★阿修羅♪ > 経世済民94 > 465.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
焦点:原油安と賃上げ交錯、「物価の基調」先行き不透明(ロイター)
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/465.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 3 月 17 日 22:37:15: igsppGRN/E9PQ
 


 3月17日、「物価の基調」の先行きが見えづらくなっている。写真は日銀の黒田総裁。都内で17日撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)


焦点:原油安と賃上げ交錯、「物価の基調」先行き不透明
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0MD1GB20150317
2015年 03月 17日 21:53 JST


[東京 17日 ロイター] - 原油価格の下落に伴う消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の上昇率鈍化と具体化する前向きな賃上げの動きが交錯する中で、日銀が重視する期待インフレ率など「物価の基調」の先行きが見えづらくなっている。

黒田東彦総裁は、物価の基調は今後も改善していくと自信を示すが、実際の物価低迷が人々の心理に与える影響も無視できない。日銀の判断は難しい局面に入りつつある。

日銀は17日の金融政策決定会合後に公表した声明で、物価の先行きについて「エネルギー価格下落の影響から、当面ゼロ%程度で推移するとみられる」とした。従来は「当面プラス幅を縮小する」となっており、当面の物価上昇率が一時的にマイナスに落ち込むことも念頭に入れて、表現を修正したとみられる。

実際に黒田総裁はその後の会見で、先行きの物価は「エネルギー価格などの動向によっては、若干のマイナスとなる可能性は排除できない」と、マイナス転落の可能性に初めて言及した。

一方で、日銀が政策判断において重視している需給ギャップや中長期的な期待インフレ率などの「物価の基調」は、現段階で「変化する状況にはない」と強調した。

そのうえで今後も景気の回復基調や労働需給ひっ迫による需給ギャップの改善が続き、好調な企業収益を背景に昨年を上回るベースアップ(ベア)など賃上げが見込めると指摘。「物価の基調は改善していく。一時的な(物価の)動きでどうこうということはない」とも述べ、物価上昇率が一時的なマイナスとなったとしても、追加緩和は必要ないとの認識を示した。

しかし、原油価格下落の影響は、今後も電気料金の値下げという形で物価の押し下げ要因に作用し、少なくとも今年前半のコアCPIはゼロ%近辺での推移が続く可能性が大きい。

日銀では、期待インフレ率の上昇には実際の物価上昇率が高まる、いわゆる「バックワード・ルッキング」な期待形成も重要とみている。足元では、再び米WTI原油先物価格CLc1が1バレル40ドル台前半に下落。日銀が物価見通しの前提としているドバイ原油価格の想定も下振れしかねない。

一方、具体化しつつある賃上げの動きが、期待インフレ率の上昇や需給ギャップの改善に効果をあらわすには一定の時間がかかるとみられている。

黒田総裁は、2月27日に日本記者クラブで行った講演で、15年続いたデフレ均衡から脱出するためには「ロケットが強力な地球の引力圏から離れる時のように、大きな推進力が必要」と語った。

物価2%に向けて物価上昇というロケットに点火するまで期待が維持できるのか、正念場に差し掛かっている。

(伊藤純夫 編集:田巻一彦)

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2015年3月17日 23:47:44 : jXbiWWJBCA

アベノミクス、所得格差是正には全面実施が不可欠=IMF
By ELEANOR WARNOCK
2015 年 3 月 16 日 22:21 JST

6日に2000年4月以来の高値で引けた日経平均を示す電光掲示板。IMFはアベノミクスの受益者が株式投資家だけはでないとみている(東京) European Pressphoto Agency
 国際通貨基金(IMF)はアベノミクスについて、雇用制度改革が全面的に遂行されれば所得格差が改善し、特に若い世代の支援になるだろうとみている。13日公表されたワーキングペーパーで明らかになった。

 だが雇用制度改革を追求せず、日本銀行が目標とする2%のインフレ率だけを達成した場合、全体的な所得が上昇しつつも格差は一段と広がる見通しだという。

 IMFのエコノミストは1980年代以降に所得格差が拡大した主な要因として、女性の低い労働参加率と非正規雇用の増加の二つを挙げた。格差のあおりを最も強く受けているのは女性、子供、非正規労働者だと指摘した。

