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2016年の日本株相場展望 株価は年前半にピークアウト(Wedge)
http://www.asyura2.com/15/hasan104/msg/124.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 31 日 09:36:35: igsppGRN/E9PQ
 

2016年の日本株相場展望 株価は年前半にピークアウト
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151231-00010001-wedge-bus_all
Wedge 12月31日(木)9時0分配信


 1カ月前のWEDGE infinityに「アベノミクス3年目の曲がり角」と題した記事を書いた。アベノミクスの「矢」のなかで、唯一機能した日銀の異次元緩和も手詰まり感が濃厚となってきたことに警鐘を鳴らすものであった。筆者の悪い予感は現実のものとなりつつある。その後、12月に開催された金融政策決定会合で日銀は量的質的金融緩和の「補完措置」なるものを発表した。これは株式市場の不興をおおいに買い、日経平均は日銀の「補完措置」発表の当日から翌週にかけて5日連続で下落した。市場が日銀不信を強めた結果であろう。前回の記事は、来年の株式相場展望の「前触れ」というか「頭出し」の位置づけだ。なぜなら、来年の相場展望をキャッチフレーズ風に言い表すと、「大回り3年 アベノミクス相場の曲がり角」ということになろうからである。

 2012年から上昇に転じた日本株相場、このままいけば今年も年間リターンはプラスで終わった。これで4年連続の上昇となる。振り返れば、2012年末の安倍晋三政権誕生を機に、この上昇相場がスタートした。実際には、2012年11月、当時首相だった民主党の野田氏が衆院を解散すると宣言した瞬間から株価上昇が始まったのだが、その時点ですでに安倍政権誕生が確実視されていたわけだから、「2012年末の安倍政権誕生を機に」と言っても間違いではないだろう。その意味で、この相場はまさに「アベノミクス相場」であり、したがって相場の帰趨はアベノミクス次第であるというのが筆者の考えだ。

■「小回り3カ月、大回り3年」

 その安倍政権は12月26日で誕生から3年が経ち、4年目に突入した。株式相場の格言で、「小回り3カ月、大回り3年」という。相場のサイクルは小さな周期で3カ月、大きな周期は3年で一区切りとするものだ。日本株相場もそろそろ転機を迎えると考える。それは、前述したようにこの相場はアベノミクス次第であり、その肝心のアベノミクスが息切れしてきているからである。

 安倍政権は、来年の参院選まではなんとか景気のいい話題をばらまいて市場の歓心を買おうとするだろう。しかし夏場を過ぎたら要注意だ。17年4月に消費税を再び上げるなら景気が減速するのは自明のことだから、相場はそれを先取りして手仕舞い売りに押されるだろう。戦後、東証が再開してから日経平均が5年連続で上昇したことは、80年代バブルの異常期を除いてなく(*)、4年連続が最長である。過去のパターンにならえば来年はマイナスのリターンとなると思われる。これは先ほどの「大回り3年」という格言にも一致しよう
(*注:78〜89年まで12年連続の上昇を記録した)。 

 結局、日本株相場にとってアベノミクスで効果があったのは日銀の金融緩和とコーポレートガバナンス強化等による企業改革を促す政策だけである。アベノミクスの矢はこれまで新旧合わせて6本出されているが、もう限界だろう。そもそも「新3本の矢」は発表直後から「矢」でなく「的」であると疑問符がつけられる始末。もうこれ以上、有効な「矢」が打ち出されるとは思えない。

 効果があったように思われる日銀の追加緩和にせよ、コーポレートガバナンス革命にせよ、「期待」を先食いして相場が上昇したに過ぎない。事実、賃金が上がって2%のインフレが達成されたわけでも、日本企業のコーポレートガバナンスの意識が格段に改善して企業価値が大幅に向上したわけでもないのだから。そして安倍政権から期待を先食いさせるような政策はもう出てこないだろう。2016年は期待先行で買った夢から覚めて現実を直視する年となるだろう。

■の相場は堅調に推移

 まず年前半、日本株相場は堅調な推移を辿るだろう。ひとつには季節性がある。年前半は相場が上昇しやすい。昨今ではすっかり人口に膾炙した感のある「Sell in May (5月に売れ)」という相場格言も、春まで相場が強含む傾向を言い表したものである。

 今年はさらに材料がある。7月の参院選だ。安倍政権としては参院選の前に、景気や株式相場を冷やすような状況は是が非でも避けようとするだろう。否が応でも市場の歓心を買うような言動が多くなるはずだ。5月の伊勢志摩サミットから「上げ潮」に乗って参院選に臨みたいはずであろう。

 ファンダメンタルズ面では4月下旬から5月にかけて2015年度の決算発表を迎える。そこで上場企業の2期連続最高益更新を確認することになるだろう。好決算を受けて6月の株主総会シーズンを前に増配や自社株買いなど株主還元策もぞくぞくと発表されると思われ、これも相場の地合いを良くするだろう。ただし、懸念は企業側が発表する慎重な来期業績見通しに引きずられることだ。そちらにバイアスがかかれば相場の天井は低くなる。

 もうひとつ年前半、相場の押し上げ要因になると思われる材料は日銀の追加緩和だ。前述した日銀の「補完措置」は追加緩和の布石であり、追加緩和をおこないやすくするのが日銀の狙いであることは明白だ。追加緩和のタイミングは4月だろう。春闘で賃上げが思うように進まないことを確認し、それを理由に追加緩和に踏み切るとみる。

 以上のように年前半は、1)相場が上がりやすい季節性、2)伊勢志摩サミット・参院選を控えて景気浮揚を狙った政策運営期待、3)2期連続最高益での着地〜3期連続最高益期待、4)株主還元策の強化、5)日銀の追加緩和などを材料に株式市場は堅調に推移し、5月か6月に2万2000〜3000円程度の高値をつけると予想する。

