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焦点:支援合意で譲歩のギリシャに同情論、残る「離脱リスク」(ロイター)
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/779.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 2 月 23 日 16:28:15: igsppGRN/E9PQ
 

2月22日、ギリシャとユーロ圏各国が合意した支援策は、ギリシャに要求をほぼすべてのませたドイツのいわば完封勝利となった。アテネで22日撮影(2015年 ロイター/KOSTAS TSIRONIS)


焦点:支援合意で譲歩のギリシャに同情論、残る「離脱リスク」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0LR0F120150223
2015年 02月 23日 15:38 JST


[ベルリン 22日 ロイター] - サッカーの2014年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会準決勝で、ドイツがブラジルに7対1で圧勝した試合は、観戦していても気まずいものだった。ドイツなどユーロ圏諸国が20日、ギリシャと合意した支援策の4カ月延長にも、これと同じような居心地の悪さが漂っている。

今回まとまった合意は、ギリシャに要求をほぼすべてのませたドイツのいわば完封勝利だ。しかし、これは言うなれば「気持ちの良い」勝利ではなく、ユーロ圏の明るい未来を約束するものでもない。

ギリシャのチプラス首相とバルファキス財務相にとっての敗因は、強気に出過ぎたことだ。財政緊縮策を撤廃し、同時にユーロ圏にもとどまるという主張は、最初から現実味がなかった。どちらかを犠牲にしなければならないことは当然であり、ギリシャ国民の過半数がユーロ圏残留を望むなか、緊縮策のほうで譲歩せざるを得ないことは自明だった。

一方、ドイツにも「やり過ぎ」感があることは否めない。ショイブレ独財務相が、ギリシャが当初提示した融資延長案を公の場で拒絶した際には、ユーロ圏の他の国々のほか、メルケル独首相も驚いたという。

ショイブレ財務相がギリシャ案を却下したこと自体は問題ではないが、非公式に却下の意向を伝えるのではなく、交渉が微妙な段階に入るなか公の場で「ダメ出し」したことに関係者は驚きを禁じ得なかった。

ギリシャは完全に面目を失うこととなった。ギリシャの譲歩で4カ月の延長がまとまった20日、ショイブレ独財務相は「ギリシャは有権者への説明に苦労するだろう」と、傷口に塩を塗るような発言をした。

チプラス首相は国民向けの演説で、財政緊縮策からの脱却に向けた第1歩だと主張。今回の合意を勝利と演出することに躍起になった。

<ギリシャ新政権は国民に顔向けできず>

ドイツの著名エコノミスト、マルセル・フラッシャー氏は、ギリシャ支援の延長合意について、ギリシャにとっても、ドイツと欧州にとっても、理想的な結果ではないと話す。関係者すべての利害を踏まえた場合、サッカーに例えて3対1での勝利のほうが良かったという。

フラッシャー氏は独紙に対し「ギリシャが面目と信頼性を維持できるような合意なら、困難な改革も断行しやすかっただろう」と述べた。

急進左派連合(SYRIZA)の極左メンバーはこれまでのところ、チプラス首相がのまされた譲歩について沈黙を保っている。ただこれから不満が噴出し、ギリシャ連立政権の基盤が揺らぐ可能性もある。

チプラス首相は支援延長合意について、今後数カ月に戦うべき戦闘の1つに過ぎないとしているが、少なくともその点においては正しい。

ギリシャは23日に改革案を提出。欧州連合(EU)/国際通貨基金(IMF)/欧州中央銀行(ECB)で構成する「トロイカ」の承認が得られれば、各国議会の可決を経て支援延長が実現することになる。

トロイカは4月末にも、ギリシャ政府が改革案を約束通り実行したかどうかを検査し、支援策の最後のトランシェ実施の是非を判断する。

6月には、今回延長した第2弾支援の枠組みが期限を迎え、ギリシャには支援策脱却のチャンスが到来する。しかし、今夏に多額の国債償還が控えることを踏まえると、新たな財政目標や経済改革を条件とする第3弾支援プログラムに移行することはほぼ不可避と見られている。

今回の支援延長に至るまでの厳しい交渉で、ギリシャとドイツの関係はますます冷え込んでおり、先行きの交渉は容易ではないだろう。

<なおくすぶる「ユーロ圏離脱リスク」>

ブリュッセルの一部高官によると、ショイブレ独財務相とギリシャのバルファキス財務相の関係は修復不可能なレベルまで悪化している。

ドイツとギリシャの対立がさらに激化した場合には、市場関係者らの間で「Grexident (accidental Greek exit)」とささやかれている事態が起こるかもしれない。つまり、非難の応酬の結果、ギリシャがユーロ圏から突発的に離脱して金融市場が動揺、ギリシャの銀行に取り付け騒ぎが発生することだ。

