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IMFは中国の構造改革にポジティブな評価をしている(マスコミと正反対の分析)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/478.html
投稿者 DOMOTO 日時 2015 年 9 月 10 日 21:55:27: VRQtq/0DZtRLQ
 


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DOMOTO
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735


【目次】

【1】 今後5年間は苦難の調整期

    ―IMFとローチ氏はポジティブな評価−

【2】 IMF報告書の紹介とローチ氏の解説


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「中国は、ペースは遅いが、より安全に、より持続可能な成長とともに「新常態」へ移行しつつある」 ( IMF 2015年8月14日)


    【1】 今後5年間は苦難の調整期

        ―IMFとローチ氏はポジティブな評価−


日本のマスコミ、そしてブログなどネットでは中国経済の実態の根本的な動きが知られていないようで、一様に中国経済は単に相当悪化しているという記事が多いようです。これは海外でも同じようで、中国経済の構造改革の進展に焦点を当ててポジティブな評価をしているのは少数派のようです。

トルコの首都アンカラで9月5日まで開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、「中国の楼継偉(ろうけいい)財政相が、中国経済の先行きについて『今後5年間は構造転換の陣痛期になる。苦難の調整過程になるだろう』との見通しを示した」そうです(9月6日 毎日新聞)

東京新聞などはこのことを会議筋の話として、「今後五年間は厳しい状態が続く。もしかしたら十年間かもしれない」と楼継偉財政相が説明したと伝えています。

9月6日の毎日新聞を抜粋すると、

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楼財政相は「構造転換の陣痛期」について「過剰生産や過剰在庫の解消には数年間が必要」と説明した。

 習近平指導部は、中国経済を投資依存の高成長から消費主導の安定成長に構造転換させることを目指しており、楼財政相は「構造転換に伴う主要な改革は20年までに完成させる必要がある」と表明。だが、非効率な国有企業が温存されるなど投資依存からの脱却は難航が必至で、「消費主導への転換は苦難の調整過程になるだろう」と認めた。

 一方、楼財政相は今後4〜5年の国内総生産(GDP)の実質成長率について「改革推進で(今年の政府目標の)7%前後を維持する」とも述べた。消費関連のサービス業が発展していることを訴えたが、改革の具体策は示していない。

G20:中国「5年は苦難の調整」 生産・在庫が過剰 (毎日新聞 2015年09月06日)
http://mainichi.jp/select/news/20150907k0000m020100000c.html

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今後5年間が中国の構造転換の陣痛期で、それが苦難の調整過程になるならば、いつか来る事態であったとはいえ、これから世界経済は相当な影響を受けるでしょう。

2014年の春にも「中国経済の崩壊はいよいよ今年か」などの見出しがネットやマスコミを賑わせましたが、この時はある株式評論家が連日のように「中国経済崩壊、中国経済崩壊!」と連呼していました。

この時期、元モルガンスタンレー・アジア会長で中国経済の専門家であるスティーブン・ローチ氏(現エール大学ジャクソン研究所シニア・フェロー)は、中国の構造改革を高く評価していましたが、今回も<ポジティブな評価>をしています。

中国経済は危機突破の方向へ進んでいる (2014/04/10 拙稿 )
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/38632023.html?type=folderlist

中国経済の専門家であるローチ氏のコメントは、「影響力のあるエコノミスト」(米CNBC)として、今回も英フィナンシャル・タイムズ紙ほかいくつものサイトで取り上げられています。

そして、国際通貨基金(IMF)ですが、IMFは中国の構造改革の進展について、8月25日のプロジェクト・シンディケイトに掲載されたローチ氏の見解と同じポジティブな評価をしています(ローチ氏自身がIMFの見解を紹介しています)。

IMF Executive Board Concludes 2015 Article IV Consultation with the People’s Republic of China(概要版)August 14, 2015 IMF
http://www.imf.org/external/np/sec/pr/2015/pr15380.htm

China’s Complexity Problem(中国の複雑性の問題) スティーブン・ローチ August 25, 2015
http://www.project-syndicate.org/commentary/china-complexity-problem-by-stephen-s--roach-2015-08


