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スクープ!「経営危機」シャープ前副社長の告白 ことここに至ったいま、すべてを明かす(週刊現代)
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/615.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 3 月 24 日 09:20:05: igsppGRN/E9PQ
 

業績悪化を受けて退社する社員が続出しているというシャープ。社内取締役の役員報酬も最大で55%削減した〔PHOTO〕gettyimages


スクープ!「経営危機」シャープ前副社長の告白 ことここに至ったいま、すべてを明かす
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42558
2015年03月24日(火) 週刊現代 :現代ビジネス


これ以上はもう後がない—。膨れ上がる赤字で破綻の可能性すら浮上してきたシャープに注目が集まっている。彼らは一体どこで道を間違えたのか。同社の主力工場を運営してきた前副社長が語る。

■大丈夫なわけがない

シャープは、完全に背水の陣に立たされています。赤字はみるみる積み上がり、20%で健全と言われる自己資本比率もいまや約10%しかない。そんな状況で大丈夫ですかと聞かれても、大丈夫なわけがないでしょう。ことここに至ってしまったいま、死にもの狂いでやらないと、もう二度と立ち直れなくなってしまう。その窮地から抜け出すために、最終ステージの構造改革に乗り出そうとしているんです。

こう危機感をあらわにするのは、'08年から'12年までの4年間、シャープ副社長を務めた井淵良明氏だ。

この3月期決算で、300億円の黒字予測から一転、2000億円規模の赤字を計上する見込みのシャープ。ダムが決壊したかのように溢れ出る赤字を前に、再度銀行からの支援を受けなければ破綻してしまう事態にまで追い込まれている。

現在、シャープはメインバンクであるみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行に1500億円の支援を要請中。ところが、橋興三社長が両行に提出した再建案には具体的な施策が示されておらず、銀行としては支援を行える状況ではないという。

銀行にも消費者にも見放され、シャープはこのまま消えてしまうのか。三重県の亀山工場と並んで同社の代名詞とも呼ばれた大阪・堺工場の責任者を務めてきた井淵前副社長が、本誌の取材に対しその胸中を明かした。

シャープは今、不採算事業から撤退し、膿を出し切ろうとしている。昨年末、ポーランドの液晶テレビ工場を売却し、先月にはアメリカで買収した太陽光発電のリカレント・エナジー社も売り払った。それらの整理にかかった費用を考えると、数千億円の赤字に達するのは当たり前です。

さらに、電子部品を作る広島の三原工場と福山工場もゆくゆくは閉鎖すると聞いている。私からすれば、それらは断行すべきだと思う。これ以上、不採算事業を続けて傷を広げてはいけない。

■なんじゃ、こりゃあ!

そもそも、今回の赤字膨張は、橋興三社長が液晶依存から脱却するために、太陽電池やテレビなどの事業を温存したのが原因です。その過剰な液晶依存は、私が堺工場を担当していたときから変わらないシャープの体質でした。

私が運営に携わってきた堺工場は、「21世紀型コンビナート」と銘打たれ、1兆円も投資して設立された工場だった。副社長就任後、私が担当を任された時点では、すでに投資は終わっていたんです。

堺工場に関わることになって初めて投資額を知った時は、心底驚きましたよ。いくら液晶事業に注力するといっても、さすがにカネをかけすぎだろうと。ドラマ『太陽にほえろ!』でジーパン刑事役の松田優作が「なんじゃ、こりゃあ!」と叫ぶ殉職シーンがあったけど、聞いた瞬間は心の中で同じセリフを吐きました。いま振り返っても、1兆円という投資額は明らかに失敗だった。

'09年に堺工場が稼働した当初は、まだ1ドルが90円前後で動いていました。ところが、その後、民主党政権下で円高が進み、'11年には75円台まで到達してしまった。あの時は、もう何も打つ手がなかった。

それでも、巨額の投資をして設立した堺工場の液晶生産を止めるわけにはいかない。我々には、堺工場で生産された液晶パネルを売るために、世界中を飛び回るしか選択肢はなかった。私自身も中国、台湾、韓国、東南アジアなどへ必死に営業に行きました。

