★阿修羅♪ > 経世済民93 > 597.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
日銀トレードが生む、マイナス金利の異常さ 短期金利のマイナス化は終わらない?(週刊東洋経済)
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/597.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 2 月 15 日 08:14:05: igsppGRN/E9PQ
 

2013年4月以来、黒田東彦総裁率いる日本銀行は国債の買い入れを強力に進めてきた。14年10月末には年間の新発債相当へ買い入れ額を増やすことを決定(撮影:尾形文繁)


日銀トレードが生む、マイナス金利の異常さ 短期金利のマイナス化は終わらない?
http://toyokeizai.net/articles/-/60244
2015年02月15日 福田 淳:東洋経済 編集局記者


マイナス金利は終わるのか──。金利市場が揺れている。日本の短期国債の金利は2014年秋からマイナスが続いたが、1月下旬以降、プラスに浮上しつつある。



マイナス金利とは何か。図で解説しよう。1年後に額面の100円と利息1円、合わせて101円を受け取れる国債があったとする。これを今、101円で買えば、損得はない。だが、102円で買うと、1年で1円の損をする。その利回りは、年間損益÷購入価格で計算するので、マイナス0.98%となる。つまり、償還時に受け取る総額よりも高い価格で買うと、マイナス金利になるというわけだ。


■国債がマイナス金利でも買われる3つの理由


みすみす損をする取引のように見えるが、このような価格でも国債を買いたいというニーズは大きく三つある。


まず、日銀トレードだ。日本銀行は13年4月から「2年で2%のインフレ目標を実現する」として、異次元緩和政策を採り、大量の国債を買い上げている。これに期待して、国内大手銀行・証券の債券ディーラーが、マイナス金利となるような高い価格でも国債を購入。数日以内に、より高い価格で日銀に売却し、利ザヤを稼いだ。


二つ目の理由が、海外投資家による買い。ドイツ、フランス、スイスなど、欧州の短期国債の多くがすでにマイナス金利となっている。欧州中央銀行(ECB)やスイス国立銀行(SNB)が、マイナス金利政策を採用しているからだ。民間銀行が中央銀行に資金を預ける際の金利をマイナスとすることで、企業や個人により多くのおカネを回そうという政策である。


だが、運用難になった欧米の投資家は、日本国債に資金を振り向けた。彼らは、「日本国債がマイナスの利回りであっても、利ザヤを稼げている可能性が高い」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラテジスト)。なぜなら、海外投資家は金利通貨スワップ市場で、ユーロやドルを円に転換して日本国債を買うが、このときの円調達コストが大幅なマイナス(=ユーロやドルを円に換えれば利益が出る状態)になっているためだ。円の調達コストがマイナスなのは、利上げ時期が近いとの観測から、ドルの需要のほうが圧倒的に強いことが背景にある。


日本国債が買われる三つ目の理由は、国内銀行の担保需要だ。銀行は日々の取引で資金が余ったり、不足したりする。その資金のやり取りをする際に担保とされるのが流動性の高い国債。ヘッジ会計やデリバティブ取引における担保としても使われる。こうした担保需要は都市銀行と地方銀行合計で40兆〜60兆円ぐらいあると石井氏は目算する。


これら三つの要因により、金利のマイナス化が続いたが、1月下旬にはマイナス金利はほぼ解消された。きっかけは、円調達コストのマイナス幅が縮小し、海外投資家の買いが細り、金利の変動が大きくなったことだ。


こうした金利の上昇=国債価格の下落は、日銀トレードを行っていた投資家に損失を与えたとみられる。「しばらくは日銀トレードによる買いは出てこないだろう」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)。


■3月に再び金利はマイナスに転落も


ただ、3月にはECBが量的金融緩和政策を実行、欧州各国債の購入を始める。欧州国債を買いづらくなった投資家は日本国債購入を活発化させるとみられ、再びマイナス金利に陥る可能性がある。


日銀がマイナス金利で国債を買い続けると、そのバランスシートは傷む。SMBC日興証券の末澤豪謙・金融財政アナリストは、「マイナス金利は日銀の政策が持続可能でないことを示している」と見る。異次元の金融政策は日銀内に将来のリスクを積み上げているだけではないか。


(「週刊東洋経済」2015年2月14日号<9日発売>「核心リポート05」を転載)


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2015年2月16日 07:18:53 : jXbiWWJBCA

金利市場透視眼鏡
【第29回】 2015年2月16日 野地 慎 [SMBC日興証券シニア金利ストラテジスト]
ECBへの量的緩和期待が
日本の金利を上昇させた
 日本の債券市場では1月に5年債利回りがマイナスになったほか、10年債利回りが0.2%を割り込むなど「金利がどこまで下がるのか」という点に全ての関心が集まっていた。しかし、1月22日の20年債入札後に長期金利が急騰、2月にも10年債入札が不調に終わるなど、今度は「金利がどこまで上がるのか」という不安が市場を覆った。

 1月の異常な金利低下を主導したのは、銀行の主要投資先である5年債利回りのマイナス化であり、逆に足元の金利急上昇も5年債の動向が大きな要因となっている。

 5年債利回りが日本銀行の当座預金の付利金利である0.1%を下回り始めた2014年11月あたりから、銀行の中期債(5年債など)売買高は急減している。日銀の当座預金で0.1%の金利を得られる環境の中、0.1%を下回る5年債に投資する理由がないと銀行が判断したことがうかがえる。