ドイツの高官によると「先週はこのシナリオに接近した」という。

(Noah Barkin記者 翻訳:吉川彩 編集:加藤京子)


 

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コメント
 
01. 2015年2月23日 23:16:22 : jXbiWWJBCA

欧州委、ギリシャのユーロ圏離脱は想定せず=モスコビシ委員  
2015 年 2 月 23 日 20:22 JST
 【パリ】欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財政問題担当)は23日、委員会全体としてギリシャのユーロ圏残留を望んでおり、ギリシャのユーロ圏離脱を想定した「代替案」は検討していないと述べた。

 モスコビシ委員はフランスのテレビ局フランス2のインタビューに応じ、「そのような計画は考えることすら禁じており、代替案などない。概して代替案が存在するときは、第1案がもはや信用されていないことを意味する」と語った。

 数週間にわたり緊迫した交渉を続けていたユーロ圏加盟国は20日、ギリシャ向け金融支援策を4カ月延長することで合意した。この合意に基づき、ギリシャ政府は23日に歳出削減と経済改革のリストを提出するよう義務付けられている。このリストは、金融支援プログラムを監督する欧州委員会と欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)を満足させるものでなければならない。

 モスコビシ委員は、ギリシャ政府は前政権の約束を守ると同時に、財政的に持続可能な提案をする必要があるとも語った。

http://jp.wsj.com/ 


02. 2015年2月24日 07:56:58 : jXbiWWJBCA

2015年2月23日 岸田英樹 [野村證券シニアエコノミスト]
支援合意でも終わらないギリシャ危機、
7月には再燃必至
──岸田英樹・野村證券シニアエコノミスト
2月末にも資金が枯渇するとされるギリシャだが、金融支援の延長をめぐり、ECB(欧州中央銀行)、ユーロ圏諸国とぎりぎりの駆け引きを続けてきた。延長を重ねた交渉は、2月20日(日本時間2月21日未明)に、ようやく4ヵ月の支援延長で合意に至った。だが、依然として危機は去っていない。

 2月20日開催のユーロ圏財務相会合での合意の結果、ギリシャのユーロ圏離脱の可能性は低下したのか。

 筆者は、十分に低下したとは考えていない。なぜなら、ECB(欧州中央銀行)がギリシャの市中銀行への融資を打ち切るリスクが、依然として残るためである。3月危機の発生は後退したが、7月に危機が再燃する可能性はある。

第2次金融支援の枠組み終了なら
ギリシャはデフォルト、ユーロ離脱のリスク


厳しい舵取りを迫られるギリシャのツィプラス首相 Photo:AP/AFLO
 ギリシャ政府は2010年5月以降、第1次金融支援の下で、IMF(国際通貨基金)、ユーロ圏諸国から資金を借りたが、自力で資金調達できる目途が立たなかった。そのため、2012年以降も、第2次金融支援の枠組みの下、IMF、ユーロ圏の金融支援基金であるEFSF(欧州金融安定基金)から支援を受けてきた。

 しかし、第2次金融支援の枠組みは2015年2月28日に期限を迎える予定である。ギリシャ政府は自力で国債を発行、市場で資金を調達する信用力を有していないだけに、3月以降も支援を受けることを可能にするため、ユーロ圏諸国から第2次金融支援の枠組みを延長するよう求められていた。

 第2次金融支援の枠組みが終了すれば、必然的にギリシャに3つの危機をもたらすことになる。

 1つはギリシャ政府の債務不履行危機である。ギリシャ政府は3月1日以降、どこからも金融支援を受けられず、3月下旬以降の国債の利払い、7月にはギリシャ国債の償還に窮するリスクがある。

 2つめはギリシャの銀行破綻危機である。2月28日に第2次金融支援の枠組みが終了すれば、ECBは、ギリシャ政府が3月には債務不履行の危機に瀕し、ギリシャ国債という信用力の低い資産を多く保有するギリシャの銀行は存続困難と判断して、3月にギリシャの市中銀行への融資を打ち切る可能性がある。ギリシャの市中銀行は現在、多額の預金流出に見舞われているため、ECBからも資金を借りられないとなれば、流動性破綻に陥る懸念がある。

 3つめは、ギリシャのユーロ圏からの離脱危機である。ギリシャの銀行が流動性破綻となれば、深刻な取り付け騒ぎが発生、ギリシャ政府は決済手段として、ユーロに代わる新たな通貨の創設を余儀なくされるリスクがある。すなわち、ギリシャがユーロ圏からの離脱に追い込まれるリスクがある。

