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なぜダメ上司がはびこるのか―HBR歴代論文が示す上司部下関係
http://www.asyura2.com/15/hasan95/msg/643.html
投稿者 rei 日時 2015 年 4 月 24 日 08:39:01: tW6yLih8JvEfw
 

http://www.dhbr.net/articles/-/3246 


なぜダメ上司がはびこるのか―HBR歴代論文が示す上司部下関係
2015年04月24日
アンドレア・オバンズ  ハーバード・ビジネス・レビューのシニア・エディター
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1969年に刊行された『ピーターの法則』によれば、「組織において人はおのおのその無能レベルまで昇進する。したがって組織はいつか無能な人々の集団となる」という。HBRではこの考え方、および悪い上司という問題はどう論じられてきたのか。代表的な論文でその変遷を振り返る。

マネジャーが常に完璧だったら、マネジメント誌など存在しない。ゆえに、ハーバード・ビジネス・レビューが長きにわたり次の問題を探求し続けてきたのも不思議ではない。マネジャーはなぜ無能なのか。その責任を負い対処すべきは、当人なのか部下なのか――。 
この問題を最も鋭く指摘したのは、1969年に刊行された辛口の風刺本『 ピーターの法則』(原題The Peter Principle、邦訳は2003年ダイヤモンド社)だろう。同書は真面目なビジネス研究の形を取りながら、すべて架空の事例を使って、マネジャーが無能である根本的原因を発見したと主張している。組織において人は皆その無能レベルまで昇進し、そこでストップする。そのため、時を経て人々が昇進を繰り返していくうちに、やがて組織内のあらゆるポストはその遂行能力がない人材で埋め尽くされるという理論だ。人々の共感を集めた同書はニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストに1年以上載り続け、刊行から45年経った現在でも版を重ねている。
当時のHBRは同書を無視せず真剣に捉え、2本の真面目な論文を掲載してこれに応えた。両方とも法則の前提を認める内容だ。 
1本目の論文は1973年の"A Postscript to the Peter Principle"(ピーターの法則への追記)で、一部のマネジャー――特に女性とマイノリティ――はこの法則に含まれないとしている。これらの人々は能力があっても、無能レベルに達するほど昇進の機会に恵まれないからだという。2本目の論文、1976年の"The Real Peter Principle: Promotion to Pain"(ピーターの法則の真実:苦痛への昇進)によれば、マネジャーが行き着くのは実際には、無能となるのが不可避なレベルまでではない。不安や苦しみのレベルが、成功への野心や欲求を上回るまで昇進するのだという。 
これら2本の論考は、当時のHBRの視点と一致していた。つまりマネジメントの改善において、マネジャー自体に焦点を当てるというものだ。本誌がその後、「部下」の視点から無能なマネジメントの問題を取り上げたのは1979年、『ピーターの法則』の刊行から10年後のことだった。 
すべてのマネジャーは誰かの部下でもあるのだから、これほど長くかかったのは不思議に思える。ケース・ウェスタン・リザーブ大学の経営学教授エリック・ニールセンと、当時の博士号候補者ジャン・ガイペンは" The Subordinate's Predicaments"(部下の苦しみ)という論考でこの点を明確に示した。その調査によると、ほとんどのマネジャーは悪い上司の下に就いた場合、できるだけ早く部下の役割を脱し、みずからのリーダーシップを磨いて有能な上司になることで問題に対処しようとするという。自分の(または他人の)無能を克服することを学ぶのだというこの考え方は、ピーターの法則とは反対のように思える。

