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喜んでいると痛い目に この原油安も、とても気持ち悪い 全国民必読 日本経済「異変とこれから」 第3部(週刊現代)
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/719.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 2 月 20 日 09:26:05: igsppGRN/E9PQ
 

          原油安に苦しむロシアの油田〔PHOTO〕gettyimages


喜んでいると痛い目に この原油安も、とても気持ち悪い 全国民必読 日本経済「異変とこれから」【第3部】
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42153
2015年02月20日(金) 週刊現代


■「逆オイルショック」再来

いま、世界経済を語る上で最も熱いトピック「原油安」は、日本経済にとって吉か凶か—永濱利廣氏と徳田秀信氏が激論を交わす。

永濱 原油価格(WTI)は昨年6月に1バレル107ドルをつけましたが、今年1月には45ドルにまで急落しました。原油安は、日本や欧米、中国やインドなどのアジア諸国にとっては、プラス要因です。世界のGDPの4分の3はエネルギー輸入国が稼ぎ出しているので、世界経済全体にとっても原油価格の下落は好材料になるのです。

徳田 ただし、ここまで急激に原油価格が下がると、産油国が受けるダメージはとても大きい。基本的に原油安は日本経済にとってプラス要因だと思いますが、過度の油価下落は世界経済を混乱させるリスク要因にもなるので注視する必要があるでしょう。

永濱 しかし、現段階ではそこまでリスクが拡大しているとは言えません。

わかりやすいプラス材料として、日本が貿易することによって起こる所得の海外流出の減少があります。1バレルが100ドルから60~70ドルに下がると流出は10兆円ほど抑えられる。家計だけの影響で見ても、消費税率1%を引き下げるのと同じくらいの効果があるのです。

原油が安くなると、まずガソリン、軽油、灯油の価格が下がり、次に電気やガス料金が下がる。やがて魚や野菜の値段も下がってくる。仮に輸送コストが価格下落に結びつかなくても、企業のコスト削減、ひいては従業員の給与増になるでしょう。

徳田 たしかに、国内だけ見ればいいことづくめのようにも思えます。でも喜んでばかりはいられません。海外での資源開発に力を入れてきた商社や国際石油開発帝石といったエネルギー開発会社は目に見えて業績が悪化している。出光興産も2月3日の決算発表で、'06年の上場以来初の営業赤字(1200億円)になることを発表しました。

また、原油安は日銀が掲げるインフレ目標(2年で2%)の達成を難しくするでしょう。アベノミクスの重要な課題であるデフレからの脱却に対するハードルが上がっているのです。

永濱 短期的に見れば、デフレ圧力が高まっているのは事実です。しかし、原油安は物価を押し下げながら実体経済にはプラスに働くので、時間差でインフレ率を押し上げる効果があります。

'86年にも原油価格が急落した「逆オイルショック」がありました。'86年、'87年のインフレ率はとても低かったのですが、'88年にインフレ率は急上昇したのです。ですから、私は原油安の影響で'16年のインフレ率が2%を超える可能性が高まったと見ています。

徳田 世界全体を見渡すと、原油安が市場を混乱させるリスク要因となっている国もありますね。

永濱 今回の原油安の原因は、そもそもの需要が弱いということに加えて、各国の外交的な思惑も複雑に絡んでいます。米国のシェール・オイルつぶしのために、サウジアラビアが意図的に価格を抑えている。あるいは米国がサウジと結託して、シリアとつながる産油国であるイランやロシアに圧力をかけているという見方もあります。

徳田 昨年12月にはロシアの通貨ルーブルが急落しました。その背景には、油価下落や欧米の経済制裁がある。いますぐにロシアがデフォルトする可能性は低いですが、リーマン・ショック後の'09年のようなマイナス成長は避けられません。そうなると日本企業で一番ダメージが大きいのは自動車産業です。ロシアとの交易が比較的大きい業種ですから。

