★阿修羅♪ > 経世済民102 > 691.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
マイナス成長の原因は 消費税でも世界経済停滞でもなく円安政策(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/691.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 19 日 10:47:10: igsppGRN/E9PQ
 

                  円安で企業利益は増えているのに、なぜマイナス成長に陥るのか


マイナス成長の原因は消費税でも世界経済停滞でもなく円安政策
http://diamond.jp/articles/-/81917
2015年11月19日 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問] ダイヤモンド・オンライン


 日本経済は、2期連続のマイナス成長になった。このことの意味は極めて大きい。


 政府は、2015年4〜6月期のマイナス成長を一時的とした。しかし、いずれ回復するとしてマイナス成長を無視するのではなく、その原因を真剣に検討することが必要である。


 消費税の増税からすでに1年半経っているので、停滞の原因を消費税に押し付けることはできない。また世界経済の停滞が原因だとも言われるが、後で見るように、そうとも言えない。


 経済政策が内蔵する要因のために、長期的な停滞から脱出できないのである。具体的に言えば、円安政策のためにマイナス成長に陥るのだ。


■2期連続のマイナス成長 世界の中でも悪い日本の状況


 内閣府が発表した2015年7〜9月期の国内総生産(GDP)第1次速報によると、実質GDPは、前期比0.2%減、年率換算で0.8%減となった。4〜6月期(年率換算で0.7%減)から2四半期連続のマイナス成長だ。しかも、マイナス幅がわずかではあるが、拡大している。


 なお、前期(4〜6月期)の実質GDP成長率は、年率換算0.7%減、前期比0.2%減と2次速報値(それぞれ1.2%減、0.3%減)から上方改定された。


 今年度の成長率はどうなるだろうか?


 仮に10〜12月期と16年1〜3月期における実質GDP成長率が前期比年率0%であれば、15年度の成長率は、0.62%となる。これは、後で述べるIMFの見通しに近い数字だ。


 政府の経済見通しでは、15年度の実質GDP成長率は1.5%とされている(平成27年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度、15年1月12日、閣議了解http://www5.cao.go.jp/keizai1/mitoshi/2015/0112mitoshi.pdf)。


 これを実現するためには、10〜12月期と16年1〜3月期における実質GDP成長率が、前期比年率で4.73%となる必要がある。これは、とうてい実現不可能だろう。


 外国の状況はどうだろうか?


 欧州連合(EU)統計局が発表した第3四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)速報値は、前期比0.3%増、前年比1.6%増だった。


 なお、IMFが試算する15年の実質GDP成長率は、日本0.591%、ドイツ1.509%、アメリカ2.568%などとなっている。


 このような比較からも、先進国経済のなかで、日本のパフォーマンスが相対的によくないことが分かる。マイナス成長の原因を世界経済の停滞に求める考えは、こうした比較からも、誤りであることが分かる。


■最近のGDP増加は公共支出頼み 円高期のほうが成長率が高かった


 実質GDP(季調済み)の推移は、図表1に示すとおりである。2015年1〜3月期に消費税増税後のピークに達したあと、減少傾向にあることが分かる。


 そうではあっても、15年のGDPの水準が12年や14年に比べて増加しているのは事実だ。しかし、増加をもたらしたものは、公共支出なのだ。


◆[図表1]実質GDPの推移



注)季調済み年率、実質(資料)内閣府


 図表2には、政府最終消費支出と公的固定資本形成の合計を示してある。安倍晋三内閣発足以降増加し、最近にいたって再び増加していることが分かる。


 後で見るように、GDP需要項目の中で最も重要なのは消費支出だが、この水準は、中期的に見て減少気味である。


◆[図表2]政府最終消費支出と公的固定資本形成の合計の推移



(注)季調済み年率、実質(資料)内閣府


 実質GDPの四半期別対前年同期比の推移を見ると、図表3のとおりである。


 東日本大震災の影響を除けば、10〜12年頃の円高期のほうが成長率が高かった。安倍内閣の発足後は、高くても2%程度にとどまっており、最近では1%に低下している。


◆[図表3]実質GDPの四半期別前年同期比の推移



(資料)内閣府


 後出の図表4で見るように、円安によって物価が上昇し、それが実質消費を中期的に見て減少させ、経済成長率を抑えているのだ。これは、物価上昇率の引き上げを目標とする経済政策が、基本的に誤っていることを示している。


■企業の利益増にもかかわらず設備投資が減少を続ける


 今回のマイナス成長に最も大きな影響を与えたのは、民間企業設備(設備投資)である。前期比でマイナス1.3%、年率換算でマイナス5%となった。これは、2四半期連続のマイナスだ。


 企業の利益が伸びているにもかかわらず、設備投資が増加しないのである。こうなるのは、企業利益の増加メカニズムのためである。


 仮に生産が増加して利益が増加しているのなら、企業は設備投資を行なうだろう。しかし、鉱工業生産指数の推移に見られるように、生産は減少している。


 円安によって輸出の円建て売上高が増加し、半面で賃金が伸びないため、利益が自動的に増加しているにすぎない。だから、設備投資が増えるような状況ではないのだ。製造業の国内回帰ということが言われるが、それも本格的には進まないだろう。


 2015年版『経済財政白書』は、現在の日本経済の状況を「四半世紀ぶりの成果」であるとし、「経済の好循環が着実に回り始めている」としている。しかし実際に起こったことは、好循環とは縁もゆかりもないものである。


 こうした実体経済の停滞にもかかわらず、株価は上昇している。株価が上昇しているために、人々は日本経済が改善していると錯覚している。


 しかし、上述のように、株価の上昇は、輸出売り上げが増える中で賃金が増加しないから生じているものである。つまり、日本の労働者が貧しくなっているから企業の利益が増大するのである。


■実質消費は増加したが中期的には減少 アベノミクスの基本的な誤りを示す


 他方で、家計最終消費支出の前期比は0.5%増と、前期(0.6%減)から2四半期ぶりに増加に転じた(年率換算で2.1%増)。ただし、つぎの2点に注意が必要だ。


 第1に、これは名目賃金が顕著に上昇したためにもたらされたものではなく、消費者物価が下落したために生じたものだ(消費者物価の上昇率は、コアCPIで見て、8月、9月は前年比マイナス0.1%と低迷している)。


 そして、消費者物価の下落は、原油価格の下落という外国からの贈り物でもたらされたものだ(そうした贈り物があったにもかかわらず、経済全体がマイナス成長になってしまったのだ)。つまり、アベノミクスの成果ではなく、逆に、日銀の物価目標が達成されなかったことによって実現したものである。


 言い換えれば、7〜9月期における実質消費の増大は、アベノミクスの基本的な思想が間違っていることを示しているのである。


 消費支出について第2に注意すべきは、中期的に見ると減少していることだ。この状況は、図表4に示されている。


 2015年7〜9月期に前期より増加しているのは事実だが、傾向的な増加を示しているものではない。また、12年の値に比べて減少気味だ。13年に消費税増税前の駆け込み需要で一時的に増加しただけだったのである。


