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<第4回>「2015ブラック企業大賞」ノミネート6社が発表される!アリさん、セブン、ABCマートなど
http://www.asyura2.com/15/hasan101/msg/860.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 27 日 21:24:05: igsppGRN/E9PQ
 

【第4回】「2015ブラック企業大賞」ノミネート6社が発表される!アリさん、セブン、ABCマートなど
http://xn--nyqy26a13k.jp/archives/8093
2015/10/27 健康になるためのブログ



http://news.livedoor.com/article/detail/10757444/

弁護士やジャーナリストなどでつくる「ブラック企業大賞」の実行委員会が10月27日、東京・霞が関の厚生労働省で記者会見を開き、ノミネート企業6社を発表した。今年ノミネートされたのは、セブン-イレブン・ジャパン、暁産業、エービーシー・マート、フジオフードシステム、明光ネットワークジャパン(明光義塾)、引越社関東(アリさんマークの引越社)。


実行委が挙げたノミネート理由の要約は、以下の通り。


セブン-イレブン・ジャパン・・・フランチャイズ加盟店主から過酷な搾取をおこない、そのしわ寄せが学生アルバイトに及び「ブラックアルバイト」が問題化している。


暁産業(消防自動車や消防用設備などの販売と保守点検をおこなう企業)・・・パワハラで未成年の労働者が自殺に追い込まれた。


エービーシー・マート・・・厚労省がブラック企業対策に乗り出して以来、初めての書類送検事案。労働者と合意した残業時間(79時間)以上の残業をさせていた。


フジオフードシステム(大阪や京都を中心に「まいどおおきに食堂」「串家物語」など飲食店を運営する会社)・・・労働局から是正指導を受けても繰り返し長時間労働や割増賃金の不払いを続けていた。


明光ネットワークジャパン(明光義塾)・・・賃金未払いが問題化。全国各地で労働局から是正勧告がでている。


引越社関東(アリさんマークの引越社)・・・元は営業職だった従業員をシュレッダー係に配転。さらに、突如として懲戒解雇した。その理由を「罪状」として、全国の店舗に掲示した。


ブラック企業大賞の授賞式は11月29日に東京都内で開かれる。同委員会のウェブサイト(http://blackcorpaward.blogspot.jp/)には、詳細なノミネート理由が掲載された。また、10月27日午後8時ごろにはウェブ投票コーナーが設置される。

実行委員の内田聖子氏は「これまでノミネートした企業には、授賞式の案内状(返信ハガキ付き)を送ってきた。しかし、これまで1社も出席がなかった。返信があったのも2社だけだ」と話していた。




以下ネットの反応。
















セブンってヤバいんですね。全然知りませんでした。そして、ブラック的な会社はマジでいい加減にしなければなりません。サービス残業とかマジムカつきます。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年10月27日 23:07:03 : qFBZAvwg0G

 愛の会社では PM8時には 会社を追い出すね〜〜〜

 仕事をしない 仕事ができない社員が 長く会社に居残って 残業訴訟を起こすのが
 最近の流行だから 会社が強制的にやらないと 残業を認めた(黙認)になっちゃう
 
 ===

 日本も 難儀な世の中になってしまった
 


2. 2015年10月28日 08:11:29 : jXbiWWJBCA
10月1日に内定式を実施した企業の割合は45%
2015.10.28(水) 経営プロ

 10月1日に実施された2016年度新卒採用の内定式の様子が新聞などのメディアで報道されていた。では、実際に内定式を実施した企業の割合はどれくらいだったのだろうか。また、企業は来年度の選考時期をどうすべきと考えているのだろうか。

増える内定辞退者

 経団連は10月以降に、企業に対して今年度の新卒採用の関する調査を実施するとしている。そこでHR総研では、10月5〜8日に緊急アンケートを企業に対して実施した。回答企業のうち45%が内定式を10月1日に実施し、残りの55%が実施しなかったという結果であった。

 10月1日に内定式を実施した企業にこれまでの内定辞退率を聞いたところ、10%未満が19%、10〜30%未満が22%、30〜50%が31%、50%以上が26%であった。内定辞退率が昨年より増えたと回答した企業が44%と、減ったとする13%を大きく上回っている。こうした数字は10月1日に内定式を実施しなかった企業の方が大きく上回ることは間違いない。

百害あって一利なし

 こうした状況に対して、選考時期の繰り下げが起こした混乱による影響によるものだと、企業の恨み節は爆発している。

 今回のアンケートに回答した企業に2017年度採用はどうあるべきかを聞いたところ、昨年度までの採用スケジュールの戻すべきという意見が大半であった。いくつかコメントを見てみよう。

・「倫理憲章」改定により、告知解禁・選考解禁日を遅らせたのは、逆に選考長期化を招き、大失敗だった。(通信、大手)

・昨年までのスケジュールが望ましい。(輸送機器・自動車、大手)

・学生はすぐに変更しても対応できると思われる。企業もある程度対応可能。今すぐにでも昨年度のスケジュールに戻して行うようにすべきだと感じる。(食品、大手)

・4年生になってからの4月1日からにしたほうが、意識的にも良いと思う。時期をずらしても強制力もなく意味が無いと思う。(輸送機器・自動車、中堅)

・政府が介入せず、企業の自由に任せた方がよい(以前のように)、と思います。(旅行・ホテル、中堅)

・今年度の経団連の採用条件の変更は、「愚の骨頂」。学生側の就職活動期間は、長くなるし、会社側の採用活動も長期でかつ内定者の承諾に、精力を使うは、まったく机上の空論・暴論を根拠とした、浅薄な判断であった。来年度は、以前の状態に戻すべし。(情報処理・ソフトウェア、中小)