 そのため、女性の就労者増加と雇用制度改革を目指す安倍政権の政策が、平均所得の上昇を促し、生産年齢人口における格差の是正につながるとの見方を示した。

 IMFは、安倍政権が雇用改革案で示したすべてを実行に移すことが欠かせないと呼びかけ、「アベノミクスが成長と平等の両面で成果を得るには、3本目の矢(経済成長戦略)を首尾良く放つことが最善策だ」と述べた。

http://jp.wsj.com/articles/SB12227838270682254491204580521911173367020


 
【社説】日本の円安政策とその影響、欧州への教訓原文(英語)
2015 年 3 月 17 日 13:52 JST

欧州が日本から得られる教訓とは(写真はドラギECB総裁) Agence France-Presse/Getty Images
 欧州中央銀行(ECB)が先週、国債買い入れ策を開始したことで市場では興奮が広がっているが、欧州では、日本の実質賃金が1月に再度低下したことが見逃されているもようだ。日本の家計は、インフレ率で調整した実質所得が2008年の金融危機の際より7.5%減っている。また、この減少のほぼ半分は、量的緩和策が行われる中で起きている。これは、欧州への警告である。
 13年に安倍晋三首相が政権の座に就いたときの状況は、ユーロ圏の現在と酷似している。当時、日本はデフレの中にあり、欧州は現在、デフレに接近しているとみられる。日本では、12年に1ドル=77円台まで進んだ円高の行きすぎが懸念材料だった。一方、ドラギECB総裁は、1.38ドル前後までユーロ高が進んだ昨年4月、「他の条件が同一なら、為替レートの上昇は金融状況の引き締まりを意味するものであり、インフレへの下押し圧力や現在進んでいる景気回復への脅威となり得る」と述べていた。
 つまり、日銀とECBは、デフレの脅威に対し金融政策のバズーカ砲を発射したのだ。主な目的は、競争的な通貨切り下げだ。融資への需要や銀行の業績が低調な中、従来の金融刺激策、つまり、流動性拡大と金利引き下げで融資を拡大するというメカニズムは機能しないと考えられた。そこで、政策担当者は為替レートの減価で輸出を支え、輸出業者の収益拡大によって企業投資の増加や賃金上昇への波及効果が生じ、これが国内の消費と成長を押し上げることを狙った。
 日本での実質賃金低下は、こうした政策が何をもたらしたかを示している。円安の中でも輸出業者は海外の値下げや世界市場でのシェア拡大に努めることはなかった。むしろ、日本企業は海外での販売価格をほとんどそのまま維持し、円安を受けた円建て収益の拡大を狙ったのだ。為替レート調整後の輸出統計はほぼ横ばいであり、08年以前の水準を約25%下回っている。
画像を拡大する

日銀とECBは、デフレの脅威に対し金融政策のバズーカ砲を発射 Bloomberg News
 投資が減少していることから、労働生産性は拡大しておらず、賃金の伸びもインフレ分を除いた実質賃金でみるとマイナスだ。一方、円安は輸入価格を押し上げている。このため、家計は賃金が上がらない中で、日用品購入での支出増を強いられている。
 欧州の場合、こうしたマイナス要因のいくつかは避けられそうだ。現在、原油価格が下落しているため、輸入品価格の上昇は相殺されるだろう。これは、13年や14年の大半における日本ではなかった恩恵だ。ドイツを中心とする一部の欧州諸国では、エネルギー価格の下落によりこの数カ月間、実質賃金が上昇している。また、消費へのさらなる打撃となった消費税率引き上げのような歴史的愚策を実施しようとしている国は、ユーロ圏にはなさそうだ。
 ただ、よく見てみると日本と欧州には類似点がある。日本で企業の設備投資が低迷し、実質賃金が低下していることについては、安倍政権のいわゆる「第三の矢」、つまり構造改革が失敗しているためだという説明が主流的だ。企業は、過剰な規制や高い税率、保守主義や競争力の欠如などに阻まれ、投資に対し消極的となっている。
 特にやり玉に挙げられるのが、改革の進まない労働市場だ。企業は解雇規制が重荷となる正規雇用を敬遠しているため、雇用創出は非正規労働者に集中している。これは労働市場が引き締まる中でも実質賃金が上がらない理由を説明している。
 労働市場の改革が手付かずとなっているのは、ユーロ圏でも同じことだ。最も抜本的な改革案は、フランスのマクロン法案だ。特に目を引くのが、各店舗の日曜日の営業可能日数を年5日から12日に拡大する構想だ。スペイン、ポルトガル、アイルランドは労働市場の自由化をある程度進め、他の成長支援策も実施したが、イタリアなど自由化に消極的な国は煩雑な行政手続きに縛られたままだ。
画像を拡大する

