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まやかしのベアに騙されるな!40代後半以降の給与は下がり始める 年収ダウンでも将来大逆転できる正しい転職術
http://www.asyura2.com/15/hasan95/msg/125.html
投稿者 rei 日時 2015 年 4 月 06 日 00:32:24: tW6yLih8JvEfw
 

http://diamond.jp/articles/-/69510
2015年4月6日 
まやかしのベアに騙されるな!40代後半以降の給与は下がり始める
白川浩道・クレディ・スイス証券チーフ・エコノミストに賃金・雇用動向を聞く
賃金・所得の動向は、国民生活のみならず、日本経済が「好循環」に入れるかどうかの鍵を握る重大事項である。今春闘ではベースアップ(ベア)実施やボーナスの満額回答が相次ぐなどで、状況は明るいとの見方が多い。政府は、これから山場を迎える中小企業についても、賃上げを促すべく後押しする構えだ。だが、クレディ・スイス証券の白川浩道チーフ・エコノミストは、賃金も雇用も、先行きは楽観できないと指摘する。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部河野拓郎)

賃金は下げ止まったにすぎない
所得も雇用も今後は伸びが鈍化する


Photo:toshi-Fotolia.com
──春闘では、全体の賃上げ率が2.36%、ベアが約0.6%となりました(連合・第2回集計)。この状況をどう評価しますか。

想定よりも若干良かったですね。所定内給与(基本給など)で見て、前年度比0.6〜0.7%の上昇となるイメージです。昨年度はほぼ0%であったとみられるので、一応、前進と言えます。

ただこれは、給与水準という点では2012年度並みに戻ったにすぎません。賃金の下落が下げ止まったことを確認できたとは言えますが、明確に賃金、あるいは家計所得が上昇し始めたと言うのは、少し大げさではないかと思います。

──本当に賃金の伸びが定着するかどうかは、まだ楽観できないと。

2つ、問題があります。

第1に、労働時間の減少です。昨年は、経済全体で労働時間が前年比0.3%減っているのですが、今年はもっと減る。おそらく倍のペースの0.6%くらいになるのではないかと思います。労働時間が減れば、家計の所得は伸びにくくなります。


しらかわ・ひろみち
クレディ・スイス証券 チーフ・エコノミスト、経済調査部長。1983年慶応義塾大学経済学部卒業。日本銀行、OECD(経済協力開発機構)、UBS証券を経て現職。内閣府「日本経済の実態と政策の在り方に関するワーキング・グループ」委員。著書に『世界ソブリンバブル 衝撃のシナリオ』、『危機は循環する デフレとリフレ』、『消費税か貯蓄税か』、『日本は赤字国家に転落するか』、『孤独な日銀」など。
第2に、雇用者数の伸びも鈍化する可能性が高い。昨年、雇用者数は0.8%増加しましたが、今年は増加が止まるとみています。公共事業のピークアウト、消費税増税の後遺症としての消費伸び悩みが主たる背景になるでしょう。製造業は輸出拡大で雇用が増える可能性がゼロではないのですが、建設業を含めた非製造業ではおそらく雇用の伸びが落ち、家計所得全体を抑制することになるでしょう。

パートタイマー比率の上昇ペースが再度高まるのではないかとみられます。昨年は、パートタイマー比率の上昇幅は0.3%ポイントでしたが、以前は年に0.6〜0.7%ポイント上がっていました。つまり、昨年は上昇ペースが鈍化したのですが、今年は再び上昇ペースが加速するだろうと思います。非正規雇用者の比率は昨年も上昇を続けましたが、今年も淡々と上がっていくでしょう。

方向性としては、パートタイム労働者などの非正規雇用者の比率が増えて、正規雇用者の残業時間が減るということです。

ベアの代わりに残業代や
正規雇用が削減される

なぜそうなるのか。それは、多くの企業が人件費の総額を抑制するという姿勢を変えないからです。春闘でのベア率は確実に引き上げているのですが、その一方で雇用者数の伸びを抑えたり、非正規比率を高めて労働時間を減らす、という対応を行うと考えられるのです。

