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公的マネーの軍資金は25兆円 まだまだ続く官製「鉄火場相場」(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/460.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 3 月 17 日 15:37:05: igsppGRN/E9PQ
 


         近づく2万円台(C)日刊ゲンダイ


公的マネーの軍資金は25兆円 まだまだ続く官製「鉄火場相場」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158148
2015年3月17日 日刊ゲンダイ


 鉄火場と化している株式市場、16日も一時、日経平均が昨年来高値を更新する1万9349円を付けた。終値は前日を下回ったが、市場関係者は、「相場が過熱気味だったので、少々の下落は冷静になるチャンス。かえってプラス」と意に介さない。17日は反発。一時、1万9479万円まで上げてさらに高値更新し、前日比190円高の1万9437円で引けた。

 兜町は、米金利引き上げ観測や、1ドル=120円を超す円安水準の副作用など悪材料には目もくれず、「2万円到達は近い」と大ハシャギだ。
 その自信はどこから来るのか。

「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や日銀など公的マネーの“日本株買い”はまだまだ続きます。13年の株高を主導した外国人投資家の買越額(約15兆円)をはるかに上回る買い余力があるといわれています」(株式評論家の倉多慎之助氏)

■危うい市場に深入りは禁物

 GPIFの14年12月末の資産運用を見ると、国内株比率は9月末に比べ1.57ポイント上昇し19.80%。目標は25%なので単純には、今後、約7兆円の買いが必要となる(別表参照)。

 今年10月にGPIFと国家公務員共済(KKR)など、いわゆる3共済は一本化されるため、3共済も国内株比率を25%まで高める方針といわれる。3共済の買い余力も約3兆5000億円に上る。

「かんぽ生命や、ゆうちょ銀行も日本株を買い増すでしょう。一般的に生保は運用資産の約8%、銀行は3%ほどの国内株を保有しています。両社が他社並みに保有比率を高めるとしたら、巨額マネーが株式市場に投入されることになるのです」(株式評論家の杉村富生氏)

 かんぽ生命、ゆうちょ銀行の公表データを基に買い余力を試算したところ合計で12兆円を超えた。

 日銀のETF(上場投資信託)購入は年間3兆円。こうした公的マネーを積み上げると、軍資金は25兆円を突破する。

「強力な官製相場がつくり出す株高を見越して、海外ハゲタカは日本株に群がっているのです。4月の統一地方選まで鉄火場相場は持続すると思いますが、市場原理を無視した危険な相場なので深入りは禁物です」(証券アナリスト)

 しかも公的マネーはいずれ底をつく。そのタイミングを見誤ると大ヤケドしかねない。

 

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コメント
 
01. 2015年3月17日 16:36:32 : Q03JVXaZqw
日経平均とかTOPIXとかの指数を話題にしている点で既にアウト。
指数に採用されている銘柄とその寄与額を見れば、外資や金融大手が儲かるだけ世界。
庶民は津波のリスク発生で所有している不動産の実勢価格低下のケースが多く、その金額は・・・・・・・・円くらいか。
そう言う実際の世界を全然話題にしないで指数だけ言ってもねえ。
津波に危険のない地域への移転を国や自治体、日銀、金融機関などがすれば、庶民の資産回復額は・・・・・・・・円くらいか。
ケタが違うね。

02. 2015年3月18日 05:47:16 : jXbiWWJBCA

経済は世界史から学べ!
【第13回】 2015年3月18日 茂木誠 [駿台予備学校?世界史科講師]
“「不況なのに株価が上がる」恐ろしさ”「経済成長→世界恐慌」のメカニズム
景気と株価は本来連動するものです。しかし歴史的には、「不況なのに株価が上がる」という事態が度々起こりました。その結果、何が起こったのでしょうか?現在の日本を思い浮かべながら、読み進めてください。

株価が永遠に上昇し続ける
ことはない

?日本経済の「失われた20年」を引き起こしたのは、1989年の株価暴落に始まるバブル崩壊でした。同じ現象が、「オランダのチューリップ・バブル」「イギリスの南海バブル事件」、そして「1929年の世界恐慌」でも起こったのです。

?第一次世界大戦で連合国を勝利に導き、しかも本国が戦場にならなかったアメリカ合衆国は空前の経済大国に成長し、世界最大の債権国になります。ヨーロッパ経済はまだ立ち直らず、米国からの輸出は好調でした。貿易黒字に加え、大戦中に買っておいたヨーロッパ諸国の戦時国債の償還(支払い)も始まり、大量の資金がニューヨークのウォール街に流れ込みます。