円とユーロ相場(いずれも対ドル)の直近ピークからの推移
 そして案の定、日本のケースと同じように、改革が実現していないユーロ圏諸国の輸出業者は、ユーロ安(16日に12年ぶり安値の1.0457ドルを付けた)に乗じて主に利ざやを拡大させた。日本と違い、ユーロ圏は地域性が多様なため、こうした利益の押し上げが生産や投資を促し、生産性を高め、最終的には賃金を上昇させるかもしれない。
 だが、相対的に競争力の劣る欧州南部諸国では、輸入物価の上昇は特に危険だ。これらの国で改革が進まなければ、企業コストはドイツやオランダといった北部諸国の水準まで抑えられない。それどころか、量的緩和の下での低金利が改革を求める政治的な圧力を弱めているため、ユーロ安は輸入品の価格を押し上げるだけで、コスト削減というメリットは伴わない恐れがある。ユーロ圏の労働者は、日本の労働者と同じような負のスパイラルに陥っていることに気付くかもしれない。
 日本の現状は、欧州が将来的に必ずたどる道というわけではない。ユーロ圏では高齢化のスピードが日本よりも遅く、規制も日本ほど硬直的ではない。輸出の採算性が改善すれば、企業文化などに変化が生じ、より競争力のある企業行動が促されるだろう。比較的影響力の大きい欧州の労働組合が、より大幅な賃上げを勝ち取るかもしれない。
 ただ、ドラギ総裁こそまさに、金融政策や競争的な通貨切り下げの限界、そして恐らくはその危険性について理解している当局者である。総裁はこの1年間、自らが進める金融政策で欧州の日本化を防ぐことができるよう、欧州の政治家に供給面での改革を実施するよう強く求めてきたのだ。
http://jp.wsj.com/articles/SB12227838270682254491204580523210664771600 


02. 2015年3月18日 05:43:57 : jXbiWWJBCA

世界は強化、国内は緩和 業界を揺さぶる銀行規制論
「邦銀には相当影響が出るし、日本にとっては国家財政に関わる問題。世界経済にもインパクトを与える話で、銀行の監督当局が決めるルールに収まるスケールではない」


国際的な金融規制を決めるバーゼル銀行監督委員会の常設事務局が置かれる国際決済銀行(BIS)
 日本の金融当局幹部が気色ばむ、重大な銀行への規制議論が水面下から顔を出そうとしている。世界の金融当局者で構成され、国際金融規制を決めるバーゼル銀行監督委員会。そこでは現在、銀行が持つ金利の上昇リスクに対して自己資本の積み増しを求める案が議論されており、3月中にもたたき台が公表される見込みなのだ。

 金利が急上昇すれば、国債の価格は急落して銀行は巨額の含み損を抱えてしまう。また、貸出金利が長期で固定されたまま資金の調達金利が上がれば、逆ざや状態を招く恐れもある。そうした金利リスクに備えて自己資本を厚くするというのが新たなルール案だ。

 ただ、邦銀は日本国債を大量に抱えている。しかも、邦銀のビジネスモデルは主に短期金利で預金による資金調達をし、長期金利で融資をして長短の金利差で収益を上げる構造のため、影響は甚大だ。

 新ルールが導入されれば、邦銀は金利リスクを落とすために国債を大量に売る可能性がある。となれば国債価格の急落(金利の急上昇)を招いて、自ら金利リスクを顕在化させかねないのだ。

「英国やドイツの主導で進んできた」(メガバンク幹部)この新規制案だが、日本は米国などと共に反対の立場だ。国益を懸けた各国の“綱引き”が行われており、「日本にとっては当初の案よりだいぶマシになってきた」(同)。