◆[図表4]家計最終消費支出の推移



(注)季調済み年率、実質(資料)内閣府


■売り上げ低迷でまだ続く在庫調整 今後のGDPにマイナスの影響


 その他の需要項目の推移は、つぎのとおりだ(数字は、在庫品を除き、季調済み実質値の対前期比)。


 政府固定資本形成(公共投資)は0.3%減と、2四半期ぶりにマイナスとなった。民間住宅投資は1.9%増と、3四半期連続でプラスだった。


 在庫の寄与度(実質民間在庫品増加の季節調整系列寄与度)は、マイナス0.5%だった。売り上げが伸びないので企業は生産を落とし、在庫を減らしているのである。


 在庫指数の動向は、図表5に示すとおりだ。


 6月以降頭打ちになり、9月には減少している。こうした動きがGDP統計に表れているわけだ。


 ただし、水準としてはまだ高いので、在庫調整が簡単に終了するとは考えられない。在庫調整がまだ続くとすれば、今後のGDP成長率にはマイナスの影響を与える。


◆[図表5]在庫指数の推移



(資料)経済産業省


■ドル建て輸出は減少しているが実質輸出は増加 中国の減速は大きな影響を与えていない


 海外需要は、経済全体の成長にプラスの寄与をしている。外需の寄与度(実質純輸出の季節調整系列寄与度)は、0.1%だ。


 輸出も前期比2.6%増だった(年率で10.9%)。財の輸出は世界経済減速の影響で振るわなかったが、サービス輸出が好調だった。実質季節調整系列の伸び率(年率)で見て、財貨の輸出が7.3%だったのに対して、サービスの輸出は31%だった。


 しばしば、現在の経済停滞の原因は、中国をはじめとする新興国の減速だと言われている。中国に対するドル建て輸出が減少しているのは事実だ(日本貿易振興機構が公表する「ドル建て貿易概況」によると、15年1〜9月のドル建て輸出の前年同期比は、対世界がマイナス9.5%、対中国がマイナス14.2%)。しかし、それはGDPにはあまり大きな影響を与えていないということがわかる


■問題は短期的な変動ではなく長期的停滞 経済構造にメスを入れる政策が必要


 来年の日本経済が、為替レートがどうなるかで大きな影響を受けることは間違いない。ただし、それがプラスに影響するのは、これまでのように企業利益や株価である。


 実体経済に対する影響は、これまでのように、物価が上昇して実質消費が減少するというものでしかないだろう。


 10〜12月期は回復するという意見もあるが、いまのところ確たる根拠は見当たらない。


 日銀が追加緩和しても、影響は株価に留まるだろう。


 政府は、GDP600兆円の実現に向けた緊急対応策を今月中にとりまとめるとしている。しかし、仮に公共事業を増加させたとしても、一時的な効果に留まるだろう。


 問題は短期的な経済変動ではなく、日本経済が長期的な停滞状態から抜け出せないことである。そしてこの問題は、金融緩和では解決できないということが明らかになったのである。経済の基本構造にメスを入れる経済政策が必要だ。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年11月19日 10:55:31 : b5JdkWvGxs
税制を30年前に戻せばすべて解決するだろ

御用学者さんは資産家への利益誘導しか考えないからな


2. 2015年11月19日 11:30:47 : nJF6kGWndY

>マイナス成長の原因は 消費税でも世界経済停滞でもなく円安政策

日銀のおかげで円安になったと信じているのだなw

しかも消費税や海外の減速は関係ないとはねw


>経済の基本構造にメスを入れる経済政策が必要

おまけに代替案や具体策すらないのか

相変わらずしょうもないねw



3. 2015年11月19日 12:29:16 : OO6Zlan35k
三橋貴明 332回 歴史に名を遺した安倍政権(1/3)
2015/11/17 (火) 11:02
内閣府から7−9月期の経済成長率が発表にった。予想通り、実質GDPの対前期比成長率が▲0.2%(年率換算▲0.8%)と、マイナス成長に終わった。

『2015年11月16日 ブルームバーグ「7−9月GDPは0.8%減、2期連続マイナス成長−予想を下回る」
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NXOW246JTSEA01.html
7−9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率で0.8%減と、2期連続のマイナス成長となった。事前の予想を下回った。
内閣府が16日発表したGDP速報値は物価変動の影響を除いた実質で前期比0.2%減。項目別では全体の約6割を占める個人消費が0.5%増。設備投資は1.3%減。公共投資は0.3%減。在庫のGDP全体への寄与度はマイナス0.5ポイント、外需の寄与度はプラス0.1ポイントだった。(後略)』

4−6月期の実質GDPも対前期比▲0.2%だったため、これで二期連続のマイナス成長ということになる。
 ちなみに、2014年の4−6月期、7−9月期もマイナス成長であった。二期連続でマイナス成長に陥ることを「リセッション(景気後退)」と呼ぶ。
 日本国は2014年、2015年と、二年連続でリセッションに突入してしまったことになるわけだ。 
 日本国の憲政史上、二年連続で国民経済をリセッションに叩き込んだ政権は存在しない。安倍政権は、史上初めて日本国の経済を二年連続でリセッションに叩き込んだ政権として、歴史に名を残したことになる。

【図 日本の経済成長率(実質GDP対前期比成長率)の推移】
20151116.png
出典:内閣府「国民経済計算」

なぜ、こんな事態になったのか。本連載の読者には、今更、説明は不要だろう。
 「デフレ脱却」を標榜しながら、デフレについて「貨幣現象」という、間違えた(あるいは曖昧な)捉え方をした。本来のデフレの定義「総需要の不足」という認識を持っていれば、総需要抑制策である消費税増税や介護報酬引き下げ、公共事業の削減など、緊縮財政路線を推進できるはずがない。
 ところが、安倍政権は「デフレは貨幣現象」論に基づき、デフレ対策を日本銀行に丸投げした。正直、日銀はよくやっている方だと思うが、日本銀行の量的緩和は「国債」を買い取るわけで、生産者たる国民が生産したモノやサービスが購入されるわけではない。
 モノやサービスの購入のことを「需要」と呼ぶ。日本銀行は180兆円超の通貨を発行したが、モノやサービスが買われたわけではないため、需要は拡大せず、インフレ率もマイナス0.1%に戻ってしまった。
 ちなみに、今回の経済成長率(のマイナス)の中身を見ると、実は外需寄与度は0.1%のプラスとなっている。「内需」が▲0.3%となり、全体の足を引っ張ったのだ。
「中国の経済失速が原因だ」
 とやるのは構わないが、外需寄与度がプラスであるという現実を踏まえる必要があるだろう。
 落ち込んだ内需の中身を見ると、民間最終消費支出、民間住宅はプラスなのだが、民間企業設備(設備投資)がマイナスになっている。しかも、設備投資は4−6月期、7−9月期と連続でマイナスだ。
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2015/11/17/024801.php


