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黒田日銀総裁は「財政再建強硬論者」なのか?(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/811.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 2 月 25 日 08:46:05: igsppGRN/E9PQ
 

黒田日銀総裁は「財政再建強硬論者」なのか?
http://diamond.jp/articles/-/67400
2015年2月25日 山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員] ダイヤモンド・オンライン


● 財政再建の重要性を首相に直言 「お里が財務省」だから? 

 2月12日に行われた経済財政諮問会議の席上で、黒田日銀総裁が安倍首相に対し、将来の国債利回りの上昇リスクと財政再建に向けた努力の必要性について「財政の信頼が揺らげば将来に金利急騰リスクがある」(『日本経済新聞』2月12日)と直言したとされる。これは議事録に載っていないオフレコ発言だが、会議の関係者を通じて外に聞こえてきた。

 このオフレコ発言をどう聞くべきか。日経の記事の見出しのように、「政府と日銀、転機の蜜月」と捉えるべき話なのだろうか。

 黒田総裁は、就任時以来、政府の財政規律について強硬な発言をする点で、これまでの多くの日銀総裁と一味違っていた。他の総裁は、財政は日銀の専管事項でないこともあってか、建前あるいは将来の言い訳の前振りで、理念として財政再建の重要性に言及する印象だったが、黒田総裁は財政再建のために消費税率を引き上げるべきだという意見を隠さない。

 遠慮無く言うなら、黒田総裁には「お里が財務省だからなあ」と感じさせるところがある。

 彼は、経済政策に対する信条として、金融緩和の物価とGDPに対する効果を強く信じていて、財政政策に関しては景気対策に適当だと思っていないのかもしれない。金融緩和で景気を拡大して、財政再建を援護射撃できると考えているかのようなイメージだ。

 しかし、黒田総裁が強く求めた消費税率の5%から8%への引き上げは、彼の第一の目標であったはずのデフレ脱却に対して強い逆風となった。彼は、どこに自分の見立て違いがあったのかを、考えておくべきなのではないか。

● 黒田総裁の強硬姿勢は 本音なのか演技なのか

 2月12日の経済財政諮問会議では、民間議員側から、財政再建目標に関して、プライマリーバランス(「PB」、基礎的財政収支)のGDP比を目標として、これを2020年までに3.3%縮小する案が提出された。PB赤字の対GDP比が着実に縮小するなら、いいのではないか、という現実的に妥当な提案だ。改善しているということの説明をしやすい点で、好印象でもあろう。

 しかし、GDPに対するPB赤字は政府試算では(「中長期の経済財政に関する試算」2015年2月12日、内閣府)、2013年度が5.7%、2014年度が5.2%なので、2020年にPBを黒字化するとしてきた今までの目標よりも、財政再建のペースが緩やかなものになる公算が大きい。

 もともと、財政再建は、経済環境に合わせてペースをコントロールすべきもので、一律に機械的に進めるべきものではない。また、結果の数字も、様々な不確定要因の影響を受ける。消費税の「増税」とか、予算を通じた「PB黒字化」とかを、硬直的なスケジュールの下で行うことには、無理が伴いやすい。

 しかし、巷間言われるように、財務省では増税を決めることが「手柄」なのであれば、誰が、何時、その担当なのかが重大な問題になる。

 財務省的には、黒田氏の財政再建に対する「ブレない情熱」が好ましく見えているであろうことは想像に難くない。

 ここで、可能性が2つある。

 黒田総裁が、本当に強硬に財政再建を求めている可能性と、実際には柔軟であるべきだと理解しながら、役回り的に財政再建強硬論者を「演じている」可能性だ。黒田氏は、秀才揃いの財務官僚の中でも特別に頭の良い人だと聞こえている。後者である可能性も捨てきれない。だとするなら、なかなかの役者でもある。

● まずはデフレ脱却を 財政健全化はその後

 (1)「物価」及び物価に対する世間の「物価期待」にはある程度の粘着性があり、(2)経済環境としては、マイルドなインフレ状態が定着していることが望ましいため、(3)「まず」デフレ及びデフレ期待が定着した状態を脱して物価が上昇する状況を経済政策で作ろう、という優先度の設定がアベノミクスの根本的な考え方だ。

 加えて、(4)デフレ脱却は名目GDPの成長を通じて財政再建にもプラスだ。

 従って、時間的順番として、デフレ脱却を目指すことが先であり、財政再建は後だ。その方が上手くいく。

 大まかに、どのような政策が有効かは、(A)低インフレ・デフレ&ゼロ金利であるかないか、(B)完全雇用か、で場合分けして考えるべきだろう。

 完全雇用ではないが、マイルドなインフレがあってゼロ金利ではないとき、景気回復による雇用改善を目指すには、金融政策で実質金利を下げることが効果的だ。ゼロ金利ではないマイルドなインフレ状態は、金融政策が効きやすい。こうした環境を作ることは、デフレ脱却の目的の1つでもある。

 しかし、低インフレまたはデフレの状況下で、政策金利がゼロになってしまうと、通常の金融緩和だけ(短期国債の買い入れ)を行っても、金利は低下しないし、貸出増に繋がる資金需要が乏しい一方で、金融機関は日銀準備預金に資金を置いておくことに機会費用が発生しないので、金融緩和の効果が乏しい。