 とはいえ、「今度出てくる案は相当粗くて全世界で物議を醸すはず」(前出の金融当局幹部)とのことで、予断を許さない状況だ。

国内は17年ぶりの規制緩和

 緊迫した世界の規制強化論とは一転、国内では銀行界の規制緩和に向けた議論が金融庁の金融審議会で始まった。1998年に解禁した金融持ち株会社のルールを17年ぶりに見直す。傘下に持てる子会社の業務範囲の拡大や、余資運用などグループ内での重複業務の統合をしやすくする方針だ。

 共同持ち株会社をつくる形式での経営統合が進む地方銀行の再編の後押しにもつながる可能性を秘めている。「地銀が生き残るために何がしたくて、それにはどんな規制が邪魔なのか。地銀が持ち株会社で本当にやりたいことを議論の場で出してほしい」。ある金融庁幹部はそう語り、幾つかの地銀を壇上に上がるようけしかけるつもりだという。

 かつて信用金庫業界では、相次ぐ取引先の海外進出に伴って金融当局へ規制緩和を打診。取引先の海外子会社への直接融資解禁を勝ち取った。規制の強化であれ緩和であれ、銀行界は“待ち”の姿勢で翻弄されるのではなく、自ら訴えかけて関わる主体性が求められている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)
http://diamond.jp/articles/-/68608


宿輪ゼミLIVE 経済・金融の「どうして」を博士がとことん解説
【第7回】 2015年3月18日 宿輪純一 [経済学博士・エコノミスト]
米国の利上げはどのようにして誰が決めるのでしょうか?
なぜ、米国は利上げに向かうのか

?イエレンFRB議長がいつ利上げに踏み切るのか。今、金融市場の関心はこの一点に尽きると言っても過言ではありません。

?正確に言うと、利上げは米国の金融政策を決定する連邦公開市場委員会 (FOMC:Federal Open Market Committee) において投票によって決定されます。そのプロセスなどは後ほど詳しく解説しますが、連邦公開市場委員会は、今後6月16・17日、7月28・29日、8月はなくて、9月16・17日に開催されます。市場が注目する米国の利上げは、この3回のうちに行われると考えられます。

?近年、先進国では経済の成熟化に伴い成長率が下がってきました。そして、2008年からのリーマンショックや2010年からの欧州債務危機の影響が世界的に広がり、欧州を除いた先進国は量的金融緩和(QE:quantitative easing)を開始しました。米国では2008年から、日本でも2013年から日本銀行の黒田総裁が、質的・量的金融緩和を開始しています。

?金融緩和の目的は、そもそもは金利を下げることによって、貸出(借入)がし易くなりまた、金利が下がるので預金よりも株価などの資産に資金が流入し資産価格が上昇することによって景気を良くするというものです。

?米国の場合はドル資金量が当初約8000億ドル程度でありましたが、最近では約4兆ドルとなんと5倍にも膨れ上がっています。

?ちなみに、日本の緩和マネーも同程度まで増加してきています。これはマクロ経済でよく使う手法ですが、GDP対比でみると、米国は約2割強、日本は約7割と、日本の政府債務残高と同様ダントツの比率です。

?ただし、金融緩和は、そもそも一時的な政策です。身体の治療でいうと輸血みたいなものです。一時的に血の巡りがよくなって楽になります。言い換えると、痛み止めです。しかも、楽になるのでもっと欲しくなるという中毒化する特徴があります。海外のメディアは「モルヒネ」とも揶揄している向きもあります。また痛み止めですから、経済の悪いところを本質的に治すわけではなく、放置してさらに悪化するという特徴があります。この点で金融緩和と構造改革は相いれない政策なのです。

?しかし、米ドルは基軸通貨として、世界の金融市場をはじめとした金融取引の約4割5分、外貨準備では約6割で使用されています。以前の国際経済学では貿易を重視しましたが、最近では世界の決済量(マネーフロー)からすると貿易は約3%しかないため金融市場に与える影響は極めて低いのです。