しかし、そうした企業行動には経済合理性があります。多くの企業は、労働生産性に見合った形で雇用と労働時間の削減を考えるわけです。特に昨年は、実質GDPがゼロ成長の中で、雇用者数が0.8%伸びてしまったので、労働生産性が大きく下押しされてしまった。生産性を回復させるためには、企業は雇用を抑制せざるを得ないのです。

──となると、全体として見れば、必ずしも家計の所得環境が良くなるわけではない。

正規雇用者の人たち、特に、定期昇給のメリットも大きい40代までの大企業サラリーマンは、ベア率上昇の恩恵を肌で感じることができるはずです。ただ、労働時間は抑制されますから、残業代は減る可能性が高く、その分は、少し損をした気分になる可能性があります。

一方で、非正規雇用比率が増えるということは、企業の正規雇用枠が縮小することを意味します。正規雇用への転換を期待していた非正規雇用者が裏切られるという事態が起こるのではないかと思います。ベアの増加がマクロ的にみた家計所得増に直結するわけではない。

他方、来年、突然またベアがゼロになるというような事態を考える必要もありません。企業は、労働時間、雇用者数、正規・非正規雇用者の構成、年齢・賃金カーブなど、様々な変数をいじることで、人件費全体をコントロールできます。質の高い働き手をつなぎとめたいと考えれば、ベア(1人あたり時間あたり基本給の引き上げ)を持続的に実施する可能性は十分にあります。

雇用者数や労働時間を減らしたり、高齢者を低賃金で再雇用できたりするからこそ、ベアを実施できるという面もあるのです。ですから、ベアをあまり楽観的に評価し過ぎると、国民全体の感覚とはむしろギャップが広がるリスクもあります。

「好業績の時期にボーナスで還元する」というのがこれまでの日本企業の基本的な人件費政策でした。それが、「ベアで還元する」という方向に変わってきているわけですが、これは、非常に大きな変化であるとみなければなりません。そして、普通に考えれば、ベアと一体で実施されるのは、雇用者数の中長期的な削減や定期昇給制度の見直し、ということになるはずです。

企業がこれまでベアに抵抗してきたのは、終身雇用制度の下ではベアが固定費増となるためです。ベアが持続的に実施されていくとすれば、その裏側には、将来的に人員数を減らしていくという計画があるとみるべきでしょう。

40歳代後半以降は
手取り給与が下がるリスク

定期昇給制度が中長期的に見直される機運も高まっています。例えば、一部の大手企業が、40歳代後半から50歳代後半の賃金水準を引き下げ、30歳代以下のそれを引き上げる、という、年齢・賃金カーブの修正を考えていることが明らかになっています。こうした制度的変更のマグニチュードによっては、ベアの効果が減殺される可能性がある。

より具体的に言えば、40歳代後半以降の働き手の一部には、ベア率が上昇したにもかかわらず、年齢給の見直しによって実際の手取り給与は下がってしまうという例が出てくるリスクがあります。

労働生産性との見合いで考えた場合、40歳代後半以降の給与が高過ぎ、逆に20〜30歳代の給与は低過ぎるという見方があります。この見方はおおむね妥当でしょうが、40歳代後半以降の従業員の賃金を大きく引き下げた場合、仮に若年の給与をある程度引き上げても、全体の人件費が下がる可能性があります。全雇用者の中で、50歳代後半以降の人のシェアは既に3割にも達しているからです。

いずれにせよ、現状では、ベア率上昇とは別に、その他の雇用・賃金関連の動向を注意深く見守る必要があるのです。

──昨年は、企業が雇用を増やし過ぎたうえ、労働時間の削減も不十分であったため、労働生産性の低下を招いたということですが、なぜそうなったのでしょうか。

やはり、企業が景気に楽観的に過ぎたからではないかと思います。要するに、「消費税増税による落ち込みはさほど深くない」あるいは「一時的なものですぐに景気は回復する」という見方を信じたということでしょう。しかし、ふたを開けてみれば、4〜6月期のGDPはがくんと落ち、7〜9月期も上がらなかった。

現状でも、「景気は今年は大きくリバウンドする」という期待が強いので、雇用関連指標はあまり調整していません。企業の期待通りにならなかった場合、雇用調整が本格化する可能性があります。実際には、多くの企業は、この1〜3月期、4〜6月期の景気を見て判断すると思われます。年後半に雇用が失速する、パートタイム比率が急上昇する、といった事態になるのではないでしょうか。

