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誰が金融政策を殺したか - 小幡績 転機の日本経済(ニューズウィーク日本版)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/915.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 28 日 18:41:15: igsppGRN/E9PQ
 

誰が金融政策を殺したか - 小幡績 転機の日本経済
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150928-00157018-newsweek-nb
ニューズウィーク日本版 2015/9/28 18:00 小幡績


 FED(米国中央銀行)は9月17日に利上げを行い、実質ゼロ金利から脱却する可能性があると見られていたが、結局、利上げを見送った。同じ週の9月15日には、日本銀行も政策決定会合後、金融政策の変更はなしと発表し、黒田日銀総裁の記者会見もいつも通り強気のものであった。

 これは、日米、同様の対応のように見えるが、実は正反対なのである。つまり、米国は実体経済は明らかに強いのに、イエレンは非常に慎重に国際的な金融市場、経済からの米国経済への影響を心配した、いわゆるハト派の記者会見であった。一方黒田氏は、日本経済は景気循環からするとピークアウトし、物価は原油などの輸入物価の下落だけでなく、内需からの上昇圧力もピークアウトしつつあることを全く無視したかのような、日本経済はますます順調、というようなトーンのものであった。

 すなわち、米国は、実体経済は強く、利上げをしなければならないのに、イエレンは、実体経済を慎重に見たために利上げを思いとどまったということで、ハト派だったのに対し、黒田氏は、日本は、実体経済はいまひとつ、物価に関しては弱いにもかかわらず、それをほぼ全否定し、見かけは今ひとつだが、トレンドとしては強い、何も弱気になる理由は今のところない、と強気に終始したのであった。

 さらに、軟弱な投資家、つまり、中央銀行の政策頼みの投資家達は、イエレンは利上げを実行するのではとびくびくしていたが、それは行われず、慈悲深い聖母のようなイエレンに感謝し、日銀は、そろそろ追加緩和をしてくれるのではないか、米国が利上げする分、日銀が第三弾の異次元緩和、追加緩和を行って世界を支えてくれるのではないか、という甘い期待が裏切られ、かたくなになった黒田氏に、かつての出欠大サービス、二度目は誰もおねだりもしていないのに、サービスしてくれた気前の良いおじさんの面影が消えたことに、失望し、怒りとまでは行かないまでも、疑問を持ち始めた。

 本来、金融政策とは、景気循環をなめらかにするために存在する、経済運営の微調整であり、世間一般に議論を巻き起こすようなものではなく、セントラルバンカーという地味な官僚によるテクニカルな仕事ではなかったか。

 誰が、こんなに金融政策を複雑にしたのか。

 第一に、投資家達である。

■投資家と中央銀行の主導権争い

 投資家が弱った市場を救済して貰うために、中央銀行にすがり、その後、たかり、さらに、開き直って、命令するようになった。投資家が自己利益のために中央銀行を振り回し、それに対し、中央銀行が巻き返しを図るかどうか。金融政策におけるリーダーシップの奪い合いを行っており、現在は、中央銀行が主導権を奪い返せるか、というところが焦点だ。

 第二に、そして一番大きいのは、量的緩和、という摩訶不思議な政策手段の登場である。2001年に日銀が元祖量的緩和を行ったときは、まさに量的緩和で、一般的には非常に分かりにくかったが、セントラルバンカーとしては、景気対策として当然の、短期金利引き下げの延長線上にあるものであり、テクニカルな派生系であった。たまたまゼロ金利という下限まで来てしまったから、それよりも短期資金を出すためには、中央銀行がコントロールする短期金利がゼロになってさらにそこに張り付くことを市場参加者に確信させるために、短期資金の量を増やす、という、金利引き下げ政策の自然な延長線上だった。

 一方、米国FEDが生み出した量的緩和は、似て非なるモノで、単なる投資家への餌のバラマキであった。中央銀行が国債を買うから、国債は値上がりするよ、ということで、それを直接買っても良かったし、それを売って儲けたカネでもう少しおいしく儲けられる資産、暴落していた株式を買うのに絶好の資金となり、また投資家達の期待をそちらに向けて、バブルを作ったのであった。

 しかし、量的緩和の最大の問題点は、米国量的緩和を打ち出し、強力に推進したバーナンキ自身が言っているように、「効果はあったが、理論的には効果が説明できないのが問題」なのである。

 投資家と中央銀行の主導権争い、つまり、株式市場などが下落し、投資家が金融緩和を要求する、緩和がなければリスク資産を売りまくって相場を下げ、相場を混乱させたくない中央銀行に追加緩和を打ち出させる、このような催促相場になるのを中央銀行は避けようとする、というせめぎ合いである。中央銀行は、金融緩和を終わらせる意向をにじみ出させ、徐々に、金融緩和は終了する、ということを市場に織り込ませる。世論にも織り込ませる。その上で、金利を引き上げる。織り込ませることにより、主導権を取り戻す。そのような流れになっている。

