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米国利上げ見送りをどう読むか 〜中国の景気がアメリカの金融政策を縛る時代(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/702.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 20 日 12:52:06: igsppGRN/E9PQ
 

米国利上げ見送りをどう読むか 〜中国の景気がアメリカの金融政策を縛る時代
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45438
2015年09月20日(日) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス


■利上げがさらに景気の腰を折る

9月17日、米FRB(連邦準備理事会)は、金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)を開き、政策金利を0〜0.25%で据え置いた。市場の事前予想の中には、雇用の回復などを理由にFRBが利上げに踏み切るとの見方があったが、結果的に実質的なゼロ金利政策を据え置くことになった。

FOMCの決定を受けて、米国の株式市場は下落しドルも下落した。それは、世界経済の先行きに対する懸念を反映している。中国を筆頭に景況感の悪化が懸念される中、米国での利上げ時期が読みにくいことが金融市場を不安定にさせている。

FRBが利上げを見送った最大の理由は、世界経済と物価の先行き見通しが不透明感が強まっているためだ。イエレン議長は、米国外の経済見通しに関する不確実性の増大、そして、低迷する物価情勢に言及し、慎重な景気への認識を示した。

FRBにとって特に重要なファクターは、中国経済の減速懸念を受けた金融市場の不安定さだろう。8月以降、中国株価の大幅な下落や人民元の切り下げによる為替相場の混乱は、急速なリスクオフにつながった。

そのため、FOMCは現時点での利上げは国際金融情勢の不安定化に拍車をかけかねないと判断したとみられる。

引き続き、イエレン議長は年内の利上げの可能性を示している。ただ、中国など新興国の景気は弱含んでいる。

更なる市場の安定や物価の上昇を待つあまり、景気回復のペースが鈍化し、最終的に利上げが景気の腰を折る可能性は高まっていると考えられる。

■アメリカの景気政策が中国に縛られた

エコノミスト等の専門家たちは、米国内での物価の低さや中国への懸念を受けた金融市場の混乱を理由に、利上げは時期尚早とみていたようだ。一方、市場は利上げに備えた。特に、9月15日には長期金利が大きく上昇した。この動きには注目する必要がある。

また、政策金利の据え置きが発表された後、米金利は低下し株価などのリスク資産は軟調に推移した。ドルは対円で120円台後半から119円台に下落した。この背景には、今後の利上げが、減速しつつある世界経済を追加的に圧迫するという懸念があったと考えられる。

今回のFRBの決定を見ると、FOMCは米国の金融政策が、米国の景気よりも中国経済等の動向に縛られやすいことを示したことになる。足元の中国経済は不安定な状況が続いている。これまで以上に、FRBの利上げは難しい判断になりそうだ。

当面、市場では米金利の低下など利上げに向けた準備の解消が進みやすい。それはドル売りにつながる。また、景気への懸念はリスク資産の価格を下落させやすい。そうした動きが進んだ後での利上げは、市場に大きなストレスをもたらすだろう。

その時、中国などの新興国が米金利の上昇に耐えられるのか、先行きは不透明だ。これまで以上に、利上げへの警戒感は市場を不安定にさせやすくなったとみる。

 

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コメント
 
1. 2015年9月21日 00:12:12 : aQq0UGoaxY
米国経済が中国に依存していることは、米国企業が今だに多額の投資を中国にしており、実製造の多くを中国に依存していて米国の対中輸入が暫増していることで証明できる。
キッシンジャーが言うように、米国と中国は仲良しこよしだ。

だから、中共が南シナ海の岩礁を埋め立てて滑走路を3本作っても手出ししないし、口先攻撃とマスコミを使って非難プロパガンダするだけで経済制裁をしようともしない。
真壁昭夫や米国にとって先行きは不透明かもしれないが、中共は相手の弱点をよく知っている。


