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JR東海初代社長が明かす「リニアの先」〈週刊朝日〉
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投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 17 日 08:18:20: igsppGRN/E9PQ
 

             「リニアができてもそれで一段落ではなく…」(※イメージ)


JR東海初代社長が明かす「リニアの先」〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151217-00000002-sasahi-ind
週刊朝日 2015年12月25日号より抜粋


 新幹線を軸に戦後を振り返ると、時代をあらわす広告とともに、旅や観光の文化を振興してきたのが、JR東海だ。その初代社長・須田寛さん(84)に、今や数少ない成長産業の一つでもあるこの観光と鉄道との関わりを、そしてその将来を聞いた。

*  *  *
 ほとんどの地域に関係あるのが観光なのです。企業活動の多くは大都市圏が中心ですが、観光需要を掘り起こせば、山の奥などでもホテルを建てるなりして観光業は営めますので。地方に満遍なく経済効果をもたらすのにいちばん良い産業とも言えるかもしれません。

 観光は、ものづくりと同等の経済活動で、文化事業でもあります。楽しくなければ人は訪れてくれないので遊びの要素も必要ですが、遊びはあくまでも一つの手段に過ぎないのです。

 このあたりの理解が進まねば、日本が世界で外客誘致数が27位に留まっていたように、いつまでも観光後進国のままでしょう。中国の人が約1億人以上外国を観光で訪問しているのに、そのうち約300万人しか日本には来ていなかったのですから。

 私が観光をやりだした1990年代に比べれば状況は好転してはいるのです。「観光立国」との言葉が使われ始め、国策として列挙されるようになったでしょう。小泉内閣の頃から国でも会議が重ねられ、環境整備が進んでいきました。

 小泉さんは当時、国際旅行収支が年間3兆5千億円もの赤字であると知り、驚いたそうです。日本は観光に良い国なのに、なぜか。もっと観光で経済を活性化させたらどうか。そう小泉さんが働きかけたことが、観光立国に取り組むきっかけになったと言われています。

 当時は日本人旅行者が海外に年に1600万人行っていたのに対し、日本を訪れる旅行者は500万人ほどでした。円高で、かつ自由に日本を旅行できるビザを取るのが厳しい状況もあった。そこが変わっていくのが大きなポイントでした。

 さきほど、観光による地域振興の話題に触れました。これは鉄道のこれからにも関係があることです。観光振興のための仕事で私は全国各地に出かけていますが、昨今では、過疎化で地方の在来線の役割が問われていると感じる機会が多いのです。

 鉄道よりも前に経営に危機があった各地のバス運行を考えると、状況が理解しやすいかもしれません。大都市圏を除き、自力経営が難しくなった地域では、路線バスがなくなることも珍しくはありません。バス会社が撤退しようとしたがために、必然的に地元でのバスの位置づけを考えざるを得なくなりました。それでもバスは必要との話し合いが持たれ、税金を用いてでも最低限の需要をまかなうコミュニティーバスが走る地域も多くなったわけですね。

 地域づくりの中で、今、鉄道はどの程度の役割を期待されているのか。もしも鉄道が必要なら、国や自治体などと共に経営上の課題をどう解決するのか。各地域の在来線について議論すべき時が来ているようにも思います。地域を訪れると、お客様を一人も乗せていないローカル列車さえ目にすることもありますから。

 将来的な展望というのは課題を考えてこそ見えてくる、と私は考えています。

 民営化し、JR東海になってからの東海道新幹線の改善点を見ても、それが言えます。平成4(92)年に「のぞみ」300系を作って高速化を図る。11(99)年に700系、19(07)年にN700系、25(13)年にN700Aと「のぞみ」の速度や快適性、省エネルギーなどの面を絶えず改良していく。15(03)年に品川に新たな新幹線駅、サブターミナルを造り、利便性を高めると共に乗客数増加を図る。こうした近年の課題は、ほぼ、会社が見いだし取り組んだことです。

 課題を解決することこそが、必要なのです。課題がなければ、自ら作らねばならないとさえ思います。今の東海道新幹線にとってのいちばんの課題は、安全と防災対策の一層の強化です。特に沿線では南海トラフ地震など、大地震の発生が懸念されています。これまでの大地震などの例を教訓にしてかなりの震度まで耐えられるように鋭意対策を講じつつありますが、現実には完全というものには、少しずつ「近づく」ことしかできない。安全と防災対策は、今後も永遠の課題になるでしょう。

 一方では、将来にわたり東京〜名古屋・大阪間を長期安定的に輸送できる基盤をつくるにはどうすればいいかという課題もあります。今のJR東海で言うなら、リニアモーターカーによる中央新幹線の実現がそれです。設備更新や輸送力不足や災害時のリスク分散のためには、従来の路線とまた別のバイパス機能が要るのでは、との議論から始まった挑戦です。

 リニアができてもそれで一段落ではなく、その時にはまた新しい課題が出てくることでしょう。より安全性を高め速度を上げるには。よりエネルギーを省くには。そうしたことの繰り返しなのではないでしょうか。課題ばかり見ていて後ろ向きだなと思われるかもしれませんが、それが鉄道のすべてなのです。

 

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コメント
 
1. 2015年12月17日 19:18:46 : ETcHEdXLzI : iN4eWnU71FM[8]
リニアは現代版の参勤交代や天下普請による日本の経済力の削減政策だろう。
リニアの赤字補填のために新幹線の利用料金を上げるのは目に見えている。

金が余って困るのであれば、新幹線を複々線にでもすれば良かろう。


2. 2015年12月19日 23:12:31 : gjSWR86AiA : u0glpiXsZGg[86]
須田さんは当方も知っているが、この人は旅客列車の車掌出身で、国鉄旅客局の重役だった。1980年代の国鉄分割解体の頃の話だ。国鉄の民営化に反対していた我々は、須田さんは味方だと信じていた。ところがだ。民営派が力を持つにつれて、そちらに鞍替えしてしまったのである。つまり、信念とか主張に基づく人ではなく、強い者になびく人なのである。それで手に入れたのが、JR東海の初代社長の地位だ。当方のように、分割解体に反対してJRに行っても冷や飯を食って、結局のところ海外逃亡した者とは訳が違う。

その須田さんは、当然のことながらリニアに反対せず、賛成している。そういう「体制べったり型」なのだ。そのことを頭に入れておかないと、騙されるよ。


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