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「金融緩和」の現実は、「引き締め」だった マイナス金利が警告する黒田緩和の反作用(東洋経済)
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/891.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 27 日 18:13:45: igsppGRN/E9PQ
 

日銀のロジックを優先することは、日本経済の命取りになりかねない?(撮影 尾形文繁)


「金融緩和」の現実は、「引き締め」だった マイナス金利が警告する黒田緩和の反作用
http://toyokeizai.net/articles/-/93626
2015年11月27日 徳勝 礼子 :BNPパリバ証券投資調査部レラティブ・バリュー・アナリスト 東洋経済


金融機関同士の取引で発生した円のマイナス金利が、いまや短期国債市場にも波及している。その原因は空前の金融緩和と、それと一体となった財政拡張だ。財政赤字拡大は金利上昇につながるという通説とは逆に、それがマイナス金利を引き起こしているという『マイナス金利』の著者が、「日銀はエビデンス(実証データ)を重視せよ」と訴える。


■「いずれ追加緩和へ」というのが大方の予想だが



円のマイナス金利は、市場が財政リスクを懸念しているからこそ現実化した。金融市場からの警告を読み解いた異色の日本経済。


2015年10月に2回開かれた日銀の金融政策決定会合においては、追加緩和はなされなかった。


しかし、2%のインフレ目標が達成できそうにないという理由から、いつかは追加緩和をやらざるをえないとみている市場関係者は少なからずいる。


もっとも、市場関係者自身がそう考えているというより、金融政策担当者がそう考えているだろうと市場関係者が推測している、というのが正しいかもしれない。


しかし、日銀のロジックを優先することは、エビデンスを無視することに等しく、日本経済の命取りになりかねないのだ。


■金融もロジックよりエビデンスを重視すべき


2013年、政府・日銀はデフレという病気を治療するために、金融緩和という薬を使い始めた。その背景には「デフレには金融緩和が効く」というロジック(論理的思考)がある。


今日、医療はロジックよりエビデンスが重視される傾向にある。昔は「Aという病気にはBという薬が効く」というロジックがありさえすれば、Bという薬が処方されていた。


それに対して今は、Aという病気にBという薬が効いたかどうかの統計学的な実証研究の結果(エビデンス)を見たうえでBを処方する、という考え方が重視される。


日銀の処方箋が適切だったかどうか、そのエビデンスを見てみよう。金融緩和は、ロジックとしては景気を刺激することになっている。しかし、2008年のリーマン・ショック以来続いてきた金融緩和、そしてその度合いを2年で2倍へと強め、今も強め続けている2013年以降の量的・質的金融緩和は、エビデンスの面からは「景気を刺激してきた」、あるいは「インフレ期待を高めてきた」とは言えないのではないだろうか。


「期待インフレ率を高めれば成長率が高まる」というロジックの代わりに、エビデンスとして見えてくるのは、@マイナス金利とA当初目論まれていた2%の実質経済成長率を下回る、ほぼ0%の成長率だ。


円のマイナス金利は金融機関同士の相対取引の中で発生しているが、その現象が短期国債市場へと波及してきている。3カ月短期国債は2014年終盤以降、慢性的にマイナス0.1〜0%で取引されており、2015年11月には、1年国債が一時的にマイナス0.15%をつける局面もあった。


■円金利のマイナス化=ドル金利の上昇


そこからわかることは、量的緩和によって増加した円の流動性が、円金利のマイナス化、裏を返せばドル金利の上昇という形で、引き締め的に作用しているということだ。


円のマイナス金利はどうやって発生するのか。邦銀はドル資金を調達するときに、海外金融機関との間で円とドルを貸し合うという形をしばしば選択する。


金融緩和で市場に円があり余っている状態では、円金利が大安売りされてしまう。大安売り、すなわち金利の値引きが高じて、円金利はマイナスになってしまったのである。


ドル資金が必要な邦銀や海外事業をしている企業にとって、円金利の値下がりはドルの調達コストの上昇と同じことだ。それはこのような日本企業にとって、実質利上げである。日本企業は、金融緩和政策のおかげで、実質的な金融引き締めに見舞われているのである。


その実質利上げは、米国FRBが今後、利上げを行うかどうかに関係なく、日本企業にすでに降りかかっている。


■「ロジックは正しかった」では済まされない


社会経済現象、特に金融政策を含むマクロ経済政策については、統計学的アプローチが難しい。


いちばんの理由はサンプル(標本)数が足りないことだ。G7のうち3カ国は通貨がユーロであるため、G7内の通貨は5つしかない。統計学には「自由度」というサンプル数を表す概念があるが、自由度が5しかないと、統計学的な分析がかなり厳しいことも事実だ。


また、マクロ政策の効果を把握するには時間もかかり、各国固有の背景や制度が異なるという事情もある。


そうした困難さをいいことに、マクロ経済政策ではエビデンスよりもロジックがいつまでも幅を利かせてしまっているのだ。


しかし、ロジックに疑問を呈するようなエビデンスが出ているのに、金融政策を方向転換する兆しは見えない。


金融市場で働くトレーダーやディーラーの多くは、統計学という認識はなくとも、統計学的アプローチを自然にとっている。


ロジックを考えてある取引を行って、そのとおりに市場が動かず損失を出してしまったら、「ロジックは正しかった」では許されない。出してしまった損失は戻らなくとも、ストラテジーを練り直さなければ、新しい取引をさせてもらえない。そのストラテジーは、起こったことを正面から受け入れ、エビデンスを土台にして作り上げられる。