     【2】 IMF報告書の紹介とローチ氏の解説


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中国の景気減速と株価急落、危機の予兆ではない=IMF高官 (8月22日 ロイター)
http://jp.reuters.com/article/2015/08/23/china-imf-idJPKCN0QS0XK20150823

国際通貨基金(IMF)高官のカルロ・コッタレリ氏は22日、中国の景気減速と同国株式市場の急落について、危機の予兆ではなく、あくまでも「必要な」調整の前触れ、との認識を示した。記者会見で述べた。
(中略)
カルロ・コッタレリ氏はIMF理事会でイタリアやギリシャなどを代表しているエグゼクティブディレクター。同氏は記者会見で「金融政策は近年、非常に緩和的だった。調整が必要」と指摘した上で「中国の危機をうんぬんするのは、まったく時期尚早というものだ」と述べた。

同氏は、6.8%としているIMFの今年の中国成長率見通しを確認。「中国の実体経済は減速しているが、これは自然だ」と指摘した。

中国が今月、人民元切り下げに踏み切ったことについては、同氏は、IMFは向こう数カ月以内にも中国当局と協議するとしている。

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前出のIMFの調査報告書の冒頭は、次のように始まります。

「中国は、ペースは遅いが、より安全に、より持続可能な成長とともに「新常態」へ移行しつつある」
China is transitioning to a new normal, with slower yet safer and more sustainable growth.

ローチ氏はこれに関連して(前出記事)、「西側の解説者は中国経済の議論を単純化し過ぎている、そしてそれを続けている」と言います(訳者注:中国経済の<問題を>単純化しているのではなく、それから派生した<議論を>単純化しているところから誤謬が生まれるということでしょう)。

その単純化し過ぎた議論は、「過去20年間、見当はずれであり続けてきたよく言われる中国のハードランディングのシナリオの観点から、この問題を組み立てている」と指摘しています。この夏の株価急落と人民元切り下げのサプライズの後も、同じことが再び起きていると言います。

そして、「中国に大変な不況が来るという恐れは、非常に誇張されている」と感想を述べています(“I suspect, however, that …”)。

IMFの調査報告書の前半から中身を少し抜粋してみますと、

「労働市場は低迷しながらも弾力性を維持したままである、これは、中国経済がより労働集約的なサービス業部門へと方向転換しているためである。」

ローチ氏はこれを解説した形で次のように述べています。

================================================================================================
中国の短期的な経済見通しについての議論は、つまらないものではないはずだ。中国経済において、はるかにより大きい構想は、リバランシング(rebalancing)への進路への<堅実な前進>である。すなわち、<製造業活動や建設業活動からサービス業への構造転換>である。

2014年の中国のGDP全体に占めるサービス業の比率は48.2%に達した。これは、製造と建設の合わせた42.6%をよく上回っている。そしてその差は広がり続けており、2015年の上半期ではサービス業は前年比8.4%増加した。これは製造業と建設業を合わせた6.1%の伸びを大きく上回っている。

================================================================================================

中国政府がGDP成長よりも優先させている政策目標の一つが、この<製造業活動や建設業活動からサービス業への構造転換>であり、ローチ氏はこれを、「よりはるかに大きい構想」(“the far bigger story”)と呼んでいます。

マスコミは中国経済の報道で頻繁にといえるほど、GDP成長率の数字を取り上げこだわりますが(公式の数字からかなり低い推測値まで)、いま進んでいる中国の構造転換のうち、<製造業や建設業からサービス業への構造転換>という“the far bigger story” から見ると、ローチ氏の記事に見られる数字のように、大きな成果をあげているわけです。

------------------------------------------------------------------------------------------------
中国経済の専門家であるローチ氏によれば、今の中国経済を考える際に、欧米の大部分の観測筋は(日本も含め)、GDP成長率という数字にこだわり過ぎていると言います。