なお、労働需給のミスマッチによって企業が人を採れない状況と、景気回復によって雇用環境が改善するという状況がやや混同されている感もあります。人手不足は、労働の供給サイドの側により大きな問題があるのですが、景気が良く、労働需要が強いという見方もかなりあります。

食品価格の上昇で消費が減退
政府・日銀の見通しは甘い

──政府や日銀のシナリオとしては、雇用が改善し、賃金が上がり、経済が好循環に入るという想定になっています。そうはならない、ということでしょうか。

家計所得の伸びが全体としてどうなるか、また、所得が伸びたとしても、それが消費にどう影響するか、といったことを総合的に勘案しなければなりません。労働時間の減少や雇用の伸びの鈍化が家計所得の伸びを抑制することは既に指摘しましたが、その点に加えて、消費の伸びに関しても、心配すべき点があります。

今年については、消費税増税が先送りされたこともあって物価が下がり、昨年の “コストプッシュ・インフレ”がなくなるので、実質所得が改善し、消費も回復する、という単純なストーリーがあると思うのですが、少々甘いのではないかと思います。

多くの国民は“コストプッシュ・インフレ”の中で、ある程度消費を抑えてはきたのですが、十分に抑え切れていなかった部分があります。つまり、後ろ向きな貯蓄取り崩しが行われてしまった。ですから、今年は家計の貯蓄性向が上がる可能性が高い。また、食料品価格の上昇が消費者を生活防衛に走らせ、それが結果的に貯蓄を押し上げてしまう可能性があります。この点は、我々が行った統計的分析からも裏づけが取れています。

エネルギーは消費に占めるウェイトが相対的に小さく、8%程度しかない。エネルギー価格が下がっても、その消費刺激効果はさほど大きくありません。対して、食品のウェイトは2割を超えます。食品価格が上がってくると、家計は支出負担の増加を強く感じ、他のものの消費を抑えてしまうのです。

また、先述の、年齢・賃金カーブの変化が影響する可能性もあります。40歳代後半以降の人たちでは所得が減るという予想が強まり、消費する気持ちは落ちてくる可能性がある。20歳代・30歳代の人たちは所得がより上がるので、センチメントが改善するかもしれませんが、自分の将来の所得環境が悪化することを気にすれば、消費性向は上がらない。

──実質賃金がプラスになっても、そうした状況は変わらないのでしょうか。

4月を過ぎれば消費税増税の影響が消え、インフレ率がガクンと下がりますから、実質賃金の“伸び率”はプラスに転じると思います。しかし、“水準”でみれば、実質賃金は下がったままです。物価よりも所得が上がる方が明確に速い、将来にわたってずっとそうなる、ということにならなければ、変わらないでしょう。

──賃金がもっと明確かつ持続的に上がっていくには、何が必要でしょうか。

持続的に賃金が上がる可能性は2つあります。

1つは、日本の競争力が上がるということです。これは交易条件が改善するということに置き換えることもできます。

ただ、たまたま原油価格が下落することによる交易条件の改善を想定しているわけではありません。原油価格が下がった場合、全世界的に生産コストが下がりますから、全世界的に製品価格は下がっていくはずです。そうなると、時間差をおいて日本の輸出品の価格も下がる可能性が高い。そうなれば、交易条件は再び悪化する。

ここで言う競争力向上は、日本が作る製品の値段だけが下がらない、あるいは値段が高くても日本製品が売れるという状況です。そうなれば、賃金が上がります。

楽観的に考えれば、最近の日本企業は、円安になってもドル建ての輸出価格を下げなかった。値下げして販売数量を拡大しようとせず、値段をキープしてクオリティで勝負した感がある。これはポジティブに評価できます。ただ、これが一過性のものなのか、日本企業が復活しつつあるのかは、まだ判断できません。

むしろ期待できるのは、サービス業ではないかと思っています。海外に出て行く企業が、製造業からサービス業にシフトしつつありますが、日本のサービスの質の高さを考えれば、価格引き上げは意外に容易かもしれません。運輸や不動産、旅行業もそうですが、こうした産業にはかなりの国際競争力があるとみられます。サービス輸出で交易条件が改善し、賃金が上がっていく可能性があります。