不信感を募らせるユーロ圏諸国
支援打ち切りのリスクも依然残る

 しかし、1月のギリシャ総選挙後に誕生したツィプラス政権は当初、第2次金融支援の枠組みの延長を拒絶した。なぜなら、ギリシャ政府が第2次金融支援の下で資金を借りるとなれば、増税、最低賃引き下げ、雇用削減を伴う国有資産売却という国民に痛みを伴う措置を、IMF、ユーロ圏諸国から求められるためである。

 そのため、ツィプラス政権は、厳しい緊縮措置を求められる第2次金融支援の枠組みをいったん破棄。その代わりに、ユーロ圏諸国に対し、条件の緩い新たな金融支援の枠組みの創設、3200億ユーロ(約416兆円)に上るギリシャ政府債務の減免に向けた交渉開始を要求し、また、これらの交渉を進める間の資金繰りを賄うためのつなぎの金融支援を求めてきた。

 このようなツィプラス政権の態度に業を煮やしたのが、ギリシャ政府への最大の債権国となっているドイツ政府である。メルケル・ドイツ首相、ショイブレ・ドイツ財務相はツィプラス政権に対し、あくまでも第2次金融支援の枠組みの下で財政赤字削減、政府債務削減に取り組むよう要求、期限延長を要請しないのであれば、交渉を打ち切る姿勢を示した。

 追い込まれたギリシャ政府は2月20日のユーロ圏財務相会合において強硬路線を若干緩和、第2次金融支援の枠組み延長を要請し、ユーロ圏諸国は条件付きで枠組みを15年6月末まで4ヵ月延長することを認めた。

 もっとも、ギリシャ政府が枠組み延長を勝ち取れるかどうかは、2月23日までに財政赤字削減、政府債務削減に向けた政策リストを発表、ユーロ圏諸国がそれを承認するかどうかに依存している。

 ユーロ圏諸国は、ギリシャ政府への金融支援の枠組み延長には応じる用意があるが、まず、ギリシャ政府が反緊縮路線を変更し、ユーロ圏諸国、ギリシャ国民に対して、財政赤字削減策を公約すべきとの姿勢を示している。

 ギリシャ政府が十分な緊縮措置を提出しなければ、ユーロ圏財務相会合が再度召集、第2次金融支援の枠組み終了を宣告する可能性もある。

 反緊縮を掲げるツィプラス政権にユーロ圏諸国が不信感を抱いていることは明らかである。ギリシャ政府と金融支援の交渉を行ったことのある欧州のある官僚は筆者に対し、ギリシャは他の欧州諸国とは違い、政治的な駆け引きをするため、交渉し難い相手であると不信感を示した。

 ユーロ圏諸国のギリシャ政府への不信感は、反緊縮のツィプラス政権の誕生により加速したとみられ、現在、ギリシャ政府がどこまで妥協するか見極めたいと考えていよう。

 筆者は、ツィプラス政権は2月23日には、ドイツ政府が容認できる緊縮措置をユーロ圏財務相会合に提出すると見ている。なぜなら、第2次金融支援の枠組みが消失すれば、3月にもギリシャ国内銀行の破綻を招くリスクがあるからだ。2月24日にはユーロ圏財務相会合が電話会議形式で開催、第2次金融支援の枠組みの15年6月末までの延長を承認、2月28日までにドイツ連邦議会など各国議会が枠組み延長を正式に認可と予想している。

第2次金融支援の枠組み延長は
時間稼ぎに過ぎない

 それでも、第2次金融支援の枠組み延長は単なる時間稼ぎに過ぎない。ギリシャ政府が実際に金融支援を獲得できなければ、政府の手元資金は早ければ3月中にも枯渇、銀行が数ヵ月以内に破綻に陥るリスクがあるからだ。

 ギリシャ政府が金融支援を受け取るには、2月23日に発表予定の政策リストの詳細について、4月末までにIMF、ユーロ圏諸国などと合意し、政策リストに盛り込まれた緊縮措置をギリシャ議会で可決させる必要がある。すなわち、ギリシャ政府が反緊縮の議員を説得、2月23日に提出した公約の詳細を議会で可決して、ようやく金融支援を獲得できるのである。

 しかし、ギリシャの急進左派連合は左派政党、独立ギリシャは右派政党であるにもかかわらず、反緊縮の1点で合意、1月の総選挙後に連立政権を誕生させただけに、ツィプラス政権が緊縮路線に転換すれば、連立政権が瓦解する可能性がある。現状では、ギリシャ議会が緊縮法案を確実に可決できる保証はない。