2014年3月に開催された中国発展フォーラムでは、ローチ氏に楼継偉財務相は次のように述べたそうです。

「中国は成長目標で、かつての1つの目標だけ(GDP)を重要視することから事実上脱皮している。中国政府は今、3つのマクロ経済目標を重要視しており、それは雇用創出、物価の安定、そしてGDP成長である」

人民銀の周小川総裁も金融政策において楼財務相と同様なことを述べています。

周総裁はこう述べたそうです─『中国人民銀行は、ただ一つだけの目標(GDP)を達成しようとしているわけではない。人民銀は、物価安定、雇用、GDP成長、国際収支という目的から成る多目的機能と呼ぶものと合致した金融政策の骨組みを作っている』

(前出拙稿「中国経済は危機突破の方向へ進んでいる」第2、3節から抜粋)

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マスコミなどの見方に反するように、IMFのこの報告書では、GDP成長率を今年の6.5%〜7%から、来年は6%〜6.5%へ最大で1%さらに減速させることを中国に勧めています。IMFの担当責任者たちは、「経済を<上手に減速させていくこと>が中国の大事な課題である」と強調しています。

Directors highlighted the challenge of managing the slowdown, and recommended that macroeconomic policies should be calibrated to achieve an orderly adjustment by aiming for GDP growth of 6½ to 7 percent this year and 6 to 6½ percent next year.

また、シャドーバンキングの問題については、

「シャドーバンキングへの厳しい規制の結果として、信用の伸びはかなりの程度で減速しており、標準的な銀行の融資業務へ、以前より変化し改善されてきている」

そして「2008年の世界金融危機以来、信用融資による投資への依存が、中国経済に大きな脆弱性をつくっている」のですが、IMFは、より<持続可能な成長モデル>へ移行しようという中国当局の強い関与を歓迎し評価しています。

この<持続可能な成長モデル>へ移行するために、中国経済のもつ大きな脆弱性に中国当局がどのように対応してきているかが、このIMF報告書には記述され、IMFは中国当局のこれまでの構造改革全般の取り組みを肯定的に評価しています。

IMFの報告書のこの概要版は、中国政府が取り組んでいる構造改革と財政強化など中国経済全般の改革の進展について、非常に整理されて述べられているので一読されることをお勧めします。

ドイツのショイブレ財務相は9月5日、開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、「中国の経済成長鈍化について神経質になる必要はないとの見解でG20が一致したことを明らかに」しました。

「ショイブレ財務相は『中国は野心的な改革を決定し、さらなる改革を恒久的に追求していく方針を明確に示した』とも述べ、中国が金融市場改革の続行を約束したことも明らかにした」そうです。

G20、中国経済への懸念は不要との見解で一致=独財務相 (9/05-2015 ロイター)
http://jp.reuters.com/article/2015/09/06/g20german-idJPKCN0R603Q20150906


     ◆     ◆


今年5月に公開された日本に対する経済審査の報告書と比べると、中国経済のこの報告書の概要版に限って言えば、ネガティブな表現は見当たりません。この事は、日本に対するそれと対照的です。

IMFが日本のスタグフレーションに言及 (5/28-2015 拙稿 )
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/39461365.html

日本経済について5月の報告書は(5月の報告書ばかりではありませんが)、相も変わらない輪転機依存の金融政策と借金依存の<持続不可能な経済>を改めるように、再三にわたる警告をしています。

中国経済のもつ大きな脆弱性、これがために中国経済崩壊を大いに心配する人達が多いのですが、この大きな脆弱性に中国当局がどのように対応してきているかについては、また稿を改めて書ければと思います。

また、米国の米中経済安保調査調査委員会のHPが9月3日に公開した月例レポートの中の、人民元の動きについての考察についても稿を改めて書ければと思います。


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コメント
 
1. 2015年9月10日 22:04:23 : nJF6kGWndY

中国は、何としてもSDRに入って、一流国の仲間入りをしたい

そしてIMF(特に南欧勢)も、中国の金融パワーに期待しているから、暫くは、両者の思惑は一致し

表面的には中国に好意的な姿勢(しかしSDRには簡単には入れないw)は続きそうだ

http://jp.wsj.com/articles/SB10967160243142334065304581223343244197556
中国がGDP算出方法を変更、IMF基準導入を視野  PHOTO: ZUMA PRESS
2015 年 9 月 10 日 07:15 JST

