［北京　１５日　ロイター］ - 中国人民銀行が１５日発表した９月の新規人民元建て融資は１兆０５００億元（１６５４億７０００万ドル）とロイターがまとめたアナリスト予想の８８５５億元を上回った。

８月は８０９６億元だった。

９月のマネーサプライＭ２伸び率は前年同月比１３．１％で、予想の１３．２％を下回った。

９月末時点の人民元建て融資残高は前年比１５．４％増と、予想の１５．３％増を上回った。

９月の中国の社会融資総量は１兆３０００億元。８月は１兆０８００億元だった。

中国では景気刺激のため、金融緩和やインフラ投資が進められている。

フォーキャスト（シンガポール）のチェスター・リョー氏は「与信状況の改善を示しているが、金融緩和を受けてマネー統計が改善しても、その後も思わしくない状況が続いているという現実を忘れてはならない」と指摘。「供給サイドではなく、需要サイドの問題が続いている」と述べた。http://jp.reuters.com/article/2015/10/15/china-loan-idJPKCN0S910I20151015

中国、1─9月にインフラ整備など総額2853億ドルの事業承認

［北京　１５日　ロイター］ - 中国国家発展改革委員会（ＮＤＲＣ）は１５日、今年１─９月に２１８件の固定資産投資プロジェクト、総額１兆８１００億元（２８５３億３０００万ドル）分を承認したと明らかにした。

承認件数が最も多かったのは交通・インフラ分野の８４件で、総額９９０６億元。

このほか、灌漑（かんがい）や水質保全事業で３９８２億元、エネルギー関連事業で２３６６億元、それぞれ承認した。

ＮＤＲＣの報道官は「これらのプロジェクトはすでに着手されているため、投資の着実な伸びを支え、発展を確かなものにし、長期的な経済発展のための強固な基盤をもたらすことが可能」と述べた。

ＮＤＲＣはまた、道路、鉄道、橋を建設する８事業、総額９５３億元を承認したと発表した。これらの事業が１─９月に承認された事業の一部かどうかは明らかでない。

承認された事業のなかには、北京、天津、河北省を結ぶ高速鉄道建設の一部も含まれている。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/15/china-economy-infrastructure-idJPKCN0S905L20151015

アングル：中国人の高級品購入に変化、「ニッチ」なブランド人気に

［パリ／香港／ニューヨーク　１３日　ロイター］ - ロイターが米国、アジア、欧州の小売業者を対象に行った調査で、中国人の海外での高級品購入動向が変化しつつあることが明らかになった。以前は団体旅行に参加し、購入する商品も上司や政府関係者への贈答品が多かったが、現在では個人旅行で自身や友人のために既製服や新たなブランドを買い求めるというスタイルが増えている。

ほんの２年前には、中国の高級品支出の約３分の１が、主にローレックスの時計やヘネシーのコニャック、グッチのハンドバッグなどの「贈り物」だった。しかし、中国政府が汚職や高額支出に対する取り締まりを強化したことから、現在では人目を気にせず買い物したり、節約することを目的に海外で高級品を購入する中国人が増加した。

アナリストの推計では、中国人による高級品支出のうち３分の２以上を海外での購入が占めている。主な渡航先はパリやミラノ、ロンドン、ニューヨーク、東京などの主要都市で、為替レートや税金の払い戻し、ディスカウントなどにより、中国での購入と比較して５０％以上も割安で商品を手に入れることが可能だ。

ベイン・アンド・カンパニー（イタリア）のダニエレ・ジート氏は「高級品購入の目的は、以前はお金を持っているということの誇示だったが、今では自身のセンスの良さを示すことに変化している」と指摘。「（高級品の消費者は）ニッチで取扱いの規模がそれほど大きくないブランドに目を向けている」と述べた。

中国人による高級品購入は１０年前にはほぼ皆無だったが、現在では世界全体の個人消費者向け高級品市場の３０％以上を占めるまでに急増。中国人の今年の高級品購入額は約２５９０億ドルに達する勢いだ。ＨＳＢＣの高級品担当アナリスト、Erwan Rambourg氏は、パスポートを所持する中国人は国民全体のわずか約５％で、海外に向かう中国人旅行者はまだまだ増加すると指摘。

＜注目のブランド＞

調査によると、中国人消費者の間で特に関心を集めているブランドはヴァレンティノ、ドルチェ＆ガッバーナ、クロエ、ミュウミュウなど。既製服で新たに注目されているのはビクトリア・ベッカム、アレキサンダー・マックイーンのほか、「Mojo.s.phine」や「オゾック」などの韓国のブランドだ。

中国の景気悪化を受けても、中国人による高級品支出の勢いは弱まる気配はない。付加価値税（ＶＡＴ）払い戻しを手掛けるグローバル・ブルーによると、中国人旅行客の高級品に対する世界での支払い額は７月に前年同月比７３％増、８月に６５．６％増となった。

一方、中国本土での販売は急減。同国で大規模な投資を進めてきたプラダ(1913.HK)やＬＶＭＨ(LVMH.PA)傘下のルイ・ヴィトン、ケリング(PRTP.PA)傘下のグッチは打撃を受けている。また、香港では２０１４年の政治不安を背景に中国本土の旅行客離れが加速している。

＜スタイルに磨き＞

英ロンドンの百貨店ハロッズ、セルフリッジズ、仏パリのプランタンでパーソナル・ショッピングを担当するスタッフは、中国からの旅行客は海外でのショッピングを文化的体験ととらえ、ファッションショーや競馬イベントなどに関心を示していると指摘。ハロッズのサブリナ・キャノン氏は「英国の生活様式を発見し、ドレスコードやエチケットを学ぶ機会になっている」と説明した。

北京や上海など大都市からの観光客はファッションスタイルに磨きをかけるため、複数の異なるブランドの商品を組み合わせる一方、より小規模の都市から訪れる観光客は、全てを同じブランドで統一する、より安全な「トータル・ルック」を好むという。

上海の高級百貨店「l'Avenue（エル・アベニュー）」のエバ・チャン氏は、高級アイテムを購入する代表的な消費者について、最近になって富裕層の仲間入りをした２５─４０歳で、多くはインターネット関連事業で稼いでいると分析。「情報通で適応能力が高く、自身または友人のために買い物をする」顧客だと説明した。

人気の高い時計ブランドとしてはパテック・フィリップ、ピアジェ、ヴァシュロン・コンスタンタン、ローレックスの名前が挙がった。ジュエリーではブルガリのセルペンティ・ブレスレットやヴァンクリーフのアルハンブラペンダントを選ぶ顧客が多かった。

(Astrid Wendlandt記者、Clare Baldwin記者、Siddharth Cavale記者　翻訳：本田ももこ　編集：加藤京子)
http://jp.reuters.com/article/2015/10/15/luxury-china-idJPKCN0S90SS20151015