 一方、ギリシャ議会が6月までに緊縮法案を可決できなければ、ドイツを中心としたユーロ圏諸国は金融支援の枠組み延長には一切応じず、金融支援を見送ることになろう。この場合、ギリシャ政府は7月に、ECB保有のギリシャ国債の償還に対応できず、ECBはギリシャの銀行への融資を打ち切り、ギリシャの民間銀行が破綻、ギリシャがユーロ圏に留まれないリスクもある。

 ツィプラス政権は、ドイツ政府と妥協、緊縮路線に転向すれば連立与党分裂、議会解散リスクに直面する。一方、強硬に反緊縮路線を維持すれば、ギリシャ政府は債務不履行、銀行破綻リスク、ユーロ圏からの離脱危機に直面することになる。

 ツィプラス政権が第2次金融支援の枠組み延長に成功しても、窮地に立たされていることに変わりはない。

ギリシャは緊縮措置を受け入れ
代償に15年夏に議会解散、総選挙か

 筆者は、ギリシャのユーロ圏残留のためには一定の緊縮措置も必要と理解している野党議員が緊縮法案の成立に協力し、6月頃にEFSFは18億ユーロ、IMFは35億ユーロの金融支援をギリシャ政府に実施、ECBは20億ユーロ弱のギリシャ国債保有を通じた利益をギリシャ政府に還元すると見込んでいる。

 これにより、ギリシャ政府は債務不履行を回避、また、ECBはギリシャの市中銀行への融資を継続する結果、ギリシャの銀行部門は流動性破綻を回避することになろう。

 もっとも、ツィプラス政権が短命に終わることも考えられる。ギリシャ政府が15年6月までに緊縮法案の可決に成功、金融支援を受け取る代償として、連立与党が分裂、15年7月頃にギリシャ議会が解散、総選挙という事態が考えられるためである。

 反緊縮を掲げて誕生したツィプラス政権は、財政赤字削減による景気低迷に苦しむ南欧諸国の一部から希望の星と受け止められているが、数ヵ月で終焉を迎える可能性がある。
http://diamond.jp/articles/-/67310


03. 2015年2月24日 08:20:11 : jXbiWWJBCA

ギリシャの債務バトルはまだ前哨戦
これから始まる最も重要な戦い、独創的な解決策はある
2015年02月24日(Tue) Financial Times
(2015年2月23日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ギリシャが無条件での支援延長を申請、ドイツは難色
債務問題を巡る前哨戦では、ギリシャが債権者に屈する形になったが、本格的な戦いはこれから始まる〔AFPBB News〕

 もしこれがドイツでの経済の一般的な考え方に対する挑戦だったのであれば、今回は失敗だった。

 ブリュッセルで先週成立したギリシャ支援延長に関する妥協は、急進左派連合(SYRIZA)の新政権が目指していたものではなかったからだ。

 交渉における同政権の立場は、2つの理由から脆弱だった。第1に、ギリシャの預金者は2月20日に10億ユーロを超える預金を外国に移していた。支援を延長してもらわなければ、ギリシャの銀行システムは数日のうちに崩壊していただろう。

 第2に、ギリシャ政府はユーロ離脱の計画を策定していなかった。そのため、重要なポイントすべてをドイツが支配した案で合意するしかなかったのだ。

4カ月しかない猶予期間

 しかし、この合意の有効期間は4カ月にすぎない。ギリシャの財政ポジションの長期的な行く末を左右する、最も重要な戦いに備える期間は4カ月しかないのだ。

 債権者とのこれまでの合意では、ギリシャ政府はプライマリーバランス(利払い前の基礎的財政収支)の黒字幅を今年は国内総生産(GDP)比で3%、2016年には同4.5%確保することになっていた。欧州連合(EU)はギリシャに債務の返済を促し、GDP比175%に達している債務残高を2022年までに110%相当額にまで減少させたいと考えている。

 経済史の教えるところによれば、これほど大きな規模の調整はうまくいかない。有権者が耐えきれないからだ。

 SYRIZAが選挙前に掲げた主な要求のリストには、債務会議の開催が含まれていた。ギリシャ政府と債権者が正式な「ヘアカット(債務の名目残高の削減)」で合意し、ギリシャがユーロ圏にとどまれるようにするための会議のことだ。債務残高が減少すればするほど、債務削減目標の達成に必要なプライマリーバランスの黒字は小幅で済む。

 債権者にしてみれば、この要求は全くのタブーだった。債権者にとって好ましいのは、ギリシャに対する貸し付けの返済期限延長とその利率の小幅な引き下げを行い、ギリシャにまだ支払い能力があるかのように振る舞う戦略だ。