?ウォール街の金融資本は、これらの資金を企業に低利で貸しつけます。企業の経営者は、工場の生産ラインなど設備投資に資金を投下します。

?フォード自動車は、最初の庶民向け乗用車であるT型フォードを販売し、ゼネラル・エレクトリック社(GE)の冷蔵庫・洗濯機・ラジオが一般家庭に普及したのもこの時代です。日本では1960年代に始まった大量生産・大量消費社会が、1920年代のアメリカではすでに実現していたのです。

?賃金も上昇し、庶民は家電やクルマを買い求め、株式や債券、土地に投資するようになりました。毎日の株価が主婦の話題になり、マスコミがこれを煽りました。

?しかし、プロの投資家たち―銀行や証券会社にはわかっていたのです。株価が永遠に上昇し続けることはないということを……。

経済成長はストップ。
しかし株価は上昇。なぜか?

?1920年代後半にはヨーロッパ経済が復興し、アメリカからの輸出はピークを超えていました。これに伴って企業は売れ残った商品の在庫を抱え、収益もマイナスに転じ、経済成長率は息切れしつつありました。

?つまり、実体経済の不況はすでに始まっていたのに、何も知らない庶民が株式に手を出していたため、株価だけが異常な上昇を続けていたのです。まさにバブルです。

「ウォール街の靴磨きの少年が株の話をしているのを聞いて、これはヤバいと思った」と語ったのは投資家のパトリック・ケネディです。彼は暴落直前に株を売り逃げ、巨大な利益を得ました。

?彼はこの資金をある政治家に投資します。1932年の大統領選挙で当選したF・ローズヴェルトです。パトリックは功労者として政界入りし、駐英大使に抜擢されました。大統領になるというパトリックの夢は、次男のジョン・F・ケネディに引き継がれます。

?1929年1月、株価高騰を背景に、フーヴァー大統領が施政方針演説の中で「アメリカは貧困を克服した」と自画自賛しましたが、破綻はもうすぐそこだったのです。

?ニューヨーク、ウォール街の株式市場では、同年9月をピークとして株価は徐々に下がり始めました。そして、運命の日が訪れます。

「経済成長→世界恐慌」の
結末とは?

?10月24日、「暗黒の木曜日」に大暴落が始まりました。株価は7分の1に下落、暴落から1週間で株式市場は300億ドルの損失を出しました。これは当時のアメリカ連邦政府の10年分の国家予算に匹敵します。

?破産者が続出し、現金を引き下ろそうと人々が銀行に殺到したため、銀行も資金が枯渇して営業停止に追い込まれます。銀行から資金を調達できなくなった企業の連鎖倒産も始まり、倒産しなかった企業も大規模な人員解雇を始めます。4人に1人が失業するという異常事態の中、1932年の大統領選挙では現職のフーヴァー大統領(共和党)が大敗し、ニューヨーク州知事だったF・ローズヴェルト(民主党)が大統領に当選します。

?第一次世界大戦の敗戦国ドイツは、アメリカからの投資で経済復興を進め、賠償金支払いを行っていました。しかし世界恐慌が始まると、アメリカの金融資本は海外に投資していた資金を一斉に引きあげてしまいます。

?ドイツは点滴を外された患者のようなものでした。たちまち多くの企業が倒産し、失業率は50%に迫ります。それまで、賠償金の支払いと協調外交を進めてきた社会民主党政権は、国民の支持を失いました。

?そんな中、賠償金支払いを拒否し、植民地再分割を要求する政治家が、救世主のごとく登場し、ドイツ国民を熱狂させます。アドルフ・ヒトラーです。
http://diamond.jp/articles/-/68543


03. 2015年3月18日 05:55:04 : jXbiWWJBCA

2015年3月18日 山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
公的年金運用問題の「裸の王様」は厚労省だ塩崎大臣vs厚労省 官製相場の主役のガバナンス問題


Photo:beeboys-Fotolia.com
?株価が日経平均で1万9000円を超え、官製相場の主役と目されるGPIF(年金積立金管理運用特別行政法人)への関心が高まっている。国民としては、130兆円を超える公的年金の積立金がどのような体制と責任の下で運用されるのか興味のあるところだし、市場関係者は「公的相場操縦」の執行部隊であるGPIFの意思決定過程が気になる。