第332回 歴史に名を遺した安倍政権(2/3)
2015/11/18 (水) 13:14
 さて、二年連続で日本経済をリセッションに叩き込んだ記念すべき安倍政権は、どうするのだろうか。当然ながら、大規模補正予算を組んでもらわなければならない。とはいえ、現状の安倍政権は構造改革や緊縮財政路線を走り続けており、現実を見ようとしていない。日本国民は、安倍政権に、「現実」を突きつける必要があるだろう。
 安倍政権は、
「日本の憲政史上、経済を二年連続でリセッションに叩き込んだ、記念すべき政権」
なのだ。これが事実であり、結果である。
ところで、安倍政権が「財政出動(補正予算)による需要創出」という正しい道を目指すとして、具体的には何をやるべきだろうか。
11月11日、三菱航空機の小型ジェット機MRJが大空に飛び立った。日本の旅客機が空を飛ぶのは、プロペラ機の「YS−11」以来、半世紀ぶりである。
かつて、我が国は「航空機」に関し、世界屈指の生産能力を誇っていた。日本国は、大東亜戦争最中の1940年に、海軍が零式艦上戦闘機を開発。いわゆる「ゼロ戦」だが、当時としては空前絶後の2200キロの航続距離を誇り、戦闘能力においても、当初は連合国の戦闘機を圧倒していた。
零戦の総生産機数は、実に1万400機に達した。さらに、陸軍が開発した戦闘機「隼」は、総計で5700機が生産された。
ところが大東亜戦争敗北後、GHQの占領下で我が国の航空産業は、文字通り「解体」されてしまう。何しろ、占領軍は敗戦と同時に日本に対し航空機の製造はもちろんのこと、研究や運航までも十年間禁止する措置を取ったのだ。
航空機の開発は1957年にようやく解禁となったものの、ジェット機への技術的転換期に「後発」となってしまった痛手は回復困難であった。諸外国の航空産業と比較し、完全に出遅れた形になった日本の航空機企業は、防衛庁(当時)向けに戦闘機のライセンス生産を手掛けることで、喪失した基礎技術を回復するしかなかった。
航空技術者たちの努力で、YS−11といった旅客機が生まれたものの、大量生産の欧米機との競争に勝つことはできなかった。結果、日本の航空機企業は相次いで撤退し、残存した企業もボーイング社への開発協力や、自衛隊関連の需要を細々と満たす形で生き残りを図らざるを得なかったのである。
冷戦が終結し、ようやく日本企業が独自技術、独自開発で航空機産業の再構築に乗り出す。三菱重工や本田技研工業など、民間機の生産による「航空機の供給能力」回復の試みが始まったのだ。さらに、防衛省も三菱重工業とステルス機ATD−X(先進技術実証機)の実証実験に乗り出すなど、官民が歩調を揃えて我が国の「航空機製造能力」の強化が開始された。
先進国の定義は、
「モノやサービスに対する国民の需要を、自国の供給能力で満たせる割合が高い」
になる。そして、自国民の需要を満たす供給能力の蓄積こそが「経済力」だ。
航空サービスの「需要」についても、同じことが言える。我が国は自国の航空サービスに使用する航空機について、「自国で生産(供給)」することができなかった。今後、MRJが軌道に乗れば、少なくとも小型ジェット分野では「自国の供給能力」で需要を満たせることになるわけだ。
航空機製造の供給能力を高めるには、技術、技能、ノウハウ等の蓄積が必要である。一度失われた防衛産業の供給能力を回復するためには、長い期間と投資が必要になることを、日本の航空機産業は実証してくれた。
 そう考えたとき、各企業がリストラに邁進し、人材や企業の蓄積が消えていくデフレーションや、「カネ」のために安全保障を無視してでも不要な競争を煽るグローバリゼーションは、国家の経済力を棄損していかざるを得ないことが分かる。同時に、安倍政権が景気対策として「何」を重視するべきなのかも理解できるわけである。 
すなわち、投資だ。特に、少子化で生産年齢人口比率が低下する我が国にとって、生産性向上のための投資こそが、現在最も必要な「需要」なのである。


第332回 歴史に名を遺した安倍政権(3/3)
2015/11/19 (木) 12:04
生産性を高める「投資」には、四種類ある。すなわち、設備投資、人材投資、公共投資、そして技術開発投資の四つである。
技術開発投資は、リスクが最も高く、生産性向上までの「成果」が出るまで最も長期間かかる投資になる。たとえば、スーパーコンピューター「京」に代表される「将来のための技術開発投資」にまで短期の成果を求め、予算を削減するのでは、この国に未来はない。
そもそも、技術開発投資とは、
「将来の国民への贈り物」
なのだ。何しろ、今いる国民が全て亡くなった「後」になり、ようやく成果が出る技術開発投資など、いくらでもある。
例えば、日本が得意とする超電導技術です。超電導とは、1911年にオランダの物理学者ヘイケ・カメルリング・オネスが、金属を冷やすと電気抵抗がゼロになる「超電導現象」を偶然、発見したことが始まりだ。
超電導物質を発見したオネスは、
「電気抵抗がゼロの超電導であれば、超強力な磁石が作れる」
と考え、「将来のため」に様々な物質で実験を繰り返した。とはいえ、超電導物質は自らが生み出した「磁場」により物質が崩壊してしまい、「超強力な磁石を作る」というオンネスの夢は、なかなか実現しなかった。
磁場に強く、実用に耐える超伝導体が発見されたのは、1960年のことになる。オネスの超電導現象発見から、およそ五十年後のことだ。
現在の日本でも使われているが、ニオブとチタンの合金を液体ヘリウムで冷やすことで、実用可能な超電導磁石がついに実現した。もっとも、我が国が超電導技術を利用した高速鉄道、すなわちリニア新幹線を開通させるのは、現在の予定では2027年になる。オネスの超電導現象発見から、実に116年後というわけだ。
超電導技術が典型だが、技術開発投資は成果が出るまで長期化するのが当たり前なのである。それに対し、「短期の成果」を要求し、「国民の理解が得られない」などと抽象的な表現で批判するのでは、技術の進歩はない。
先日、「予算のムダ」を検討する行政改革推進会議の会合において、1000億円以上をかけて開発されたスーパーコンピューター「京」について、有識者から、
「費用にみあった成果が現れているのかどうか国民に十分説明されていない」
という指摘が相次いだ。河野太郎行政改革担当大臣に至っては、スパコンを所管する文部科学省に対し、
「数ある事業の中で、最もきちんと説明されてこなかった分野で、まともに答えたことが一度もないと思う。そうした答えではなくきちんとした答えを説明してほしい」
と述べたとのことである。
我が国が「亡国の道」を歩んでいることが、如実に理解できる。
そもそも、現代の日本国民が日本でそれなりに豊かに、快適に暮らしていけるのは、過去の日本国民が投資をしてくれたおかげだ。自分たちはご先祖様の「投資」の恩恵を受けながら、将来への贈り物である技術開発投資を「予算に見合った成果が出ていない」などと、削減していく。この国は、普通に亡国に向かっている。
安倍政権や河野大臣の、
「カネのために将来への贈り物を拒否する」
という姿勢を打破しなければ、日本国に明るい未来は訪れない。安倍政権は二年連続で国民経済をリセッションに叩き込んだのみならず、「日本国の亡国」を決定づけた政権として歴史に名を遺すことになるだろう。
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2015/11/18/024802.php


