をして働いたり

地域の見守りボランティアでもすれば大分違うだろうな


2. 2015年8月31日 19:54:22 : a9PyqKcM6c
ってか一人暮らしの家事って結構重労働だぜ。パチンコ行く時間もないよ。もちろん手抜きしてホームレス同然の不潔で不健康な生活をすれば話は別だが。

3. 増税反対 2015年8月31日 23:43:29 : ehcoR2LmdzYII : lP51oLFskQ
これにダメを押すのがマクロスライドだ。

こんな恐ろしいやり方を自民党と公明党はよくやったもんだ。

まさに鬼畜の所業ですね・・・


4. 2015年9月01日 00:41:31 : EjXhzOgwtE
月15万円の給付で生きられないなら、生きなくてよいと思いますよ

5. 2015年9月01日 10:31:10 : OO6Zlan35k

「出口治明の「ビジネスに効く読書」」
「年金不安」報道に煽られないために

「経済俗論」に振り回されないための本

2015年9月1日(火)出口 治明


 みなさん、こんにちは。おなじみの読書コラムです。

 9月に入って、多少夏バテで疲れている読者の皆さんも多いことでしょう。「出口さんの推薦する本はいつも重たい」とよく言われますので、たまには、軽めのラインアップでいきたいと思います。テーマはずばり、「お金」について。生活の中で一番身近なマネーについて、気楽に考えられる本を選んでみました。

 今回は本当に読みやすい本ばかりですので、読書通の皆さんはもの足りないと感じられるかもしれませんが、良書ばかりをより抜きましたのでどうぞご安心を。

 さて、お金に対する考え方にはその人の人生観や価値観が強く反映されます。お金は人生を送るうえで確かに必要なものです。しかし、僕はお金はそんなにたくさんなくてもいいと思っています。


『老後貧乏にならないためのお金の法則』
 何が人生幸せかを考えたら、普通にご飯が食べられて、安心して眠れるねぐらがあって、たまにはお酒が飲めて、産みたい時に子供が産めて、愚痴を目いっぱい言える友人が2〜3人いれば、それで人間はとても幸せではないかと思うのです。夏休みに家族や友人と目いっぱいお金を使ってしまい、懐がさびしくなったとしても別に気にする必要はないのではないでしょうか。

 そうは言ってもお金をもう少し貯めたい、と思うのは人情です。そんな方にはまず、『老後貧乏にならないためのお金の法則』(日本経済新聞出版社)をお勧めします。


『40代からのお金の教科書』
 この本は生活者の視点から長年マネーを追いかけ、日本証券アナリスト協会検定会員や上級フィナンシャルプランナー(CFP)の資格も持つまじめなベテラン新聞記者が、取材を通じて見つけ出したお金の法則についてつまびらかに書いています。

 もう1冊、真面目にお金のことを考えている人の本を。金融情勢は日々変化しており、古い本はあまり役には立たないので、できるだけ新しい本を選んでいます。2冊目は『40代からのお金の教科書』で、今さら聞けないお金の基本を平易に学ぶことができます。実際に職業としていろいろな人の家計相談に乗っているファイナンシャルプランナーの人が書いた本なので、人生とお金についてどう考えたらいいのか、マネーの基本が良く分かります。


『経済学のセンスを磨く』
 ところでマネーを考える時、一番大切なことは、経済に対するモノの見方を知ることです。大本の経済が分からなければ、マネーのことだけをいくら考えてもうまくいきません。とはいえ確かに、経済は難しい。そこで、経済を考える「センス」を身に付けることができる新しい本が、大竹文雄さんの『経済学のセンスを磨く』です。これはとても分かりやすい本です。しかも、高度な内容が噛んで含めるように書かれている良書です。

 これだけでもいいのですが、もし本書を読んで経済学って案外面白いんだな、と思えたら、東京大学元教授の井堀利宏さんが最近出版した『大学4年間の経済学が10時間で学べる』を手に取ってもう少し勉強してみましょう。