・2015年新卒採用以前の採用スケジュールに戻るべきだと思います。2016年のスケジュールを続けた場合、中小企業や不人気業界のハンディと経費労力負担は非常に大きいのが現実です。(運輸・倉庫・輸送、中小)

足並みを揃える必要はあるのか

 今年度のスケジュールを来年も踏襲すべきという意見はほとんど見られなかった。また一方で、選考時期の統一は不要との意見も少なからず見られる。

・事実上、守られなかった選考開始時期の統一は不要。各社が必要な時期に必要と思われる人材を自由に選考ができるようにすればよい。(情報サービス・インターネット関連、大手)

・ルールの形骸化が容認される以上、スタートのみ足並みを揃えて選考時期は自由化すべきと考えます。(百貨店・ストア・専門店、大手)

・ルールを作るならば徹底する(企業も学生も徹底しなければ苦労するため)。徹底できないのであれば、ルール自体を設けない。極端だがいずれかにすべき。(百貨店・ストア・専門店、中堅)

 守られないルールは混乱を引き起こすのだから、いっそ選考については企業の判断に任せるべきだとする考えは企業側には根強くある。新経済連盟代表理事である楽天・三木谷社長は、人材獲得競争で時期をそろえることなど無意味だと発言している。

 実質上、日本の主要企業の採用選考スケジュールを左右する経団連の来年度の指針がどうなるか今後注目されるが、中途半端な物言いでは新たな混乱を引き起こす可能性もある。ルールを打ち出すなら徹底して守られるものにする、もしくは企業の自由裁量でやるならやると、混乱を収束させる方向性をぜひ打ち出してほしいものだ。

◎本記事は経営・ビジネスの解決メディア「経営プロ」のコラムを転載したものです。経営プロの関連記事はこちらです。
・休ませ上手は経営上手!?
・【新卒採用】学歴フィルターは悪か
・残業問題における上司と部下の仁義なき戦い
・CS(顧客満足)よりも、ES(従業員満足)を!
・数分の遅刻で30分賃金カットは合法の会社もあり違法の会社もある
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45099


3. 2015年10月28日 08:58:40 : jXbiWWJBCA
DOL特別レポート
2015年10月28日 窪田順生 [ノンフィクションライター]
ワタミとユニクロ「ブラック企業」批判後の
明暗を分けたものは何か?
収益の柱である介護事業の売却を発表したことで株価が急落したワタミ。気の早い一部メディアや市場関係者は、「Xデー」も近いことを匂わせ始めた。苦境の原因の1つである「ブラック企業」問題は、ワタミにどう影響したのだろうか?

ブラック企業批判が
ワタミ暗転のきっかけに

 2期連続の巨額最終赤字を計上し、2年前に320億円だった純資産が今年3月期には102億円まで目減りしたワタミ。破綻を匂わす報道も出るようになった。ここまで厳しい見方をされる背景には、会社低迷の「戦犯」である主力の居酒屋事業に復活の兆しがまったく見えず、迷走が続いていることも大きい。


バッシング後も「ブラックではない」と強気の発言を繰り返した、ワタミ創業者の渡辺美樹氏。“改悛”の姿勢を示したユニクロの柳井会長とは対照的だ Photo:AFLO
 桑原豊・ワタミ前社長が、有名食品メーカーなどとコラボするなど「こだわりのメニュー」を前面に押し出した「高付加価値・高単価路線」を推進すると高らかに宣言したのは2014年頭のことだった。

 が、同年7月社長に就任した清水邦晃社長は早々にこの方針を覆し、値上げ以前の低価格帯へ戻すという「緊急対策」を打ち出す。高いながらも素材にこだわったメニューで、たしかに客単価は上がったが、客数が大幅なマイナスとなったからだ。

 この「先祖返り」が意味することは大きい。そもそもワタミは、「居酒屋=中年サラリーマンの憩いの場」だった1990年代に、「夕飯もとれる若者向け低価格居酒屋」というコンセプトを掲げて急成長し、外食産業の風雲児としてもてはやされた。あれから20年以上が経過しても結局はそこから脱却できない、ということをはからずも証明してしまったからだ。

 では、ここまでの「迷走」を招いた原因はなにかというと、さまざまな見方があるが、「ブラック企業としての烙印が重くのしかかっていることが一因」という声も多い。「和民はブラック」というイメージが定着したことで、客の足を遠ざけているというのだ。

 一般的に、「ブラック企業」イメージと売上高などの因果関係を示す客観的データは存在しないが、たしかにワタミに関しては興味深い数字がある。

 ワタミのブラックイメージが生まれたきっかけは2008年、入社3ヵ月の女性社員が自殺をしたことだが、この時点ではまだ、ネットや一部メディアが報じる「疑惑」だった。それが全国的に注目されるようになるのは12年2月、神奈川労働者災害補償保険審査官が「長時間労働による精神障害が原因」として労災認定をしたことが大きい。公的機関から「お墨付き」を得たことで「事実」として一気に報道件数がはねあがったのである。

 では、この年にワタミはどうだったか。外食産業総合調査研究センター調査によれば、12年の居酒屋・ビアホール業界の平均売上高は前年比1.5%減だったが、ワタミは3.8%減と業界水準を下回る落ち込みだった。しかも、特に落ち込みが激しいのは、「和民」(4.4%減)「わたみん家」(4.2%減)。《「和民」の女性社員・入社2か月後自殺 神奈川労働局 過労原因と労災認定》(NHKニュース2012年2月21日)などの情報のシャワーが、客足を遠ざけたというのは容易に想像できる。

同じブラックでもユニクロは過去最高益
ワタミは何を間違えたのか

 ただ、ここでひとつの疑問が浮かぶだろう。ブラック企業イメージがじわじわとボディブローのように経営にもダメージを与えたというのなら、なぜワタミだけなのか、ということだ。