2. 2015年9月21日 07:05:05 : jXbiWWJBCA

2015年9月21日 土屋貴裕 [大和総研シニアエコノミスト],橋本政彦 [大和総研エコノミスト]
米国の年内利上げを確実にする3つの条件土屋貴裕・大和総研シニアエコノミスト、橋本政彦・大和総研エコノミスト
9月FOMCはゼロ金利政策の維持を決定
メインシナリオは12月に利上げ
市場の最大の注目事だった9月のFOMC。結果は“利上げ見送り”だった
 9月16・17日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、事実上のゼロ金利政策を維持し、保有する資産規模を維持することを決定した。
 決定に際して、リッチモンド連銀のラッカー総裁は政策金利を0.25%ポイント引き上げるべきとして唯一、反対票を投じており、6会合ぶりに全会一致での決定とならなかった。今回のFOMCで利上げを開始するか否かについては市場でも大きく見方が分かれていたため、反対票を投じたのが1名に留まったというのはやや意外な結果であったと言える。堅調な内需を背景に利上げを議論したとされたが、中間派の地区連銀総裁らも様子見の必要性に同意したことになる。
 次のFOMC会合は10月27・28日で、イエレン議長の記者会見等は予定されていない。利上げの可能性は残されているものの、大和総研では12月会合での利上げ開始を見込んでいる。
海外経済減速と金融市場の混乱が見送りの理由
米国経済は利上げできる状態だった
 今回のFOMC声明文における米国経済の現状認識は「緩やかに拡大している」とされ、7月の前回会合から据え置かれた。
 ただし、個別項目への評価を見ると、前回まで「軟調である」とされていた設備投資が「緩やかに増加している」と上方修正されたほか、住宅投資についても「一層改善している」とされ、前回会合からさらに改善が進んだことが示された。また、個人消費、労働市場については前回会合から表現は変更されず改善傾向が続いているとされ、会見でも繰り返し言及されたように、内需の力強い回復により景気拡大が続いているとの認識が示された。
 労働市場の緩み(スラック)もわずかであるとされ、イエレン議長が労働市場の改善について繰り返し述べ、利上げを議論していたことは、米国国内の経済状況に限れば、ほぼ利上げできる状態になったと認識しているとみられる。
 他方、外需に関しては引き続き「軟調である」との認識が示されたことに加えて、足下での海外経済および金融市場の混乱が、経済活動やインフレに対する下押し圧力になる可能性があるとの言及が声明文に追加された。このところの海外経済の減速や金融市場の混乱が今回利上げを見送る一因となったことが明示されたと言える。
 もっとも、政策金利が据え置かれたのは、市場の乱高下そのものではなく、海外経済の混乱が米国経済に波及するリスクを見極めるためとされている。先行きについても海外経済の動向を注視していくとの文言が付け加えられており、利上げ開始のためには労働市場のもう一段の改善だけでなく、金融市場の混乱が収束する必要性が条件として追加されたことになる。
 インフレ動向に関しての記述は前回会合から変更されず、エネルギー価格の下落および、輸入物価の下落が下押し要因となっているとされた。これら要因が剥落することで、目標とする2%に徐々に近づいていくという従来の見方が据え置かれており、会見でもあくまで一時的要因によって押し下げられていることが強調された。
経済見通しはやや慎重化
利上げペースの見通しは変わらず
 今回公表されたFOMC参加者による経済見通し(図表1参照)では、4〜6月期の統計の改訂を反映する形で2015年の実質GDP見通しが上方修正された。2016、2017年については小幅に下方修正されており、先行きに関してはやや慎重さを増す見通しとなった。長期見通しに関しては小幅な下方修正ながら大きな変化はなく、潜在成長率に対する見方は前回会合から大きな変更はない模様である。
 一方、失業率見通しについては、各年とも前回見通しから低下(改善)し、長期見通しについてもわずかに低下した。直近の8月分の統計で失業率はすでに5.1%まで低下しており、水準訂正により見通しも含めて引き下げられたとみられる。ただし、既述のGDP成長率に加えて、2016、2017年の物価見通しについても前回からやや下方修正されていることから、自然失業率に対する見方も幾分下方修正されたと解釈できる。
◆図表1:FOMC参加者の経済見通し