?現状では、GPIFは、基本的に理事長(三谷隆博氏)が決定権と責任を負う独立行政法人として、厚生労働大臣の命ずる運用を執行する組織だと理解される。

?ただし、専門性の高い資産運用に関しては、有識者によって構成された運用委員会の審議を参考に、現場の責任者として民間運用会社出身の水野弘道氏(通称「CIO」:Chief Investment Officer)をスカウトするなど、理事長をサポートする体制を取っている。GPIFは資産運用に関する専門的人材を集める準備として、理事長とCIOの年俸を大幅に引き上げるなどの手も打っている。

?一方、GPIFを所管する厚労省の塩崎恭久大臣は、かねてよりそのガバナンスを問題視しており、昨年の就任以来、GPIFのガバナンス改革を早く行いたい意向を持っていた塩崎大臣と、現行体制を大きく変えたくないとされる厚労省(いずれも伝聞であるが)との確執があると伝えられてきた。

?こうした言われ方は塩崎大臣側で不満に思うかもしれないが、両者の争いは当面、厚労省(年金局)側が勝利を収め、GPIFのガバナンス改革は先送りとなっていて、先頃、3月末で任期を迎える三谷理事長の続投が報じられた(14日・ロイター)。

?しかし、報道によると、三谷理事長の任期は今後のGPIFのガバナンス体制の議論によって短縮される可能性があり、また、同氏は任期一杯での辞任の意向を持っていたが、後任の調整が付かずに慰留されたという。確かに、三谷氏にとって、現状のGPIF理事長は、高給ポストにはなったものの、留任して気分の良いポストではなさそうに思える。総合的にはお気の毒だ。

?三谷理事長の留任については、GPIFの運用を「公的相場操縦」への加担に向かって簡単に押し切られた理事長である点で心配に思うことと、しかし、内外の金融・運用業界の後押しを受けて今後GPIFが業界のカモになる路線を推進するトロイの木馬のような人物が理事長にならなかったことへの安心が、相半ばする。

?個人的な希望を言うなら、三谷理事長には、年金運用の真の問題である厚労省の問題(後述)を堂々と指摘して糺すべく努力してもらいたいと思っている。理事長ポストに未練はないということなら、氏がこの問題の矢面に立ってくれることを期待してもいいのではないか。

ガバナンス改革のために
「強い委員会」をつくるとすると…?

?ところで、GPIFのガバナンス改革を行うとして、どのような体制が考えられるのか。

?先日、国会で公的年金運用の問題について質問を行った民主党の岸本周平衆議院議員は、ハフィントンポストの同氏のブログに「日銀のように理事会に権限を持たせて、その議事録を後で公表するようなガバナンス改革は必要だと思います。また、年金は国民の資産なのですから、当然、国民の代表たる国会に報告義務を課すべきです」という意見を書いておられる。

?同ブログには、「2009年にOECDがGPIFのガバナンスに関してレポートを出しています。その中で、目標収益率やリスク許容度、資産運用方針を決定するため理事会を設置すること。その際、外部委員として、労使の代表に加え、利害関係者や金融業界とはつながりのない学者などを含めること。さらに、年間事業計画、予算、年次報告を国会承認とすることなどが提案されています」とある。

?文中、理事会とあるのは、日本銀行政策委員会に相当する組織を指しているのだろうか。

?仮に、その組織を「公的年金積立金運用政策委員会」と名付けよう。たとえば、日本の政策委員会が日銀の金融政策を決定するごとく、GPIFの運用方針を審議・決定する強力な委員会をつくるとどうなるだろうか。

?まず、委員会を構成する委員の人選が問題だ。日銀の政策委員のように、政府が指名して、国会での承認手続きを経て決めるのだろうか。専門性の高い運用の議論に実質的に参加できる労使の代表がいるのかどうかが疑問だし、「利害関係者や金融業界とはつながりのない学者」を探すこともなかなか困難だろう。

?加えて、例えば、今のようにGPIFにリスク資産を買い増しさせたいという意向を政府が持っている場合は、運用に積極的な「イケイケ派」の学者がリスクテイクに消極的な「慎重派」の学者よりも指名されやすくなりそうだが、GPIFの運用方針が政府の意向で大きく左右される可能性はあまり気持ちのいいものではない。