?その米ドルが利上げに向かいつつあります。昨年、特別に参加させていただいたFRBの内部セミナー(ミィーティング)では、量については、基本的には国債の期日で量が減っていく「自然減」を基本として2020年までに2兆ドルまでに減らすとしていました。

?そもそも、米国の金融担当者はこの量的金融緩和を異常なことと理解しており、今回の利上げも「正常化」といっています。方向としてみれば、利上げであり、その時期も6月以降ぐらいではないかと市場では予想されています。

米ドルの利上げは新興国にとってのリスクになりかねない

?先ほども申し上げましたが米ドルは基軸通貨であり、世界的な影響、とくに金融市場への影響が大きいのです。ここで基軸通貨としてのジレンマが露呈してきます。

?米ドルは米国の通貨であり、その金融政策は米国内の状況・利益のために行われます。中央銀行法を読んでも他国への配慮については書いていない。つまり米国のために勝手に行って良いのです。

?しかし、いままで米ドルが金利を上げると、過去に南米危機の事例もありましたが、新興国が影響を受ける可能性もあります。金利を上げると新興国が利払いできなくなることに加え、ドル金利の上昇で資金が流出するため新興国も金利を上げなければならなくなるからです。金利を上げると当然、景気に対してはネガティブな影響があります。

?現在、中国をはじめとした新興国は決して状況が良いわけではないので、影響も大きいのです。もちろん、現在世界経済を牽引している米国の成長率が落ちることも気になります。

イエレンFRB議長の判断を左右する9つの指標

?通常の中央銀行では、その役割は基本的には物価のコントロールです。しかし、米国の中央銀行はその法律で定められている役割が違います。物価の安定と「完全雇用」を目標としているのです。このような中央銀行は他にはありません。日本銀行も物価の安定が目的で、政府が行う経済政策に反しないこととなっています。

?さらにいうと、各国の経済政策には根本的な目的があります。米国経済の最大のトラウマは大恐慌で、それは株が下落すること、すなわち景気が悪化することでした。そのため景気の刺激にはそもそも力が入るのです。雇用は景気の代表的な指標です。

?そのため、米国の金融政策を考える時に雇用の状況が大事になってきます。この観点からすると、FRBは国際金融市場の番人でありながら、労働市場が専門のジャネット・イエレンが任命されるのは理に適っているのです。彼女はもちろん経済学博士号を持っており、その博士論文は失業・賃金と景気の関係でした。まさに現状のテーマです。

?いままでのFRB議長は失業率や非農業部門雇用数を重視していました。バーナンキ議長の時には失業率が5.6%の時に利上げを行いました。現在はすでに2月の数字ですが5.5%となっています。しかし、イエレン議長は労働市場の専門家であるため、雇用統計のうち特に9個の数値を主として確認・分析しているといわれています。それは失業率・非農業部門雇用者数に加え・長期失業者割合・労働参加率・不完全雇用率・求人率・解雇率・退職率・採用率です。この数値群はイエレン・ダッシュボードといわれています。そのため、雇用統計ナイトなどと盛り上がっていても、失業率や雇用増加数をみて、瞬間的に盛り上がるということが難しくなっています。良く読まなればならないからです。

金融市場最大のイベント「利上げ」のタイミングはいつか?

?FRBは中央銀行で、政府の機関ではありません。 株式会社でその主要株主は大手米国金融機関です。投票も日本銀行の様に全員参加ではありません。

?連邦公開市場委員会 (FOMC:Federal Open Market Committee) は金融政策を決定する会合で、FRB理事7人と連邦準備銀行総裁5人(ニューヨーク連邦準備銀行総裁と、地区連銀の持ち回りの総裁4人)からなっています。ちなみに、現在は理事が2人空席である。この12人での多数決の投票となります。

?米国の理事は、当然のことながら経済学の専門家で博士号を持っていることが多く自分の考えや主張を最初から宣言します。インフレに対して厳しい見方をする人たちを「タカ派」、そしてインフレに対して寛容な見方をする人たちを「ハト派」といいます。

?現在のメンバーを見てみると以下の様になっています。

[ハト派]イエレンFRB議長、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁、エバンス・シカゴ連銀総裁、ロックハート・アトランタ連銀総裁
[中間派]フィッシャーFRB副議長、タルーロFRB理事、ブレイナードFRB理事、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁
[タカ派]ラッカー・リッチモンド連銀総裁、パウエルFRB理事