もちろん自由度に限りがある金融政策を、教科書的な統計学的アプローチで考えるのは不可能だ。しかし、エビデンスに沿った新しいロジックを見出すことで、足りない自由度を補うことはできるだろう。マイナス金利の発生は、そうした転換の必要を警告しているのだ。


 

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コメント
 
1. 2015年11月27日 18:43:19 : OO6Zlan35k
麻生財務相、来年度予算「一般歳出増の目安重視」

[東京 27日 ロイター] - 麻生太郎財務相は27日、臨時閣議後の記者会見で、2016年度の一般会計予算編成について「2020年度の基礎的財政収支の黒字化に向けた計画初年度にあたる。一般歳出の目安を十分に踏まえた予算編成としたい」との認識を示した。

政府は同日夕の臨時閣議で「デフレ脱却・経済再生」「歳出改革」「歳入改革」を柱とする16年度予算編成の基本方針を決定した。国の一般歳出増の目安(3年で1.6兆円)を踏まえた予算編成を基本に効率的な財政運営を促すほか、経済成長に向けた「優先枠」は政策効果の高いものに絞り込む方針も打ち出した。

これに関し、麻生氏は「経済再生と財政健全化を両立させ、(経済財政再生に向けた)初年度にふさわしいメリハリのある予算とする」と語った。

基本方針では、安倍内閣が掲げる1億総活躍社会を実現するための低所得者支援や環太平洋連携協定(TPP)合意に伴う農業対策について、15年度補正予算とあわせて対処する方針も明記した。

週明けから本格化する15年度補正予算編成に関しては「重要な課題への施策にも適切に対処したい」との考えを示した。
http://jp.reuters.com/article/2015/11/27/aso-idJPKBN0TG0QD20151127

 
16年度予算編成方針、1億活躍やTPP対応を 次に歳出改革推進

[東京 27日 ロイター] - 政府は27日、経済財政諮問会議を開催し、2016年度予算編成の基本方針を示した。まずは「一億総活躍社会」の実現や環太平洋連携協定(TPP)対応、地方創生に直結するための取り組みに今年度補正予算と合わせて適切に対応するとした。

歳出改革集中期間の初年度として改革取り組みはその次に置かれるなど、原案と比べて全体として財政再建ありきではなく、経済再生や地方創生を前面に置く立てつけに修正された。

前回の諮問会議で内閣府から説明された原案は、その後、自民党との調整を経て、今回あらためて基本的な考え方が示された。それによると、まず冒頭に「経済再生なくして財政健全化なし」との安倍内閣の基本哲学が挿入され、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の対GDP半減目標達成見込みから始まっていた原案と比べ、財政再建色を薄めた印象だ。

さらに、地方への配慮から「地方によっては経済環境に厳しさがある。そのため、ローカル・アベノミクスの浸透をさらに図ることが重要」との文言も挿入した。

予算編成の考え方では、当初は歳出改革の推進の次になっていた「一億総活躍社会」の実現とTPPを踏まえた対応は、先になり、喫緊の重要課題への対応は15年度補正予算での対応と併せて「経済・財政再生計画」の趣旨や施策の優先順位を踏まえて、適切に対応するとされた。TPP関連政策大綱や1億総活躍の緊急対応策が決まったこともあり、歳出改革よりも優先度をあげた形となった。

(中川泉 編集:内田慎一)
http://jp.reuters.com/article/2015/11/27/tpp-idJPKBN0TG0PA20151127


2. 2015年11月27日 19:27:00 : nJF6kGWndY

>「金融緩和」の現実は、「引き締め」だった

結局、日本も英国同様、消費税増税などで、財政的には拡張は大したことはなく

海外景気の低迷などで、元々0金利でそれほど緩和効果はないのに、さらに小さくなったという点では引き締めとも言えなくは無いが


>量的緩和によって増加した円の流動性が、円金利のマイナス化、裏を返せばドル金利の上昇という形で、引き締め的に作用

これはあくまでもドル調達という場面での話に過ぎない



3. 2015年11月27日 20:29:25 : pPPEuCMfaN
米国のノンリコースローンは、住宅価格が上げ相場の場合でも差し押さえられれば借金がチャラになる、ものすごい「見えざる実質マイナス金利」です。
日本のリコースローンは、住宅価格が下げ相場の場合でも借金がチャラにならない、ものすごい「庶民への見えざる実質高金利」です。
ローンを返済する位なら、かえって差し押さえられた方が楽なのに、差し押さえられてもチャラにはならず、差し押さえた上に残りの返済を続けねばいけません。
だから銀行も住宅が過剰になって価格下落してもかまわないような融資姿勢になります。
だからいくらでも新規マンションを作る会社にも、そして買う方にも融資して、結果、住宅は過剰になります。
それでまた住宅過剰はエスカレートします。

4. 2015年11月27日 21:44:14 : jXbiWWJBCA
>>03

ノンリコースの場合、リコースより金利は高くなるし、相場下落で差し押さえられれば、高利で返済した資金は返って来ないので、実質マイナス金利というのは間違い。

またリコースでも自己破産されれば、返済されなくなるのでリスクが無いわけではない。

http://jp.wsj.com/articles/SB11377468785266573983404581063001253465470
米住宅市場は住宅ローン金利の上昇に伴い、大きな揺れに見舞われる可能性がある

3.9%の金利で40万ドル(約4900万円)の30年住宅ローンを組むと、毎月の返済額は約1890ドルになる。金利が4.9%へ上昇すれば返済額は毎月2100ドル、5.9%へ上がれば2370ドル


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