 FOMC参加者の政策金利の見通しはわずかに下方修正された。2015年中の利上げ開始見込みは17人中13人と、前回見通しから2人減少した。政策金利見通しの中央値は2015〜2017年のいずれも前回調査から0.25%ポイント低下したが、これは今回の利上げ見送りによる水準訂正を反映したものである。利上げ開始後の利上げペースの見方についてはおおむね変更がなく、年間1%ポイント程度のペースが見込まれている。
市場の混乱は米国に波及しなければ
政策変更には影響しない
 利上げ開始は「データ次第」という姿勢は変わっていないが、雇用環境を中心とした経済状況は、ほぼ利上げが可能な程度まで改善が進んでいるとみられる。一方のインフレ率の低迷は少し長引くが、あくまで「一時的」であることを強調しており、雇用環境の改善に伴って、エネルギー価格の低迷などの影響を除いたコアのインフレ率の上昇が期待されていることになる。すなわち、インフレ率が2%に上昇するための「合理的確信」に至る一歩手前の状態にあると考えているのだろう。
 今回の会合で、海外経済や金融市場の混乱が収束することが利上げ開始には必要となったが、例えば中国経済が急速に加速するなどの改善までは必要とされないだろう。イエレン議長は会見において、中国経済の減速は以前から予期されていたことであり、サプライズではないと述べている。
 声明文にある、相場変動の背景にある経済動向への注目とは、中国経済がさらに減速する可能性などであって、金融政策は日々のマーケットの変動に左右されるべきではないとも述べている。市場の変動が経済に悪影響をもたらすのであれば、乱高下の推移を見極める必要性が出てくるが、米国経済に直接波及するようなイベントが生じなければ、8月以降の市場の混乱による問題は沈静化したとみなされるに十分であろう。
 米国の利上げという政策変更が市場の混乱のきっかけになるとしても、米国経済にネガティブでない限り、政策変更への影響は限られるということだ。
もう一つの条件は財政問題の解決
債務上限の引き上げが不可欠
 また、10月から11月にかけて、予算作成、債務上限問題、その他の法律の期限切れがある。9月は米国の財政の年度末であり、暫定予算であっても予算が成立しなければ、2013年10月のように連邦政府の一部が閉鎖されるリスクがある。同時に、2013年3月に始まった歳出の強制削減措置を一部緩和する法律や、輸出入銀行や中小企業庁によるローンの保証業務、高速道路等建設基金の裏付けとなる法律の更新も必要である。
 さらに、11月頃に連邦政府の債務上限を引き上げなければ、やり繰りが続いている米国政府はデフォルトしてしまうことになる。さすがに政府の破綻につながるような事態には陥らないだろうとみられているが、問題はリスクがある以上、その時期に満期を迎える債券の流動性が低下し、金利が急変動する可能性が高まることである。
 2010年5月の株式市場や2014年10月の債券市場、2015年3月の外為市場でも数分程度の短時間で相場が大きく変動する「フラッシュ・クラッシュ」、あるいは「フラッシュ・イベント」と呼ばれる事態が起きた。7月のイエレン議長による議会証言においても、債券市場の流動性について言及があり、一定の関心が寄せられていることがわかる。
 10月FOMCでの利上げ開始には、市場が安定化して利上げを織り込んでいることに加えて、これら財政関連の問題が起きていないことが必要である。
年内利上げ開始の可能性は高い
リスクがあるとすれば個人消費の腰折れ
 財政問題が解決していないのであれば、10月のFOMCでは、米国経済に「逆風」があるとの表現などを声明文に盛り込んで、利上げを見送る可能性がある。それでも、米国経済にネガティブな影響をもたらす市場の急落等がなければ、10月のFOMCで、海外動向が落ち着いて利上げの条件がほぼそろったことを示すだろう。
 11月までに債務上限の引き上げが確認できれば、17人のFOMC参加者のうち13人は年内利上げを想定しており(図表2参照)、市場は12月の利上げを織り込みやすい環境となっていると想定される。年内利上げを妥当とみなすFOMC参加者による市場との対話が活発化しているだろう。いわゆる過剰流動性の巻き戻しリスクが軽減されることになる。
 12月の利上げ開始をメインシナリオとして、年内の利上げの可能性が高まったとみられるが、2016年に利上げ時期を先送りされる可能性もある。イエレン議長の記者会見で個人消費の強さが米国経済の回復のメインドライバーであることを述べており、利上げ開始時期が2016年に先送りされるとすれば、個人消費の腰折れリスクが高まったときとなろう。

http://diamond.jp/articles/-/78819 


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