『大学4年間の経済学が10時間で学べる』
 この本は、看板に偽りはありません。井堀さんが、東大で教鞭を執った20年の経験を踏まえて書き下ろした、とても読みやすい良書です。経済学を学ぶうえで理解しておく必要がある最重要項目の解説が数ページ以内に収められ、分かりやすく解説されています。経済学を学んだことのない人や数式が苦手な人でも、きっと興味を持ちながら理解することができるでしょう。


『連続講義・デフレと経済政策』

 この2冊を読んでさらに経済学が面白いと思った人は、アベノミクスや現在の景気などマクロ経済について最近の深い議論を知るために、池尾和人さんの『連続講義・デフレと経済政策』に目を通してください。これも良書です。

 経済についてはこの3冊で初級から上級まで教養をマスターできます。

『投資は「きれいごと」で成功する』
 さて、投資についてはまず、投資信託から始めるのが一般的です。色々な指南書を読んで投資を始めようと思っても、個々の株を自分で選んで投資するのはとても難しいことですし、そもそも普通の人にはなかなかまとまったお金はありません。たまに一足飛びにハイリスクなFX(為替証拠金取引)に手を出す人もいますが、常識的には投資信託からスタートする人が多いと思います。ところで、投資信託とは一体何でしょうか。そこで、外資系金融機関から独立して鎌倉投信という会社を立ち上げたファンドマネジャー、新井和宏さんが投資について書いた『投資は「きれいごと」で成功する』をお勧めします。


 著者は、外資系金融機関で日々の取引で擦り切れそうになっていた時に坂本光司さんの『日本でいちばん大切にした会社』を読んで、感銘を受けたそうです。そして、そこから「投資はまごころ」という経営理念のもと鎌倉投信を立ち上げたという方です。著者独特の、社会性と経済性を両立するための投資のルールを、開陳しています。投資信託を理解するうえでもとても良い本だと思います。

年金不安もこれで解消


『いま、知らないと絶対損をする年金50問50答』
 さて、読者の多くは、老後に漠然とした不安を感じておられるかもしれません。1冊目に紹介した『老後貧乏』もそうですが、不安になるのは、自分たちの年金や医療が今後どうなるのかが不透明だからでしょう。年金について書かれた本は、あまりお勧めできる本が少ないのですが、数ある中で分かりやすく書かれている良書が『いま、知らないと絶対損をする年金50問50答』です。

 これを読めば、漠然とした年金不安はほとんど解消するでしょう。年金は、単純に考えれば政府による公共サービスの1つです。政府の仕組みは「負担がすなわち給付」なので、税や社会保険料を負担する市民がいれば基本としてつぶれることはないのです。担い手不足が言われていますが、それは、定年を廃止して、年齢フリーで働ける人がすべて働くような社会にすればいいだけの話です。高齢化社会では年齢フリー原則はとても重要です。

 所得税という仕組みは、若い人から税を取り高齢者に給付することになりますが、消費税であれば全員から取るわけです。所得と消費は、マクロ経済では一緒です。勤労は美徳である、とかつて英国のサッチャー元首相は言いましたが、勤労の成果である所得に税をかけるのは、勤労に対する冒涜と言えないでしょうか。働いてもらうことはとても尊いことなので、働いて得た所得にかかる所得税を少なくして、消費する時の消費税率を上げればいいのです。その方がはるかにフェアです。

欧米に寝たきり老人がいない理由

 おじいさん、おばあさんの中には倹約して消費せず、お金を貯めたまま亡くなっていく方も多いようです。そこで僕の持論ですが、貯めこんだ人の財産に対しては、相続税率を100%にすればいいのです。国に召し上げられるのがいやだったら、生きているうちにお金を若いNPOに渡したり、旅行をしたり、飲み屋に使ったりして、次世代に還元する。ただいずれにせよ、一般的に言われているほど、わが国の公的年金保険については心配ありません。マクロ経済スライドという世界で最も優れた仕組みも導入されています。この10月には厚生年金と共済年金も一本化されます。つまりわが国の年金制度は、自営業者のための国民年金と被用者のための厚生年金の2本立てになるのです。