?このメンバーからすると、「無理に金利を上げる可能性は低い」ということができます。つまり、十分雇用の回復を確認してから対応することになりましょう。会合は年8回開催され、今年はあと、4月28・29日、6月16・17日、7月28・29日、9月16・17日、10月27・28日、12月15・16日となっています。この日程は覚えておいた方が良いでしょう。

?米国の中央銀行FRBの利上げが今年の金融市場の最大のイベントなのは間違いないのです。

※本連載は宿輪ゼミや大学講義、そして自身の研究に基づく個人的なものであり、所属する組織とは全く関係はありません。


【著者紹介】
しゅくわ・じゅんいち
博士(経済学)・エコノミスト。この4月から帝京大学経済学部教授就任予定。慶應義塾大学経済学部非常勤講師(国際金融論)も兼務。1963年、東京生まれ。麻布高校・慶應義塾大学経済学部卒業後、87年に富士銀行に入行。国際資金為替部、海外勤務などを経て、98年に三和銀行企画部に移籍。合併でUFJ銀行、UFJホールディングス経営企画部等に勤務。兼務で、東京大学大学院、早稲田大学、清華大学大学院(北京)、慶應義塾大学経済学部等で非常勤講師として教鞭。財務省・経済産業省・外務省等の経済・金融関係委員会に参加。2006年よりボランティアによる公開講義「宿輪ゼミ」を主催し、開催数間もなく180回、会員は7900人を超えた。映画評論家としても活躍中。主な著書に日本経済新聞社から『通貨経済学入門(第2版)』(2015年2月刊)、『アジア金融システムの経済学』、東洋経済新報社から『円安vs.円高―どちらの道を選択すべきか(第2版)』(共著)、『ローマの休日とユーロの謎―シネマ経済学入門』、『決済システムのすべて(第3版)』(共著)がある。
Facebook宿輪ゼミ:https://www.facebook.com/groups/shukuwaseminar/
公式サイト:http://www.shukuwa.jp/
http://diamond.jp/articles/-/68571