当時、韓国のサムスンやLGの担当者と打ち合わせしても、「井淵さん、ウチも高品質のシャープの液晶パネルは欲しい。けれど、他社の製品より10ドルも20ドルも高いものは買えない」と異口同音に言われましたよ。みるみる積み重なる在庫を前に、一体どうすればいいんだと、極度の緊張を強いられる毎日でした。

そんな大型液晶の過剰生産が響き、シャープは'11年度、'12年度合計で9000億円超の赤字を計上。しかし、'13年の橋社長就任以来、中小型液晶の生産にシフトし、翌年には116億円の黒字にまでこぎつけた。

だが、喜びも束の間。好調に見えたシャープに、ふたたび悪夢が待ち受けていた。

大型液晶で大コケしたシャープは、中国メーカーの小米科技からスマホ用の液晶パネルを大量受注した。これでやっと復活できるという雰囲気になりましたが、私は本当に大丈夫なのかと思って見ていた。小米のような新興のスマホメーカーをメインの取引先にしても、安心できないだろうと。確かに、それまでメインだったアップル製品向けの液晶パネルは、時期によって受注数の上下が激しく、アップルだけに頼っていくのは危険だった。それでも、小米をパートナーに選んだのは間違いでした。結局、ライバル社のジャパンディスプレイとの価格競争に敗れて、受注数は激減。中小液晶もどんどん縮小してしまったんです。

■プライドがアダになった

シャープには、液晶パネルは自分たちが第一人者だというプライドがあります。セカンドグレードの企業が集まって、国から支援を受けて創設されたジャパンディスプレイには絶対に負けられないという思いがあった。そのプライドがアダになってしまったんです。

橋社長も一時的に黒字化して、油断してしまったんだと思う。彼は就任以来、社内の風土を変えると明言してきた。それでも、実態は何も変わらなかった。このままじゃダメだ、いま変わらないと会社はダメになると、もっと社内の危機感をあおり、全社員の尻を叩かなきゃいけなかった。

その油断を証明するように、黒字に好転した'14年夏、1年半前に希望退職で会社を去った液晶部門のOBたちが復職したという。喉元過ぎれば熱さ忘れるとばかりに、橋社長は放出した元社員らを呼び戻したのだ。

一度会社を離れた人間が何事もなかったように復帰する姿を見て、社員は何を思ったか。社の士気に関わりかねないこの温情采配からも、橋社長の甘さが見てとれる。

私は、一時的な黒字に慢心してスマホ用の液晶のみに注力せずに、まったく違うビジネスにも素早く参入するべきだったと思います。シャープに限らず、日本の電機メーカーは、一つの事業に固執していては、もうやっていけない。そんな時代はとっくに終わっている。こんなに技術が目まぐるしく進化する時代に、同じ事業が何年も利益を出せるはずがないんです。だから、自社の技術を活かしながら、状況を読んで次々に事業を変えていく必要がある。

すぐに始めるべきだった事業なんて、いくらでもあります。たとえば車載向け製品の新市場参入もそうでしょう。これからは自動車産業を無視していては、電機メーカーは成長なんてできない。シャープも'17年度までに車載向け液晶の売上高を今の2倍にすると言っているけど、なぜもっと早く注力しなかったんだと言いたいですよ。

いま、自動車はハイブリッドに電気自動車、自動運転車など日に日に進化している。シャープも、そういう事業にどんどんおカネを放りこんでいくべきでした。

具体的には、車内の表示装置や各種センサーなど、チャンスはたくさんある。車内のフロントガラスにパッと速度表示が出て、すぐに消えるような技術ができれば、革新的でしょう。

シャープは、先端のデバイス技術を持っている。それをどんどん自動車につぎ込めと言いたい。極端な話、これからメインの取引先としてグーグルと組み、自動運転車を開発するくらいの発想の転換があっていい。そういう先進的な企業と仕事をするべきです。