 【北京】中国国家統計局は9日、国内総生産(GDP)の算出方法を変更すると明らかにした。統計の精度を高めて世界標準に近づけることが狙い。

 国家統計局がウェブサイトに掲載した発表文によると、今年7-9月期からその3カ月間に絞った四半期のGDPを算出する。従来は、累計を算出していた。

 国家統計局は、新たな算出方法は主要先進国の手法に沿っており、国際通貨基金(IMF)の特別データ公表基準(SDDS)を採用する下地になると述べた。

 新手法の導入が年間のGDPや経済成長率に大きく影響することはないが、四半期GDPの総額は変わる見込みだという。

 中国は7-9月期GDPを10月19日に発表する予定。

http://jp.reuters.com/article/2015/08/23/china-imf-idJPKCN0QS0XK20150823
国際通貨基金(IMF)高官のカルロ・コッタレリ氏は22日、中国の景気減速と同国株式市場の急落について、危機の予兆ではなく、あくまでも「必要な」調整の前触れ、との認識を示した。記者会見で述べた。

21日には中国経済の減速懸念があらためて広がり、株価が世界的に下落。米国株式市場はおよそ4年ぶりの大きな値下がりを記録した。

カルロ・コッタレリ氏はIMF理事会でイタリアやギリシャなどを代表しているエグゼクティブディレクター。同氏は記者会見で「金融政策は近年、非常に緩和的だった。調整が必要」と指摘した上で「中国の危機をうんぬんするのは、まったく時期尚早というものだ」と述べた。

http://jp.reuters.com/article/2015/08/12/imf-china-yuan-idJPKCN0QH09O20150812
国際通貨基金(IMF)は、中国人民銀行(中央銀行)が発表した人民元の基準値算出変更について、歓迎すべき措置だと表明した。

IMFは「為替相場の柔軟性拡大は、経済における決定的役割を市場に与えようと努力し、世界の金融市場への統合を加速させている中国にとって重要だ」と評価。「中国は2─3年以内に、実質的な変動相場制に移行することが可能で、それを目指すべきだ」との見解を示した。

一方、今回の制度変更が、特別引出権(SDR)の構成通貨を検討する際の基準に直接影響することはないと指摘。ただ、今後人民元がSDRに採用された場合、より市場の実勢に基づいた為替相場はSDRの運用を支援するとの考えを示した。


2. 2015年9月10日 22:19:00 : nJF6kGWndY

>日本経済について5月の報告書 相も変わらない輪転機依存の金融政策と借金依存の<持続不可能な経済>を改めるように、再三にわたる警告

こちらの方がIMFらしいと言えるし、実際、その通りになるだろう。

何度も言っている通り、

IMFが好きな緊縮政策自体は現状では適切とはいえないが、

IMFが指摘する生産性上昇と歳出効率改善のための改革はギリシャに限らず、どの国でも、常に必要だ。


いつまでも海外景気が低迷して資源安によるデフレ圧力が続くわけではない。

緩和と社会保障や地方へのバラマキを繰り返すだけで、何も生産性上昇改革をせず、

歳出構造の改革もなしでは、いずれインフレと金利上昇に転じる。

まあ、どの政権になっても、今後、貧困化が加速していくのは必定だろうな。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM23H0G_T20C15A5NNE000/
日本経済、改革不十分なら景気停滞・物価上昇も IMF報告書
2015/5/23 11:01

 【ワシントン=矢沢俊樹】国際通貨基金(IMF)は22日発表した対日経済審査報告書で、財政や成長戦略が不十分な場合、景気停滞と物価上昇が同時に起こる「スタグフレーション」に陥る危険があると指摘した。2%のインフレ目標達成へ、日銀に「あらゆる追加緩和の手段」の投入を求めつつ、潜在成長率向上と内需拡大につながる構造改革をセットで行うようクギをさしている。