小笠原誠治 クルーグマンが「日本再考」で言っている3つのこと
2015/11/19 (木) 11:23


 クルーグマン教授が、先月、NYタイムズに寄稿したエッセイ(小論文)の内容が関心を集めています。

 だって、そうでしょう? この人はもう17年ほど前から、日本に対して物価目標政策の採用を強く迫ってきた訳ですが、その人物が自説を改めたなんて報じれられているからです。

 クルーグマン教授の意見を信奉していたようにも見える安倍総理や黒田総裁はどのように思っているのでしょう?

 皆さんも、興味があるでしょ?

 しかし、日本の新聞は、そのようなことについては報じない。

 いずれにしても、クルーグマン教授はどんなことを言っているのか? 本当に自説を改めたのか?

 そこで、本日は、クルーグマン教授が言っている3つの重要なことについてご紹介したいと思います。


<クルーグマン教授が言いたいこと>

 (1)日本の量的緩和策(インフレ目標政策)には効果がない。

 (2)日本は、労働力人口1人当たりのGDPの伸び率でみれば、良好なパフォーマンスを示している。

 (3)インフレ目標値はもっと高くすべきあり、それを実現するために思い切った財政出動が必要。


 面白いでしょ?

 日本がやっているインフレ目標政策には効果がないと断言しつつ、そもそも日本の経済パフォーマンスは決して悪くはなかったと言うからです。

 では、何が何でもデフレから脱却すべきだとか、デフレから脱却できないのは日銀の政策のせいだ、なんて言っていたのは、一体なんだったのかと言いたい。

 それに、日本の金融政策には効果がないと言いつつ、そして、日本の経済パフォーマンスは悪くはないと言いつつ、2%の物価目標値では低すぎるからそれを引き上げるべきだなんて言うので、益々訳が分からなくなるのです。

 で、最後の結論として、思い切った財政出動、換言すれば放漫財政を続ければインフレになる、だなんて。

 直感的に、怪しいとお感じになるでしょう?

 でも、折角ですから、もう少しクルーグマン教授の言い分を聞いてみましょう。

Krugman.jpg

■日本の量的緩和策(インフレ目標政策)には効果がない理由

Back in 1998, when I tried to think through the logic of the liquidity trap, I used a strategic simplification: I envisaged an economy in which the current level of the Wicksellian natural rate of interest was negative, but that rate would return to a normal, positive level at some future date. This assumption provided a neat way to deal with the intuition that increasing the money supply must eventually raise prices by the same proportional amount; it was easy to show that this proposition applied only if the money increase was perceived as permanent, so that the liquidity trap became an expectations problem.

「1998年当時、私は、流動性の罠の理論を考え抜こうとしたとき、簡単化の手法を使用した。私は、ヴィクセルの自然利子率の実際に水準がマイナスである経済を想定した。しかし、その水準はいずれ正常化し、将来はプラスに戻るのである。この想定は、マネーサプライを増やすと、それに比例して最終的には物価を上げるに違いないとする直感を試すのに便利な道具を提供した。この前提条件は、マネーの増加が永久に続くと受け止められたときにのみ適用可能であって、従って、流動性の罠は、期待(予想)の問題に変化した」

The approach also suggested that monetary policy would be effective if it had the right kind of credibility - that if the central bank could "credibly promise to be irresponsible," it could gain traction even in a liquidity trap.

「このアプローチはまた、金融政策にある種の信用が伴う場合にのみ効果的であることを示している。つまり、中央銀行が自分の言うことは無責任であると信用させることができるとき、流動性の罠にあっても効果を発揮することができる、と」

 But what is this future period of Wicksellian normality of which we speak? Japan has awesomely unfavorable demographics:

「しかし、我々が話をしているヴィクセルの正常化までにはどれくらいの期間が必要なのか。日本の人口動態は、全く望ましくない状況にある」

Which makes it a prime candidate for secular stagnation. And bear in mind that rates have been very low for two decades, fiscal deficits have been high that whole period, and at no point has there been a hint of overheating. Japan looks like a country in which a negative Wicksellian rate is a more or less permanent condition.

「それが特異なスタグネーションを引き起こしている原因でもある。20年間にも亘りインフレ率が非常に低いということ、また、同じ期間において高水準の財政赤字が続いていたこと、そして、未だにまだインフレの兆候がないことに留意して欲しい。日本は、ヴィクセルの自然利子率のマイナスの状態が永遠に続く国に見える」

If that's the reality, even a credible promise to be irresponsible might do nothing: if nobody believes that inflation will rise, it won't.

「もし、それが事実であれば、日銀は無責任であることを信じさせようとしても効果はない。もし、誰もインフレ率が上がると信じなければ、そうはならない」


 難解な用語が出てくるので分かりにくいですが...

 自然利子率とは何を意味するのでしょうか?

 答えは、その利子率(金利)であれば、それ以上物価が上がることも下がることもない水準の利子率を意味します。

 つまり、中央銀行が、自然利子率を超えて金利を下げれば、経済活動が刺激され物価が上がり、反対に自然利子率を超えて金利を上げれば、経済活動が抑制され物価が下る、と。

 従って、金利水準は最終的には自然利子率に近づくと考えられるのです。

 で、クルーグマン教授によれば、日本の場合にはその自然利子率が0%を下回りマイナス状態にあるように見えると。

 では、何故日本の場合、自然利子率がマイナスになっているかと言えば、少子高齢化が進んで人口が減っているからだと言う訳ですが、クルーグマン教授は、人口減少が今後も続けば人々はインフレが起きることを信じることはなく、そして、人々が信じなければインフレは起きないと言うのです。


■日本の経済パフォーマンスが悪くなかったという理由

Back in 1998 Japan was in the midst of its lost decade: while it hadn't suffered a severe slump, it had stagnated long enough that there was good reason to believe that it was operating far below potential output.

「1998年当時、日本は失われた10年の真っただ中にいた。厳しいスランプのなかにあった訳ではないが、不況が長く続いていたために、潜在成長率を下回る成長率が続いていると信じる十分な理由があった」

This is, however, no longer the case. Japan has grown slowly for the past quarter century, but a lot of that is demography. Output per working-age adult has grown faster than in the United States since around 2000, and at this point the 25-year growth rates look similar (and Japan has done better than Europe):

「しかし、もはやそうではない。日本は、過去25年の間に緩やかな成長を遂げてきた。しかし、その原因は人口動態にあった。労働力人口1人当たりのGDPは、2000年以降米国よりも伸びている。そして、現時点では、過去25年間の成長率は同じ程度に見える(そして、欧州よりも日本の方が優れている)。

You can even make a pretty good case that Japan is closer to potential output than we are.