 世に「ブラック企業」と名指しで批判をされる企業は他にもあるが、彼らはそこまで深刻な事態まで追い込まれていない。たとえば、同じく「ブラック企業」と呼ばれるファーストリテイリングは15年8月期、国内事業の売上高・営業利益ともに過去最高益を叩き出している。一時はバイトが大量に辞めて店舗閉鎖に追い込まれた「すき家」のゼンショーも深夜営業の再開を進めるなどして、売上高は増えている。

 これらの企業とワタミの命運を分けたものは一体なんなのか。業種が異なる、ビジネスモデルが異なる、などさまざまな視点はあると思うが、ここではブラック企業イメージに対するカウンターとして、どのような情報発信を展開したかという「企業広報」の視点で考えてみたい。

 実態としてブラック企業であるか否かはさておき、そのような指摘をされた企業は通常、ダーティイメージを打ち消すための施策を打たなくてはいけない。特に小売業や外食など、企業イメージが売上に直結する場合はなおさらだ。では、ワタミがそのような努力を行ってきたのか、というと首を傾げざるを得ない。

 ほとんどなにもしていない、もしくは逆効果のようなことばかりをしているからだ。それを説明するため、ほぼ同じ時期から「ブラック企業」として名指しで批判を浴びてきたユニクロと比較してみよう。

 先ほど述べたように、ワタミへの風当たりが強くなったのは12年からだが、それが「バッシング」に発展したのは13年夏だ。会長を辞めた渡辺美樹氏が参院選で自民党から出馬したことが大きい。共産党の吉良佳子参議院議員が、「ワタミはブラック企業」というネガティブキャンペーンを展開して「ワタミキラー」なんて呼ばれたことからもわかるように、「一企業の醜聞」から、政治的バイアスがくわえられた「社会問題」へとステージがあがったのだ。

 では、ここで当の渡辺氏はどう対応しているか。

「我々はブラックではない。ブラック企業の基準もあいまいだ。(批判には)事実を積み上げて説明したい」(2013年8月3日 日刊スポーツ)

 要するに、いわれのない誹謗中傷を受けているという強気のスタンスを打ち出したのだ。この後しばらくして登場したインタビューでも、「評判を悪くしたい人がいる」「プロパガンダ」などと一貫として「被害者」という立場を貫いている。

「問題がある」と認めたユニクロ
後手に回ったワタミの対策

 しかし、この3ヵ月ほど前、やはり「ブラック企業」の誹りを受けていたファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、渡辺氏とまったく異なる対応をしている。「朝日新聞」のインタビューでこのように語っているのだ。

「大半が途中で辞めた人などの一部の意見だ。作業量は多いが、サービス残業をしないよう、労働時間を短くするように社員には言っている。ただ問題がなかったわけではなかった。グローバル化に急いで対応しようとして、要求水準が高くなったことは確か。店長を育てるにしても急ぎすぎた反省はある」(2013年4月23日 朝日新聞)

 全面的に同意はしないながらも「問題」の存在を認め、「反省」という言葉も用いている。イケイケの渡辺氏と比べると、どこか弱気にも見えてしまう殊勝な態度なのだ。このような両者の違いは、時間が経過していくとより顕著になっていく。

 年が明けた14年1月、ワタミは外部の有識者委員会から「所定労働時間を超える長時間労働が存在する」と指摘を受けた。「被害者」というストーリーが揺らぎ始めたわけだが、そこへさらに不信感を強めてしまったのが、この指摘をうけて3月にワタミ側が発表した「国内店舗の約1割にあたる60店の閉鎖」だ。

 店が減るので、1店舗あたりの平均社員数が1.66人から1.83人に増える。中途採用もすれば、2.0人まであげることができるのでこれで労働環境が改善されますよ、というのが桑原前社長の説明だったが、正直、一般人にはあまりにインパクトの小さい数字でピンとこなかった。

 ワタミの社内会議や居酒屋業界では、「平均社員数を2人に?そりゃすごい決断だ!」と驚きをもって迎えられる話なのかもしれないが、「社員が自殺するほど追い込まれるブラック企業」と批判される企業が出した対策としては、やや拍子抜けである。事実、このニュースは主に経済系メディアが報じ、一般のテレビや新聞はベタ記事扱いだった。

“改悛”を強く打ち出して
メディアを味方につけた柳内会長

 そんなワタミの「ブラック対策」が報じられた1週間後、全国紙やテレビを賑わしたユニクロの発表があった。覚えている方も多いだろう。「非正規社員1万6000人を正社員化」というやつだ。こちらは数字のインパクトもあって、さまざまなメディアで大きく取り上げられたのだが、ここでも柳井会長は「反省」を前面に押し出す。

 たとえば、「日本経済新聞」(2014年4月12日)は、《「部下は部品ではない」「部下の人生を預かる」――。これまでの失敗を自分に言い聞かせる発言が相次いだ》なんて調子で、柳井会長の“改悛”を強く印象づける報道をしている。

 実は渡辺氏もブラック企業疑惑が出てから、ことあるごとに「社員は家族だ」というようなメッセージを訴えているのだが、メディアではだいたいスルーされている。汚名を着せられた者は、柳井氏のように、とにもかくにも“改悛”の姿勢を見せぬ限り、その主張すら取り上げてもらえない、というのは日本のメディアの特徴のひとつだ。

 さて、こうして奇しくも同時期に「ブラック企業」イメージを打ち消す「対策」を公表した2社だが、その後のトップの発言はとても同じ問題に取り組んでいるとは思えぬほどかけ離れたものとなっている。

「1店舗あたり平均社員2人」を打ち出した3ヵ月後、ワタミの桑原前社長は、「東洋経済」のインタビューで「ブラックだなんて全然思っていない」「労使関係は存在しない」という発言をした。この背景には、14年7月の株主総会で、創業者である渡辺氏が改めて「ブラック企業との風評が広まり、居酒屋の客足だけでなく介護や食事宅配サービスの売上にも影響した」と、「被害者」アピールをしたことがある。

