（ブルームバーグ）：商品価格の下落は鉄鉱石や銅といった資源の世界最大の市場である中国全体に波及し、今ではダイヤモンド業界にも打撃を与えつつある。これは、英アングロ・アメリカンにとって悪いニュースだ。
米国に次ぐ世界２位の中国のダイヤ宝飾品市場における需要の冷え込みは、同国の景気減速の影響を受けているのが工業用資源にとどまらないことを示している。また、アングロ・アメリカン傘下のデビアスの顧客である取引業者や研磨・カット業者は、デビアスが多くのダイヤ関連業者の支払い能力を上回る価格を要求していると主張する。
ダイヤ原石取引プラットホーム、ブルーダックスの共同創業者、ガイ・ハラリ氏は「ひどい状況だ。デビアスは事業は通常通りだと言ったりそうではないと言ったりする。市場はデビアスが世界に示そうとしている状況に比べずっと軟調だ」と指摘する。
デビアスの株式の85％を保有するアングロ・アメリカンは、プラチナや銅、石炭など他部門の利益の減少を補うためダイヤ関連の利益に期待している。
中国では建設と工業生産の分野で鈍化が始まり、今では消費者にも打撃を与えつつある。汚職取り締まりが進む中、高級品は特に影響を受けやすい。
パンミュア・ゴードン・アンド・カンパニー（ロンドン）のアナリスト、キーロン・ホジソン氏は「『中国は終わった』というわけではなく、中国は正常化しつつあるということだ。問題なのは中国国内あるいは主要小売業者の在庫水準だ。在庫は滞留している」と指摘する。
世界３位のダイヤ生産会社、英・オーストラリア系リオ・ティント・グループは16日、中国の需要鈍化に対応し、今年の生産目標を10％引き下げた。英ＷＷＷインターナショナル・ダイヤモンド・コンサルタンツによると、ダイヤ原石価格は今年に入って約15％下落している。
経済成長率が1990年以降で最も低い伸びを示すと予想されている中国に関連する要因だけがダイヤ業界にとって問題なのではない。ＡＢＮアムロ銀行やスタンダードチャータードなどの銀行がエクスポージャーを減らすため融資を抑制していることから、ダイヤ原石の購入資金の多くを融資に頼っている取引業者は信用収縮による打撃を受けている。ダイヤ業界への融資市場の約10％を占めていたアントワープ・ダイヤモンド銀行は昨年、事業を清算した。
原題：Diamond Industry Dragged Into Slump as China Demand Ebbs Away（抜粋）
記事に関する記者への問い合わせ先：ﾛﾝﾄﾞﾝ Thomas Biesheuvel tbiesheuvel@bloomberg.net
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更新日時: 2015/10/21 12:52 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NWJTXX6KLVRE01.html

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