 従って問題は、プライマリーバランスの黒字を有権者が耐えられるものにするためには、この方向でどこまで進まなければならないか、というものになる。

プライマリーバランスの目標値を巡る大きな戦い

 ギリシャは、今後のプライマリーバランスの黒字幅をGDP比1.5%にとどめたいと考えている。ギリシャ経済の現状を考えれば、これは妥当な値であるように見える。

 ここでは、ギリシャが2%の幅を受け入れると仮定しよう。また、プライマリーバランスの黒字はその国の債務の元本返済と利払いの原資であると考えてみよう。ギリシャは今のところ、欧州の債権者には利息を一切支払っておらず、利払いは2023年まで始まらないことになっている。

 債権者がギリシャにプライマリーバランスの黒字幅を大きくするよう求めているのは、利払いが将来行われる余地を大きくするためだ。

 従って、債務残高の水準は、ギリシャが確保しなければならないプライマリーバランスの黒字と密接に関係している。この2つの数字は、それぞれ思い通りに調節できる独立変数ではないのだ。

 ドイツ政府のある高官は、プライマリーバランスの黒字幅をギリシャ政府が望むレベルまで引き下げることを認めるためには、ギリシャの債務のヘアカットも必要になるだろうと筆者に述べていた。ドイツはヘアカットに反対しているため、プライマリーバランス黒字の圧縮にも反対するだろう。

 従って今後は、この問題を巡って大規模なバトルが行われることになる。先週見られたものをはるかにしのぐ、大きな戦いだ。

ギリシャのユーロ離脱はハルマゲドンか、損失額80兆円の試算も
ユーロ圏から離脱し、旧ドラクマを復活させるのも選択肢の1つではある〔AFPBB News〕

 ギリシャは今、経済の面で生き残る能力を失いかねない瀬戸際に立たされている。生き残るためには、ここ5年間続いている債務とデフレの悪循環から抜け出すことが必要になる。

 この債務とデフレの問題に対する極端な解決策の1つが「グリグジット(ギリシャのユーロ離脱)」である。

 実行すれば、当初は非常に大きなコストが生じるだろうが、外国政府など公的機関の債権者が保有するギリシャ国債をデフォルト(債務不履行)することが可能になり、自国通貨の切り下げも可能になる。プライマリーバランスの黒字も、現在義務づけられている水準よりずっと少ないレベルに圧縮できるだろう。

残された選択肢

 これよりもリスクが小さく、かつコストも小さな解決策は、ユーロ圏内での債務再編だろう。明白なヘアカットは行わないが、それに近いことを実行するということだ。

 デット・エクイティ・スワップの国家版も1つの選択肢になるだろう。国家の株式を保有することはできないが、例えば、国債の利率をGDPに直接リンクさせることはできるのではないだろうか。もっとも、このGDP連動債は特効薬にはならない。理由はいくつかあるが、とりわけ重要なのは、発行国がGDP統計を過少申告する誘因が生じてしまうことだ。

 また、貨幣の特徴をいくつか備えた債務証書を発行するという手も考えられる。一種の並行通貨だ。価値尺度として利用できるとは限らないが、交換手段としては利用できる。また、その価値は引き続きユーロで表示されることになろう。

 このギリシャの問題には独創的な解決策を講じる余地がある。ドイツが押しつける緊縮政策かグリグジットかという二者択一ではなく、そのどちらよりも優れた中間的な選択肢が複数存在するということだ。

 最も賢明な選択肢は恐らく、ヘアカットやGDP連動債、返済期限延長、利率引き下げなど多くの手段を組み合わせて実行し、それらが全体的に奏功してギリシャがプライマリーバランス黒字を恒久的に低く抑えられるようになるのを期待することだろう。

 今後の交渉では、これが争点になるだろう。ギリシャがユーロ圏内で繁栄できるようにするためには、債権者側が考え方を大幅に変えることが必要になるだろう。債権者側は先週の交渉で、一定の柔軟性を認める用意があることを示したが、これを超える変化が必要だ。

 『法律』という著書で、政治家は平和のための法律を制定するだけではだめだと書いたのはプラトンだった。ギリシャのアレクシス・チプラス首相とヤニス・バロファキス財務相はこのアドバイスに従うべきだ。

 この2人に今後必要なのは、ギリシャはいかなる手段を用いてでも――ユーロ圏内においても圏外においても――持続可能性を手に入れるという決意を交渉相手に示すための、綿密に練られたプランBにほかならない。

By Wolfgang Münchau
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42997
 


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