【ジャカルタ時事】日中両国が受注を競っていたインドネシア・ジャワ島ジャカルタ―バンドン間の高速鉄道計画について、同国政府は29日、中国案を採用する方針を固めた。ジョコ・ウィドド大統領の特使のソフィアン国家開発企画庁長官が同日午前、菅義偉官房長官を首相官邸に訪ね、方針を伝えた。

　インドネシア政府関係者によると、中国案は一切の財政上の政府負担が要らない点や、企業中心の事業とするなど、インドネシアの要求に沿っていることが評価されたという。同国政府内には中国案に対する安全上の懸念を示す声もあったが、大統領が最終的に中国案採用を決めたとみられる。

　インドネシア政府は今月3日、高速鉄道に関する日中両案では財政負担が発生するなどとして、いずれも採用せず、高速鉄道はやめて「中速」鉄道にすると発表。財政負担を一切伴わず、政府が関与しない企業主体の事業にするとも説明した。

　中国側は今月中旬、財政負担などに関するインドネシアの要求に応じる方針を表明。これを受け、インドネシア政府は23日、事業の白紙化を撤回し、高速鉄道事業を継続する方針を明らかにしていた。日本の新幹線案は資金調達の大部分をインドネシア政府の保証が必要な円借款としているため、受け入れることは困難だった。

http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150929-00000082-jijnb_st-nb

ボスボラス海底トンネル、ドバイの高層ビル、それで日本企業は利益を失った。

　【ジャカルタ＝渡辺禎央】インドネシア政府は29日、日本と中国が受注を競っていたジャワ島の高速鉄道計画について、中国案を採用する方針を日本政府に伝えた。中国政府が破格の条件をインドネシア政府に提示したためとみられる。インフラ輸出を成長戦略の柱に据える安倍政権にとって、大きな痛手となる。

　訪日したインドネシアのソフィアン国家開発企画庁長官が29日、首相官邸で菅義偉官房長官に会い「インドネシア政府の財政負担や債務保証を伴わずに事業を実施できるとの新たな提案が（中国から）あった」として日本案の不採用を伝えた。

　菅氏は「中国案に決定した経緯は理解しがたく極めて遺憾だ」と不快感をあらわにした。同日の記者会見でも「常識として考えられない」とインドネシアを批判した。

　ジャワ島の高速鉄道計画は首都ジャカルタとバンドン間の約140キロメートルを結ぶ。安倍晋三首相はインドネシアのジョコ大統領が３月に来日した際、日本の新幹線方式を売り込む狙いで約1400億円の円借款供与を表明した。日中の受注競争が激しさを増したため、インドネシア側は今月初めに高速鉄道計画そのものをいったん「白紙」にしたばかりだった。

　一転して中国案の採用にかじを切ったのは、同案がジョコ大統領の求めてきた「政府予算は使わない企業ベースの事業で進めてほしい」との条件を満たしていたからだ。

　菅氏は29日の記者会見で「相手国政府の財政債務や債務保証を伴わない事業が実施できるような提案は受け入れられない」と、日本は中国と同じ土俵に乗らないと強調した。だが、政府開発援助（ＯＤＡ）頼みのインフラ輸出戦略が見直しを迫られるのは必至だ。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM29H6A_Z20C15A9EA2000/

これは全体計画700km超の先行計画だから、採算が合うかどうかは全体で判断するしかないが、700km超なら在来線よりも高速幹線の方が良いと思える。
但し、日本が政府保証に拘ったということは、民間事業としては採算性が低いということなんだろう。それはそれで政策判断だ。

この先行区間を取ったということは、残りも中国がほぼ手に入れたと言う事になるが、残りの区間も同条件（低利融資+政府保証なし）で中国が請けるかどうかは分からない。インドネシアが騙されたと思うことになるかもしれない。