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「経済論議には3つの不思議がある」(EJ第3981号) Electronic Journal
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/812.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 2 月 25 日 09:00:05: igsppGRN/E9PQ
 

「経済論議には3つの不思議がある」(EJ第3981号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/414565032.html
2015年02月25日 Electronic Journal


 2月20日付の日本経済新聞のコラム「大機小機」に次の記事
が出ていたので取り上げることにします。
―――――――――――――――――――――――――――――
      【大機小機】『経済論議の三不思議』
        ──2015年2月20日付、日本経済新聞
―――――――――――――――――――――――――――――
 「大機小機」は、匿名ですが、一流のコラムニストが持ち回り
で執筆する日経の有名なコラムです。「大機小機」は仏教用語で
本来は「大乗仏教を理解実践できる人」という意味なのですが、
それから転じて優れたものと劣ったものという意味になります。
 2月20日付「大機小機」は、『経済論議の三不思議』と題し
最近の経済論議の3つの不思議を指摘しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 1.アベノミクス第1の矢の低評価である。日銀の金融緩和
   政策に誤解や低評価が絶えない。   →第1の不思議
 2.論壇での消費増税の論じ方である。まるで腫れ物にさわ
   るかのごとき取扱いをしている。   →第2の不思議
 3.普通の経済学がごく普通に経済を説明できることがない
   がしろにされていることである。   →第3の不思議
―――――――――――――――――――――――――――――
 「1」は、アベノミクスの第1の矢である「大胆な金融緩和」
の意外な低評価です。これは経済論議の不思議の第1であるとい
うのです。
 量的金融緩和は、2OO1年3月に当時の日銀審議委員の中原
伸之氏によって提案され、採用された金融政策ですが、世界で初
めての実施なのです。速水優日銀総裁時代のことです。
 バブルが崩壊し、日本経済が深刻な不況に陥ったとき、当時の
日銀の速水総裁はゼロ金利政策を採用し、それを2000年8月
に解除したのです。日銀としては、ゼロ金利という異常な状態を
1日も早く抜け出したかったからです。
 しかし、2000年秋にITバブルが崩壊し、それによる設備
投資の後退で景気が急速に悪化したのです。ゼロ金利政策を解除
した直後のことであり、明らかな日銀の政策ミスであったという
ことができます。
 この量的金融緩和の採用は、日銀にとって不安そのものだった
ようです。何しろ前例がないので、その作用・副作用はわからず
どうしても恐る恐るの実施になってしまうからです。しかし、名
目金利はゼロ近くに誘導されており、そこにデフレが進行したの
で実質金利が上がり、量的金融緩和以外にそれを引き下げる手段
がなかったのです。
 ここで思い出すべきは、実質金利を下げるには「期待インフレ
率」を上げることですが、そのときは十分期待インフレ率を上げ
ることができずに終わっています。
―――――――――――――――――――――――――――――
      実質金利=名目金利―期待インフレ率
―――――――――――――――――――――――――――――
 その後日本経済は足取りは遅いものの、少しずつ回復し、20
07年にはデフレ脱却の一歩手前までいったのです。2002年
度の基礎的財政収支は28兆円の赤字だったのですが、2007
年には6兆円の赤字まで減少しています。
 それは、速水総裁の後任である福井俊彦日銀総裁は、5年間に
わたって量的金融緩和を継続実施したからであるといえます。し
かし、またしても日銀は出口戦略を誤るのです。
 2006年3月9日に福井日銀総裁は量的金融緩和政策を解除
し、同年7月には約8年間に及んだゼロ金利からも脱却すると宣
言し、一転金融引き締め政策を実施したのです。しかし、これで
日本経済は再びデフレへと逆戻りしてしまうことになります。
 そういう日銀の失敗の歴史のなかで、黒田日銀総裁は、世界を
驚かす「大胆な金融緩和」を実施し、円安/株高の状況をつくり
出すのに成功しています。速水、福田日銀総裁のときは掲げてい
ない「物価目標2%」のインフレ目標を掲げ、思い切った大量の
国債買い取りを行っています。まさに「大胆な」の実践です。
 確かに消費税増税と原油の価格下落の影響を見誤ったのは日銀
の責任ですが、それは追加緩和したことによって取り戻しつつあ
ります。したがって、日銀にもっと高評価をあげてもいいのでは
ないかというのが「1」の不思議です。
 「2」は、まるで腫れ物にさわるような論壇での消費増税の論
じ方です。誰に遠慮しているのか、消費税増税の負の効果に正面
から論ずる解説は少ないのです。これは経済論議の不思議の第2
であるというのです。
 安倍首相はもともと消費税増税には慎重姿勢です。したがって
消費税増税の負の効果について書くことに躊躇するのは、財務省
の目を意識しているからと思われます。2月16日に発表された
国民経済計算の第1次速報では、内需の遅れが顕著だった一方で
輸出は伸びています。円安が効いてきたのです。
 内需では、消費、設備投資、住宅投資の回復が遅れており、そ
れは明らかに消費税増税の影響ですが、それについては明確に書
いていないのです。英フィナンシャル・タイムズ紙の17日付け
の記事は、消費の弱さの原因として消費税増税の影響を明確に指
摘しているのです。
 「3」は、普通の経済学がごく普通に経済を説明することがな
いがしろにされているのではないかというものです。これは経済
論議の不思議の第3であるというのです。
 日本は政治など各方面に気を遣い、普通の経済論議ができない
国になっているのではないかという指摘です。確かにその通りで
あり、このコラムでは次の言葉で結んでいます。「金融緩和の正
の効果は否定しながら、緊縮財政の負の効果を否定する。こうい
う議論にはかなりの無理がある。論壇の不思議が消えるのはいつ
の日だろうか」。
            ─── [検証!アベノミクス/63]