欧米の対ロシア制裁強化によって、ロシアの経済悪化がより深刻になれば、世界の投資家心理が冷え込んで、株価が急落することだってありえます。

永濱 他に原油安で苦しくなるのは中東諸国ですね。今まで産油国は莫大なオイルマネーをばらまくことによって、国民の不満を抑えることに成功してきました。そのような資金が枯渇すると、中東各国で政治的に不安定化するところが出てくるでしょう。

もう一つ注目すべきイベントとして3月のイスラエルの総選挙があります。再選を目指す与党はタカ派と共闘しようとしていますので、イランやパレスチナに対して強硬姿勢に出る可能性が高い。中東の地政学的リスクが高まれば、原油価格は大きく揺り戻し、乱高下するでしょう。

■「神風」は長く続かない

徳田 ベネズエラやコロンビアといった資源依存度の高い中南米の国でもデフォルトの懸念が高まっていますね。

また、これ以上原油安が進むと米国のシェール・オイル関連企業が次々倒産することも懸念されます。事実、倒産したり大規模なレイオフを進めたりするところが増えています。小規模なシェール企業には高金利・高リスクのハイイールド債を通じて資金が流れ込んでいますが、この市場が混乱すれば、日本をはじめ世界中の株式市場にも飛び火する可能性がある。

先ほどのお話でも出た、'80年代の逆オイルショックのときは、中南米諸国の累積債務危機や米国のS&L(貯蓄金融機関)破綻が連鎖的に起きました。今回もそのような混乱が起きないとは言い切れません。

永濱 実は現在の状況は、逆オイルショックのときと非常によく似ているのです。当時は原子力という代替エネルギーの普及に産油国が警戒感を示していた。これは、サウジアラビアがシェール・オイル潰しにかかっている状況と酷似しています。当時は冷戦構造でしたから、米国が原油安を支持してソ連やイランに圧力をかけようとした。その結果として'89年の東西冷戦終結にいたったとも考えられます。

徳田 逆オイルショックの時は、日本経済にとって原油安、低金利、円高という「トリプル・メリット」がありました。それがバブル経済を一層膨らませたともいえます。

永濱 いま、当時のようなバブルが再来するとは思えませんが、原油安はアベノミクスを補完する効果を生んでいます。

アベノミクスは円安、株高を作り出した。それによって恩恵を受けたのは、富裕層や大企業、そして新しく雇用を得た失業者層でした。しかし、中間層や高齢者にとっては、円安による物価上昇など負担が増えるばかりだった。

今回の原油安は中間層にとって大きなプラスになり、結果としてアベノミクスが生んだ歪みを覆い隠してしまった。安倍政権にとっては都合のいい「神風」みたいなものなのです。

徳田 ただ、「神風」はいつまでも吹き続けるわけではありません。需給バランスで見れば、原油の適正価格は1バレル60~70ドル。すでに底打ち感はあるので、今後1~2年で適正価格に戻っていくでしょう。

永濱 たしかに、もし、地政学リスクが顕在化して、原油が急騰するようなことがあれば、円安・原油高で、物価高が深刻化する。

そう考えると原油安のメリットを享受できる今後2年が、日本経済にとって非常に重要な節目になることは間違いない。好景気が維持されているあいだに、これまで踏み込みにくかった岩盤規制の緩和や社会保障改革をどこまで進めることができるのか—それが日本の未来を左右するといっても過言ではありません。政府は原油安に浮かれていないで、そのような改革を急いでほしいですね。

ながはま・としひろ/'71年生まれ。早稲田大学理工学部卒。第一生命経済研究所・経済調査部主席エコノミスト。著書に『知識ゼロからの経済指標』他多数
とくだ・ひでのぶ/'83年生まれ。東京大学経済学部卒。みずほ総合研究所・経済調査部主任エコノミスト。著書に『経済がわかる論点50 2015』(共著)

「週刊現代」2015年2月21日号より


 

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