?もっとも、日銀の政策委員会についても同様のことが言えるわけで、議事録が後に公開されて個々の発言者の責任が問われることと、委員の個人的・専門的良心を頼りにするよりないのだろう。

?付け加えると、この種の委員会は「事務局」の位置づけと人選が肝心だ。実質的には、しばしば個々の委員の意向よりも、事務局の考えと行動が委員会の結論を左右する。特に資産運用に関しては、マーケットの情報を収集し、データのハンドリングや運用意思決定に関する各種の計算などを適切に行いつつ、議論の方向を時にはリードし、時には調整する役割が事務局には求められる。

?政策委員会は運用の執行部隊の上位に立つ意思決定を行わなければならないわけで、委員会の事務局と、運用現場とはメンバーを画然と分けなければ、有効なコントロールがなされない。

?合議制による運用方針決定に関する、多くの運用ビジネス関係者の「実感」を推測して代弁すると、「会議の末決まった運用戦略にろくなものはない」、「合議で決めた運用方針でマーケットに勝てる気がしない」、というあたりの感想を持たれる方が多かろうと思う。筆者もそう思う一人だが、根本的に「他人のお金」である年金資金の資産運用には、この種の非効率性はつきものだと割り切るしかない。民主主義の意思決定の中に、運用のガバナンスを取り込むのはなかなか大変なことだ。

失敗した場合のリスクをどうするのか
運用責任のあり方として極めて無責任

?ところで、独立性の高い「年金積立金運用政策委員会」ができたとして、それで公的年金の運用が良くなるかというと、そうは思えない。最大の課題である、運用目標そのものが、現状のように厚生労働大臣から与えられるのでは、運用方針はこれに制約されるからだ。

?今回決定された運用方針は、「名目賃金上昇率+1.7%」という運用目標を与えられて、この達成が未達になる確率が債券100%の運用よりも小さくないポートフォリオの中から、リスクの小さなものを選んだ、といった大筋でつくられたものだ。そもそも債券100%の利回りでは平均的なケースで目標利回りに届かないのだから、相当額のリスク資産を組み込まなければ目標に届かないのは当たり前だ。

?一方、積立金の運用でどれだけのリスクを取ることになり、それが年金財政にとって適切なのかは、年金の財政検証に反映されていない。政府の中長期経済見通しから、これくらいの利回りが可能だろうと数字をつくっただけだ。本来なら、どの程度のリスクを取るとどの程度の利回りが想定されて、それが年金財政にどう影響するかを判断しながら、ポートフォリオの期待リターンを選択するプロセスが必要だ。

?厚労省としては、失敗した場合のリスクは「政府の見通し」と「有識者による検討」でヘッジしたつもりかもしれないが、年金運用のあり方としては極めて無責任だ。それに、いくらGPIFのポートフォリオが巨大だとしても、25年もの運用期間(長すぎる。せいぜい5年だ)を想定してポートフォリオをつくるような人々のどこが専門家であり「有識者」なのか甚だしく疑問だ。

誰かが「王様は裸だ!」と
指摘しななければならない

?また、公的年金積立金運用のリスクの負担は、国の財政ないしは、年金加入者が負担することになるが、「どれくらいのリスクに対して、どれくらいの利回りを目指すのか」という説明と合意がなされた形跡がない。これは、民主主義の下での年金運用にあるべき原則を大きく逸脱している。

?新しく決まったGPIFの基本ポートフォリオでは、リーマンショック時よりも小さな下げ相場でも、単年度で20兆円を超す運用損失が出ておかしくないレベルのリスクを取っているが、このリスクに対する説明と合意のプロセスが不十分だ(十分説明がなされた上で、国会等で合意されるべきだ)。

?現在の公的年金運用では、個人や企業の資産運用なら当たり前の、(1)現実的な前提に基づいて、(2)リスクを勘案しながら、(3)どのくらいのリターンを目指すかを考える、という初級のFP(ファイナンシャルプランナー)でさえ当たり前のプロセスが成立していない。

「王様は裸だ!」と誰かが指摘しなければならないのだが、無知で迷惑な王様はあえて名指しするなら厚生労働省年金局だ。GPIFは金庫番役の下僕に過ぎない。最も必要なのは、公的年金の運営プロセスの中に、「運用」を正しく位置づけ直すことであり、GPIFのガバナンスはその次の問題だ。
http://diamond.jp/articles/-/68565



