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経営トップの「ごぼう抜き人事」が広がる理由(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/15/hasan95/msg/436.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 4 月 17 日 00:28:25: igsppGRN/E9PQ
 

経営トップの「ごぼう抜き人事」が広がる理由
http://www.dhbr.net/articles/-/3235
2015年04月17日 ロザリンデ・トーレス  ボストン コンサルティング グループ(BCG)ニューヨーク・オフィスのシニアパートナー ダイヤモンド・オンライン


経営トップのごぼう抜き人事がしばしば話題となる。ホンダや三井物産といった国内での最近の例のみならず、この「リープフロッグ」(飛び級昇進)は海外でも顕著になりつつあるという。その背景をBCGの専門家が分析する。

 企業の取締役会は昨今、新たなCEOの選定にあたり、最高責任者レベルではなく比較的経験の浅いリーダーを抜擢する傾向を見せている。

 長年にわたり優れた経営者の特質であった、知力、人格、バイタリティなどは変わらず重視されている。しかし現在さらに求められているのは、今日の予測不能な環境において重要なシグナルを読み取り、それに難なく対応できるCEOだ。これは候補者の経験不足を補って余りある能力だと取締役たちは考えている。既存の経営幹部らは往々にして、社内の問題にばかり目を向け、馴染み親しんでいる分野に投資したがり大胆なリスクは取らない。

 我々ボストン コンサルティング グループは、調査およびクライアントとの仕事を通して、この「トップ人事のリープフロッグ現象」(飛び級昇進)を観察してきた。私と同僚たちは数百に及ぶニュースリリースやウェブサイトに目を通し、リーダーシップの専門家多数に話を聞いたほか、S&P500企業とS&Pグローバル100企業における過去5年間のCEOの交代・継承を分析した。一連の調査から、この新たな傾向の特徴が見えてきた。

 CEOへの飛び級昇進が最も顕著な業界は、小売り、テクノロジー、メディア、電気通信などだ。どれも破壊的なビジネスモデルと新たな競争相手の影響をことさら受ける産業である。近年の例を挙げれば、ヤフーのマリッサ・メイヤー、グーグルのラリー・ペイジ、バーガーキングのダニエル・シュワルツ、マイクロソフトのサトヤ・ナデラ、ペットスマートのデイビッド・レンハート、ゲームストップのJ・ポール・レインズなどがいる。

 この種のCEOの多くは30代か40代で指名されているが、ここでの飛び級は若さよりも昇進の速さに特徴がある。ゼネラルモーターズのメアリー・バーラや、エトナのマーク・ベルトリーニは50代でCEOに就任したが、ともに自社の典型的な出世のスピードより速くトップになっている。

 いまや取締役会は、企業内の深くまで目を光らせ理想的な経営人材を探している。まったく新しいテクノロジーとデジタルメディアを歓迎する者。イノベーションの実績がある者。発展途上国、新興国、フロンティア市場を舞台に、多様な文化にまたがってリーダーシップを発揮できる、自信に満ちた地球市民。顧客層の変化を鋭敏に把握できる者。そしてアダプティブな(適応力の高い)リーダーの特長――並外れた好奇心、開かれた精神、行動する勇気など――を備えた者。

 これらは飛び級リーダーの特長の一部である。彼らは時流をとらえ、自社に眠っている能力を掘り出して活用できる見込みが高い。既得権や旧来の慣行を守りたい人々による手ごわい反発に直面することも多いだろう。だが自社の文化的規範を十分に理解しており、事業の継続性に影響しない範囲でそうした反発を無視できる。

 CEOを飛び級で指名する理由はさまざまであるが、総合的に判断すると、その背景には大きく2通りのシナリオがあると思われる。

 第1に考えられるのは、優秀で信頼のおける現CEOに対し、取締役会が予定より長くその任に居続けるよう説得する場合である。引き続き優れた統率力を発揮し、組織の発展を維持し、来たる嵐を切り抜けてほしいからだ。しかしそのCEOがついに職を退く頃、ビジネス環境はさらに複雑で不安定になっている。会社には路線の転換と、新しいタイプのリーダーが必要だと取締役会は考える。より現状に適した経験と未来志向の持ち主だ。したがって「苔が生えた」現在の上級幹部たちは対象外とされ、より経験の浅い者が抜擢される。