 根拠のない噂のために苦しんでます、というわけだ。外部の有識者委員会からも指摘があったという事実は、もはやどこかへ飛んでいき、とにかく「口が裂けてもブラックを認めない」の境地に達しているのだ。

 そんなワタミと対照的に“改悛”路線を突き進むのがユニクロだ。14年の年末、学生向けの講演会を終えた後の取材で、柳井会長は「疑惑」を暗に認めるような思い切った発言をしている。

「昔の我々の会社には、ブラック企業のような部分もあったと思う。それはなくなってきた」
「世界中の社員には、何人かブラック企業のようなことをやっている人はいるかも知れないが、会社としては容認していない」(朝日新聞2014年12月20日)

「ブラック企業」批判に対しては
いち早く反省した方が有利

 断っておくが、ユニクロの対応が良くて、ワタミがダメだという話ではない。異物混入でマクドナルドのカサノバ社長がなかなか謝罪会見をしなかったことからもわかるように、世界のグローバル企業のなかでは、「トップが非を認める」ことを極力避けるのが鉄則だ。

 少しでも口を滑らせると、株価がガクンと下がるので、事実として確定していない「疑惑」に関しては、徹底的に批判をするのもトップの役目なのだ。そういう意味では、ワタミの対応が「スタンダード」であり、柳井会長の方が「異常」ともいえる。

 ただ、「ブラック企業」という批判に関しては、スタンダードな対応は通用しないということがワタミによって明らかになった。今年1月、就任前の清水社長は、日本経済新聞の取材に対して、「世間のブラック企業との批判を真正面から受け止める必要がある」と、ユニクロの柳井会長の後を追いかけるような姿勢をみせはじめた。

 ユニクロはトップがいち早く「反省」と「改悛」を見せた。ワタミは2年間ほど「事実ではない」とつっぱねたが、いよいよ耐えきれなくて「反省」を見せはじめた。この2社の差を乱暴に言ってしまうと、最初に非を認めたか、追いつめられて非を認めたのか、という違いだろう。

 では、なぜワタミはユニクロのような対応をとれず、経営にダメージを与えるほど被害を拡大させてしまったのか。企業文化などもあるが、個人的には、創業者が政治の世界に入ってしまったことが大きいと考える。

 ユニクロは創業者の柳井会長が「反省」をしてさまざまな対策を打った。それが実際に効果を出しているか否かは別として、「生みの親が問題解決のために動いている」ということは世に伝わる。これがブランドイメージの毀損を防いだ部分も否めない。

 しかし、ワタミの場合、渡辺氏は指摘を否定するのみで、「反省」も口にしなければ対策を打つこともない。すでに会長職を退いているので、柳井会長と立場が違うということもあるが、このような立ち振る舞いになってしまうのは、実は渡辺氏が「政治家」であることが大きい。

渡辺氏は政治家になったことで
「反省」できなくなった

 ご存じのように、政治家は謝ったら終わりだ。秘書がやったので知らない、不適切な会計だがすでに修正した、などなど、責任を問われても「遺憾に思う」なんて、まるで他人事のような発言に終始するのは、政治家が自らの非を認めて頭を下げるということが、すなわち政治生命の終わりに直結するからだ。

 もし渡辺氏が柳井会長のように「ブラック企業のような部分もあった」なんて頭を下げようものなら、まず共産党やら民主党が騒ぎ出す。渡辺氏を公認候補にした責任を取れとかなんとか。事態が大きくなれば、国のブラック企業対策にも大きな影響を及ぼす。

 つまり、「公人」になってしまった渡辺氏は、もはや本人の意思とは関係なく、そうおいそれと非を認めることができない立場になってしまったのだ。

 もしユニクロのように、生みの親が改悛して非を認めることが、「ブラック企業」のイメージを払拭するとしたら、3代目社長の清水氏がどんなに頭を垂れても改悛の姿勢をみせようとも、ワタミのイメージがよくなるとは思えない。渡辺氏の参議院議員としての任期は19年まで。果たして、そこまでワタミはもちこたえることができるのか――。

 ワタミの滑落は、渡辺氏が金バッジをつけた時から、もはや避けられない運命だったのかもしれない。
http://diamond.jp/articles/print/80684


4. 2015年10月28日 09:01:49 : jXbiWWJBCA
中小企業の人事担当は必須知識の就活生に好かれるテクニックとは?


社長・人事・総務のための新しい採用活動の本
【第3回】 2015年10月28日 牧 伸英 [特定社会保険労務士・採用面接士]

数ある企業の中から自社に興味をもってもらうための努力や工夫が必要です。ただ単に求人票で告知するだけでは就活生の心はつかめません。最終回では、募集の段階でおさえておきたい自社PRの効果的な方法を、就活生の目線から考えていきます。知名度の低い会社でも独自の採活メソッドで成功に導いてきた「採用のプロ」が教える、中小企業のための最強の人材採用マニュアル『低予算でも欲しい人材だけが来てくれる! 社長・人事・総務のための新しい採用活動の本』から抜粋し、再構成してご紹介します。(構成・文 佐藤祥子)

就活生のことは内定者に聞けばよくわかる!

