ある程度関連性があるのは分かりますが、他の要因もあります。

＞日本企業が労働力に見合う賃金を払っていたら対外純資産は溜まらずにゼロ、レートは「３６０円／ドル」のまま、「GDP／人」は世界一、財政赤字もなかった

これは明らかに誤解です。１ドル３６０円のレートは戦後賠償とか、戦後の日本の復興を考慮して決められたもの。

そもそも、「日本企業が労働力に見合う賃金を払っていたら」と言うこと自体が、海外の情勢を抜きにしてはその妥当さを決めることができません。

日本は貿易をするしかない国ですから、海外の労働情勢などの影響を大きく受けます。その意味で、「日本企業が労働力に見合う賃金を払っていたらレートは「３６０円／ドル」のまま」ということは有り得ません。

全体的に、日本の問題は格差化なのです。そして、格差化の原因は税制である面が大きいのですが、法人税率というよりは所得税制全体が問題であるはずで、法人税の問題はあまり大きな影響を与えていないと思います。

まあ、株の保有などで法人税率低下の恩恵を受けることもありますが、それは証券税制を含んだ所得課税制度の問題です。

ただし、全体的に言って、法人税率を下げるよりも上げたほうがいいと自分も思っています。

これは論理的な飛躍があります。

１．対外純資産を持っている層と企業経営者とは重ならない部分が非常に大きくあります。

２．トヨタのように、最低時給に近い賃金で労働者を多く雇っている企業は、対外純資産を減らして時給をあげることが出来ますが、一般的な中小企業は対外純資産などは持っていませんから、最低時給を上げるための原資がありません。

それよりも、様々な形で行われている格差化を止める方が先です。年収１０００万円から２０００万円程度の人たちへの税制上の様々な形の優遇が目立つことと、年収が数億円以上ある人たちへの課税がほとんど行われていないことが問題です。

ただ、既に高度成長ではなくなり、低成長でさえもなく、今後は増加する社会的負担をみんなで分担するという時代になりつつあり、却って利権にしがみつこうとする人々が多くいることが大きな阻害要因になっています。この層が利権にしがみつくことで、結局、日本社会は壊滅状況になるだろうと考えています。

＞日本の対外純資産は世界ダントツに増えた原因はなんでしょう
＞米国は大幅赤字、なんででしょう
＞対外純資産（２０１３年）、日本３２５兆円世界ダントツ、米国▲４８２兆円大幅
＞赤字世界ダントツ

　日本の対外純資産が増えたのは、ごく簡単に言えば、1985年のプラザ合意で一気に円高になり、輸出が困難になったからです。しかも、1985年から一気に金利が低下し、国内に投資先は不動産と株しかなくなったため、不動産や株への投資が危ないと考えた人たちは海外投資に向かったからです。まともな経営者はほとんどみな海外進出を考えました。

　アメリカが赤字ダントツなのは、海外からのアメリカへの投資が多いからです。日本の場合、海外から日本への投資は極めて少ないのです。市場として、日本が魅力的であれば、海外からどんどんと日本へ投資がされます。日本進出したアメリカの製造業はほとんどありませんし、小売業でもほとんどありません。市場が成熟しているからというのは理由になりません。アメリカ市場も日本と同等、または日本以上に成熟しています。

＞対外純資産を減らすのは賃金上げる以外にないと思うが、ゼロになれば「３６０円／ドル」に戻る戻れば「GDP／人」は世界一、財政赤字も解消しますよ
現状では２９位と低迷ですね（米国１１位、台湾２０位）

　こちらはあまりに楽観的というか、論理性がありません。儲けている企業、または、経営者とか経営幹部が高給を取りすぎている企業が一般社員の給与を上げるべきなのは当然ですが、そうでない企業の方が多いので、単に給与をあげたら却って倒産してしまいます。

＞※賃金が同じなら円は高い方が良い
＞異次元金融緩和で円安にするのは国民財産を減らす愚行ですね

こちらはその通りと思います。

＞対外純資産とはなんなのかご理解してないようですね
＞対外純資産は誰でも、持つことも持たないことも、自由にできますよ

「自由にできます」の意味は何ですか？

対外でも、国内でも、純資産を自由に持てるということは、何か、あまりにものごとを簡単に考えすぎなのではありませんか。

例えば、「あなたは自由に行動できる」と言ったとき、この「自由に」という意味は、社会的な常識の範囲でという条件が付きます。

「自由に投資先を選ぶことが出来ます」と言ったときは、まず投資する原資を持っていることが前提となります。

＞対外純資産[編集]
プラザ合意の1985年には日本は世界最大の債権国となっている[38]。
2012年末の日本の対外純資産は296兆3150億円となり、2009年に記録した過去最高を更新し、対外資産残高は661兆9020億円となった[39]。日本の対外純資産は、1991年以降、22年連続で世界一となり、2位の中国に比べて2倍近くに上っている[40][41]。
2014年5月27日、財務省が発表した2013年末の対外資産負債残高によると、日本の対外純資産は325兆70億円で、前年に続き過去最大となっており、1991年以来、23年連続で「世界一の債権国」となっている[42]。

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財務省のページ
「columnI-9　日本の戦後復興」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo/04_hakusho/ODA2004/html/column/cl01009.htm
から引用：
＞日本は1954年から援助を開始していますが、海外に援助をしながら世界銀行の借款を受け入れ、自らの経済発展の基礎を築き上げたのです。1966年の東京−静岡間高速道路へ供与を最後に、日本は世界銀行の借款から卒業し、その後は主要な援助国として成長していくことになります。日本がこれらの世界銀行の債務を完済したのは、1990年7月と、比較的最近のことです。
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日本の戦後復興はアメリカの援助とIMFからの借り入れが基本でした。基本にあるのは、日本人の勤勉さとアメリカによる日本を工業化させて原発を造らせ、地震で原発事故が起これば日本の国土を各覇気物処分場に出来るという目論見です。

それが、戦後の高度成長の意味であり、借金返済よりも早くから海外援助を始め、そのほとんどは日本企業が海外で仕事をするために使われました。1985年時点での対外純資産世界第一位はそういった背景があって積み上がったものです。

1985年以降の対外純資産の増加や日本国内の金融資産増加は、もっぱら、国債発行に依存していて、巨視的に見ると、増加分について経済の実力としての裏付けはないと言っていいものでした。

ただし、日本に蓄積された技術や資金はそれなりにかなり大きなものですから、単によくないと言うことではありません。よくないのは、既に数十年財政の赤字体質が続いていることです。