■5万人の社員が路頭に迷う

そのためにも、中国メーカーと同じ土俵で戦うのは、さっさとやめたほうがいい。そんなの、勝ち目がないでしょう。生産構造が違うんだから。彼らは技術開発を、日本人OBを雇ってわずかな投資で行っている。そんなところと張り合っても、自滅するだけです。

もちろん、部品やデバイスだけではなく、完成品も作らないといけません。たとえば蓄電池なんか、まだまだ開拓できる余地があります。

いま、原発7~8基分のエネルギーは、太陽光発電がまかなっている。しかし太陽光は毎日、朝昼で供給量が変わってしまう。その日の天気にもモロに影響を受ける。そんな不安定なものは、生活の基盤にはできないでしょう。そうなると、当然蓄電池が必要になってくる。今、蓄電池は安いものでも10万円を超え、なかなか消費者は手が届かない。だからもっと低価格なものを開発できれば、チャンスは広がるわけです。

それに、これだけ再生エネルギーが注目されているんだから、スマートシティにも力を入れていけばいい。これに関しては、くやしいけど、パナソニックに先んじられてしまった。いまや神奈川県の藤沢市に再生エネルギーで成り立つ町まで作ってしまいましたから。

パナソニックだって一時は危機的な状況だった。自社の枠にとらわれずに、どんどん変化していこうという姿勢が、シャープとの明暗を分けたんです。

結局、シャープが新しい挑戦をできなかったのは、ウチは液晶パネルでやっていくんだという考えにとらわれすぎて、守りに入ってしまったからなんでしょう。シャープは、情報端末「ザウルス」やビデオカメラ「ビューカム」など、世の中にない新しい製品を次々と世に出せる会社だった。他のメーカーが真似をしたがるような製品を生み出してきた。その精神が、リーマンショックの前後で変わってしまいました。目先の利益をあげようと焦りすぎて、世の中に冠たるものを作ろうという気概が消え去ってしまった。そんな姿勢では、ものづくりは上手くいくはずがありません。

いまやシャープは、メインバンクの支援なくしては、再建は望めない。だからこそ、明確な道筋をつけた上で、なんとしてでも銀行からの理解を得る必要があります。それほどに危機的な状況なんだと、全社員が認識しなければいけない。

シャープは、関連会社を合わせれば、世界で5万人以上の従業員がいる。その関係者たちが路頭に迷うようなことは、絶対に避けなければいけない。その重い社会責任を感じて、必死で再建を目指すしかないんです。

「週刊現代」2015年3月28日号より

 

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コメント
 
01. 2015年3月24日 10:45:40 : 2QBqDKD7DU
>その精神が、リーマンショックの前後で変わってしまいました。目先の利益をあげようと焦りすぎて、世の中に冠たるものを作ろうという気概が消え去ってしまった。

シャープだけではなく、全体に気概が減って、強いものにしたがって利益を得ていこうとするか、ぼやくかだけになっているのではなかろうか。


02. 2015年3月24日 16:18:10 : yUDqv3T4uU
言うほどすごくないところに問題がある。パナはもともと住宅や住宅機器に長い経験がある。シャープには何も無い。プラズマクラスターイオンとかいう効果不明の装置だけでは、浮上のチャンスは無いと思うよ。

03. 2015年3月24日 20:16:56 : RQpv2rjbfs
全世界のシャープペンを使っている人から100円ずつ寄付を募ればあっというまに立ち直れる、出来っこないけど。

偉大な会社だったが時代の流れを読み違えるとこうなるんだ、日本国政府もシャープと似た状況になっているように見える、更に悪いか、もはや看取ることしかでけんのか。

踏ん張れシャープ。我が家にはシャープ製品があふれているぞ、っていうか一番安い、本当はパナソニックが欲しかった。

プラズマクラスターもあるが言われているほど悪くない、ちゃんと脱臭する、ところでオゾンと光化学スモッグは同じものだと知っていたかい、プラズマクラスターはちょっとした光化学スモッグ発生装置なんだ。


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