 採用活動は、応募者と企業の求める人材像がうまくマッチングしてこそ成功します。より成功率を高くするために、就活生の視点に立って採用戦略を考えていきます。

 就活生のことは内定者に聞くのが一番です。そこで、直近の内定者や、入社したばかりの社員にアンケートを取り、本音を聞いてみましょう。


牧伸英(まき・のぶひで)
一般社団法人採用面接士協会理事、特定社会保険労務士、e−人事株式会社代表取締役、ぜぜ社労士事務所代表、一般社団法人日本歯科労務コンサルタント協会代表理事、滋賀県社会保険労務士会理事、同会湖西支部支部長、日本FP協会滋賀支部副支部長(2015.9現在)。大学を卒業後、営業職、経営コンサルタント、人事コンサルティング会社を経て独立開業。現在は、採用面接士®として、採用選考プロセスの設計、適性検査の導入、オリジナル採用基準の構築支援、面接官の育成、採用面接への同席&採否の助言、内定者フォローまで展開しており、支援先企業は約400社。高校生・大学生への就活支援も手掛けており、支援実績は延べ3000人以上。
ホームページ http://www.e-jinjibu.jp
メールマガジン https://55auto.biz/e-jinji/touroku/entryform6.htm
 アンケートでは、次のような質問をすると改善すべき点が見えてきます。

・当社を何で知りましたか?
・応募前に一番悩んだことは?
・一次、二次の面接官の印象は?
・内定を承諾した理由は?
・他社を断ってまで当社へ入社した理由は?
・当社応募時の、他社の応募状況について
・応募前に教えてほしかったこと
・就職活動中に不安だったこと
・内定後の不安点 など

 たとえば、応募前に一番悩んだことが「転勤の多さ」であったなら、転勤先の職場環境や転勤者のコメント、さまざまなサポート体制など、転勤に関する情報量を増やして不安を軽減することができるでしょう。

 また、他社に比べて「キャリアアップ」についての情報が少ないようなら、モデルとなる社員の活躍ぶりを大きく紹介すればイメージがわきやすくなります。アンケートの回答に、面接のときに「目つきが怖かった」といった印象に関する記述を見つけたら、面接官は自分の表情に気をつけて接するようにして、相手に威圧感や不安を与えない工夫を心がければいいのです。

 このように、応募者目線から採用側が気づかない改善ポイントを探り、採用活動をどんどんブラッシュアップしていきましょう!

企業説明会には社長自ら登壇して会社情報を発信

 採用活動において、企業説明会は就活生と最初に出会う場です。何事も最初が肝心ですから、応募者に良い印象を与えられるようしっかり演出してください。

 企業説明会を成功させるために、絶対に必要なことが1つあります。それは、社長の登場です。社長がわざわざ出席する必要はないと思うかもしれませんが、応募者の視点で考えてみてください。興味のある会社の社長から直に話が聞けるのと聞けないのとではインパクトが違います。経営者としての信念や、まだ形になっていない将来の事業計画を確信を持って語れるのは社長だけです。

 特に中小企業の社長は自ら姿を見せてスピーチしたほうが、アピール効果が高くなります。なぜなら、中小企業の魅力は社長の魅力そのものだからです。そして良い人材は会社の成長力になります。

 採用にかける時間は、将来への投資です。直接質問できる時間も用意すれば、応募者の疑問を解消できるので、満足度がさらに高まるでしょう。

 注意したいのが、会社を紹介する際に、単に履歴書型の歴史年表を披露することです。まったく聞いている人の心には響きません。では、どうすれば就活生の心をつかめるのでしょうか。

 人はストーリーに魅了されます。「うちの会社には、そんなドラマティックな話はない」というかもしれません。はたしてそうでしょうか? どの会社にも独自のストーリーがあります。応募者が知りたいのは、どういう会社で、どのような仕事をしてきて、そしてこれから進みたいと考えている方向についてです。それらを誠実に伝えていけばいいのです。

合同企業説明会は自社をアピールできる絶好の機会

 採用活動は自社を売り込むという意味では営業のようなもの。知名度の低い中小企業や、個人の消費者には縁のない法人、企業間取引が主たるビジネスになっている企業にとっては、若い人の目に触れる企業PRの機会でもあります。最終的に、就活生を採用できなかったとしても将来の優良顧客になる可能性も十分あり、長い目で見ても費用対効果が高いといえます。

 合同企業説明会の参加には、もう1つのメリットがあります。それは他社の動きがわかることです。たとえば、会場でのブースの作り方や、モニターを使ったプレゼンテーションなど、同業他社がどんな方法で応募者を集めているのか実際に見ることができます。出展企業同士で情報交換をしたり、他社のパンフレットを入手して参考にしてもいいでしょう。いろいろなアイデアが出てくるはずです。

 弊社の支援先からも「うちと同じような会社はどんな採用活動をしているのか」とよく聞かれるのですが、採用のノウハウを学ぶという面でも現場から得られる収穫は大きいです。

 ただし、実際の説明会の時期に関して注意点があります。それは、その合同企業説明会の開催が秋以降の場合、積極的な学生はすでに内定が決まって参加しなくなり、春や夏に開催した頃に比べて内向的な学生が多く見られる点です。

 業界によって就活のスケジュールは若干違いますが、欲しい人材との出会いを真剣に求めるのであれば、就職活動のピーク前から、そういった説明会などに参加したほうがいいでしょう。

二次面接からは“もっとも優秀な人材”を面接官に据える

 採用面接は会社にとっても応募者にとっても一番の勝負どころ。応募者は自分をよく見せることに全力を注いできますし、面接官は相手が用意してきた答え以上の情報(=本音)を引き出そうと努力します。

 中小企業の採用面接では、手が空いている人が面接官になっている場合も結構あるのですが、それは絶対にやめてください。冒頭でも述べたように、欲しい人材を獲得するには、面接官としてのテクニックが必要だからです。

 みなさんは、どういう人が面接官に適していると思いますか?

