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高潔な資本主義の理論と現実(Forbes JAPAN)
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投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 29 日 22:58:25: igsppGRN/E9PQ
 

高潔な資本主義の理論と現実
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151129-00010004-forbes-bus_all
Forbes JAPAN 11月29日(日)19時4分配信


資本主義は、評判が良くない。多くの人は、資本主義は腐敗していて、人の事などお構いなく、政治家と結びついていると考えている。そして、一般的な見方が、常に間違っているわけではない。例えば、輸出入銀行の貸出権限の更新が挙げられる。ボーイングやGEといった健全な大企業が、何十億ドルもの特別な融資を受けるのは、どういうことだろうか。

大企業は、そのような自己拡大の政治的コストや社会的コストを考えたことがあるのか。短期的な利益のために、長い期間にわたってモラルが低いと評価されることが、本当に賢明なのか。

実際、殆どの企業は、滅多にロビー活動をしない。国政レベルでのロビー活動は、殆どが大企業に限られている。なぜ、大企業のリーダー達が、政治を通じて資金を受け入れるより、自社の優位性を活かして富を創造する方が戦略的に優れていると理解しないのだろうか。

幸いなことに、殆どの企業は、明言はしていなくても、これらのトレードオフを少なくとも理解していることが判明している。偉大な学者であった故ゴードン・タロックが述べているように、ロビー活動による明らかな成果は、一般に信じられているよりも、はるかに小さい。ロビー活動による「投資」の全体像を知ることは困難であるが、簡単な分析によれば、ロビー活動に費やされているのは年間100億ドルに満たず、これに対して、政府から推定1,000億ドルの援助がなされている。タロックは、ロビー活動の費用が一般に考えられているよりも高い一方で、利益が低い理由として、以下の4つを挙げた。

第一に、複数の企業が一つの政府の交付金を巡って競争している場合には、「くじ引き」的な状況が発生し、1社が大きく勝っても、敗れた企業にもロビー活動の費用が生じているために、全体として企業の見返りは小さくなる。

第二に、ある企業が一人の政治家の支持をロビー活動に費用を使って獲得できたとしても、企業とその政治家は、必要な数の他のメンバーとも依然として交渉しなければならないのが通常であり、これによって、追加的な政治的投資が必要になる。

第三に、殆どの人が政治的な特別扱いは、不当であると考えているため、企業と政治家は、カバーストーリーを作るために、さらに時間と費用が必要になってしまう。GMの救済は、数百万ドルの全国的な広報活動によって可能になった面もあり、同社は、愛国的ノスタルジアで自らを覆った。GMは、相当な決定権限を政府に明け渡してもおり、オバマ大統領によるCEOの解雇すら甘受した。

最後に、時が経つにつれて、市場は政府の特典による見返りに適応して効果が小さくなってしまうが、受益者は、それでも、失われつつある利益のために引き続き投資しなければならない。ニューヨーク市の認可タクシーと、UberやLyftなど新しいライドシェアリング・サービスとの間の戦いを考えてみるといい。

このような事を考えても、ロビー活動は、予想より少ないように思われる。これは、多くのビジネスマンが節度を持っており、稼いだ収入の方が、与えられた収入よりも優れていると考えていることを示している。これによって、ワシントンに頼ることが相当程度予防される。エコノミストのヨーゼフ・シュンペーターが、随分前に言ったように、平均的なビジネスマンは、「放っておいて欲しいし、政治には関わりたくない。」

「アダム・スミス」問題も、ロビー活動が低調な理由である。学者達は、長いこと、 国富論における自己利益の主張と、初期の道徳感情論における「他者への共感」メッセージとの間には緊張関係があると指摘してきた。アダム・スミスが観察したように、多くの人々は、二つの価値観を同時に持っている。すなわち、「他者を思う」価値観によって、お互い平和的に共存し、ホッブス的な「万人の万人に対する闘争」から逃れ、また、自己利益によって、貿易、自由市場、富の創造を可能にする、ウィンウィンの関係を探求するのである。

一般の人々、そしておそらくは多くのビジネスマンにとって、縁故主義は、政治的な「抜け目のない取引」であり、自発的なウィンウィンの関係や、資本主義そのものを脅かすものに思われる。これによって、ビジネス・リーダーは、彼らが熟知している世界、すなわち、政治的競争ではなく、協力と市場の創造的ミックスを特徴とする世界に集中して、縁故主義民主主義ではなく、倫理的な民主主義に近づいていくかもしれない。

しかしながら、縁故主義は、依然として、資本主義に対する深刻な脅威である。縁故主義は、否定され、正されなければならない。そのためには、自由市場の思想家とレントシーキングを拒否する資本家が、創造的に手を結ぶことが必要である。結局、資本主義は、資本家の関与なしには十分に護ることは難しい。そのような倫理的勢力、知的勢力、経済的勢力が結び付けば、経済の自由化に大きな力となり、資本主義、ひいては米国に明るい未来をもたらすであろう。

文 = Fred Smith(Contributor)/ 編集 = Forbes JAPAN 編集部


 

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コメント
 
1. 2015年11月29日 23:18:44 : Bx8ef5zyOk : ZgItXCP1Qf8
今更、カビの生えた資本主義、社会主義、共産主義なんて論じても意味が無い。

社会・共産主義においては政治が大きく関与するが、資本主義において政治が関与できる余地は少なく、所詮は税金投入による再分配が関の山。

そもそも日本が純然たる資本主義社会だと言うのなら、生活保護制度や国家による社会保険制度を説明できない。

資本主義社会では働かざるもの食うべからずだが、労働者の権利を守るために社会保険制度が誕生したことは理解できても、生活保護制度は説明できない。


2. 2015年11月30日 00:19:14 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk

ロビー活動や縁故主義による選択の歪みは、経済効率を下げる確率は高いが、

これらは資本主義固有の問題というより、人間組織に普遍的な問題だ。


また縁故主義は、経済効率を必ず下げるわけではない。

例えば、企業にとって富裕層や有力者、大口取引先の関係者を優先的に採用することは、労働者のパフォーマンスの最大化という意味ではマイナスだが、
採用リスクを下げ、安定的な取引を維持するなど企業にとってメリットがあるケースも多い。

だから、そうした非効率を減らすためには、社会全体で、より多くの監視コストを負担する必要があるということになるが

民主主義が機能していない共産主義や独裁主義国家では、国民による監視が機能しないので、中国や北朝鮮などで典型的に見られるように、悲惨な超格差社会に陥ることになる。


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