 この争いを複雑にしたのが、量的緩和である。

■難しい転換点にある金融政策

 いや、正確に言えば、量的緩和とは投資家の要求そのものであるから、量的緩和自体は、投資家と中央銀行の関係をはっきりさせた。量的緩和を拡大するとは投資家に主導権が移る、あるいは媚びることであり、それは中央銀行の敗戦であった。だから、日本においては、リーマンショック後も、良心的なセントラルバンカーは量的緩和に抵抗し、嫌悪感を持ったのであるが、もともと中央銀行に嫌悪感を持っていたセントラルバンカーは、アベノミクスにおいて、やり過ぎぐらいに量的緩和を嬉々として、これまでの中央銀行への恨みを晴らすかのように実行したのである。

 これにより、金融政策とは、中央銀行と投資家の戦い、リーダーシップ争いという、本来副次的な要因だったものが、正々堂々と正面に来てしまったのである。

 しかし、こうなっては中央銀行の面目が立たない。立たないだけでなく、金融政策の効果自体が失われてしまう。だから、市場の投資家達の安易な甘えに迎合することは、良くないこと、避けなければいけないこととなり、その重要性が高まった。

 現在の金利の引き上げ、ゼロ金利解除は、この問題に直面しており、同時に転換点に当たる。緩和縮小から引き締め開始の転換点、という本来の金融政策としてももっとも難しい問題のタイミングに来ている。この二つの転換が重なり、中央銀行の意思決定は複雑になっているのである。

 米国について具体的に言えば、本来、9月に利上げする必要はない。無理する必要はどこにもないのだ。実体経済は良い。失業率は最低水準で、ほぼ完全雇用だ。ここで利上げしない理由は、米国実体経済からするとない。

 さらに、実体経済に対しては利上げは、直接はマイナスではない。部分的には過熱も見られ、インフレ率は上がっていないが、ゼロ金利という異常な事態を続ける理由はない。だから、彼らは金利引き上げでも金融引き締めでもなく、ノーマライゼーション(normalization、正常化)という言葉を使い続けているのだ。

■米利上げ先送りは権威失墜の表れ

 しかし、ここまで慎重に利上げを先送りしてきたのは、利上げという転換点を100%無事に通過するためだったのだ。慎重に慎重を期したのは、実体経済に対しては問題がなくとも、投資家達が騒いで、金融市場でリスク資産、株式などが暴落すれば、それは間接的に、実体経済にも影響する。さらに一番困るのは、恨んだ投資家達が、すべてを金融政策の失敗、中央銀行の政策ミスのせいにする。やっかいなのは、言わせておけばいいわけでもなく、世論も暴落に対しては投資家の味方をする可能性があり、そうなると、今後の金融政策への批判や懐疑が強まり、今後の政策に関してリーダーシップを発揮しにくくなる、中央銀行の権威が低下し、金融政策のグリップが効かなくなってくる、弱まってくる、という懸念があるからだ。

 しかし、一方で、このような配慮により利上げを先送りすること自体が、権威の失墜であり、リーダーシップ争いに負けたことを意味している。ここで上げられなければ、それは、投機家達に一生おべっかを使うことになり、一生上げられない、ということになってしまう。リーダーシップの観点からは、利上げを実施すべきだ、という議論が強まってくる。

 さらに、逆に、ここで上げられなければ上げられなくなる、リーダーシップ維持のために上げるべきだ、というのでは、本末転倒で、それこそ、投資家達のわがままによって、金融政策が乱されていることになる。投資家達が暴れれば、実際に実体経済にマイナスはあり得る。それが、今回のように、中国の実体経済懸念という本当に存在する懸念と一緒になり、為替の動きから、新興国では実体経済が悪化する恐れもあり、さらに、それが米国経済に若干でも波及する可能性があり、様々なことが悪く重なれば、予想よりも大きなショックを世界経済に与えるリスクがあるのであれば、やはり、ここは、無理してあげるべきでない。こういう議論もある。

 そして、実際には、おそらく、最後のような議論により、利上げはとりあえず一回見送ったのだろう。

■米株価下落の背景

 しかし、あろうことか、利上げ延期で、米国株式市場は大幅下落した。実は、これは予想できたことで、いずれにせよ、米国投資家達はリスク資産市場から引きたがっており、また、トレーダー達は何かにつけ乱高下を作って、さや取りの機会を狙っているだけであったから、何かが起これば、それをネタに揺さぶってくるのであり、下げて揺さぶるのが効果的だからそうしただけのことだった。

 最も身勝手なのは、投資家およびその周囲のメディア達で、中央銀行が利上げをしなかったことが、この先の不透明感を高め、株価を下落させた、と言い出したのだ。これはあり得ない。

 しかし、いずれにせよ、これは中央銀行が投資家達に寄生され、ほとんどリーダーシップという財産が蝕まれていることを示している。だからこそ、FEDは、米国経済へのリスク、インフレへのリスクがあるので、という建前を一貫して強調し、この懸念さえ晴れれば、ただちに正常化、利上げが出来るロジックを建てているのだ。

