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苛烈な金利競争でメガバンクに迫る危機 生保や証券にも迫られるビジネスモデル転換(東洋経済)
http://www.asyura2.com/15/hasan95/msg/323.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 4 月 13 日 13:01:05: igsppGRN/E9PQ
 

苛烈な金利競争でメガバンクに迫る危機 生保や証券にも迫られるビジネスモデル転換
http://toyokeizai.net/articles/-/66075
2015年04月13日 福田 淳 :東洋経済 編集局記者 


銀行、保険、証券・・・金融業がビジネスモデルの転換を迫られている。

背景にあるのは、長引く超低金利だ。スイスでは、短期のみならず10年物の国債までもマイナス金利になるなど、世界的に金利が異常なほど低下している。日本でも、1月下旬に10年債利回りが過去最低となる0.195%を記録している。

こうした市場金利の低下は、銀行にとって思いっきり逆風だ。銀行は「預金を預かり、カネを貸し出し、それに伴う利ザヤを稼ぐ」というのが基本的なビジネスモデル。貸し出す際の金利は、市場金利が重要な指標となる。

■3メガのうち2行の総資金利ザヤがマイナス

日本銀行調べによる国内銀行の新規貸出約定平均金利は、直近ピーク(2007年7月)の1.826%から低下傾向が続き、2015年2月には0.805%まで低下している。メガバンク3行のうち三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行の2行の2014年9月中間期の総資金利ザヤ(資金運用利回りから資金調達原価を引いたもの、国内業務部門)は、そろってマイナスだった。

総資金利ザヤは、M&A仲介や投資信託販売などの収益は含めない一方、それらの経費は含めるため、これらの業務を幅広く展開している銀行は、低く算出されがちな傾向はある。しかし、資金収益は銀行の基本。それがマイナスになっていることは、3月末まで全国銀行協会会長を務めていた平野信行三菱東京UFJ銀行頭取も「大変危機的な事態ととらえている」と認識する。

だが、貸出金利が低下している最大の理由は、金融機関同士の競合だ。メガバンクの法人融資担当の幹部は言う。「金利競争がものすごく過熱している。行き過ぎている。将来に禍根を残すのではないかというぐらいの気持ちを持っている」。

国内銀行の預金は合計で650兆円超。これに対し貸出金は約450兆円。2000年ごろまでは、貸出金のほうが預金よりも多かったが、今では預金が貸出金を200兆円以上も上回る。銀行は貸し出し先探しに必死だ。

メガバンクや地方銀行などは通常、TIBOR(東京銀行間取引金利)などの基準金利に、企業の信用力に応じてスプレッド(上乗せ金利。信用力の高い企業ほど低い)を加えて融資する。しかし、貸し出し先に困った地銀が東京に攻め込み、金利で勝負をかけてきている。結果、スプレッドが潰れ、メガバンクの提示する金利を地銀が下回るケースが頻発している。

地銀による攻勢は、東京の信用金庫にも大きな影響を及ぼしている。「年商数億円ぐらいの少し大きめの中小企業に、大口定期預金かと思うような低い貸出金利を提示して、地銀がとりにきている。ウチも泣く泣く、同じぐらい低い貸出金利に下げて、取引を継続してもらっている」と東京北部の信金幹部は嘆く。

4月9日、全国銀行協会は3月末の116行計の貸出金を発表した。457兆7540億円。前年同月比で2.4%増だ。これで43カ月連続で貸出残高は前年同月を上回った。だが、「金利競争が和らぐには、2〜3%程度の増加幅ではとうてい足りない。貸出金利はしばらくの間、上向くことはないだろう」(別のメガバンクの法人融資担当幹部)。2015年度も貸出金利をめぐる苛烈な競争は続き、銀行は苦戦を強いられることになるだろう。

■生保や証券会社にも大きな打撃

金利低下は、生命保険会社の経営も脅かす。保険契約者に約束した予定利率に見合う運用利回りが確保しにくくなっているためだ。昨年1月、住友生命が一時払い養老保険や個人年金保険の販売を取りやめたことを皮切りに、昨年10月には第一生命とソニー生命が一時払い養老で、明治安田が一時払い個人年金で追随した。今年に入ってからは、日本生命が一時払い終身保険の予定利率を引き下げ、保険料を値上げした。

証券会社もビジネスモデルの転換を迫られている。3年ほど前、金融庁から投資信託の回転売買について「待った」をかけられた。回転売買とは、「前月に販売した商品を顧客に売却させ、今月新規に売り出す新商品に乗り換えさせて、手数料を稼ぐ」と長年批判の強かった証券セールスの手法である。

回転売買をやめたという中堅証券もあるが、仕組み債や外債といった「値ザヤ」(証券会社の仕入れ値と顧客への売値との間の差)の大きい商品の販売で収益を確保しているところも少なくない。これでは手数料荒稼ぎの回転売買が、値ザヤ取りビジネスに取って代わっただけだ。証券会社はより抜本的な変化を求められている。

銀行、生保、証券。金融の主力3業態が、閉塞状況から脱しようと、新たなビジネスモデル確立に向けて七転八倒している。

 

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コメント
 
01. 2015年4月13日 15:45:59 : bfiJIUelwU
今日の経済学の最大のテーマである「経済と経済学の大転換」について簡単に説明しよう。

日銀の国債購入により、すべての日本国債を現金化しても、税負担はデフレを加速する。デフレは進行し、長期金利はゼロに限りなく収束する。借金財政の行き着くところはゼロ金利とデフレだ。

このような現象は貨幣経済の当然の帰結なのだ。なぜなら、民間の不良債権は増えていて、その不良債権を国債が肩代わりしていたからだ。いずれにしても国債は揮発することになる。不良債権処理こそデフレの真因なのだ。

このような貨幣の発生と消滅の原理にしたがって実体経済が変動することで貨幣経済は正常に機能するので、日銀と政府がどうあがこうと不良債権処理にともなうデフレは必ず起こる。成長戦略は現実の経済の流れに逆らうのではなく、この流れを利用することなのだ。

したがって、借金を国外に依存していない日本では、中央銀行の量的緩和の貫徹と完結は財政再建に極めて有効である。


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