「日本は、我々米国よりも潜在成長率に近い成長を遂げていると主張することさえ可能であろう」


 如何でしょう?

 クルーグマン教授は、日本の経済パフォーマンスは労働力人口1人当たりでみれば、決して悪くはないと言っているのです。潜在成長率に近い成長率を続けているとも。

 デフレ脱却が先決だ、と大騒ぎしていた前提が、ここでガラガラと音を立てて崩れます。日本はデフレだと散々言ってきたのに、今になって良好なパフォーマンスを日本は示している、と。

 でも、だとしたら、そもそもインフレターゲットを採用する必要もなかったではないですか!

 それについてクルーグマン教授は次のように言うのです。


■物価目標政策が必要な理由

So if Japan isn't deeply depressed at this point, why is low inflation/deflation a problem?

「従って、もし今日本が本当に不況に陥っているのでないのならば、インフレ率が低かろうと、つまりデフレであろうと、それが何故問題になるのか?」

The answer, I would suggest, is largely fiscal. Japan's relatively healthy output and employment levels depend on continuing fiscal support. Japan is still, after all these years, running large budget deficits, which in a slow-growth economy means an ever-rising debt/GDP ratio:

「答えは、財政問題にありと、私は言うであろう。日本の比較的健全なGDPと雇用水準は財政の支援のお蔭である。しかし、日本はそれでも多額の債務を抱え、低成長下の経済では対GDP債務比率は上がるばかりである」

So far this hasn't caused any problems, and Japan has clearly been much better off than it would have been if it tried to balance its budget. But even those of us who believe that the risks of deficits have been wildly exaggerated would like to see the debt ratio stabilized and brought down at some point.

「財政問題は、これまでのところ深刻な問題を引き起こしていないし、また、日本は、もし財政を均衡させた場合に想定される状態よりも明らかに裕福な状態を保ってきている。しかし、財政赤字のリスクが余りにも誇張され過ぎていると考える我々でさえも、対GDP債務比率を安定化させ、一定のレベルまで引き下げることが必要だと思う」
 
 あれー、と思ってしまいます。

 何故インフレターゲットが必要なのか、つまり、何故インフレにする必要があるかについて、もはや目的がガラッと変わってしまうのです。インフレにするのは決して景気を良くするためでもなければ、賃金を上げるためでもなく、財政再建を軌道に乗せるために必要であるのだ、と。

 では、何故インフレになれば、財政再建が軌道に乗るかと言えば、インフレになれば借金の実質的な負担が軽くなるからだ、と。

 でも、そうなると金利が高騰し、さらに財政が悪化する恐れが十分あるのですが...それについては、クルーグマン教授は何も言いません。

 いずれにしても、ではどうやったらインフレにすることができるのか?

■インフレを実現する方法

The only way to be at all sure of raising inflation is to accompany a changed monetary regime with a burst of fiscal stimulus.
 
「インフレが起きることを確信させる方法があるとすれば、それは唯一、突然財政刺激策を打つことだ」

Suppose, bad instincts aside, that we really can go down this road. How high should Japan set its inflation target? The answer is, high enough so that when it does engage in fiscal consolidation it can cut real interest rates far enough to maintain full utilization of capacity. And it's really, really hard to believe that 2 percent inflation would be high enough.

「本心は別にして、とにかくこの方法を進めることができると仮定して欲しい。日本は、どれくらいのインフレ率を目標値として掲げるべきであろうか。答えは、十分に高いものでなければならない。どのくらいの高さかと言えば、緊縮財政の中で資源の100%活用を可能にするほど実質金利を引き下げることができるほどのインフレ率であるということだ。2%で高いということなど信じられない筈だ」

This observation suggests that even in the best case Japan may face a version of the timidity trap. Suppose it convinces the public that it will really achieve 2 percent inflation; then it engages in fiscal consolidation, the economy slumps, and inflation falls well below 2 percent. At that point the whole project unravels - and the damage to credibility makes it much harder to try again.

「以上から、最も幸運なケースにおいてさえ、日本は、臆病の罠に直面するかもしれない。人々にインフレ率2%の達成が可能であると信じさせると仮定して欲しい。財政緊縮策のなかでそのように信じさせることができても、景気は落ち込み、インフレ率は2%を下回ってしまうであろう。その時点で計画は失敗だ。そうなると益々困難になる」

What Japan needs (and the rest of us may well be following the same path) is really aggressive policy, using fiscal and monetary policy to boost inflation, and setting the target high enough that it's sustainable. It needs to hit escape velocity. And while Abenomics has been a favorable surprise, it's far from clear that it's aggressive enough to get there.

「日本が必要とするのは(そして、我々も同じ道を歩むかもしれないが)積極的な政策なのだ。インフレ率を高めるために財政政策と金融政策を利用し、持続可能な十分に高い目標値にする必要がある。脱出速度に達する必要がある。アベノミクスは良い意味で驚きであったが、目標を達成するのに十分な位積極的であったかどうかは明らかではない」

 
 如何でしょうか?

 この人がよくノーベル経済学賞をもらったものです。

 言いたいことは沢山あります。

 日本政府が財政出動を繰り返した結果、対GDP債務比率はとてつもなく大きくなってしまったが、それでも財政出動のお蔭で日本は裕福になったと言っています。

 しかし、国の借金が膨張したために増税が必要になる訳で...そして、増税のために家計の購買力が奪われ景気が悪くなっていることは自明のことではないですか!

 全くおかしい。

 それに、本来、景気を良くする筈のインフレターゲットであったものが、いつの間にか財政再建のためのインフレターゲットだと主張するのも、全く理解しがたい!

 景気が良くならないと税収は増えないという主張も一理あるかとは思いますが...でも、インフレになると財政状況が改善する確証はないのです。仮に税収が増えても、インフレになればさらに政府の歳出は膨らんでしまうからです。それに、インフレになれば必ず金利が上がり、そして国債が暴落することになるので財政破綻の可能性は益々高まるのです。
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2015/11/19/024828.php


4. 2015年11月19日 12:38:01 : OO6Zlan35k
015年11月17日 21:20クルーグマンの日本論再考(”Rethinking Japan”)は何を再考したのか?