 問題はパートやアルバイトなど短時間働く多数の被用者が、厚生年金ではなく国民年金に含まれていることであって、労働時間の長短にかかわらず、被用者をすべて厚生年金に移す「適用拡大問題」こそが、わが国の年金問題の焦点だと思います。


『欧米に寝たきり老人はいない』
 出口さん、年金は安心などと言っても医療が心配ですよ、という声もあるでしょう。そういう方はこちらを読んでください。『欧米に寝たきり老人はいない』です。平均寿命マイナス健康寿命が要介護期間となるわけですから、高齢化社会にあっては健康寿命の延伸こそが最大の政策課題です。

 健康寿命を延ばすポイントは働くことです。つまり、定年を廃止して年齢フリーの労働慣行をつくり、働きたい人は皆働けばいいのです。そう考えたら未来は決して暗くないのです。

 しかし果たしておじいさん、おばあさんが働いただけで、この国を維持するのに足る十分なお金を稼ぐことができるのでしょうか。経済力が落ちて行けば、年金医療が心配だと言う声はやはりなくならないでしょう。少子高齢化の不安を払拭する一番の方法は、ちゃんとこの国にはまだまだ儲かる、まだまだ成長する余地があると確信することです。成長しないと、そもそも高齢社会はもたないのですから。


『新・観光立国論』
 そう思う方。まだまだ大丈夫です。冷静にこの国を眺めれば、成長するネタがたくさんあることに気づきます。それを明快かつロジカルに提示してくれるのが、元ゴールドマン・サックス証券のアナリストだったデービッド・アトキンソンさんの『新・観光立国論』です。将来が明るくなる話が、たくさんつまっている本です。


日本は戦前から「経済大国」だった

 エコノミストらしく、アトキンソンさんの分析は、日本で盲目的に信じられてきた「常識」を喝破していくことから緻密に繰り広げられていきます。例えば、「日本は高い技術力と勤勉さで戦後に急速に高度成長した」「女性の就業率を高めれば経済は成長する」といった、良く聞かれる「常識」についても、真正面から検証していきます。

 日本は、実は戦前から経済成長しており、1939年には既にフランスとそん色ない世界6位の実力がありました。データを見ると、戦後成長したのは急激な人口増が要因として大きく寄与したことが分かるのです。

 しかも世界的にみると、1億人以上の人口があって先進国なのは日本と米国だけで、先進国の人口は3000万人〜6000万人に集中しているのだといい、「日本は世界有数の人口大国だ」と断言しています。こうした中、アトキンソンさんは人口がGDP(国内総生産)成長率に与える影響の大きさを正しく指摘します。そうした冷静な分析をしたうえでアトキンソン氏が提言するのが観光客を「短期移民」ととらえた「観光立国」なのです。着眼点が素晴らしいと思います。

公道にゴミ箱がなければお土産も買えない!

 そのロジックでいけば、例えばテロ対策のためにと公道からごみ箱をなくすようなことをしている場合ではないのです。ゴミを自分で持ち帰るようでは、気軽にお土産など買えません。日本の警察の優秀さを考えれば、テロに過剰に反応することこそ、愚の骨頂というものです。「おもてなし」についても目からウロコが落ちる指摘があります。ぜひご一読を。


『日本の未来を考えよう』
 さて、アトキンソンさんのロジカルな「俗説否定」で目が覚めたら、やや手前味噌ですが僕の最新刊をご紹介します。自信作です。『日本の未来を考えよう』です。

