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黒田日銀3年目、政権とのねじれ浮上
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/425.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 3 月 16 日 05:36:44: Mo7ApAlflbQ6s
 


 政府と日銀のあいだにねじれが生じているという見方が穿ちすぎだろう。
 政府と日銀をつなぎ止めているのが財務省である。

※ 関連参照投稿

「消費税まず10%まで 首相、財政計画の前提に:見出しは「安倍首相、消費税を10%超にする考えはないと表明」が的確」
http://www.asyura2.com/15/senkyo181/msg/533.html

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黒田日銀3年目、政権とのねじれ浮上
編集委員 滝田洋一
2015/3/16 2:00

 黒田東彦日銀総裁がこの20日で任期3年目に入る。景気は上向いてきたが、看板に掲げた2年をめどにした2%の物価上昇の目標は実現が難しい情勢だ。安倍晋三政権とも微妙なねじれが指摘される。

 お札を刷ることでデフレを解消し、景気を良くする。リフレーションと呼ばれる考え方は、前任の白川総裁時代の日銀では異端扱いされてきた。当時の日銀に真っ向から挑んだのは政権に就く前の安倍氏である。

 物価目標を掲げ、その目標を達成するために「無制限緩和」に踏み切る。そんな安倍氏の主張は、就任直後の黒田総裁が2013年4月に実施した「異次元緩和」とぴったり合致した。

 2%の物価目標そのものは白川総裁時代の13年1月に、政府と日銀が結んだ約束だ。その2%インフレに首相と日銀総裁が強くコミットしたことで、金融市場の雰囲気はがらりと変わり円安・株高が実現した。

 悲観心理を吹き飛ばしたのは「アベ・クロ」の2人組の画期的な成果。このままデフレから脱却し安定軌道に乗れるとも思えたが、道は平たんではないようだ。

 14年4月の消費税増税を機に2人の間に微妙なすきま風が吹く。実質成長率がマイナスとなるなか、首相は11月18日に消費再増税の延期を発表する。対する黒田総裁は財政健全化と再増税の必要性を訴えていた。

 10月中旬には首相は再増税の延期と年内解散の腹を固め、自民党事務方にひそかに指示していた。その間、10月31日に黒田日銀は事前に官邸に諮ることなくサプライズ緩和に踏み切った。

 「原油安でインフレ期待が下振れし、15年春の賃金交渉に悪影響を及ぼすのを未然に防ぐ」狙いからだったと日銀首脳は言う。そこまで心を砕いていたというのに、緩和策は財務省による再増税工作を警戒していた首相の不興を買った。

 15年2月12日の経済財政諮問会議。黒田総裁は自ら発言を求め、財政健全化の手を緩めることのないよう首相に進言した。まずは成長加速を目指している首相が反発し、「一瞬気まずい雰囲気に包まれた」と会議参加者はいう。議事録によれば、新浪剛史サントリーホールディングス社長が、座を取りなすようにダボス会議の報告を始めた。

 成長押し上げか財政健全化か。安倍首相と黒田総裁の立ち位置は日本の経済運営の基軸に関わる。首相は成長力を高めて自然な税収増を図るべきだと考える。17年4月に消費再増税に踏み切るためにも、経済の地力を回復させる必要があるというわけである。

 自然な税収増という考えは決して荒唐無稽ではない。安倍政権が発足して以来、当初予算と決算を比べると国の税収は12年度が1.6兆円、13年度が3.9兆円上振れしている。

 14年度の税収も15年1月までの実績から試算すると当初予算を4.6兆円くらい上回る見込みである。こうした自然増収に首相は破顔一笑する。低金利、円安、原油安を追い風に、15年度もこうした自然増収をもくろんでいる様子である。

 もう一つ、財政の持続可能性には低金利のボーナスという問題が絡む。20年度に利払いを除いた基礎的財政収支(PB)の赤字をなくす。この約束の達成は容易ではないとあって、政府債務残高の名目国内総生産(GDP)比なども目標として考慮することが、諮問会議で議論され始めた。

 毎年赤字が続くのに債務残高のGDP比が減るはずがない。そう思われるかもしれないが、さにあらず。分子となる毎年の債務残高は、PB赤字に利払い費を加えた分だけ増加する。一方で分母となるGDPは毎年の名目経済成長率の分だけ拡大する。