 報告書は日本の労働市場が「極めて引き締まっている」と評価。円安の影響などでインフレ率も2015年末まで上昇し、中期的にも1.5%まで上がると予測した。

 ただし内需が力不足のままだとスタグフレーションを引き起こし、財政の持続可能性への疑問が強まって国債金利が急上昇しかねないとした。

 財政の信認確保のため17年には現金給付など一定の負担軽減措置と組み合わせたうえで消費税率の再引き上げに踏み切るよう要請した。向こう10年を見通した財政健全化計画では補正予算の使用制限や歳出抑制のルールを導入し、単年度で多額の財政引き締めをするといった不安定な運用をしないよう求めた。

 一方、インフレ目標達成を巡っては「日銀が示唆する以上の時間がかかる」と指摘。インフレ率が鈍化しそうなら、資産買い入れや、より残存期間の長い国債の購入といった「あらゆる」追加手段の検討を求めた。ただ追加緩和する場合でも構造・財政改革と一緒でなければ内需が刺激されず、円安に依存した回復を続けざるを得ないと警告した


3. 2015年9月10日 22:33:51 : nJF6kGWndY

あと補足しておくと

>日本経済についてIMF5月の報告書 相も変わらない輪転機依存の金融政策と借金依存の<持続不可能な経済>を改めるように、再三にわたる警告

投稿者の、この文章は正確ではないな


>>02でも引用し、書いたように、IMFの5月の報告書では、財政や緩和政策の引き締め過ぎ(第二と第三の矢が不十分)を心配している

結局、

「構造改革をしっかり進めろ、でに今は財政拡張と緩和は現状は仕方が無いね」

と言っているわけだ。つまり

「短期的には緊縮に注意しろ、しかし長期的には財政再建しろ」

という当たり前のことを言っているに過ぎないが

消費税増税の2017年は、もうすぐで、しかも、世界全体でディスインフレ・リスクは続いているのだから、

IMFの指示自体も、あまり当てにはならないということだろう。

http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/39461365.html
もっとも重要なリスクは、弱い内需と不十分な政策に起因したものである。特に、第二と第三の矢が不十分な場合、スタグネーションあるいはスタグフレーションに陥る可能性もある。どちらの場合も、長期的な財政の 持続可能性をめぐる疑念が国債のリスク・プレミアムの上昇を引き起こし、金融システムと実体経済に負の影響を及ぼす更なる財政調整


4. 2015年9月11日 00:22:49 : OO6Zlan35k
中国を追い抜くことを夢見るインドの危うさ 経済成長率で逆転、怪しい統計が誤った安心感を生む恐れ
2015.9.11(金) Financial Times
(2015年9月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


輝くインドが戻ってきたのか?(写真はインドのタージマハル (c) Can Stock Photo)

 輝くインドが戻ってきた。少なくとも、大げさな物言いをする多くのインド人の話を聞けば、そう思える。

 中国経済が減速し、その市場と政策立案の信頼性がひっくり返ったため、世界一急速に成長する大きな経済国としてインドが中国を追い抜くと見ることは可能だろう。

 多くのインド人はナレンドラ・モディ首相のインド人民党(BJP)が10年前に前回政権の座にあった時に使われた「India Shining(輝くインド)」キャンペーンを思わせる言葉を使い、中国の不運に少なからぬチャンスを見いだしている。

「そこどけ中国」の強気発言

 インドのアルン・ジェートリー財務相は英BBCとのインタビューで次のように語った。「インドのように8〜9%のペースで成長できる経済は間違いなく、世界経済を支えるしっかりした肩を持っている」

 自分の名を冠した消費財グループを率いるアディ・ゴドレジ氏は、インドが「輝く」いい頃合いだと述べた。

 ジャヤント・シンハ財務担当国務相は特に強烈な「そこどけ中国」発言で、インドは中国から「世界の成長のバトンを引き継ぐ」用意があると語った。インドで最も貧しく、最も開発が遅れた州の1つに数えられるビハール州で、シンハ氏は観衆に向かって「近々、成長と開発の問題については、インドが中国を追い越す」と語った。

