足利ホールディングスとの経営統合を発表した常陽銀行の本店＝２日、水戸市南町

常陽銀と足利ＨＤ統合、首都圏進出の足がかりに　「本社は東京も選択肢」
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151102-00000005-biz_fsi-nb
SankeiBiz 2015/11/3 08:15

　北関東の有力地方銀行の常陽銀行（水戸市）と足利ホールディングス（ＨＤ、宇都宮市）が経営統合に踏み切る背景には、「人口が集中する南関東や首都圏への進出に備えた規模拡大」（アナリスト）という側面もありそうだ。

　常陽も足利も地元自治体の指定金融機関を務めるなど優良な顧客基盤を持ち、統合で全国３位の地銀グループとなる。

　「人口減少や低金利、地域経済の縮小が（経営統合の）背中を押した」

　足利の松下正直社長は２日の記者会見でこう説明した。

　金融庁は今年７月、地域銀行の２割で２０１８年３月期の経常利益が現状の半分以下になるとの試算を公表。厳しい経営環境を強調し再編による規模拡大や独自の事業モデル導入など持続可能な経営戦略の検討を促した。

　常陽と足利の共同持ち株会社の本社所在地は未定だが、「東京は選択肢の一つ」（松下社長）。東京に本社を置くことができれば、南関東や都内に進出する足がかりになる。常陽の寺門一義頭取は「取引先の経営活動は拡大している。地元金融機関としてもネットワークを広げて支援したい」と意気込んだ。

　東京にはメガバンク、埼玉県には埼玉りそな銀行、千葉県には千葉銀行という規模の大きな強敵が存在する。４日に上場するゆうちょ銀行の肥大化も脅威だ。

　生き残りへ向け手を結んだ両社。足利は常陽傘下のリース子会社や証券子会社と業務提携し、本業以外の分野を拡充するなど統合のシナジーは大きいと説明する。だが、一部店舗網が重複し、支店の統廃合を含む本格的なコスト削減策はこれからだ。

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