 おそらく、FEDは、年内に利上げを行うだろう。10月末でさえあり得る。その意味で、FEDは揺るぎない姿を見せるだろうし、それはリーダーシップの争いの意味でも、実体経済に対するあるべき金融政策としても正しいので、それは実現すると思われる。

 一方、不透明なのは日銀だ。黒田氏は一生追加緩和はしないと思うが、これはまた次回議論しよう。


 

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コメント
 
1. 2015年9月28日 19:07:20 : nJF6kGWndY

>米国について具体的に言えば、本来、9月に利上げする必要はない。
>実体経済は良い。失業率は最低水準で、ほぼ完全雇用だ。ここで利上げしない理由は、米国実体経済からするとない

支離滅裂だな

>誰が、こんなに金融政策を複雑にしたのか
>第一に、投資家達

違うね

改革を嫌がり、バラマキを好み、不況や財政破綻の救済責任を日銀に責任を押し付けた政府(国民)だ

投資家たちは、金融経済環境に応じて、投資を行うだけだから

いくら要求し期待しようが、当局は、気にする必要などない

黒田日銀のようにねw

>日銀が第三弾の異次元緩和、追加緩和を行って世界を支えてくれるのではないか、という甘い期待が裏切られ、
>気前の良いおじさんの面影が消えたことに、失望し、怒り



2. 2015年9月29日 12:09:16 : OO6Zlan35k

米利上げめぐりFRB当局者が異なる見解、対話能力への疑念高まる

[ミルウォーキー/ロサンゼルス 28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者らは28日の講演で、米経済や利上げについて異なる見解を示し、重要な局面での市場との対話能力に疑念が高まった。ニューヨーク連銀のダドリー総裁とサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁はともに年内の利上げ開始を示唆。

インフレ率はFRBの目標の2%に向かうとの見通しを示した。

一方、シカゴ地区連銀のエバンズ総裁はかなりハト派的な見解を示し、2016年半ばまで事実上のゼロ金利を維持する必要があると指摘した。

FRBは約10日前に連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送ったばかり。金融市場が利上げは来年まで実施されないとの見方を強めるなか、イエレン議長は先週、年内の利上げを依然として想定していると明言した。

しかし、ダドリー、ウィリアムズ、エバンズ氏の異なる見解を受けて、市場の困惑は強まりそうだ。

今週はFRB当局者17人が講演やイベントへの出席を予定している。

ビーム・キャピタル・マネジメントのマネジングディレクター、モナハン・アマナ氏は「多くの投資家はFRBが混乱していると思っている」と述べ、「経済状況が日々異なる材料を提供しているときにFRBは年内の利上げを見込んでいると述べて自身を窮地に追い込んでいる」と指摘した。

エバンズ総裁はいらだちを認め、政策当局者がそれぞれで分析を行うFRBの分散した構造が理由と指摘した。

同総裁は予想外に弱いインフレ指標に言及。18年までインフレ率は目標の2%に達しないとの見方を示した。

時期尚早な利上げに踏み切れば、FRBがインフレ目標に注力していないとの印象を与え、利上げによる景気腰折れで金融政策の転換を迫られる恐れがあるとした。

エバンズ総裁は少なくとも来年まで利上げを見送ることを支持するハト派4人のうちの1人。

ダドリー総裁もハト派的とされるが、イエレン議長と同様に年内の利上げを見込んでいる。

ダドリー総裁はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)主催のイベントで、早ければ10月にも利上げについて決定を下す可能性があると述べた。

ウィリアムズ総裁も、住宅価格の上昇を理由に挙げて長期間利上げを先送りにするリスクを指摘。「高水準の資産価値という形で特に不動産において不均衡の兆候が表れ始めており、警告が発せられている」との考えを示した。
http://jp.reuters.com/article/2015/09/29/fed-williams-idJPKCN0RS2NQ20150929

時期はともかく、まず利上げすることが重要=米SF地区連銀総裁 
[ロサンゼルス 28日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は28日、あと「少しの」指標で10月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを支持する可能性があると指摘した。その上で、時期はともかく、まず利上げすることが重要と述べた。

ウィリアムズ総裁は講演後に記者団に対し、9月のFOMCで利上げを見送ったことについて、きわどい判断だったとし「別の結論を下すのはそれほど困難ではない」と述べた。

また総裁は10月に「利上げするかどうか決定する可能性がある」とした上で、利上げが10月になろうと12月になろうと大きな問題はないと指摘。重要なのは利上げを開始することだとし、いったん利上げすれば、どのようなデータが今後の利上げに関する決定を左右するかについて投資家の理解が深まるだろうと語った。
http://jp.reuters.com/article/2015/09/28/fed-williams-hike-idJPKCN0RS2PJ20150928


3. 2015年10月12日 19:15:30 : ydsCfh8aLI
>>1

国民に実務を行う政府と自己の利益拡大のためにのみ投資を行う投資家を一緒くたにするなよ。金融寄生虫どもめ。


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