 会話が得意な人でしょうか。洞察力のある人でしょうか。いろいろ考えられると思いますが、一番選びやすくて間違いないのは、社内でもっとも優秀な人を面接官にすることです。

 というのは、まず面接官は企業の広告塔でもあるからです。面接官が優秀なら就活生の間でいい評判が得られますが、逆にダメな印象を受ければ悪評につながることもあります。

 そして、面接官に求められるのは、話上手ではありません。聞き上手で褒め上手、会話をリードできることです。話しがうまい人を面接官にする会社もありますが、聞き上手な人のほうが応募者も本音を話しやすいので成功します。

 そういった意味では、トップ営業マンも面接官として適任です。コミュニケーション力が高いので、聞き手となって応募者の本音を引き出しながらも、巧みなセールストークで自社の魅力をアピールできます。

 人当たりがよく、人に好かれるスキルを持っていますから、応募者もガードを下げて自然に話せるはずです。私の経験からも、トップ営業マンを面接官に据えると選考辞退率が低いケースが多く、理由の真相もこういったことに関係しています。

「評価シート」を作って面接の精度をUP

 面接時に用意しておきたい「評価シート」について説明します。評価シートは必ず用意してください。手間はかかりますが、メリットが多く、この記録を残しておくことで、長い目でみれば会社の方針、成長を「見える化」できるからです。

<(1)同じ失敗を繰り返さない>
面接では良い人材に見えても、「すぐに辞めてしまった」「面接のときと印象が違う」といったことが、採用の現場でよく起こります。きちんと面接の記録を残し、合格理由を明確にすることで、同じような失敗を防ぐことができます。

<(2)面接の結果に責任を持つ>
誰が面接して、どの応募者に、なぜ合格を出したのか、その記録をデータとして積み重ねていきます。面接官の選任や教育にも役立ちます。

<(3)誰がやっても同じ面接ができる>
聞く内容などを事前に頭に入れておいても、いざ面接となると忘れてしまいがち。応募者のどこを見ればいいのか、判断基準を常に確認しながら面接できます。

<(4)次の面接に役立てる>
面接は少なくとも2回、できれば3回行えると失敗が少なくなります。前回の面接で確認できなかった質問や気になった点を記録に残しておき、次回の面接をより有意義に行います。

 評価シートは面接後に記入するものですから、自社の採用基準に基づいて、評価方法や評価項目、評価ポイント、合格点などを決めておきましょう。本書では面接評価シートの見本を掲載しています。

面接に向けてしっかり準備し、応募者を迎える

 採用面接では、しっかりと準備しておくことが大切です。ただ面接すればいいという考え方では、いい結果は期待できませんし、就活生の印象も最悪です。

 一番いけないのが、
「〇日の午後、時間空いてる? 面接に同席してくれないか」
「気になったことを聞いてくれればいいから」
「質問は特に決まってないから。やる気があるかどうかとか、適当に頼むよ」
というように、突然の面接官の依頼、そして採用したい人物像が漠然としているようなケース。依頼された社員も迷惑ですし、面接される側にとっても準備が整っていない面接では会社の印象が悪くなってしまいます。

 採用とは会社の成長のために必要な「投資」です。採用に失敗するということは、何億円ものプロジェクトが失敗するのと同じなのです。それを肝に銘じて、面接をすることが決まったら、まずは次の1〜5の項目に沿って確認していきましょう。

1 面接官の決定
2 日程の決定と場所の確保
3 書類(応募者のリストとともに履歴書、職務経歴書、面接シートなどを準備)
4 会場設営
5 社内への告知

 面接官を担当する人については、基本的に一次面接=現場の若手・中堅社員、二次面接=現場の責任者クラス、課長、部長、最終面接=役員、社長で調整します。面接が2回で終了する場合は、2回とも社長が面接してもOK。面接官には、自社についての理解があり、会社と仕事の魅力を伝えられる人材を選定します。

 また、面接の精度を上げるためには、面接官が少なくとも2人は必要です。一人が質問をし、もう一人が聞き役と記録役を担当します。複数で対応することによって聞いてはいけない質問をしてしまったときに、もう一人がそれを止めてフォローすることもできます。お互いに話を振りながら、役目を交代しながらバランスよく質問してもいいでしょう。3対1になると圧迫感を与えますので、面接官の人数=応募者+1人が目安です。

 面接のときの座り方ですが、2対1の場合は、1人が面と向かい合うより、応募者を頂点に三角形を描いて座ると、応募者のガードが下がり、緊張感のない状態で情報を聞き出せます。

 面接会場については、面接官と応募者の距離が2メートル程度取れる部屋を用意します。集団面接の場合は、応募者の椅子の間隔は20センチ程度がベスト。応募者が荷物を置く棚やテーブルも設置しましょう。応募者の人数に応じて控室を準備し、ペットボトルなどのお茶を出す配慮も忘れずに。

 面接を実施する日時と場所が決定したら社内告知します。面接当日に会場を探す応募者を案内したり、挨拶をされても反応しやすくなります。応募者数が多い場合は、張り紙で会場への案内をしておくとわかりやすいです。緊張して来場する応募者にとって、当日の不安が少しでもほぐれるような環境を提供するように心がけましょう。

http://diamond.jp/articles/-/80650


 
経団連「6月選考解禁」の愚 無意味な就活ルールは廃止せよ
山崎元のマルチスコープ
【第399回】 2015年10月28日 山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]


8月選考は不評だった
学生も企業も疑心暗鬼で疲弊


朝令暮改の「指針」に、学生も企業も振り回される
 経団連が、昨年改訂した大学新卒者の採用活動のルールを今年、早くも変更し、選考活動解禁を6月とする意向だという。

 昨年の改訂は、それまでの「大学3年の12月時に会社説明会の解禁、4年生4月に面接などの選考活動解禁」という旧選考スケジュールが、大学での学業に支障を来すことを理由として、「3年の3月(4年になる直前)に説明会解禁、8月に選考活動解禁」の現スケジュールへと大幅に後ろ倒ししたものだった。

 いずれの場合も、正式な採用内定を出すのは10月からということになっているが、選考活動の解禁と共に、学生には限りなく内定に近い「内々定」が出始めることが多いので、選考活動の解禁時点が就職活動の一つのピークになる。

