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TPP、いまだに全文公開されず…不都合な「規定」の存在が発覚(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/177.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 30 日 22:48:35: igsppGRN/E9PQ
 

                 環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の全章概要(「内閣官房 HP」より)


TPP、いまだに全文公開されず…不都合な「規定」の存在が発覚
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151130-00010004-bjournal-soci
Business Journal 11月30日(月)22時34分配信


 10月5日のTPP(環太平洋経済連携協定)大筋合意発表からすでに50日が過ぎようとしているが、依然として政府からはTPP協定の全文の公表がなされていない。そんななか、内閣官房TPP政府対策本部が11月5日、「環太平洋パートーナーシップ協定(TPP協定)の全章概要」を公表した。

 TPPの大筋合意では関税撤廃率95.08%というかつてない関税撤廃率の高さが全国の農業生産者に衝撃を与えたが、政府公表のTPP全章概要を詳細に見ると、さまざまな関税撤廃へ向けた「仕掛け」が存在することが明らかになった。

 第一に、第2章附属書譲許表に7年後再協議規定が明記されたことである。文章上は次のようになっている。

「我が国は、TPP協定の効力発生から7年が経った後、又は、第三国若しくは関税地域に徳恵的な市場アクセスを供与する国際協定の発効若しくは改正の効力発生に必要となる我が国と当該第三国等による法的手続が完了した後、相手国からの要請に基づき、自国の譲許表で規定される関税、関税割当て及びセーフガードの適用に関連する原産品の取扱いに関して協議を行う旨を定める規定を、豪州、カナダ、チリ、NZ及び米国との間で相互に規定」

 要するに、TPP協定発足7年後に豪州、カナダ、チリ、ニュージーランド(NZ)及び米国との間で、関税、関税割当及びセーフガードの適用に関連する原産品の取り扱いに関して、相手国からの要請に基づき協議を行うとの規定である。TPP政府対策本部の説明では、この規定は関税撤廃を免れたコメなど重要5品目が対象となるとのことである。

 文章上は、協議内容にはなんの留保条件も明記されていない。仮に、米国政府からコメの関税撤廃を求める協議が要請された場合、日本政府はそれに応じなければならないわけである。同様にNZから乳製品の関税撤廃を要請されれば、協議に応じなければならないのである。7年後の政治経済状況は今から予測はできないが、7年後の政治経済状況によっては、その再協議によって重要5品目の関税撤廃があり得ないとは断言できない。

●関税撤廃時期の繰り上げも可能

 第二に、第2章の第4条の規定では関税撤廃時期の繰り上げ協議規定が以下のとおり明記されている。

「いずれかの締約国の要請があった場合には、当該要請を行った締約国及び他の一又は二以上の締約国は、関税の撤廃時期の繰上げについて検討するため協議すること、締約国は、本章の附属書の自国の表に定める原産品の関税の撤廃時期をいつでも一方的に繰り上げることができる」

 この関税撤廃時期の繰り上げ協議は、締約国の要請があれば協議に応じなければならないことになる。それも、TPP協定発足後、直ちに適用されることになるので、7年後再協議規定とは違って、TPP協定が発足すれば締約国の要請にもとづいて発足した年から協議が行われることになる。

 この関税撤廃時期の繰り上げ協議は、日本にとって重大な規定になりうる。というのも、日本は関税撤廃農産物の多くについて撤廃時期を長めにとっているからである。

【各品目の関税撤廃時期(例)】
・豚肉、豚くず肉:10年
・牛くず肉:16年
・鶏肉(丸どり、生鮮・冷蔵):6年
・鶏肉(丸どり、冷凍):11年
・フローズンヨーグルト:11年
・たまねぎ、馬鈴薯、冷凍馬鈴薯、冷凍ブロッコリー、れんこん、ごぼう、かんしょ、生鮮オレンジ、さくらんぼ、グレープフルーツ:6年
・生鮮バナナ、パイナップル、りんご、かにピラフ、えびピラフ、いかめし、ブドウ糖、オレンジジュース、りんごジュース、トマトケチャップ:11年

 これらはほんの一部であるが、それぞれの産地では関税撤廃まで猶予があると受け止めている向きもある。しかし、米国をはじめTPP参加国から早期の関税撤廃を求める動きが強まれば、この協議規定に基づき前倒しで関税撤廃に追い込まれる可能性があるのである。

●米国多国籍企業が利益を上げやすい環境

 TPPは2005年にNZ、シンガポール、チリ、ブルネイの4カ国で始まった自由貿易協定、通称P4協定がその出発点であった。P4協定は、関税と非関税障壁の撤廃をその目標とするという点で、他の自由貿易協定と比して異色な自由貿易協定であった。

 これに目をつけたのが、米国の多国籍企業とそれに支援された米国政府であった。関税撤廃の自由貿易協定を世界標準にすれば、多国籍企業にとって理想的な経営環境が確立するからである。そして、P4協定のバージョンアップの際に米国政府も加入し、新たなTPP協定策定のためのTPP交渉を開始したのである。出発点から徹頭徹尾、多国籍企業がより利潤を上げる経営環境を確立するための貿易協定なのである。

 そして今回TPP交渉が大筋合意をしたが、その合意文書のひとつ「環太平洋パートナーシップ協定の概要(暫定版)(仮訳)」を見てみると、次のようにTPPの意義を明記している。

「我々は、アジア太平洋地域における貿易及び投資について新たな高い水準をもたらす本協定の妥結を、この地域におけるオープンな貿易と地域統合という我々の究極の目標に向けた重要なステップとして構想している」

 さらに、TPPを21世紀型の画期的な協定として特徴づける「包括的な市場アクセス」には、こう記されている。

「TPPは、各国の企業、労働者及び消費者に新たな機会と利益を創出するため、物品及びサービスの実質的に全ての貿易にまたがる関税及び非関税障壁を撤廃又は削減し、物品及びサービスの貿易及び投資を含む貿易の全域を対象としている」

 このように、今回のTPPの合意は、「オープンな貿易と地域統合という我々の究極の目標に向けた重要なステップ」であり、その特徴とは「物品及びサービスの実質的に全ての貿易にまたがる関税及び非関税障壁を撤廃又は削減」なのである。

 結局、多国籍企業が望むP4協定の関税及び非関税障壁の撤廃原則を引き継いでいるのであり、日本がその入口に立ったことであり、これからさらなる関税及び非関税障壁撤廃の世界に進んでいくことが確定したことなのである。それだけに、TPPが日本農林水産業に深刻な打撃を与えることはいうまでもない。

文=小倉正行/フリーライター

 

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