雇用者数が減らなければ
1人当たり賃金は上がりにくい

もう1つは、マクロ的に労働生産性が上がることです。これは結局、雇用者数は減るが、働いている人の1人当たり賃金は増え続ける、ということです。

ただ、労働生産性が持続的に上昇するシナリオは簡単には視野に入りません。第1に、過剰雇用状態にあるとみられる一般事務職の従業者は、継続的なリストラの下で削減される必要がある。もっと効率的な労働の使われ方が達成されない限り、生産性も上がらないし、1人当たり賃金も上がらない。しかし、日本では、生産性向上を目指した積極的な雇用削減は行われにくいし、自然減なら時間がかかる。

逆に、人手の足らないサービス業や建設業では、方向性としては、機械化によって人手を機械設備で代替していく必要がある。売上というパイには限界がありますから、それが大きく伸びない限り、1人当たり賃金は上げにくい。機械化によって売上を維持しつつ、人員を削減し、労働生産性を上げられれば、1人当たり賃金は上がる。しかし、残念ながら、小規模サービス業には、機械投資の負担が重すぎ、生産性を上げることはなかなか困難ではないかとみられます。

──「企業は労働分配率を上げるべきだ」という議論もありますが、実際には労働分配率は低くないと指摘されています。

利益対比で見た労働分配率は下がってきているのですが、その利益は、設備投資をせずに減価償却費が落ちているとか、販管費も削っているとか、財務リストラで金融収支が改善しているなどの効果が大きい。つまり、リストラの“配当”で利益が伸びている。他方、売上高比でみた人件費の比率は、実はさほど下っていない。

労働分配率を上げろという議論は、設備投資していない分、利益が出ているのだから従業員に還元しなさいということであって、それはつまり、長い目でみて機械を使わずに人を使え、と言っているのと同じです。そこには、労働と資本のベストの組み合わせはどうあるべきか、という発想が欠けています。

しかし、企業としては、一定の貯蓄を保有する必要がある。老朽化した設備の更新や、M&Aなど、将来の成長のために投資しなければならないし、また、長期的な展望に立てば、生産年齢人口が加速度的に減少して労働力が逼迫するわけだから、結局は、思い切った機械化を実施せざるを得なくなる可能性もある。企業は現時点での労働分配率や利益水準だけをみて、人件費を増やすわけにはいかないのです。

さらに、実は、企業の社会保障負担が結構大きい。現在、年間250兆円程度の雇用者報酬総額のうち40兆円程度が社会保険の企業負担分ですが、これが毎年1兆円程度のペースで増えています。

企業は想定外の世界経済ショックに備える必要もあります。企業寄りに聞こえるかもしれませんが、日本の問題点として、簡単には従業員を減らせないということもあります。日本企業は、世界経済で何年かに一度起こるショックに十分うまくは対応できないのです。だから、それなりに資金を貯めておこうとする企業の行動を頭ごなしに批判するわけには行きません。労働者、従業員への分配が少ないとも言いにくいのです。

無理な金融緩和や
“官製賃上げ”は意味が薄い

──そうすると、本来政策的に必要なのは、労働市場の改革や、産業構造の転換ということでしょうか。

そうだと思います。無理に追加金融緩和などを行ってさらに円安にしてみたところであまり意味がないでしょう。現状程度の水準で為替相場を安定させつつ、労働生産性が上がるような産業構造・労働市場改革や、サービス業の海外展開支援などを積極的にやればいい。

「賃上げせよ」と圧力をかけることもほどほどにしておくべきでしょう。従業員に分配しろ、還元しろ、と言っても、個々の企業や産業によって、収益性や生産性の状況は異なるわけで、皆が同じ方向で動けるとは考えにくい。また、既に論じたように、ベア率だけに注目しても仕方ありません。

重要なことは、日本企業により多くの選択肢を提供してあげることです。労働市場の規制緩和などを通じて、個々の企業に生産性向上と1人当たり賃金引き上げのチャンスを与えることが求められています。