≪画像および関連情報≫
 ●日本経済新聞・喜多恒雄社長に聞く
  ―――――――――――――――――――――――――――
  ──日経の強みは何か
  やはり経済を中心にした経済紙という点だろう。経済現象を
  丹念に追う「ファクト主義」の伝統がある。私も入社以来、
  「数字に基づく客観的な報道を心がけろ!」と指導されてき
  た。日経には一つのテーマをチームで追いかけるという特徴
  がある。ある企業がテーマになったとき、直接担当する産業
  部の記者だけではなく、メーンバンクを担当する経済部の記
  者、株式を担当する証券部の記者など、複数の記者が多面的
  に取材する。たとえば日経が特報した「AIJ投資顧問」の
  年金消失問題も、部署を横断した取材チームの成果だ。一部
  の記者が特ダネを集めるのではなく、取材、分析、報道をチ
  ームで手がけるのが強みだ。
  ──-売上高、社員数が減っているが
  新聞をとりまく環境が厳しいのは事実。だが記者の数は減っ
  ていない。むしろ私が現場にいたときより多いはずだ。従業
  員の削減は、印刷工場などの制作部門が中心。間接部門でも
  合理化を進めたが、新聞社の一番の根幹であるコンテンツに
  直接関わる人員は減らしていない。社員3200人のうち、
  編集・取材の人員は1400人強になる。社員の半数が編集
  ・取材とは歪(いびつ)に感じるかもしれないが、われわれ
  はコンテンツ企業だから、そこは絶対に手抜きをしない。今
  後も一定水準の記者採用は続けていく。
                   http://bit.ly/1AtPXoU
  ―――――――――――――――――――――――――――




 

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コメント
 
01. 2015年2月25日 11:42:17 : nJF6kGWndY

>1.アベノミクス第1の矢の低評価である。日銀の金融緩和政策に誤解や低評価が絶えない。   →第1の不思議

よくあるのは、QEではインフレにならない(デフレ脱却は無理)という批判だが
これは期待効果が無視できる場合や、財政緊縮など需要の縮小が起こっている場合は間違いではない

あと実質賃金が下がり、内需が下がる(実質GDP減、内需産業不況)といったデメリットを過大に報道するメディアの基本的な性質によるものだな

> 「2」は、まるで腫れ物にさわるような論壇での消費増税の論じ方です。誰に遠慮しているのか、消費税増税の負の効果に正面から論ずる解説は少ない
>「3」は、普通の経済学がごく普通に経済を説明することがないがしろにされているのではないか

どこを見ているのか知らないが、リフレ派の反消費税解説は昔から山のようにある

https://twitter.com/drfxlondon/status/532239468280172544
2014/11/11 - クルーグマン、浜田宏一内閣官房参与、本田悦朗内閣官房参与等、安倍首相に進言するエコノミストは皆増税先送り論者

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IQ0LL20141106 


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