03. 2015年3月18日 06:53:43 : jXbiWWJBCA

スマートエネルギー情報局 TOP>JBpress>エネルギー
原油価格のさらなる下落が始まった「世界金融危機」発生までの悪夢のシナリオ
2015.03.17(火)藤 和彦 http://goo.gl/NF5FBS
先週の週間ベースでの原油価格の値下がり率は9.6%となり、2014年12月以来の大幅下落となった。
 国際エネルギー機関(IEA)は3月13日に月報を発表した。月報の中の「米国の原油在庫が過去最高水準となり、近く貯蔵タンクが不足する恐れがある。足下の原油価格の安定はうわべだけのものであり、原油価格底打ちのためにはさらなる生産調整が必要だ」との指摘が材料視されて、16日の時間外取引ではWTI先物価格は2009年3月以来6年ぶりの安値に下落した(1バレル当たり43.57ドル)。
 シェール企業各社は生産効率の悪い産地でリグ(掘削機)の稼動を減らす一方、効率の良い産地では生産量を増やしている。そのため「生産量が減らない」との見方が根強い。
 昨年急落した原油価格が最近まで安定していたのは、要因の1つとして「石油精製会社による原油の安値買い」があったからだ。しかし、その効果も薄れつつある。世界全体で石油の精製処理量が急増したため、石油製品の分野でも供給過剰のリスクが生じつつあるからだ。
 IEAによれば、原油価格の急落にもかかわらず、消費国の燃料需要は依然として増加していない状況にある(中国の2月の原油輸入は国家石油備蓄が一段落したためか、3カ月ぶりの低水準だった)。このような状況下で石油精製会社が今後原油の購入を削減すれば、原油価格の下押し圧力になることは間違いない。
価格の急変動に備える投資家たち
 相場の先行き不透明感が強いため、「原油価格はどこまで下がるのか」という投資家らの悩みは深くなるばかりである。
 「原油市場でオプション取引が拡大している」──。3月14日付け「日本経済新聞」は、原油市場の需給の弛みは改善しておらず、先安観が根強いことから、売る権利である「プットオプション」が目立って増加していることを伝えている。
 先物取引では売買する「価格」を決めるのに対し、オプション取引は売買する「権利」をやり取りする。原油価格が再び下値を試すとの観測が高まっているため、投資家や生産企業はプットオプションを購入し、価格の急変動に備えているというわけだ。
 1〜2月の売買高は前年同期比に比べ7割増えたが、WTI先物で取引が多い6月物を見ると、行使価格が30〜40ドルのプットに資金が流れている。この価格水準はシェールオイル油田の採算ラインとの見方があり、30ドルを下回った場合に備え、売る権利を確保したい投資家などが増えているという。
低油価への抵抗力が脆弱だったバッケン地区のシェール企業
 低油価への抵抗力があるとされてきたシェール企業だが、3月12日付「ブルームバーグ」はノースダコダ州のバッケンシェール層で操業する石油企業のうち最大のホワイティング・ペトロリアムが「身売り」の決断を行ったことを報じた。
 バッケンシェール層とは、ノースダコダ州を中心に、西隣のモンタナ州、北のカナダの一部に広がるシェール(頁岩)層を指す。バッケンという地名は、1951年に初めて油田が発見された場所の農夫の名前(ヘンリー・バッケン)にちなんで付けられた。
 この地区でシェール層は以前から発見されていたが、その採掘が可能になったのは、水圧破砕や水平掘削という技術革新が進んだ2000年代後半以降である。バッケン地区はシュールオイルの3大生産地の1つだ。生産地の中でもオイルリッチな地域であり、掘削成功率も100%に近い。シェール革命の最前線として、米国を世界最大の産油国へと復活させる牽引役と目されていた。
 バッケン地区の玄関口であるノースダコダ州のウイリストン市は、人口2万人足らずの小さな町だが、シェールブームに沸き、2年前の失業率は0.9%にまで低下した。平均賃金もうなぎ登りだった。しかし原油価格が急落すると一転苦境に陥り、ノースダコダ州の昨年第3四半期の税収は前年比46.7%減少した。
 油田ごとの損益分岐価格は平均51ドルだが、29〜77ドルとばらつきがある。「身売り」を決断したホワイティング・ペトロリアムは最近急成長を遂げたシェール企業だが、拡大路線を走る中で高値掴みをしてしまった可能性がある。
 シェール革命の雄であるバッケンだが、製油所や消費地から遠いという「アキレス腱」がある。パイプラインも十分に整備されていないため、割高な輸送手段である鉄道やタンクローリーに頼らざるを得ない。
 シェール企業は、海岸まで数千マイル以上、原油を運ぶ輸送コストの大半を負担しなければならない(輸送コストは1バレル当たり10〜15ドルとされている)。原油の直接の需要先である精製企業の大半は海岸沿いに立地している。そのため、タンカーで港に搬入される外国産原油との競合上、内陸部にあるバッケン産原油は、海岸沿いの精製工場まで運ぶ費用を満額請求できないのである。
 このことは、バッケン地区で採掘される原油は、WTI先物価格よりも1バレル当たり10〜15ドルも安い値段で取引されていることを意味する。今回の「身売り」によって、バッケン地区のシェール企業の低油価への抵抗力が脆弱であることが改めて認識されたと言えよう。
金融市場の流動性が「蒸発」するリスク