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衆議院議員
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年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のガバナンス改革について
投稿日: 2015年03月16日 15時01分 JST 更新: 2015年03月16日 15時01分 JST
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 前回、「国民の年金だけにリスクを負わせる安倍政権」というタイトルで、GPIFの運用変更の不公正について書きました。何より、公的年金運用への政治介入は絶対に許されないということです。

 安倍総理が、昨年1月22日のダボス会議で、「1兆2千億ドルの運用資産を持つGPIFについては、そのポートフォリオの見直しを始め、フォーワードルッキングな改革を行います。」と発言されたのはもってのほかです。資産配分は政治家ではなく、専門家が決めるべきです。
 
 まず、GPIFの運用変更を「成長戦略」と結びつけることは法律違反です。法律上は、あくまでも、「積立金の運用は、専ら被保険者のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行う」べきであって、年金の運用が一内閣の方便のために使われてはいけません。

 もちろん、運用収益改善のための投資行動が、結果的に日本経済のプラスになることまで否定しませんが、あくまでも年金運用至上主義であるべきです。今回のような大幅なリスクテイクをするにあたって、私は反対の立場ですが、運用変更するにしても、その前に、きちんとしたガバナンスの体制をつくるべきだと考えます。

 今は、130兆円の年金積立金の運用の責任はすべて、GPIFの理事長が担っています。運用委員会は、基本ポートフォリオをつくりますが、決定するのは理事長の権限です。あまりにもガバナンスが効いていません。ここで、ガバナンスとは、「外部からその組織の「規律付け」を行うことと定義します。

 そもそも、GPIFの顧客は誰でしょうか?GPIFの本当の顧客は、年金加入者、国民全体です。しかし、形式上は資金を寄託している厚生労働大臣がファンドのお客様です。一方で、厚生労働大臣は監督官庁で、上司にあたります。お客様が監督官庁というのは不自然です。

 何より、「独立行政法人」という組織にしていることが間違いです。独立行政法人である以上、たとえば、横並びで経費削減が達成すべき課題になりますが、運用機関ですから、経費をかけても運用の利益が出る方がよいはずです。また、「透明性や説明責任」がパブリックに求められますが、運用機関としては市場に手の内をさらすような滑稽なことをするはめになります。

 独立行政法人として求められる「透明性と説明責任」がGPIFにとっては、運用機関としてのマイナス要因になります。公的年金であるがゆえに、「透明性」を要求すると、他の投資家に先回りされて、高値で買うことになり、運用成績は悪くなります。事後の「説明責任」を求めると、運用の成果が給料に反映しない場合、運用収益最大化に集中せず、「説明責任」をうまく果たせるような、つまり、言い訳しやすい運用になりがちです。

 そのため、市場インデックス連動やいわゆる「お化粧買い」(年度内に大きく値上がりした株を年度末に買って、運用報告書の資産内容の見栄えを良くする。)の行動がとられます。少なくとも、今のような独立行政法人という形式は運用機関としては見直すべきです。

 2009年にOECDがGPIFのガバナンスに関してレポートを出しています。その中で、目標収益率やリスク許容度、資産運用方針を決定するため理事会を設置すること。その際、外部委員として、労使の代表に加え、利害関係者や金融業界とはつながりのない学者などを含めること。さらに、年間事業計画、予算、年次報告を国会承認とすることなどが提案されています。

 私は、少なくとも、日銀のように理事会に権限を持たせて、その議事録を後で公表するようなガバナンス改革は必要だと思います。また、年金は国民の資産なのですから、当然、国民の代表たる国会に報告義務を課すべきです。

 このような議論を予算委員会でも、塩崎厚生労働大臣と行ったのですが、大臣からは前向きの答弁をいただけませんでした。たいへん、残念な結果です。今後とも、GPIFのガバナンスと、運用基準の変更の問題点は国会で追及していきます。

'岸本周平さんをTwitterでフォローする: www.twitter.com/@shuheikishimot
もっと見る: Gpif GPIF 運用 年金 GPIF Gpif 改革 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF) 予算委員会 衆議院予算委員会 年金運用 年金積立管理運用独立法人 年金運用 政治 経済
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議論
http://www.huffingtonpost.jp/shuhei-kishimoto/gpif_b_6874824.html



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