より短い期間で薬剤データが公開されて割安なバイオシミラー（バイオ後続薬）の製造が可能になるため、高額なバイオ医薬品には値下げ圧力が掛かりそうだ。

ＴＰＰ参加国はバイオ医薬品の開発データについて、最短５年間は開発会社の独占を認め、別途手続き期間として３年を加えて保護期間を「実質８年」とすることで合意した。

米国はＴＰＰ合意が最短期間の基準について文言を定めるまで、国内については１２年間の保護期間を適用する。

しかし米国では医師や患者、一部法律専門家の間で医薬品のコスト上昇に対する怒りが高まっており、他のＴＰＰ参加国よりも長い保護期間の適用は圧力にさらされる可能性がある。

ＷＢＢセキュリティーズのスティーブ・ブロザク社長は「（米国と他のＴＰＰ参加国の間の）価格差があまりにも大きくなれば、ある時点で抗議が起きるだろう」と述べた。

医薬品やバイオテクノロジー関連企業のロビー団体は、保護期間が１２年に達しなかったことに失望を表明した。

米医薬研究製造業協会（ＰＲＭＡ）のジョン・カステラニ最高責任者（ＣＥＯ）は「１２年という期間は適当な数字ではなく、議会での長期間にわたる議論を経たものだ。議会は研究開発を促進しながら、一方でバイオ後続薬にアクセス可能な適切なバランスを取ってこの期間を決めた」と説明した。

米国外で早期にバイオ後続薬が発売されれば、アムジェン(AMGN.O)、セルジーン(CELG.O)、バイオジェン(BIIB.O)などの大手バイオ医薬品会社、メルク(MRK.N)やブリストル・マイヤーズ・スクイブ (BMY.N)の新型がん治療薬は海外での売り上げが影響を受けるだろう。

一方でバイオ医薬品の開発を支持するジェネリック薬協会（ＧＰＡ）は、今回のＴＰＰ合意は技術革新と救命の間で正しいバランスを採ったとしている。

がんなどのバイオ医薬品は治療コストが上昇して１回１０万ドル以上に達し、米国の保険会社、医師、政治家は値下げや代替治療法の早期導入を求めている。

生きた細胞から作られるため従来型の薬剤よりも複製が難しい生物製剤は、今では米国で販売される医薬品の２５％程度を占める。アーンスト・アンド・ヤングによると２０１３年の売上高は９３０億ドルに上った。新型のより高額な薬剤が市場に出回るにつれて、今後１０年間は治療コストがさらに上昇する見通しだ。

このため米国の消費者団体はバイオ医薬品のデータ保護期間が米国の主張よりも短くなったことを歓迎している。

ＷＢＢセキュリティーズのブロザク氏は、ＴＰＰ合意で最も打撃を受けそうな企業として、規模の小さいバイオ医薬品会社を挙げた。こうした企業の多くは飛躍的な薬品の開発を進めているが、まだ販売にはこぎ着けていない。開発データを独占できる期間が短くなれば、そうした企業を買収する魅力は低下するという。

ブロザク氏は「データ独占期間がこうした企業に投資家を引き付けている。投資判断をする人々にとって実害があるだろう」と話した。

日米など１２カ国は５日、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）をめぐる交渉で大筋合意に達した。世界経済の約４割を占める巨大自由貿易圏の誕生に向けて前進した。
（ill Berkrot and Krista Hughes 記者）
http://jp.reuters.com/article/2015/10/06/trade-tpp-biotech-idJPKCN0S00A120151006?sp=true

ISD条項、著作権、秘密の交渉の中身がこれから出てくる。オーストラリアやNZはまだ決まってないと言ってるし、それを期待しよう。
いずれにしろ、自民党はTPPに反対やったから、きっちり落とし前をつけてもらわないと。
民主党が消費税あげないと言って公約違反と言われ選挙惨敗。やっぱり嘘ついたらいかん。

金融間和もっと使わせてくれ、
安部政権もっと使わせてくれ、
であり、
構造改革で日本を売り壊せである。

米市場で利上げ先送りが駄目出しを受け、更に反利上げ財源の追加緩和も駄目を食らった。
となると、緩和継続も金融緩和にぶら下がる、自民の存続も危なくなる。
急所は此処だ、まずはこれを何とかすることだ。
今は何か別な問題に目を向けさせる必要がある、そこで用意されたのがＴＰＰ早期可決。
ＴＰＰでの出口無き議論での時間稼ぎだ、
日本がＴＰＰで盛り上がってくれれば、アメリカ議会も盛り上がる。
日本が騒がなければ、アメリカ議会も動かせない。　　
日本財界を損得勘定で盛り上げ羽目を外させ構造改革を掴ませれば緩和継続のチャンスが広がる。
流れは以上の如く、
ＴＰＰは騒げば騒ぐほど米財務に有利、日本に不利となる。