 表面的には、楽観する余地がある。中国は猛烈な投資への依存を断とうとしており、経済は必然的に減速する。公式には、中国の成長率は今年、7%まで緩やかに低下する。実際には、あっという間に5%かそれ以下に向かう可能性が高い。一方、インドは7.7%拡大すると見られている。

 BRICSの仲間であるブラジル、ロシア、南アフリカを含む他の多くの新興国と異なり、インドは値段の高いコモディティー(商品)の輸出に支えられてこなかった。つまり、中国が引き起こしたコモディティー急落に足を引っ張られないということだ。

 それどころか、世界第3位の石油輸入国であるインドは、経常収支を改善し、インフレ圧力を和らげる石油価格低迷から大きな恩恵を受ける。

 また、インドは工業製品の大きな輸出国ではない。たとえ世界の需要が弱くても、国内総生産(GDP)の57%が家計消費から来ているインド経済は比較的守られている。

ネズミがトラクターを引っ張れる?

 だが、インドが世界経済のメーンイベントになるという考えは、控えめに言っても欠陥がある。もしこれが慢心を引き起こすのだとすれば、全くもって危険だ。

 インドが世界経済の成長のエンジンとして中国に取って代わるという期待は、見当違いだ。名目ベース――ある経済国の世界的インパクトを図る際に最も適切な指標――では、インドの経済生産は中国のそれの5分の1だ。インドが世界のGDPに占める割合はたった2.5%。これに対して中国は13.5%にも上る。

 もし中国が年間5%ずつ成長したら、4年足らずで、すでに大きな経済生産にインド規模の経済を加えることになる。インドがこれに匹敵できると言うことは、ネズミがトラクターを引っ張れると言うようなものだ。

 総じて判断すると、人々は中国市場の発作を深読みしすぎた。確かに、株式市場を支え、より柔軟な為替相場制へ移行する試みが失敗したことで、絶対確実と見られていた中国の政策立案への信頼が揺らいだ。

中国の9月輸出、月別過去最高も前途に陰り
インドと中国の経済にはまだ大きな開きがある〔AFPBB News〕
 また確かに、最近の混乱は、投資主導から消費主導の経済へと移行する痛みを経験している中国経済の根深い問題の兆候だ。

 中国にとって、比較的容易なキャッチアップ成長の時代は終わった。だが、中国を見限るのは、ひどい見当違いだ。何しろ中国は、30年間に及ぶ目覚ましい発展の勢いを背に受けている。

中国と同じくらい怪しいインドの統計

 インドが楽々と中国の成長レベルを越えようとしているという考えは、絶望的なまでに独りよがりだ。インドの統計は中国のそれと同じくらい怪しい。インドがGDPの算出方法を変更し、成長率が2%以上もかさ上げされたのが、ついこの2月だったことを人は忘れている。古い尺度では、インドはまだ立派とは到底言えない5%のペースでもたついている。

 かさ上げされた成長は、誤った安心感を生み出す。

 このことが、モディ氏率いる政権が、盛んに喧伝された改革を通過させるのにこれほど手間取っている理由を説明する助けになるかもしれない。

 インド議会は今会期中に、ほとんど何もしなかった。首相は、さまざまな州にまたがって事業を行うのを容易にするとエコノミストらが見ている物品サービス税を導入できなかった。農家からの反対に遭い、工場や道路、発電所の建設を容易にしたはずの土地改革もほぼ断念した。インドで事業を行うことは、引き続き、決して容易ではない。

インド首相、自分の名前入ったスーツ着用 ネット上では失笑
インドのナレンドラ・モディ首相〔AFPBB News〕
 インドは世界経済から比較的切り離されているが、これは部分的には、他国が買う価値があると思うものをインドがあまり生産していないためだ。

 中国に取って代わり製造業の拠点になりたいと考えている国にとっては、これは強さというより弱さのように見える。

 怪しげな統計がインドが中国より速く成長していることを示しているからと言って、こうした問題が消えることはない。インドの当局者はほくそ笑むのをやめた方がいい――そして、意味のある改革を実行し始めるのが賢明だ。

By David Pilling

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44769


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