 金融政策には、量的緩和のメッセージ効果、インフレ目標提示による将来の緩和継続の約束、社債や株式・不動産など信用リスクのある資産の買い入れなどの純粋な金融政策とは言い難いものも含めた、追加的な工夫が必要になる。

 こうした場合、需要追加的な財政政策(資源配分の効率とフェアネスの観点では減税や給付金がいいと思うが)で資金需要を発生させることが効果的であるし、逆に財政を引き締めてしまうと資金需要の縮退と物価下落への圧力が働く。先般の消費増税によるデフレ脱却へのマイナス効果は、この失敗のパターンだ。

 完全雇用状態といえるほど景気が良い場合、問題が起こるならインフレの行きすぎであり(当然、自然な金利はゼロではないはずだ)、こうした環境下では、財政再建を加速することが可能だし、インフレが行きすぎている場合は金融引き締めが効果的だ。

 なお、好景気で完全雇用、かつ低インフレ&ゼロ金利という状況は、おめでたい状況かと思えるが、そもそも起こりにくい。

 黒田総裁は、デフレ下での増税がデフレ脱却の障害になって、そもそもの政策の優先順序(最優先はデフレ脱却)に反することを理解されているのだろうか。この点に深く納得されているなら、財政再建強硬派の「演技」をするくらいは構わないだろう。そして、安倍首相の側でも、それは演技なのだと分かっているならさらに良い。

● 金利急騰のリスクはある 一部金融機関の破綻もあり得る

 ところで、「金利急騰リスク」はあるのか、また、あるとするならどのような形で表れるものなのか。

 将来、金利急騰のリスクは「ある」と筆者は考えている。そして主な影響は、将来に一部金融機関の破綻が起こることではないだろうか。

 内閣府が作成した「中長期の経済財政に関する試算」(2月12日、経済財政諮問会議提出資料1)によると、経済の再生が順調に進む「経済再生ケース」では、長期金利が2016年度には1.8%、2017年度には2.3%に上昇すると予想されている。現状の延長に近い「ベースライン ケース」でも、2016年度に1.5%、2017年度に1.7%と推移して、2018年度には2.0%と、2%に達することが予想されている。

 これらの数字は、昨年夏に発表された前回の試算よりも、物価・金利とも上昇が後ズレしているが、いずれにせよ、日銀が購入を止めて長期国債市場が自然な価格形成に近づいた時に、金利が跳ねる可能性がある。

 当面は、日銀が長期国債市場をほぼ完全に制圧しており、長期金利の大きな上昇はあるまいが、物価目標達成が視野に入り、あるいは安倍政権の弱体化など事情が変わって、日銀が長期国債購入を止めるようにでもなると、10年国債で2%近辺への利回り急上昇は、起こっても不思議ではない。

 年金や生命保険会社などの運用需要から、長期金利が実質ベースでどんどん上がっていくことは考えにくいが、短期間で1%〜2%上昇することは、2016年後半くらいからあってもおかしくないと想定すべきだろう。

● 金融機関に蓄積されるリスク 預金者はそろそろ警戒を

 現在の長期金利は不安定だが0.4%前後と、特に地銀や信用金庫など、貸出が伸びない金融機関にあっては、さすがにこの水準で国債を買って資金運用しても、経費を賄うに不十分な状態になっているはずだ。

 そして、彼らの目下の苦境は、外資系証券や大手証券などの証券会社にはビジネスの大チャンスである。すぐには顕在化しないリスクを取らせながら期間当たりの利回りを少々乗せたボラティリティを売る方向のポジションの仕組み商品や、外貨建ての債券、いわゆるオルタナティブ運用の商品などが、運用難の地銀や信金などのポートフォリオに増えているに違いない(共通点は実質的な手数料が厚いことだ)。

 長期金利の上昇、あるいは、金利上昇に伴う円高への転換など、直接のきっかけになるイベントは様々だろうが、長期金利を巻き込んだ超低金利下で蓄積されたリスクポジションが、将来裏目に出て損失を発生し、金融機関の経営を圧迫する可能性がありそうだ。

 もちろん、国債及びその他の固定利付き債券の利回り上昇(価格下落)が、金融機関のバランスシートを傷める効果も相当にあるはずだ。

 日銀としては、最も避けたい事態である「金融システム不安」すなわち、預金を受け入れる金融機関の破綻が、長期金利が急騰するような事態では発生しかねない。これは日銀にとって、自分の庭先での火事の発生のようなものだ。

 そう考えると、黒田総裁が将来の国債利回り急上昇の可能性に神経質になるのも、もっともな話だ。 

 当面は、こうした問題が無いだろうが、しかし、ここで述べた程度の事態は少々のきっかけで、わりあい短期間に起こり得ると考えておかねばなるまい。来年くらいから、要警戒の時期に入ると考えるべきだろう。

 運用に不安のある地銀や信金などに預金をお持ちの読者は、財産の保全に気を配るべきだろう。「預金保険で保護されるのは、一人につき、一行当たり1000万円まで」という基本を忘れずに、お金の置き場を考えていただきたい。

 

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