リーマンショック後に世界中で繰り広げられた金融緩和がかなり控えめに言っても期待していたほどの効果があげられなかったことについて、推進派、否定派双方からの議論が盛り上がっているようだが、その中、推進派(特に日本のリフレ派)が教祖のような扱いをしていたクルーグマンがあっさりと梯子を外して話題になっている。

このクルーグマンの日本論の再考("Rethinking Japan")について、その意味するところを少しでも小さく見せたい一派は、「クルーグマンはもっと高いインフレ率を主張しているだけだ!」とか、「単に財政政策ももっとやれと言っているだけだ!」と強弁したりもしているようであるが、普通に読めばそのように片づけられる話ではない。 そこで本エントリーではクルーグマンの日本論再考は何を再考したのかについて少しまとめてみた。

まず1998年の有名な論文にも示されたクルーグマンのオリジナルの日本論はざっくりまとめると以下のようなものであった。

日本が潜在成長率を大きく下回り続けているのはデフレの罠に陥っており、経済が強く抑圧されているからである。
一方、金融緩和によって実質ゼロ金利に到達している日本では、投機的動機に基づく貨幣需要が無限大となっており、通常の金融政策は効力を失っている(流動性の罠)。
しかしながら、たとえ流動性の罠下にあっても、日銀がインフレターゲット等のしかるべき政策を打ち出し、長期的なインフレ期待を高めれば、将来の実質金利が下がるのと同じ効果を持つ。だから金融緩和は景気刺激効果があるはずであり、それをしないのは日銀の過失である。
通常の金融政策が効力を失っているなか、長期的なインフレ期待を高めるには将来的にインフレ率が上昇してもすぐには引き締めにまわらないこと、つまり「無責任になること」を中央銀行が信頼できる形で約束することが必要である。
ところが、その後の日本経済の推移をみると、

確かに日本の経済成長率は全体で見れば低いものであったが、それはかなりの部分人口動態(労働人口の減少等)によるものであり、労働人口一人あたりの生産性の伸びは2000年以降でみれば米国より高く、過去25年を見ても米国とほぼ変わらず欧州よりも高かった。 
よってこの間の日本はデフレであったにもかかわらず米国よりも潜在成長に近い状況であったとみることは妥当である。
となっており、この現実をそのまま受け取るなら、日本はデフレの罠のせいで潜在成長率を大きく下回っているという前提こそがあやまりであり、日本はデフレであるにも関わらず欧米よりも潜在成長率に近い水準の成長を達成していた、と考え直す必要が出てくるということになる。 このような観察を経て日本の状況を再考した結果、クルーグマンが導き出した新たな日本論は

日本の人口動態は非常に悪い状況にあり、それが原因で潜在成長率は低下し、さらに自然利子率は恒常的にマイナスになってしまっている可能性がある
自然利子率が恒常的にマイナスの状態であればたとえ中央銀行が「無責任になることを信頼できる形で約束」したとしても金融政策ではデフレを脱却できない。
となる。これは概ね白川前日銀総裁らが主張していた内容そのものであり、つまりリフレ派がもっともごまかしたいポイントであろう。

日本がバブル崩壊後、長らくデフレ下の長期停滞に陥ったのは金融政策が悪かったのであり、つまりは日銀のデフレ政策が全ての元凶だったのだ、というのが日本のリフレ派の主張の根幹の一つである。そもそも対GDP比で見れば当時としては他に類を見ないほどマネタリーベースを増やしていた日銀が「デフレ政策」を取っていると批判された主因は結果としてデフレだったからであり、「インフレは貨幣現象なのだから金融政策で"簡単に"上げられる。にもかかわらずインフレ率を上げないのは日銀がそうしようとしないからであり、全て日銀のせいだ!」というのは、彼らのとっての自明の理であり、こんな簡単なことを理解できない奴は馬鹿かコミンテルンだ!と気炎を上げていたわけである。

ところが、今回クルーグマンが論じたように自然利子率が恒常的にマイナスの状況下では「無責任になることを信頼できる形で約束する」というようなことまでやったとしても金融政策ではデフレを脱却できない、ということになればこの(彼らにとっての)自明の理は全く自明ではなくなるわけである。 

では潜在成長率に近い状況を達成できている日本は現状のままでよいのか?という点についてはクルーグマンは否定的であり、問題は財政 ("fiscal")であると論じている。つまり

潜在成長率を達成しているという事は経済学的には不況ではないという事となるが、この状況が継続的かつ大幅な財政赤字に支えられてきたこと、そしてその結果GDPに対する債務比率が上昇し続けてきたことは問題である。
財政危機のリスクは誇張されすぎているとする(クルーグマンの)立場から見ても、GDPに対する債務比率が上昇し続ける状況はどこかの時点では解消されるべきと考える。
しかしながら金融政策によってインフレ率を押し上げることができないのであれば、累積赤字をインフレで解消することは難しいし、緊縮財政で財政再建を目指すとしてもその負の影響を(効果が低い)金融緩和で埋め合わせることができないという問題を抱えている。
よって財政再建のための残る手段は逆説的ではあるが、金融緩和とあわせて爆発的に財政出動してインフレ率を押し上げるしかない。(が、この提案が受け入れられる可能性はほぼないだろう。)
と述べている。要は財政再建の為には財政出動だ、という話でいわゆる「上げ潮派」の主張にかなり近いと言えるだろう。

なお、この最後の部分だけを取って「金融緩和に加えて財政出動をこれまで以上に大規模にやれと言っているだけだ!」と主張する人々もいるようだが、ここで真に注目すべきは、政策のゴールが大きく変わっていることである。 

そもそもリフレ派はバブル後の日本はデフレによって経済が強く抑圧された状態であったので、その重みさえ取り払えば全て良くなる!というのが売り文句だったわけだが、クルーグマンは日本はデフレ下であっても比較的良い状態を維持してきたし、現状では経済状況は大きな問題は無い(つまり強く抑圧なんかされていない)が、その状態を維持するために大幅な財政赤字を積み上げ続けてきているのが問題であり、財政再建するためにはやはりインフレ率を上げる必要があるのだ、と論じている。 

つまりたとえ政策が成功したとしてもリフレ派が夢見たデフレ後の素晴らしい世界などやってこず、多かれ少なかれ今と同程度の世界、但し財政が維持可能になっている、がやってくるにすぎないということになる。 まあこれはこれで幸せの青い鳥的とも言えるし、極楽浄土とはそんなものとも言えるかもしれないが、信者はこれで納得するのだろうか?

ちなみにこの日本がとるべき(そしてその後を他国もついていくべき)と主張している爆発的な財政出動の水準について、クルーグマンは「脱出速度(ロケットなどが地球の重力を振り切って宇宙に脱出する為に必要な地表における初速度)」にたとえているが、これはなかなか興味深い。

デフレ・長期停滞という地上から脱出するために飛び立ったロケットはもし脱出速度に達することができなければ再び地上へと舞い戻り、木端微塵になるかもしれない。なのに脱出速度に到達できるかどうかもわからないがとにかく飛び立て、というありがたいお話である。そんなリスクを取るくらいなら地に足をつけてできることをやっていけばいいのに、と考えるのは筆者だけだろうか? 

