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故人の海外預金、払い戻しは困難?100万円&3年かかる場合も 安く短期で実現する方法(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/679.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 2 月 19 日 08:34:05: igsppGRN/E9PQ
 

故人の海外預金、払い戻しは困難?100万円&3年かかる場合も 安く短期で実現する方法
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150219-00010008-bjournal-soci
Business Journal 2月19日(木)6時1分配信


 以前、日本経済新聞に「亡夫が海外に持っていた銀行口座から預金を払い戻すには現地の弁護士に依頼する必要があり、費用は約100万円かかることもある」という旨の記事が載っていました。また、アメリカの場合は1〜3年ほど時間がかかるとも書かれていました。

 もちろん、ケースバイケースで国によって事情も異なるので一概には言えませんが、少なくとも筆者の経験では、時間も費用もそこまでかかりません。

 そこで、今回は「あまりお金をかけずに、故人の海外預金を払い戻す方法」を紹介したいと思います。当然ながら、この事例がすべてのケースに当てはまるものではありませんが、少しでもご参考になれば幸いです。

●相続人は何を相続するのか?

 仕事で海外に赴任経験があったり、長期滞在したことのある人は、現地の銀行に口座を持っていることもあるかと思います。その口座の持ち主が亡くなってしまった場合、日本国内の財産と同様に海外の預金にも相続が発生します。

 しかし、海外に所有していた財産について、相続人は何を相続するのでしょうか。そもそも、預金者と銀行との法的な関係は、民法が定める「消費寄託契約」というものです。

 これはつまり、銀行は預金者から預け入れられた金銭を自由に使うことができ、また預金者は預けた金銭の返還をいつでも銀行に要求できるというものです。

 預金者が死亡した場合、相続人は金銭そのものを相続するのではなく、「銀行から金銭の返還を受ける権利(預金債権)」を相続することになります。これは、国内でも海外でも同じです。

 そして国内では、預金債権は遺産分割協議などを行わなくても、つまり裁判所が関与しなくても、相続発生(=死亡時)と同時に法定の相続割合にしたがって分割されると考えられています。

 例えば、夫が亡くなり、妻と子供が相続人の場合、たとえ分割の割合で揉めていたとしても、妻と子供は銀行に対して、それぞれ半分ずつ預金債権を請求することができます。

●海外では事情が違うので注意

 ところが、海外では「プロベート(検認)」というやっかいな手続きがあります。これはどういったものでしょうか。

 国によって細かい制度は違いますが、まずは裁判所が「相続財産管理人」とでもいうべき人物を選任し、その後、この人物が借金の清算や相続人への遺産の分配などを行う、というのが大筋です。

 当然ながら、現地の制度に従わなければならないので、日本の相続人が預金を払い戻すには、まず当該国の裁判所に申し立てを行い、相続財産管理人が預金の払い戻し手続きを行ってくれるのを待つことになります。

 しかし、多くの場合、日本の相続人は海外での手続き方法がわからないため、現地の弁護士や日本にいるコーディネーターなどを探して頼る必要があります。そこで、多くの時間と費用がかかってしまうのです。

●簡単に海外預金を払い戻す方法

 ただし、シンガポールや香港の銀行では、比較的簡単に預金を払い戻す方法もあります。筆者の経験も交えてご紹介します。

 まずは、シンガポールに支店があるマレーシアの銀行のケースです。相続人は日本人であり、筆者はその代理人として、当該銀行に預金の払い戻しを求めました。当然、銀行側の対応は「裁判所で相続財産管理人を選任してから来てください」というものでした。

 そこで、筆者は「裁判所であればどこでも大丈夫だろう」と考えて、相続人全員を集め(筆者はその中の1人の代理人という立場で)、日本の家庭裁判所に対して遺産分割調停を申し立てました。

 特に遺産分割で揉めているわけではないのに遺産分割調停を申し立てた目的は、「相続人Aが相続人全員の代表者として、シンガポールの○○銀行の預金口座の払い戻し手続きを行うことに、相続人全員が同意する」という内容の「調停調書(判決文と同じ効力がある裁判所の書面)」を作成してもらうことにありました。

 裁判所には事前に事情を説明していたので、最初の調停で上記の合意が成立し、日本の裁判官の名前が入った調停調書が完成しました。

 しかし、これだけでは何の効力もありません。海外の銀行にしてみれば、他の国の言葉で書かれた他の国の文書など、意味はないからです。

 そこで、次に調停調書の内容を正確に英語に翻訳しました。さらに、調停調書とその翻訳文を公証役場に持ち込み、「この翻訳内容は正確で間違いありません」という認証をもらいました。ただ、これだけではまだ「どこかの国の誰かが何かを翻訳し、また別の誰かがそれにお墨付きを与えた」程度にしかなりません。

 今度は外務省に行き、「この人は間違いなく日本の公証人です」という証明をもらいます。ここでようやく、「日本の裁判所が『相続人Aが相続人全員の代表者として、シンガポールの〇〇銀行の預金口座の払い戻し手続きを行うこと』を認め、それを日本の公証人が正しいものであることを認め、さらに日本の外務省が諸外国向けに正しいものであることを認めた」文書となります。

 最後に、駐日シンガポール共和国大使館に行き、大使あるいは大使館職員に「この人たちの署名などは本物です」という認証をしてもらい、ついに完成となります。

 これ以外にも、相続人の出生証明書や婚姻証明書などを揃える必要があり、上記と同じような手続きを踏みます。無事に書類が揃ったら、銀行が送ってきた預金払い戻し請求書に必要事項を記入し、国際郵便で指定の場所に郵送します。

 すると、1カ月ぐらいで銀行の小切手が郵送されてくるので、日本の銀行で換金します。これでようやく、亡くなった方が海外に遺した預金の払い戻しに成功したわけです。

 香港の銀行でも、上記と同じような方法で預金の払い戻しに成功したことがあるので、プロベートを採用している国であっても、一定の条件下ではこのような方法が可能なのかもしれません。

●費用と時間はどのくらい?

 肝心の費用ですが、家庭裁判所の手続きで2000〜3000円、公証役場の手続きで1万数千円、シンガポール大使館の手続きで数百円です。

 弁護士費用は、ここでは詳細を控えますが、大卒初任給の手取り額より低い程度と考えていただければと思います(あくまで筆者の基準です)。

 手続きに要した時間は、家庭裁判所への申し立てから調停調書の取得まで2〜3カ月、そこから各種書類の完成まで1カ月、各種書類を郵送して小切手が届くまで1カ月というのが平均です。

 ただ、シンガポール、香港でもすべての銀行で上記の方法が通用するかどうかはわかりませんし、プロベートを採用している他の国については、検証したこともありません。さらに、預金額によって対応が違ってくることも考えられるので、上記の方法がすべてのケースで通用するとは限りません。

 したがって、実際に「あまりお金をかけずに、故人の海外預金を払い戻す方法」を試す際は、必ず専門家と相談して、慎重に慎重を重ねた上で、自己責任で判断していただければと思います。筆者への正式な依頼を除き、本内容についての具体的な問い合わせには応じかねますので、ご留意ください。

文=山岸純/弁護士法人AVANCE LEGAL GROUP・パートナー弁護士


 

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