  物事は数字・ファクト・ロジックで考えるというのが僕の持論です。日本という国を、、国際的な指標で冷徹に見たらどうなるか。数字でロジカルに考えたら、私たちの未来はどうなるのか。豊富な数字のデータとともに、日本の未来を網羅的に突き詰めて考えてみました。ぜひお手元に1冊置いて、「これ、極論かな?」と思うような不安を煽る統計的な情報に触れた時には、ぜひ参照してお読みください。

 今月はここまでと致しましょう。ではまた来月。

このコラムについて
出口治明の「ビジネスに効く読書」

自他共に認める「活字オタク」であるライフネット生命保険の出口治明会長兼CEO(最高経営責任者)。その柔軟な発想や思考を支える無数の読書歴の中から、ビジネスや悩み解決に効く、とっておきの本を毎回、数冊ずつ紹介します。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/237025/082700002/ 

[12削除理由]:管理人:無関係の長文多数

6. 2015年9月01日 19:58:22 : FfzzRIbxkp
個々のご事情はあるかと思いますが、こちらに掲載されている方々は困っているようですが、ご夫婦を全うされていると思います。

これからやってくる金融崩壊に備えて、
どうぞ部屋の畳1〜2畳分を食料や医薬品の備蓄用に使うのはたいしたことないのですから、備蓄してください。
備蓄のサイクルに慣れてくると、出費が減ります。外食も減ります。
親戚に備蓄のアドバイスをしましたら、レトルトやお粥がたっぷり備蓄してあるので、アレンジして食べることを考えるようになって、逆に不用意な買い物が減ったそうです。


7. 2015年9月01日 20:45:47 : w16LqlDVmM
どうしたら年金を払わずすむか?

安倍晋三の悩み!


8. 2015年9月02日 01:28:27 : 99RuMirqCI

ファミレスで食事とか、贅沢していたら、キリが無い

いくら年金があっても足りないだろうよ

まず、節約して自炊すること、電気ガス水道もギリギリ節約しましょう

「食費月一万円で暮らす」という魚柄仁之助の本をテキストに工夫しましょう

その本はブックオフで108円で売ってます

干物や乾物を活用して、月に一万円でも十分に健康で栄養のある食事をすることが
できるのです

節約ができない、お金が欲しいという老齢者は、youtuber になって

自分の貧乏な生活を録画してアップしたり、猫とかネズミとかゴキブリとか

周囲にいる面白い生き物の動画を投稿して、月に20万くらい稼いだらいいんじゃないかと思うよ

ま、もうこんな国はあてにはならないから高齢者も自活しなくちゃ

あとは高齢者でもできる仕事といえば、振り込め詐欺をするわけにもいかないし、肉体労働は無理だから、

路上のホームレスではなく、路傍の占い師にでもなることかな、

占い師は年寄りのほうが、経験がものを言う仕事だし、貫録がでるからね

あとは僧侶になるとかして、托鉢して歩くとかしよう

高齢者みんなで頑張ろう


9. 2015年9月02日 16:51:31 : bYUTlGq7cE
何もしない日は、2食に抑えることが可能だ。体重が減り、健康にもよい。
最低限の栄養素を摂取するために玄米ごはん。そして野菜の具沢山の味噌汁、他には納豆か豆腐。時々、魚の干物。
これで食費は月1万5千円。
まじめな話だ。

10. 2015年9月02日 17:23:08 : SjDO3F9U92

最近、世界的に不食の人とか増えているらしいね。

プレザリアンというらしいよ。

なんでも空気中に存在するプラーナと呼ばれる生命エネルギーで
肉体を賄うらしい。

確か、最近俳優の榎木孝明さんが、長期間不食を試みて成功したね。

ヨガの呼吸法などをすれば、比較的楽に出来るらしいよ。

不食は極端にしても、少食は健康に良いということで、
1日一食の人も増えているらしいね。

それから、やはり肉食は大腸がんなどのリスクを
増すし、菜食が世界的な潮流だ。

菜食だと、食費も安く上がるしね。

健康レベルもピンからキリまであって、
超健康レベルだと、散歩するだけでも楽しいんだね。

ところが、病気の寝た切りは論外だが、体調芳しくければ、
何をやっても楽しくないというね。

その前に人生、何の為に存在しているか?