[追記1]

日本のリフレ派は様々な方面から異次元緩和の成功を喧伝していたのにあっさり梯子を外されご愁傷様であるが、そもそも日本のリフレ派がクルーグマンを教祖のように祀り上げていたこと自体が不思議と言えば不思議と言える。 

確かにクルーグマンは「日銀総裁を銃殺せよ」みたいなことを言ってたりしたので、「日銀が全ての元凶!」のリフレ派と親和性が高いように見える部分もあるが、もともと金融政策の効力をその信者達ほど過大に評価していたわけではなかったし、人口動態が日本経済に大きな影響を及ぼしているという事についても繰り返し言及している。 そういった意味では今回の日本論の修正は日本のリフレ派にとっては青天の霹靂でもクルーグマンにとってはそれほど大幅な修正というわけではなかったのかもしれない。そういう意味では以前にも書いたがバーナンキの方がよほどリフレ派的な考えの持ち主だと思うが、教祖として祀り上げるにはカリスマにかけていたのだろうか?

[追記2]

ちなみに「クルーグマンは異次元緩和は失敗だったと言っている」という解説もあるが、これはやや言い過ぎだろう。 

異次元緩和が目指したのはデフレで強く抑圧された経済を開放することだったはずだが、そもそもデフレではあったが大して抑圧されておらず、欧米よりもよほど潜在成長に近い状態にあったのだとすれば、成功したとしても得られるものはもともと小さかったはずであり、そういう意味では「期待外れではあったが一定の効果はでた」という事も可能だろう。但し、何度も書いているように金融緩和は拡大しているうちはなかなか弊害は表にでないが、いつか来る縮小のタイミングが危険なのでありもし大失敗に終わるとすれば、それがわかるのはもう少し先という事になる。

http://blogos.com/article/145211/



クルーグマン氏「テロへの恐れが最大の危険」
パニクる西側諸国が今すべきこととは
The New York Times 2015年11月18日

フランスは今も、将来的にもISに征服されることはない (写真:Pierre Terdjman/The New York Times)

私も多くの人と同様に、パリのニュースをひたすら追いかけている。他のことは差し置いて、あの恐怖から目を離さずにいるのだ。それは人間として自然な反応だ。だが、はっきり言っておきたい。テロリストが求めているのは、そうした反応なのだ。そのことを誰もが理解しているわけではない。

 たとえば、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事はこう断言した。「これは西側文明の破壊を狙った組織的な行動だ」。いや、そうではない。そうではなく、「パニックを拡大することを狙った組織的な行動」であり、両者はまったく異なるものだ。そして、ブッシュ元知事のような発言がその違いをあいまいにし、テロリストを実際よりも強力に見せてしまう。こうした発言は、テロリストの大義名分に手を貸すだけだ。

フランスはISに征服などされない

 冷静になって、フランスがどんな国であるか考えてみよう。どの国にも問題があるように、フランスにも問題はある。しかし、フランスは確固たる民主主義の国だ。国防予算はアメリカに比べれば少ないが、それでも強力な軍隊を抱え、その気になれば軍隊を大幅に増強できる資金がある(フランスの経済規模は、シリアの約20倍だ)。フランスは今も、将来的にも、「イスラム国」(IS)に征服されることはない。西側文明の破壊など、まったくあり得ない。

 では、金曜日の襲撃はいったい何だったのか。レストランやコンサートホールで無作為に人々を殺すということは、犯人たちの根本的な弱さを反映した戦略である。あの攻撃で、パリにイスラム帝国が建設されることはない。しかし、恐怖感を引き起こすことはできる。だから、あの行為がテロリズム(terrorism:terrorは恐怖の意)と呼ばれるのである。それを戦争と呼んで威厳を与えるべきではない。

 ここで重要なのは、恐怖感を和らげることではない。そうではなく、我々の社会でのテロによる最大の危険は、誤った反応から生じるのであり、直接的な危害から生じるのではないと明確に示すことだ。誤った反応はさまざまに生じる可能性があり、それ認識することは非常に重要だ。

 仮に、フランスや他の民主主義国が弱腰な政策でテロに対応したら、それは間違いなく非常に良くないことだ。たとえば、テロリストが自国から手を引くことを願って、フランスや他の民主主義国がISに対する国際的な取り組みから離脱するなどだ。弱腰を望む人がいないとは言わない。実際、西側の帝国主義がすべての悪の根源であり、他国に干渉するのを止めればすべてが上手くいくと強く信じている人もいる。

 しかし、政府はもちろん、主な政治家の中には、テロリストの要求に屈しようと言う人はほぼ見つからない。アメリカ国内での弱腰を責める声は、保守派が満足するほど強い言葉を使わない、リベラル派に向けられているようだ。

脅威をすべて排除しようと考えるのは危険

 もっと大きなリスクは、テロのターゲットとなり得る国々が、考えられるすべての脅威を排除して完璧な安全を確保しようとすることだ。こうした反応は、必ず事態を悪化させる。なぜなら、世界は大きく複雑で、超大国ですらすべてを正しく整えることはできないからだ。

9・11同時多発テロで、ドナルド・ラムズフェルド元国防長官は側近たちにこう言った。「すべて一掃しろ。関係があろうとなかろうと」。そしてただちに、イラクに侵攻する口実として、テロを利用することを提案した。その結果起こったのは、事実上テロリストを強化することになった悲惨な戦争で、ISが台頭する舞台もここで作られた。

 はっきりさせよう。これは単に判断が悪かったという問題ではない。そうなのだ。人はテロを政治的な利益のために利用できるし、利用するのだ。たとえば、政治的にメリットのがあり素晴らしいと想像するような、ちょっとした戦争を正当化するなどのために使う。

 テッド・クルーズ上院議員のような人が何を想像しようと、罪のない民間人を殺すことへの抵抗感をなくしても、アメリカの力に限界があることには変わりがない。しかし、その抵抗感をなくせば、テロリストの採用活動には驚くほどの効果が出るだろう。

 テロは世界にある危険の一つに過ぎない。だから、テロのために他の問題から目をそらすべきではない。保守派のみなさんには悪いが、オバマ大統領が「気候変動は我々が直面する最大の脅威である」と表現する時、彼は本当に正しい。テロリズムが我々の文明を破壊することはないし、できないだろう。しかし、地球温暖化が文明を破壊する可能性はあるし、そうなるかもしれない。

「トレードオフ」のバランスを見直すべき

 では、テロへの対応については、どう考えればいいだろうか。パリで残虐行為が起こる前には、西側の全般的な対応は取り締まり、予防策、軍事行動が混ざったものだった。そのどれにも難しいトレードオフがあった。監視かプライバシーの重視か、国の防御か移動の自由か、テロリストの巣窟の否定か海外での戦争遂行のコストと危険性か。そして、時にはテロリストが網の目をくぐり抜けることも常に明らかだった。

 パリはこのトレードオフのバランスを少し変えたかもしれない。特に、欧州での難民の扱いという、困難さが今日さらに増している問題に関しては。加えて、なぜこのような入念な策略に気付かなかったのかという点も、後日検証されなければならない。しかし、「9・11がすべてを変えるだろう」と、至る所で言われたことを覚えているだろうか。結局、すべてを変えることはなかった。今回のパリの残虐行為でも同じだろう。