 ポイントとなるのは名目成長率と長期金利の関係。内閣府が示す「経済再生ケース」は、18年度まで1%前後の「名目成長率∨長期金利」が続くと想定する。その想定に従えばPBは赤字でも、分母となる成長率の増加と分子となる利払い費の抑制で、債務残高のGDP比は低下していく。

 こうした文脈のなかで、2%の物価目標はどう位置づけられるのか。デフレ心理の払拭を重視する黒田総裁が目標の早期実施にこだわるのは言うまでもない。デフレを克服するには「地球の引力圏から飛び出すロケットのような推進力が必要」という主張である。

 ところが安倍首相ら政権側は、米国のリフレ派流のインフレ目標から、状況に合わせた柔軟な対応へ立ち位置を移したようなのだ。

 手取りの賃金から物価上昇分を引いた実質賃金が減っている。金融緩和に伴う円安が輸入物価の上昇を招いた――。4月の統一地方選を前にこれらの批判を気にしている面はあろうが、そればかりではあるまい。

 消費者物価が一時的に前年比マイナスに陥っても、それが原油安によるもので景気は上向いているなら、あえて追加緩和には及ばない。勝負は2年後に公約通り再増税を果たせるかどうかである。もっと言えば財政目標を後押しするために、低金利をどこまで引っ張れるかだ。そのあたりが首相の腹づもりだろう。

 それでも、物価目標に春霞(はるがすみ)がかかった印象は拭えない。この際、政府も日銀も政策目標と手段を再確認した方がよいだろう。アベ・クロの関係は3年目。昔の流行歌のように、浮気なら大目に見ろよというわけにもいくまい。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO84397770U5A310C1TCR000/?dg=1

 

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コメント
 
01. 2015年3月16日 07:52:27 : jXbiWWJBCA

http://diamond.jp/articles/-/68437
2015年3月16日 野地 慎 [SMBC日興証券シニア金利ストラテジスト]
利上げ近づく米国10年債より日本20年債への投資が増加
1月に急騰した日本の長期金利は、5年債利回りが日本銀行当座預金付利金利の0・1%を上回ったことで国内投資家の債券買いが復活し、その動きが長期債にも波及する格好で落ち着きを取り戻しつつある。 
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ただし、利回り低下トレンドに回帰する兆しは見えない。その要因の一つが2月以降の米国の長期金利上昇。1月の米雇用統計では、賃金の伸び悩みが見られ、長期金利の低下を促したが、2月以降の統計で賃金の緩やかな上昇が再確認されたことで米国10年債利回りは2%台前半に回帰している。 
運用難の中、日本国内の金融機関の投資マネーは米国債などの外債や20年債などの期間の長い日本国債に向かっている。為替ヘッジ付き米国10年債利回りと日本20年債利回りは高い連動性を維持している。足元では米国長期金利の上昇があれば20年債より米国債が選好されやすいとの思惑から、20年債への投資は積極化しておらず利回りは高止まりしている。 
ヘッジ付き米国10年債と日本20年債の所有期間利回り(1年)を見ると、米国債利回りの低下が顕著である一方、日本の20年債の利回りは一定の高い水準が維持され、足元では20年債の利回りの方が上回っている。この逆転の背景を考えれば、今後も米国債利回りは低下し、日本の20年債への見直し買いが増えるのではないか。 
所有期間利回り(1年)は、債券を購入し、1年後に売却する場合の1年間のリターン。1年後(売却の際)の債券利回りについては1年残存期間が短い債券のデータを用いる。米国10年債であれば同9年債、日本20年債であれば同19年債がこれに当たる。 
米国債市場では利上げが近づいていることにより利回り曲線が平たん化しており、それが10年債と9年債の利回り格差縮小につながり、売却時の価格が低めになることでリターンを低下させている。 
他方、日本では10年から20年の利回り曲線の傾きがきつくなる形状が維持されている。20年債と19年債に一定の利回り格差(20年債の方が高い)が残存している。それが日本の20年債の所有期間利回りの高さの源泉だ。 
米国の利回り曲 線は今後、利上げが近づくにつれさらに平たん化すると予想され、10年債の所有期間利回りの低下、伸び悩みが続くだろう。
利上げとなれば、為替ヘッジコストも上昇する。これらを考え合わせれば、米国10年債の相対的なリターンはさらに低下すると言わざるを得ない。 
今後も両者の一定の連動性は続くと予想されるものの、徐々に日本20年債が選好されることで、相対的には日本20年債が割高になっていくだろう。 
野地 慎) (SMBC日興証券 シニア金利ストラテジスト


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