先ず、それを考察した方がいいな。

ただ、汗水垂らして稼いで、食べて寝てセックスして、
遊んで、気晴らしして、それで死んで行くのが人生か?
というね。

それで死んで終わりか。

あなたは、完全に無となり、このシャバに二度と永劫
存在することは無いのか?

百万年、いや一兆年、経っても存在することは無いのか?

でも、何十年前に生まれて、今存在しているということは、
再び、何処かで生まれて、またあなたは存在するかもよ。

いや、またあなたは、再び存在するだろう。

実は記憶にないだけで、あなたは何回も何回も、
このシャバに生まれて来ている。

実はある目的があってね。

その目的とは、自己の探求というね。

結局、この自分は何ものなのか、というね。

それを探求する為に何回も何回も生まれてきている。

しかし、ほとんどの人間が、その目的を忘れて、退屈な日常に
埋没して死んで行くか、欲望の追求に振り回されて死んで行く。

本当の自己に辿り着いた時、本当の旅が始まる。

やっと、真実生き始める。

そう、今の我々の生とは、死んだ生なのだ。

これを頭で理解することは、難しい。

体験でしか理解出来ない。

ということで、真実の自己を探求せよ、とキリスト、仏陀、
マハヴィーラら覚者と呼ばれる人々が教え説いたのだが。

その教えもこの2000年歪められ、真に理解している人々は少ない
のだが、老後は真我探求に時間を使って欲しいものだね。

インドでは、成功者でも財産を捨てて、フンドシ一枚で
真我探求の旅に出る伝統が今でも細々だが残っている。

そのように、あなたも生きませんか、ってねw


11. おいしい海苔や 2015年9月03日 00:18:24 : ErGTlyPz0gvIw : mvftQAmiSk
人は誰でも一度は死ぬ。100まで生きるかそれより20〜30年早く逝くかの話なのは当たり前だが、女房が先に死ぬのはやはりつらい。苦労させたからのせいもあるので、何が何でも自分が先に逝かねばならないとおもう。それにはまず健康維持。
もうあと4,5年で70になるが病院にかかった経験がない。でも過信はしないようにしてる。自営業なので、家族の健康には人一倍気にしてる。小生は整体の心得があり(無論素人です)、また活元法や愉気などの自分を空(くう)にして行う方法もできる。これで家族を週1回は正している。人は背骨、特に自律神経を常に弾力的にしておくことがまず第一。これと歩くことと筋力トレーニング。私は毎晩腕立て伏せを30回、スクワット80回を初めて5年になる。驚いたのは胸囲がなんと5cmも大きくなり、今や1mを超す。肺活量も増え、早歩きもすごく楽。家内も自分のできる範囲でしている。無論酒たばこ賭け事はやらない。写経をし丹田呼吸を毎日して人生を楽しんでいる。一人に、もしなればそれはつらいが、生きる自信はある。家は自分のだから暮らせるとは思うが・・。

金子兜太氏の養生訓をあげておきます。
1.長生きをしようとおもう 2.何か創造的なことに打ち込み生き甲斐をもつ。
3.人のために尽くす心を忘れない 4.体と心を鍛える努力を続ける
5.家族と信頼と敬愛を、友人は男女を問わず宝 6.妻は最大の理解者連帯して
歩め 7.かかりつけの医師や行き付けの店との絆を大事に
8.地に足をつけ土の恵みを忘れない 9.日記を毎日つけ我が身を営み、老醜を
さらすまいと心がける 10.定住漂白(定住しながら日常に鮮烈な漂泊心をわすれないこと)

長くなり恐縮ですが、これは、仏道の心からきているものと思いますが、非常に納得
できるもので実践しております。御年96歳の人の10の心得は重いです。マスコミのいう事も確かですが、心配しすぎもよくない。気楽に生きましょう。



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