■後半はアベノミクスの息切れ感が明確に

 ただし、その後はアベノミクスの息切れ感が明確になるとともに相場は消費増税による2017年度の景気低迷を警戒して下げに転じるだろう。もうひとつの大きな日本株の売り要因は為替が円高になるというリスクだ。これまでのドル高・円安シナリオが反転する。これまでのドル高・円安シナリオとは、

 米国:景気が良い ⇒ FRBは利上げ

 日本:デフレ脱却取り組み続く ⇒ 日銀は異次元緩和継続

 というものだったが、そのシナリオは完全にやり尽くした感がある。2016年は、

 米国: FRBは利上げしたものの、そのペースは緩慢

 日本:日銀のQQEもトーンダウンもしくは打ち止め感

 という新たなシナリオを確認していくことになるだろう。当然、これまでと逆の動き、すなわちドル安円高となるだろう。原油価格も相当下げた。予断は許さないが、来年は横ばいから反発する可能性も十分ある。

 日本企業の好業績は円安・原油安の恩恵に負っているところがかなりあり、それが剥落すれば来期の業績は相当見劣りがするものとなろう。

 このように年後半は、1)消費増税による景気減速に対する警戒感、2)有益な政策が打ち出されないことでアベノミクスに対する失望感の高まり、3)円高リスク、4)原油相場の反発、5)3と4を受けた企業業績の悪化などのリスクが顕在化する可能性がある。

 2016年の日本株式相場は高値での売り時を探ることが最大の焦点と思われ、それはおそらく年前半にやってくると想定している。

 相場の波乱材料とリスクシナリオをいくつか挙げておく。

 まず、日銀の追加緩和が発動されても市場で評価されないリスク。黒田バズーカ3で打ち止め感が出て相場が上昇しても短命に終わる可能性がある。その場合、年前半の相場上昇の天井は低くなるだろう。2015年高値に顔合わせ程度か。

 反対にポジティブ・シナリオは消費増税の再延期(もしくは9%にしか引き上げない)。先ごろまとまった来年度予算案を見ても、社会保障費の膨張によって一向に歯止めがかからない財政の悪化という観点からは、とても「ポジティブ・シナリオ」とは言えないが、ショートターミズム志向の強い市場関係者には、2017年度の景気低迷が避けられるという点で、歓迎されるだろう。

 その場合は、国民に信を問うという口実で衆院解散があり得る。参院選とのW選挙はないというのが政治評論家のコンセンサスだが、W選はなくとも年内にはやるかもしれない。時期は12月という見立てがあるが筆者も同意する。安倍政権は2012年12月の総選挙で誕生し、消費増税を見送ると言って2014年も解散、12月に総選挙で再び勝った。長期政権を狙うなら、2度あることは3度あると2016年師走の総選挙もあり得る。おそらく与党は勝つだろう。勝ち方にもよるが、やはり相場は政治の安定を好感して年末高というリアクションになるだろう。これが、メインシナリオの年後半下落予想に反する、アップサイド(上振れ)シナリオだ。

■憲法改正、トランプ、IS、米中衝突……

 選挙絡みの不確定要因として、もうひとつ、参院選で憲法改正が争点とされるリスクについて挙げておく。そうなれば株式市場にとっては無論、ネガティブ材料である。

 海外にも波乱材料は多い。2016年最大の注目材料は、米国大統領選の行方である。ヒラリー・クリントン氏の本命は揺るがないが、万が一にもトランプ氏となれば世界の市場は動揺するだろう。

 もうひとつ、重大な懸念材料は地政学リスクの高まり。なかでも筆頭は中東情勢である。非常に混沌としており、専門家でもまったく予測不能という事態に陥っている。まさにカオス的な状況だ。イスラム国(IS)だけでなく過激派組織が無数に生まれ、宗教と民族の対立が情勢を複雑にしている。何がどう転ぶかまったくわからない。ひとつ言えるのは、一昔前の国際関係に基づく常識は通用しないということだ。

 中東から離れれば、南シナ海の緊張が日本にはいちばん影響が大きいだろう。しかし、短期的に、例えば2016年中になにか大きく事態が変わるかと言えばそれはないだろう。世界1、2の大国である米国と中国は「大人の関係」を維持するだろう。特に2016年は米国大統領選の年であり、オバマ政権は事実上幕引きを飾ることだけに専念している。難しい政治判断については既にレームダック化して久しい。米国側から過激なアクションはないし、習近平政権も長期でじっくり事を構える様子がうかがえる。

 こうした状況でいちばん怖いのが「偶発的な事故」である。以下は朝日新聞の報道だ。

 <米軍の戦略爆撃機B52が今月中旬、南シナ海で中国が埋め立て、領有権を主張する人工島から12カイリ(約22キロ)内を誤って飛行したことが、わかった。米国防総省当局者が明らかにした。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、人工島から2カイリまで接近した。中国外務省は、米政府に「厳重な申し入れ」をしたと発表した。米側は調査中と応じたという。>

 軍事的な挑発行為ではなく、あくまで悪天候が原因の飛行ミスとのことだが、これに対してもしも中国が攻撃を加え、米軍機を撃墜でもしていたら……と考えると空恐ろしい。しかし、そのリスクは現実に起こり得る。そしてその偶発的リスクが示現する際には、トルコがロシア軍の戦闘機を撃墜した際の騒ぎとは比べものにならないインパクトを世界に与えるだろう。その場合、いちばん、過激に反応するのは日本株相場であることは言うまでもないだろう。

広木隆 (マネックス証券チーフ・ストラテジスト)

 

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