しかしこの時点でも、組織とは無能な上司がはびこる場所で、部下は極めて危険な環境にいるのだという認識は変わっていない。ニールセンとガイペンの主張によれば、部下は上司に接する際に、6つの問いを絶えず自問しながら被害を切り抜けようとしている。@上司は自分の幸福を思ってくれているか。それとも自分を競争相手と見なし、つぶそうとしているのか。A自分は上司の意向に沿った仕事ができているか。それとも上司の真意を掴みかねているのか。B自分がもし改善のための提案をしたら、上司は自分を評価してくれるのか、それとも罰するのか。C自分は今の仕事において有能か。D上司を見習いたいか、それとも反面教師として距離を置きたいのか。E上司との関係は親密であるべきか、それとも仕事上のドライな関係であるべきか。 
これらの判断を誤ると悲惨な結果を招きかねず、部下は自己防衛のために多大なエネルギーを費やしているという。とても身につまされる分析だ。キャリアにおいて、こうしたことを考えずに済む人はいないだろう。では、どうすればいいのか。まず大事なのは、上司と部下との間に緊張関係があるという事実を認めることだという。しかし、従来の経営思想家やマネジャーと同じように、ニールセンとガイペンも「上司がどうすべきか」という観点から解決策を提示している。なぜなら、より大きな影響力を持ち実行できるのは上司だからだ。 
こうした流れの中、翌年に「部下にもできることがある」と初めて提えたのが、ハーバード・ビジネススクール教授のジョン・ガバロと若き准教授ジョン・コッターだ。2人の考え方はその後長く支持されることになる。1980年に発表された論文" Managing Your Boss"(邦訳「上司をマネジメントする」)は、1988年、1995年、2005年の再掲でも色褪せず有益であり続け、今もなお一読に値する。
無能なマネジメントという問題を解決するにあたり、最終的に物事を変える力を持っているのは上司の側であるという点については、この2人も同様だ。ただし、上司と部下の関係性が本質的に敵対的だという前提は受け継いでいない。両者の関係は善意のうえに成り立ち、上司が部下を助けやすくなるよう、部下のほうからも働きかける責任があると主張する。そのために部下はまず、上司の目標、強みや弱み、組織内でどんなプレッシャーを受けているか、などを理解しなければならない。そして上司の好む仕事のやり方に、自分を合わせる必要があるという。たとえば、情報は書面で受け取りたいのか、正式な会議で知りたいのか。衝突を歓迎するタイプなのか、最小限に抑えたいのか。 
賢い部下は、上司が必要な知識をすべて持ち合わせているわけではないと心得ている。したがって、何を期待されているか明確でない場合は、部下のほうからそのことをはっきり伝える必要がある。そして上司に常に情報を提供し、責務を忠実に全うし、必要に応じて助力を仰ぐのは、部下の仕事だ。「部下が上司に日頃提供している情報は不十分であったり、部下が上司の知識を過大評価したりするのは、珍しいことではない」と、ガバロとコッターは戒める。 
その後HBRでは、問題のある上司はまったくの無能ではなく、特定の部分で非常に有能であるために欠点が見過ごされている、という議論が始まった。その代表が、マイケル・マコビーによる" Narcissistic Leaders: The Incredible Pros, the Inevitable Cons"(邦訳「ナルシスティック・リーダー」)である(個性と自己愛の強いリーダーは、情熱と大胆さを必要としている企業にとっては望ましくもあるが、時に危険にもなる)。また、この現象のプラス面を詳しく掘り下げた"Making Yourself Indispensable"(邦訳「リーダーシップ・コンピテンシー強化法」)は、強みを最大限に伸ばすことで欠点は問題ではなくなるとして、その方法を順を追って説明している。
これらの分析は、ダメ上司がはびこる理由を説明するうえで役に立つ。そして、その埋め合わせをすべきなのは部下であることを示している。というのも、組織は無能な上司を排除することに、必ずしも大きな関心を持たないからだ。ナルシスティックなリーダーに対処するために欠かせない存在について論じたのが、" Toxic Handler: Organizational Hero and Casualty"(邦訳「ヒーリング・リーダー」)である。この論文が焦点を当てるのは、多くの組織に存在する、「会社人生につきものである悲しみや不満、恨み、怒りの受け皿となることをみずから買って出ることで、有害な上司がもたらす被害を修復する人々」だ。
こうした最近の議論の根底には、次の前提がある。「ほとんどの上司は部下でもあり、部下は上司でもあるのだから、みずからの力で上司に影響を及ぼすことができる」ということだ。この点についてはすでに1988年、ロバート・ケリーが" In Praise of Followers"(邦訳「独立型・自立型『フォロアー』の育成」)の中で触れている。ここでは優秀な部下の特性は、優秀な上司の特性とほぼ一致することが示されている。両者とも「自己管理に長けている。組織、目的、原則、周囲の人々に対して強くコミットする。能力を磨き、最大のインパクトを上げることに努力を集中させる。勇気があり、正直で、信頼できる」という。とはいえ、誰もがそうだったら『ピーターの法則』は執筆されなかっただろう。
HBR.ORG原文:Overcoming the Peter Principle December 22, 2014

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アンドレア・オバンズ(Andrea Ovans)
ハーバード・ビジネス・レビューのシニア・エディター
 

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コメント
 
01. 2015年4月24日 08:51:42 : sRyOlHh9Us
加齢と共に活動量と能力が落ちるのは当然であり、増えるのは経験値だけ。

若い時に活躍して昇進しても、能力自体は落ちているので保身を計るしかない。

保身はどのように行うかと言えば、芽を摘むか、実を横取りするかしかない。


02. 2015年4月24日 11:14:37 : yUDqv3T4uU
そうではなく若い者はバカだから上司がバカに見えるだけだ。その上司も若い頃には上司をバカだバカだとコキおろしていたはずだ。例えば会社の中で達成した成果を自分の力で達成したように思っているだろう。だが組織が無ければ成果など出ているわけがない。

農園を持っているわけでもなければ果樹を植えたわけでもなく、ただ果実を収穫する係になっただけなのに、その収穫した果実を自分の能力によって成し遂げた成果だと思いこんでいる。

こうして無経験のガキは全能感で突っ走りたがるものだが、それに任せるほどバカな組織なら経営が続かないからな。組織の中で生きるつもりなら若い者はまず、井戸を掘った者に感謝することをおぼえることだ。話はそれからだ。

それが嫌なら自分で組織を立ち上げるがよい。
できるもんならな。


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