 しかし、3月から企業と学生の接触が始まり、8月からやっと正式な選考活動が解禁されるというスケジュールは、実質的な就職活動期間の長期化をもたらした。学生も企業の採用担当者もくたびれるのと同時に、学生側では「会社の採用活動は“実質的に”どこまで進んでいるのだろうか」、採用側では「内々定を出した学生は、本当に確保できているのか」という疑心暗鬼が共に生じ、精神的に疲弊した。

 企業側はともかく、社会経験が乏しく、立場が弱い学生の側は特に気の毒だった。学生の立場からすると、自分が受けている会社、他の会社が、どれくらい採用を決めたのかが分からない期間が長い。また、就職活動のピークが真夏にかかることもあって、長くてくたびれる就職活動だった。数年前のような「就職氷河期」よりも本質的にはマシだが、真夏にスーツで右往左往する「熱帯就活」の不快指数は高かったようだ。

学業への支障を小さくするための
ルール改定だったはずだが…

 学生の立場からすると、第一志望ではない会社の内々定を確保しながら、もっと条件の良い会社の内定を取ることができるならそちらに行こう、という行動が合理的になる場合が多いし、実際にそのような戦略を組む学生が少なくなかった(入試に例えれば、滑り止め校の受験日・発表日が第一志望校の前にあり、入試の季節が何ヵ月もあると考えると分かりやすい)。

 企業は内々定者を確保するために、「今後の就職活動を止めるなら、内々定を出してやる」といった圧力をかけるケースもあって、内々定を出す側・もらう側が過剰な精神的駆け引きに巻き込まれた。

 学業に対する支障を小さくすることを目指したルール改定だったはずだが、ある私立大学で筆者が担当している授業では、4月から始まる春学期全体を通して、説明会や面接を理由とする欠席が多数あった。

 ついでに言うと、正式な内定の解禁日である10月1日は、多くの会社が「内定式」を行ったため、4年生の多くが欠席した。相手は学生で、その日は授業のある平日なのだから、内定式はせめて夜間に行うのが見識というものだろう。

 もともと、企業側が学業を本当に大切にするなら、採用に関わる諸々の活動は、休日・休暇期間ないし、授業時間と重ならない夜間に行うのが常識だろう。しかし、企業側は大学に対して、入試による学生の選別を参考にするものの、教育内容にはほとんど期待していないことが見事に分かる。正直でかつ失礼な採用活動である。

 なお、旧スケジュールにあって、採用活動を後ろ倒しすることが、どんな意味で学業の邪魔を減らすと考えたのか、大学側の意図はよく分からない。

 就職内定が早く決まってしまうと、学生の勉強に対するモチベーションが低下する傾向があるのは事実だが、学生が来なくなるのは、大学に魅力がないからであって、就活スケジュールに文句を言うのはお門違いだ。

「6月選考開始」への変更でも
“採用カルテル”は変わらない

 さて、経団連企業において、選考活動解禁を6月に変更する、目下検討中の新スケジュールがルール化されることで、何が起こるだろうか。

 まず、大学では、春学期の授業に対する4年生の出席が、これまでよりも顕著に減ることが予想できる。

 会社説明会が3月に解禁されるので、春休みに会社との接触が始まるからこの期間は学業の邪魔にならないが、春学期の最初の2ヵ月程度は、4年生のスケジュールも頭の中も就職活動で一杯になるはずで授業どころではないだろうし、会社側は自分たちの時間の都合で学生と接触するだろうから、「学業への支障」は大いにあるはずだ。現スケジュールよりも、「学業への支障」は大きいだろう。

 一方、学生にとっては、実質的な内々定を取る時期が前倒しされ、「疑心暗鬼の期間」が短縮化するから、精神的にはいくらか健康的だ。

 採用側の事情はどうか。世間体を気にする大手の企業が、就職活動期間の後半に横並び的に一斉に内々定を出して、大手企業同士の競争は抑制しつつ、「滑り止め企業」に内々定している学生を含めて後から優秀な学生を取り込むことができる──そうした経団連による「採用カルテル」の効果は基本的に変わらない。

 以前からそうだが、経団連による「申し合わせ」や「指針」といった名称で呼ばれる採用活動の自主規制ルールは、学生からの人気が高い大手企業がお互いを牽制して採用を安定的に進めるための、「談合」ないし「カルテル」であった。同時に、立場の弱い企業が(例えば大銀行よりも人気のない、証券会社が)ルールを破って選考活動解禁前に内々定を出して学生を確保しようとするような「フライング行為」は大目に見られてきた。

 経団連の採用活動の指針は、メンバーの中でのカルテル破りに罰則がない一方で、その分カルテル自体に対しても世間の批判が緩い、不思議なカルテルであり続けている。

 今回の、6月への前倒しでは、会社説明会による学生との接触開始から、事実上の内定(形は内々定)が可能な選考活動解禁までの期間が短縮される。多くの経団連企業の採用担当者にとっては、大規模なフライングの心配が減る分、昨年よりも安心なのではないだろうか。

 しかし、採用活動とはいえ、競争制限的な行為をしているのだから、日本の採用市場における、人材資源配分の効率性は大いに損なわれている。より自由な採用を行うようにした方が、学生は、より効率的に就職活動を行えるだろうし、評価の高い学生は、より良い条件を得ることができよう。

自由な採用ルールでの「青田買い」の勧め
企業にも学生にもデメリットは少ない

 参加企業が全て同じルールに従う場合、人気のある企業(主に有名な大企業)は、就職活動の時期がより短期間に集中してより後になる方が、評価の高い学生を確保する「採用ゲーム」において有利な立場に立つことができる。