 もう一度言おう。テロリストの目標は、恐怖を引き起こすことだ。なぜなら、彼らができるのはそれだけだから。そして、我々の社会がそれに対してできることの中で最も重要なのは、恐怖に屈するのを拒むことだ。

(執筆:Paul Krugmanプリンストン大学教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授、翻訳:東方雅美)

http://toyokeizai.net/articles/-/93174


5. 2015年11月19日 12:45:22 : LY52bYZiZQ
Business | 2015年 11月 19日 12:27 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

インタビュー:日本株はカバードコールに妙味=ブラックロック幹部

{東京 19日 ロイター} - 世界最大の資産運用会社、米ブラックロック(BLK.N)で個人向け旗艦ファンドを運用するマネージングディレクター、マイケル・フレドリックス氏は、ロイターとのインタビューで、11月に入り米長期債を売却したことを明らかにした。

また、米国の利上げ開始が迫るなか、今後は低ボラティリティ下で株価が上がったここ数年とは異なる市場展開になると指摘。日本株ではカバードコール戦略に妙味があるとの見方を示した。

同社はニューヨークに本拠を置く資産運用会社で、9月末の運用資産総額は4兆5000億ドル(約560兆円)。フレドリックス氏は、個人向け旗艦ファンドの1つである「グローバル・マルチアセット・インカム・ファンド」などのリード・ポートフォリオマネージャーを務めている。

インタビューは同氏が来日した17日に東京で行った。概要は以下の通り。

――マーケットでは、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが間近との思惑が高まっている。

「興味深い現象は、米国債市場ではイールドカーブのフラット化を見込む向きが多いことだ。市場関係者の多くは10年、30年といった年限の長い債券の金利が非常に緩やかに上昇する半面、1年、2年といった短い年限のものはすぐに上昇すると見ているわけだが、われわれはこの見方は脆弱だと考える。このため11月に入って10年国債と30年国債へのエクスポージャーをヘッジした(削減した)」

「短期金利の上昇については、マーケットのFRBへの期待が、過大である可能性があるとみている。利上げを過度に織り込んでいると判断した短い年限で、金利リスクを取ることにした。一方、5年後の10年債利回りのコンセンサスが3%程度というのは、私の目には過度な悲観に映る」

「10月末時点のわれわれのデュレーションヘッジ(債券の価格変動に対するヘッジ)はほぼゼロだった。だが(11月6日発表の)米雇用統計がマーケットの認識を大いに変えたので、ポジション変更を決断し、前週末(13日)までにデュレーションヘッジした」

――株式相場について。

「過去数年は、ボラティリティが非常に低い中で、世界的に株式が堅調という時期だった。データ的にも過去3年のリスク調整後リターンは(3年タームで見て)1940年代以来の高さで、ボラティリティが低い割にリターンは魅力的だった」

「だが、利上げという(米金融政策の)転換点が迫り、大量の流動性供給の終わりが近づき、ボラティリティが上昇する局面に差しかかっていると考える」

――日本経済について。

「ブラックロックではマクロ経済重視の投資家として、さまざまな経済指標を用いて消費、生産、雇用、輸出の4つの観点から各国経済をシステマチックに分析・比較する。それによると、日本の経済活動は全体的には確かに年初と比べて減速しているが、消費については悪くない。可処分所得の伸びも数年来の高さだし、消費者信頼感も高水準で推移している。また、労働市場のめざましい改善も心強い。賃金は少しずつ上昇する兆しが出ており、失業率も低下している」

「問題は生産と輸出だ。これらが振るわないのは、前週(10日)発表の日銀短観や(16日に)出たばかりの7─9月期GDP(国内総生産)でも示された通りで現在進行形だ。2四半期連続のマイナス成長は無論ポジティブとは言いがたいが、エネルギー価格の下落はコスト低下という形で日本経済に総じて恩恵をもたらすはずだ。日本市場では、米欧と比べてその効果の出現に時間を要しているが、今後さらに効いてくるだろう」

――日本株について。

「一般論としては日本株のバリュエーションは好ましいし、コーポレートガバナンス改革や構造改革も日本株を選好する理由になる。他国の株式市場と比べて逆風が弱いこともポジティブ。日本については良い面は色々あるが、景気の回復に少し時間がかかることもあり、(マルチアセットインカム戦略という視点からは)インカムアイデア(収益源)を見つけるのは難しい。とりわけ、債券については非常に困難な状況だ」

「株式については、J─REIT(不動産上場投信)をいくつか保有しているほか、ボラティリティの高い一部のシクリカル(景気敏感株)──銘柄名は控えるが複数の輸出関連株のカバードコール戦略(現物株買いとコール売りを組み合わせた戦略)を取っている。それらの輸出銘柄は配当は高くないがボラティリティがあるので、短期のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のコールを売ることで妙味のある利回りが稼げる。また、リスク・リターンの観点から多様化を図ることにもつながる」

「ただ、配当面では日本は他の市場に比べて厳しいことから、日本株の保有はあまり大きくない。現在、カバードコール戦略分を含めて、ポートフォリオ全体の2%未満だ」

(インタビュアー:植竹知子 編集:伊賀大記)

http://jp.reuters.com/article/2015/11/19/blackrock-idJPKCN0T809A20151119?sp=true


6. 2015年11月19日 12:49:06 : nJF6kGWndY

>>04 潜在成長率に近い状況を達成できている日本は現状のままでよいのか?という点についてはクルーグマンは否定的であり、問題は財政 ("fiscal")

何度も言ってきたことだな

やっとクルーグマンら世間の理解も少しは追いついてきたようだw


7. 2015年11月19日 20:26:38 : eYOBlOWYhI
爆買いの クスリに頼り 抜け出せず

8. 2015年11月19日 21:15:37 : gl8SpEZCCY
http://jp.reuters.com/article/2015/11/17/saxobank-cio-interview-idJPKCN0T61WG20151117(ロイター日本語版)

(サクソバンクCIO アベノミクスは失敗、必要なのは円高)


ウォールストリートジャーナル(日本語版)

(アベノミクス、今こそ再考の時)


いくら株価が上がろうが庶民の可処分所得が増えないと、企業の創造した商品やサービスを買えません、みんながいかに節約するかやっきなのに、企業の内部留保は300兆円を超える中で大企業減税してるってバカじゃないのか。

復興予算から補助金受けた企業が速攻国民政治協会から自民党に献金、消費税増税は法人税減税に消えた。などのツイッターを見ると国民がまじめに納税したお金が大企業と自民党で山分けしてるだけなのでアベノミクス下では真の景気回復は無理でしょう。


9. 2015年11月19日 21:17:38 : gl8SpEZCCY
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11673646430017294066804581360870356997568?mod=trending_now_2

ウォールストリートジャーナル貼り忘れです失礼。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民102掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民102掲示板  
次へ