 代わって、5年債の買い手となったと想像されるのが海外投資家。国内銀行に魅力のない利回りとなった5年債を、通貨スワップ(異なる通貨の間で将来の通貨と金利を交換する取引)を用いたマイナスの調達コストの資金で購入することで、利回り低下が顕著であったユーロ圏国債の代替としていたとみられる。


拡大画像表示
 ところが、ECB(欧州中央銀行)による量的緩和政策の期待が高まった15年1月以降、ユーロを調達して他通貨に投資する「ユーロキャリー」が活発になるとの思惑からユーロ圏の投資家の外貨調達コストが上昇し、円の調達コストも上がった。調達コスト上昇で海外投資家が日本の5年債を買わなくなれば、国内投資家は0.1%を下回る利回りの債券への投資にインセンティブがないことから利回りは一気に上昇しやすくなる。

 10年債や20年債の利回りは、5年債利回りがマイナス化していたことをよりどころに一層の低下を見せていた。今度は逆に5年債利回りのプラス化、そしてさらなる上昇が長期債の利回りを上昇させた格好であるといえよう。

 日銀による大量の国債買い入れや海外長期金利の低位安定傾向を考えれば、金利上昇もそろそろ止まると予想される。0.1%まで戻ってきた5年債に国内投資家が再度投資をするのか、5年債の利回りが安定するのかに最大の注目が集まることになろう。

 5年債利回りの上昇が止まれば、長期金利の上昇も止まることになりそうだ。ただ、再度5年債利回りが0.1%を大きく下回る水準まで低下すれば長期金利も同様に低下する可能性が高い。その場合、5年債利回りも長期金利も、海外投資家の動向に影響する通貨スワップの水準に左右されやすい点に注意が必要である。

(SMBC日興証券シニア金利ストラテジスト 野地 慎)
http://diamond.jp/articles/-/66798


金融市場異論百出
【第173回】 2015年2月16日 加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
自販機メーカーを襲った悲劇
通貨安戦争で混乱する世界経済
 飲料やスナックの自動販売機を運営している企業が、1月に生じたスイスフラン高で“悲劇”に見舞われた。


2月9日にトルコ・イスタンブールで行われた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも、通貨安の話題が上った
Photo:Anadolu Agency/gettyimages
 スイスの大衆紙「ブリック」によると、セレクタ社はスイスに1万6000台の自販機を設置している。それらはスイスフランとユーロの両方で商品を買えるようになっていて、自販機の為替レートはスイス国立銀行(SNB)が2011年以来維持していた1ユーロ=1.2スイスフランだった。

 しかし、SNBはこの事実上のペッグ(くぎ付け)政策を1月15日に突然停止した。為替レートはその後10日間ほど1ユーロ=1スイスフラン前後で推移。セレクタ社は自販機のレートをすぐに変更したかったが、台数が多くて短期間で終えるのは不可能だった。

 その間に消費者は1ユーロで1.2スイスフラン分の商品を買い続けることができた。意図せざるバーゲンセールになってしまったわけだ。

 それどころか、その自販機はユーロを入れてキャンセルするとスイスフランが戻ってくる仕組みになっていた。それに気付いた消費者は、キャンセルでスイスフランを得る操作を繰り返していたそうだ。自販機がお得な両替機と化してしまったのである。

 このように、為替政策が突然変更されると経済は多方面で混乱に直面する。前掲紙は「なぜSNBは政策変更を予告できなかったのか」と批判していた。しかし、ペッグ政策の終了を当局者が事前ににおわせたら、その瞬間から為替市場ではスイスフラン買いの圧力が高まり、ペッグのレートを維持することは困難になってしまう。

 ペッグ政策は本質的に突然停止しなければならない“宿命”を抱えているといえる。

 もっとも一歩離れて見てみれば、スイスのような小国は、近年大国間で繰り広げられてきた「通貨安戦争」に翻弄されてきた被害者と見なすこともできる。今回のSNBのペッグ放棄も、欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策を導入してユーロを下落させようとする動きに、SNBが耐えられなくなった(潜在的な為替リスクの増大に耐えられなくなった)ことが主因である。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、“通貨安戦争”から抜け出てゼロ金利解除へと向かおうとしているが、その結果、昨年後半から急激なドル高に見舞われている。さすがに今年に入ってから、ドル高への不満を表す米企業経営者が急増してきた。

 左派系の主張が多い米有力シンクタンク、経済政策研究所(EPI)も日本政府・日本銀行の円安誘導を攻撃し始めた。彼らの主張の趣旨は次の通りである。

「日本は中国に次いで世界で2番目に大規模な為替操作を行っている。巨額の外貨準備を保有し、日銀はFRBをはるかに上回る規模でQE(量的緩和)を実施し、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は外国債券の保有額を大きく増加させてきた。安倍晋三首相も日銀に緩和を促す発言を行ってきた」

「昨年の米製造業の貿易赤字は過去最高水準となった。日本の為替操作で13年に全米で90万人の職が失われた。米国は為替操作を行う国と環太平洋経済連携協定(TPP)を結ぶべきではない」

 米政府はこのような過激な日本批判にはくみしていないが、ドル高に対する米国の寛容さは以前より薄らいできている。昨年と異なって、日銀が不用意にサプライズの追加緩和を行うと、米国の反発が強まるケースもあるだろう。

(東短リサーチ取締役 加藤 出)
http://diamond.jp/articles/-/66792


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民93掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民93掲示板  
次へ