 一方、それほど有利な立場ではない中小企業や、特に有能な学生を何としても(ルールを破ってでも)採用したいと考える「意識の高い企業」(正しい行為なので、敢えてそう呼ぶ)は、選考活動解禁の前に接触して、欲しい学生を確保しようとする。

 これを推し進めると、3年生時点、あるいは2年生時点でも、学生に個別に条件を決めて内定を出す、いわゆる「青田買い」が競争的に行われることになる。

 経団連のルールに縛られない採用活動を行うことで有名な、意識の高い企業の経営者に青田買いのデメリットを聞くと、「敢えて言えば、評価の精度が下がることだ」と教えてくれた。学生の素質の高低は、2、3年生の頃でも相当程度分かるが、遅くに選考する方が、評価の当たり外れが小さくなるという。自由に採用活動を行えるとしても、企業の側でも、「候補者を早く確保する」か、「ゆっくり評価してから決める」かの綱引きが働くので、青田買いが際限なく早まる訳ではない。

 また、自由な採用ルールの下だと、立場の弱い企業は、より早く学生を評価して採用を決めるリスクを負う必要があろう。さらに、より自由競争的になると、評価の高い学生に対しては、個別に好条件を出す必要が出てくる。

 一方、学生の側では、早く就職が決まると、勉強したい場合は、安心してより学業に集中できるだろう。就職を早く決められることについて、学生の側に大きなデメリットはない。

 また、はっきり言って、就職先を選ぶ判断力や世間知は、大学の1年生でも、4年生でも大差ない。大学教育は、職業選択の能力を改善する役に立つものではないからだ。就職に関しては、どちらも同じくらい世間知らずであり、働いてみてから身の振り方を考えるしかない。

 さらに、個別の契約方法は工夫する必要があろうが、企業が採用内定後の学生の学費や生活費を負担し、学生は将来一定期間以上その企業に勤める(期間未達の場合は違約金を払う)といった形が可能になれば、経済的に豊かではない家庭の子弟であっても、企業から高い評価を得られる者は大学で勉強することが可能になる。

大学は「飛び級卒業」を可能にせよ
本人にも企業にも社会にもプラスだ

 もう一歩踏み込むなら、大学は、3年、場合によっては2年での単位取得卒業の道を用意するべきではないか。例えば、早く就職が決まって、3年間で単位を取り終えて正式に卒業し、1年早く働くことができるなら、本人にとっても、企業にとっても、社会にとっても、いいことだろう。

 もちろん、短期間で修士課程・博士課程に進み、研究なりビジネスなりに早くから高度な学問的知識を活用する人材がいてもいい。

 かつて、外交官試験の合格者は、大学3年で中退して外務省に就職することが可能で、「外交官中退」は優秀な学生にとって誇らしい道の一つだったが、民間企業にも同様な道があって良かろうし、何よりも、素質にも努力の量にも個人差があるのだから、4年より短い期間での大学卒業(学士資格取得)のコースがあって然るべきだ。

 早く卒業できるなら、就職後の試行錯誤の期間をより長く取ることができるし、起業にチャレンジする時間的な余裕もより大きくなる。

 個人差があるので一概には言えないが、学生の学力の高い大学でも、そうでない大学でも、「4年間」が長すぎて無駄になっている大学生が多いように思う。趣味的な部活・サークル活動、長い夏・春の休暇、ましてアルバイトに長い時間をかけるのは、学業にとって非効率的だ。これは、自分の費用と責任において、大学生以外の身分でも十分できることばかりだ。

 在学期間が短くなることが商売に差し障ると大学が考えるなら、「飛び級卒業」する学生から「卒業能力判定料」とでも名付けて、1年分程度の授業料を取ればいい。大学のやり方としていかにもがめついし、学生側は料金支払いに納得できないかもしれないが、1年を有効に使えるのだから、料金を支払った上での飛び級卒業には十分な経済合理性がある。

 もちろん、大学としても、国としても、追加的な教育を受けることを求める社会人に対する、再教育の機会を豊富に提供するといい。

成長戦略としての若年者の労働力参加を
就活ルールを廃止に追い込め

 国は、成長戦略として、女性や高齢者の労働力参加に期待しているが、大学生年代の若者をより早くビジネスなり学問なりの世界に取り込む、若年者の労働力参加を促進することも同様に検討すべきではないか。

 ビジネスに適性のある若者に、より早くから働いてもらうことは、経済にとって良い刺激にもなるだろう。起業を促進する上でも有効ではないか。大学に多数の若者を長い期間抱え込む方法を考えるよりも、大学教育を短期化・効率化して、若い労働力が社会で活躍する時間を伸ばすことを考える方が効果的ではないか。大学の4年間がヒマに思える学業優秀な学生にとっても、そもそも大学の学業に適性のない学生にとっても、加えて社会にとって、より効率的だ。

 就活ルールを検討していて、思わず脇道にそれてしまったが、元に戻って、就活に曖昧で余計なルールがあり、しかも、それが朝令暮改される現状は、無意味なルールに振り回される点でも学生が気の毒だ。ルール変更自体がもたらす不確実性のマイナス効果も無視できない。長期的な問題解決のためには、この採用におけるカルテル行為である経団連の就活ルールを廃止に追い込むことが適切だ。

 当面、多くの外資系企業をはじめとして、経団連の採用談合に縛られない意識の高い企業には、経団連の指針を無視した、自由で積極的な採用活動を求めたい。当然の企業努力として採用に注力することが、やがては、経団連の無意味なルールを骨抜きにして、廃止に追い込み、社会と学生のためにもなるだろう。できることなら、堂々と名乗りをあげて自由で積極的な採用活動に励んでもらいたい。

 大学側にも多々問題があり、可哀想な面もあるが、学生には、現在の企業や大学のペースに惑わされずに「時間を有効に使え」と申し上げておきたい。
http://diamond.jp/articles/-/80685



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