 1980年代後半に生じた逆オイルショック後に、米国の石油生産企業の50%以上が淘汰された。今回の原油価格急落により、今後、多額の債務を抱えた高コスト企業の淘汰が進み、石油業界の再編が始まる可能性がある。
 その際注意すべきは、エネルギーセクターの信用不安が世界経済の地雷となるリスクである。
 米国のエネルギーセクターでのジャンク債やレバレッジドローン(借り手の格付けがダブルB以下の協調融資)が過去5年の累計で1兆ドル規模に達した。シェール企業の多くは信用力が低いため、資金を調達する際の取引に関して「クレジットデリバテイブ」(企業のデフォルトのリスクを取引する金融派生商品の総称)が付与されているケースが多い。今回のホワイティング・ペトロリアムの「身売り」は、クレジットデリバテイブ取引において実際に保証金の支払いが生ずるトリガーとなる「信用事由」(クレジットイベント)に当たる。
 クレジットデリバテイブと言えば、リーマン・ショックの直接の引き金となったCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が有名だが、買い手が定期的に売り手にリスクプレミアムを支払い、売り手は対象企業にデフォルトが発生した場合にはその損害額を保障する契約である。リーマン・ショック後、CDS自身の発行高は急減し、清算機構などが整備されたが、専門家によれば、類似の金融派生商品が開発され、その想定元本残高は急増しているという。
 1998年のLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)危機、2001年のエンロン事件、そして2008年のリーマン・ショックなど、高度な金融技術や複雑な金融商品に端を発した金融危機は、数年周期で悪性ウイルスのように耐性を増しながら世界を襲ってきた。現在の金融市場で最も恐ろしいのは流動性のリスクである。規模の巨大さに加え、不必要なほどに複雑になった金融市場は「ストレス」に非常に弱い。
 例えば、悪い話を耳にすると、取引参加者の間に群集心理が働いて、手持ちの金融商品を先を競って売り抜けようとする。そのため注文が偏り、買い手が急激に薄くなってしまう。これが「流動性の蒸発」(可児滋・横浜商科大学教授)である。
 サブプライム問題でも証券化商品の流動性が蒸発したが、クレジットデリバテイブをはじめとするデリバテイブ商品の中には、相当の専門家でも理解するのが容易ではない複雑な仕組みのものが少なくない。複雑な仕様のものほど、市場においてそれに類似した商品が取引されていることが少なくため、「流動性の蒸発」が発生する確率が高い。
 デリバテイブ取引に起因する一取引主体の破綻がドミノ的に他の取引主体に伝搬し、市場全体の機能を損なうことにつながるリスクのことを「システミックリスク」と呼ぶが、そのリスクが今後発生するのでは、との懸念が高まっている。
減少に転じた世界の外貨準備高
 世界最大の資産運用会社であるブラックロック社は3月に入り「FRBの6月以降の利上げに債券市場が適切に備えておらず、金融引き締めが決まれば、極端に激しい価格変動を引き起こしかねない」との警告を発した。現在の金融市場の前提である世界的な過剰流動性という「砂上の楼閣」にも、亀裂が入りつつある。
 ソシエテ・ジェネラルは3月10日「世界の流動性を示す重要指標がフリーフォールの状態にある」と指摘した。その理由は国際通貨基金(IMF)が、世界の流動性にとって不可欠な世界各国の中央銀行の外貨準備高が「2014年第3四半期の約12兆ドルから11.8兆ドルと2009年以来で初めて減少に転じた」と推計したことにある。
 世界の外貨準備高は、2003年以降急増してきた(過去10年平均で12.8%の増加率)。しかし昨年は1.9%増に鈍化した。ドル高に伴い、中国などの新興国は自国通貨の相場引き下げのために、かつてほど米国の資産を買い入れる必要がなくなっているのがその理由である。
 超高速回転で動く世界の金融市場は、バランスを少しでも崩すと大崩壊するという怖さをリーマン・ショックによって骨の髄まで経験した。
 原油価格が下落を続ければ、シェール企業の破綻等を通じて金融危機が発生する可能性がある。今後も原油価格やシェール企業の動向から目を離すことができない。

• エネルギーは近距離から調達を、日本がとるべき道はロシアとの関係強化 エネルギー安全保障に不可欠なロシア産原油と天然ガス (2015.03.13)
• 絵空事ではない中東発石油危機のシナリオ 財政悪化、周囲にテロリスト──「内憂外患」のサウジアラビア (2015.02.27)
中国経済の急減速で原油価格は二番底へ バブル崩壊、1バレル10ドル台突入の可能性も (2015.02.13)

激化するカスピ海周辺天然ガス争奪戦
南エネルギー回廊構築構想は成立するか?2015.3.12JBpress
潮流発電用のラグーン計画、英ウェールズ2015.3.6AFPBB News
もう弱小省庁とは呼ばせない  “闘争”に打って出た環境省の野望とは
再生エネルギー導入量を巡って経済産業省と激突

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43225



  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民94掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民94掲示板  
次へ