 第2のシナリオは、CEOの任期満了による退任が混乱期と重なる場合である。会社の前途には破壊的な変化や混乱を招く要因が待ち構えている。新たな規制圧力、業界再編、複雑な新興テクノロジー、あるいは消費者行動の変化などだ。取締役会は対応策として、こうした要因を理解できるリーダーを探す。だが、上級幹部たちは往々にして退任するCEOと同じ世界観を持ち、業界に広がる変化に疎いこともすでにわかっているため、取締役会はもっと低い階層のリーダーに目を向ける。

 要約すれば、1つ目の状況では現職のCEOの在任が長すぎるために、一階層下の幹部たちが、先を見越す視点を持ち合わせていない。2つ目の状況では、CEOの継承が会社の危機的な時期と重なり、業界や関連技術の激変を現場で直接経験したリーダーが必要とされている。

 CEOの抜擢人事が多く見られるのは、偶然の一致なのか、一時的なものか、それとも本格的なトレンドなのか――その判断を下すにはまだ時期尚早だ。しかしはっきりしていることもある。新任CEOの成功を助けるため、そして社内でCEO候補者の層を広げるために、取締役会と企業が講じられる策はたくさんあるということだ。

 取締役陣は、新たなリーダーの移行・育成期間を通じて、関与し続けることが求められる。比較的下位の幹部のCEO抜擢を検討しているのなら、その候補者をまずは社長やCFO(最高財務責任者)、COO(最高執行責任者)などに任命し、適性を試すとともに上級幹部としての経験を積ませるとよい。候補者を取締役会の一員とすることで、他のメンバーたちとの交流経験を積ませることができる。また、候補者に全社的な重要施策の推進を任せることで、さまざまな部門のリーダーたちを動かす機会を与えられる。

 飛び級リーダーがCEOに就任した後も、取締役陣には引き続きその成功を支えるためにできることがある。初年度は、CEOと取締役会議長の役割を分離し、別の人間に議長として投資家たちに対応してもらうとよい。そうすれば新任CEOは会社の牽引に専念できる。CEO就任に向けた明確な移行プロセスと、初年度の計画を設けておくことも、新CEOが好スタートを切る一助となるだろう。

 上級幹部のなかには、下の階層の候補者が自分を飛び越してトップとなったことに落胆する人もいるかもしれない。会社を去る人が出る可能性も想定に入れ、後任の指名や利害関係者への働きかけなどの緊急時対応策を用意しておくべきである。同時に、追い越された幹部陣に対しては、責任の範囲を拡大し、経験を広げる機会を提供することで、モチベーションを持続させるよう働きかけるとよい。

 社内におけるCEO候補者の層を広げるためには、取締役会は後継者選定プロセスを再検討すべきである。経営トップに(CEOのみならず上級幹部についても)求められる能力を改めて吟味し、有望な候補者をキャリアの早いうちに見出すのだ。数名の上級幹部を異動させて若い有望人材を後任に就かせ、必要な経験を積ませるのも賢明だろう。

 何より重要なこととして、抜擢によるCEO任命は必ず正当な理由の下で行われるべきだ。飛び級は消去法による「最悪よりはマシな」選択肢であってはならない。取締役会は、将来の自社の舵取りに関する多様なシナリオをふまえた経営者育成計画を練っておく必要がある。そうすれば候補者の幅が広がり、自社の戦略課題に最も見合った後継者を選べる。先見の明がある会社は、先頭に立てる人材を早い段階で見出し、トップとして成功できるよう育成している。飛び級CEOの任命は計画的な戦略の結果であるべきで、決死の策であってはならない。

原注:本記事の作成に貢献してくれたBCGの同僚、ゲリー・ハンセル、ケイ・フォスター、デイビッド・バロンに謝意を表したい。

HBR.ORG原文:The Rise of the Not-So-Experienced CEO December 26, 2014


 

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コメント
 
01. 2015年4月17日 20:53:10 : PHkuSka9vI
世に向けて 受けを狙った ごぼう抜き

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