政府が賃上げの音頭を取ることは企業の思考回路に刺激を与えるという意味では意義があるかもしれませんが、日本企業の実力を信じ、介入し過ぎることは避けた方がいいように思うのです。

http://diamond.jp/articles/-/69592
転職で幸せになる人、不幸になる人 丸山貴宏
【第12回】 2015年4月6日 丸山貴宏 [株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役]

年収ダウンでも将来大逆転できる正しい転職術
金銭以外の「給与」を見積もって転職活動しているか


あなたには年収が下がってでもやりたい仕事がありますか?
Photo:naka-Fotolia.com
金銭という意味での給与のほかに、「見えない給与」があるのをご存知でしょうか。

先日あった事例です。あるコンサルティングファームに勤め、30代前半で年収900万円を得ている候補者がいました。「年収を下げたくない」と語っていた彼にはすぐ、急成長中のIT企業から年収1100万円という好条件のオファーが出ました。私はすんなりその会社で決まるだろうと思いました。

しかし最終的に彼が選んだのは年収700万円台でオファーがあった、社会貢献活動を支援する仕事でした。全体的な給与水準が前にいた会社より低く、加えてこの候補者にとって未経験の業務も含まれるためオファーはIT企業をはるかに下回る水準でした。

そんな決断をした理由は彼が将来、社会起業家になりたいという希望を持っていたことにありました。年収は下がってもこちらのほうが夢に近付けると考えたわけです。

当初は年収を下げたくなかったこの候補者ですが、金銭的な収入はダウンしても新しい仕事のなかに「見えない給与」を見出したことが決断の決め手になったといえます。IT企業に転職すれば目先の条件はアップしますが、本来望んでいるキャリアの方向性からはそれてしまいます。

ところが社会貢献活動支援の仕事に転職すれば本来やりたい分野で新しいチャレンジができ、仕事のなかで人的ネットワークを広げていくことも可能で、「社会起業家になる」というゴールに向けて前進できる。この候補者にとってそれは年収ダウンの金額を補って余りある「見えない給与」だったのです。

東日本大震災をきっかけに
変化した転職希望者の傾向

最近の目立った転職者の傾向として、「年収アップよりやりたいことを選ぶ」人の増加が挙げられます。

ほんの数年前まではほとんどの候補者が「将来はこんな仕事をやりたい」と口にしていても、実際には仕事の内容で選ぶというより、より年収の高いオファーを出す会社に転職する傾向がありました。

「十中八九はオファー金額の水準がものをいう」と私は感じていましたが、それが最近はだいぶ様子が変わってきました。この変化は明らかに、東北大震災をきっかけに起きています。

「人はいつ死ぬかわからないし、将来なにが起こるかもわからない。だったらお金も大事だけれど、自分がやりたいと思うことを素直に一生懸命やろう」

そう考える人が増えているのを実感します。ただし、依然として年収アップが転職希望者の動機付けとして有効なことは言うまでもありません。

「見えない給与」が増えれば
年収は下がる

新しい職場に用意されている「見えない給与」がいくらに見えるかは人それぞれで、転職に何を望んでいるかによって変わります。社会起業家を目指す人にとっては数百万円の価値があっても、目指していない人にとってはゼロかもしれません。

転職で年収アップをあくまで追求するのか、それとも年収がある程度下がっても「見えない給与」を求めるのか。これはいま自分が持っている能力や経験をそのまま発揮できる度合いの高い転職先を選ぶのか、それとも経験のない新しいことに挑戦する機会が多い転職先を選ぶのか、ということでもあります。

私がいつもお伝えしていることですが、いま自分の持っている能力や経験を発揮できる度合いが高ければ高いほど、転職で年収はアップします。しかし自分の能力や経験が半分くらいしか使えない、すなわち半分は新しいことを一から学ばなければいけない異業種への転職やキャリアチェンジの要素が入る転職の場合、年収は下がります。パフォーマンスが下がるのだから当たり前ですね。

ところが、キャリアチェンジ転職なのに「年収アップは譲れない」と言い出す候補者を見かけることがあります。そういう人には「今回はキャリアチェンジ転職で未経験の業務がたくさんあるため、給与は下がる可能性が高いと思います。その上でやりたいと思える仕事かどうか、ちゃんと考えてみてください」とお伝えしています。

別の言い方をすると、やりたいことを目指すためにキャリアチェンジ転職をする場合は、金銭的な収入面の変化と、転職先で得られる新しい経験やチャレンジの機会という「見えない給与」を見積り、トータルで判断する必要があるということです。  

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コメント
 
01. 2015年4月06日 01:27:40 : jXbiWWJBCA

>従業員に分配しろ、還元しろ、と言っても、個々の企業や産業によって、収益性や生産性の状況は異なる

ソニーやシャープに限らず、ブランドに頼り過ぎ

見栄を貼ると、ろくなことはない


http://diamond.jp/articles/-/69593

今週のキーワード 真壁昭夫
【第373回】 2015年4月6日 真壁昭夫 [信州大学教授]
シャープの過ちと日の丸電機メーカーが生き残る道
液晶世界一から一転、経営危機へ
正念場を迎えるシャープ


シャープは生き残りの正念場にある。写真は同社の危機の一因となった境工場
Photo:Takahisa Suzuki
経営状況の悪化が続くシャープは、今年3月期の決算でも2500億円を超える赤字を計上する見込みだ。それに伴い、主力取引金融機関であるみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行に金融支援を要請する。

同社は、業績不振から2012年、13年と合計9000億円を超える損失を計上した。その後、賃金の引き下げや主力金融機関の金融支援もあり、2014年にいったん、黒字決算にこぎつけるまでに回復した。

しかし、その後主力事業の液晶やテレビ事業の世界的な競争激化や、不振事業の抜本的なリストラ策の実施が遅れたことなどから今回の大幅赤字計上に追い込まれた。同社は、全従業員の10%を超える3000人規模の希望退職者を募集するなど一段のリストラ策を実施する方針だ。

元々、シャープは2012年に台湾の有力メーカーである鴻海から、経営支援を受ける提携の合意を取り付けていた。ところが、その後の同社株価の大幅な下落により、提携合意が宙に浮いた状況になっている。

要請を受けた主力2行は、抜本的な改革案を含むかなり厳しい条件を付けつけるものとみられる。一時、液晶分野で世界市場を席巻する勢いを見せたシャープが、本当に生き残れるかどうか、正念場を迎えたことは間違いない。

凋落の背景にある
リスク管理の欠如

シャープは液晶の分野で高い技術力を誇り、その液晶を使った薄型テレビ“亀山モデル”によって世界市場で高いシェアを握った時期があった。当時の経営陣は、世界中のテレビをすべて同社の液晶モデルにしてしまうと豪語したこともあったほどだ。

しかし、2008年のリーマンショックをきっかけに、得意とする大型の液晶を搭載したテレビが不振に陥った。その後、韓国のサムスンやLG、さらには台湾メーカーの技術水準が著しく向上し、ライバル企業との競争は熾烈さを増すことになる。

それに加えて、堺工場などの大規模な投資の償却負担が、徐々に収益状況を圧迫し次第に収益状況が悪化し始める。もう一つ無視できないポイントは、同社の戦略があまりに液晶やテレビ、太陽電池などの分野に偏っていたことだ。

リーマンショック以前の状況を振り返ると、それらの分野はいずれも重要な製品群であり、しかも成長性の高い分野と目されていた。シャープの経営陣が、当該分野に注力すること自体に大きな誤りはない。

問題は、リーマンショックのような予想外のことが発生した場合、企業として受ける損失と、それに迅速に対応する手だてが明確になっていなかったことだ。それがリスク管理であり、経営者が担うべき最も大切な機能の一つだ。

人間はどうしても、「現在の状況はこれからも続く」と考えがちだ。しかし、われわれが生きていく間には色々なことが起きる。時には、思ってもみないことが起きるのである。予想外のことが起きると、当然のことながら、企業を取り囲む経営環境は大きく変化する。

そうした変化が起きてもいいように、企業経営者は、常に「今の状況が変わるかもしれない」という意識を持って、それに対応する手だてを事前に考えておく必要がある。シャープの経営危機の大元を辿ると、経営者のリスク管理に行き着く気がする。

わが国の電機メーカーに
欠けていた世界戦略

企業が長い期間にわたって生き残るために、リスク管理と並んで必要なファクターは明確な企業戦略を持つことだ。従来から経済専門家の間では、「わが国の電機メーカーは国内市場を重視するあまり、世界市場を目指した戦略が欠けている」と指摘されることが多かった。

わが国は1億人を超える規模の市場であるため、国内マーケットで相応のシェアを確保できれば、それなりの収益を確保することができた。そのため、有力な電機メーカー8社がそれなりの利益を上げて共存する状況が続いてきた。

ところが、経済のグローバル化の進展によって、世界の有力企業=グローバルメジャーがそれぞれの国の市場に参入して、当該国の企業を駆逐する現象が顕在化しつつある。一つの例は、スマートフォンに代表されるIT機器だ。

電機メーカーは国内の通信企業へ携帯電話を納入し、それを各通信企業が販売する機能を担うわが国独特のシステムの下で業務活動を行った。その結果、スマートフォン分野で、アップルやサムスンなどの有力企業の後塵を拝することになった。

電気製品のデジタル化が進んだこともあり、当該分野で規模の利益=スケールメリットのインパクトが大きくなると、どうしても企業の体力や規模が重要なファクターになってくる。欧米諸国の状況を見ると、M&Aなどの手法によって大企業はさらに大きな企業へと変身し、世界市場で高いシェアを握る傾向が鮮明化している。

わが国の電機業界のように、世界に通用するブランドを持つメーカーが8社共存する状況は、それぞれの企業にとって有利とは言えないだろう。むしろ、企業統合を進めて世界規模の企業として、グローバルメジャーに変身することを標榜すべきだろう。

重電系・通信系は方向性が見えた
問題は弱電系メーカーの生き残る道

わが国には大きく分けて、(1)日立、東芝、三菱電機の重電系メーカー、(2)富士通、NECの通信系メーカー、(3)パナソニック、ソニー、シャープの弱電系メーカーの8社がある。この3グループにはそれぞれ異なる生き残りの道がある。

(1)のグループについては、アジア諸国などの新興国を中心に社会インフラの需要を取り込むビジネスモデルがかなり明確になっている。それぞれが、既に鉄道や発電所、ファクトリーオートメーションなどの分野で実績を上げている。

(2)グループも、一般消費者向けのPCや通信機器などに加えて、事業用・公的な通信施設やそれに関連する機器の需要を取り込んでおり、相応の利益水準を維持できるまでになっている。今後は、(1)グループ同様、新興国中心の通信インフラ等の需要を掴むことができれば、充分に生き残る道を見つけることができるはずだ。

問題は(3)グループ各社だ。現在、リストラの進捗状況や業務範囲などの条件によって、経営状況はそれぞれ異なっている。液晶などに業務を集中したシャープは、競争激化などによって大きな痛手を受け経営悪化に悩んでいる。

ソニーは、イメージセンサー=CMOSなどの分野で圧倒的な優位性を持つ一方、PCやテレビ事業などで抜本的なリストラが遅れ、経営の立て直しはまだ途上といえるだろう。一方、パナソニックはプロダクトポートフォリオが相対的に広かったことに加えて、思い切ったリストラを断行したこともあり、既に1兆円の資金を使って“攻め”に転じる局面に至っている。

そうした違いはあるものの、弱電系メーカーも、最終的にはグローバル市場で相応のシェアを獲得する戦略が必要だ。そのためには、特定の分野で業務提携などの手法で一定の事業規模を持つことが必要になるだろう。

重要なポイントは、企業経営者が、当該企業の強さ・弱さなどを基礎にして明確なビジネスモデルをつくり上げることだ。その場合、しっかりしたリスク管理の意識が必要であることは言うまでもない。

そうして条件を積み重ねて考えると、恐らく、生きる道としては、グローバル市場の中の特定の分野について、それぞれ国や地域など特定のマーケットが要求するプロダクトを迅速に提供するメーカーに変身することが必要になるだろう。

インドネシアであればインドネシア、フィリピンであればフィリピンの人達が欲しがる製品を作って供給する、いわゆるグローバルニッチの積み重ねの戦略を実行できる企業になることが求められる。


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