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長期停滞論を巡り論争を繰り広げるサマーズ氏(左)とバーナンキ氏(左)---〔PHOTO〕gettyimages
バーナンキvs.サマーズの大論争正しいのはどっち
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42990
2015年04月26日(日) ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長とサマーズ元米財務長官が、ブログ上で論争を繰り広げて話題になっている。サマーズ氏の唱える「長期停滞論」に、バーナンキ氏が反対の論陣を張っているのだが、果たして正しいのはどっちなのか。
バーナンキ、サマーズ両氏はマクロ経済学の巨頭である。
バーナンキ氏はFRB議長を昨年2月まで2期8年務めて、その間にリーマン・ショックに対応(量的緩和を実施)。結果、米国経済を回復させたと自負している。
一方、サマーズ氏は、バーナンキ氏の後任のFRB議長候補だったが、民主党議員らから反対意見が多かったため、辞退。バーナンキ氏の後任にはイエレン氏が選ばれ、いまもバーナンキ路線を踏襲している。
サマーズ氏は、そんなイエレン氏に対抗する意味で、金融政策の効果を疑問視し、長期停滞論を持ってきたわけだ。
この論争を楽しむには、いささか経済学の知識が必要だ。
まず、現在の世界的な低金利現象について、世界的に「投資」より「貯蓄」が過剰であることが根本原因という点について、両者に意見の違いはない。この過剰貯蓄が「一時的」であるか、「構造的」なものであるかで意見が分かれている。
バーナンキ氏は一時的、サマーズ氏は構造的とみている。経済学の言葉を借りれば、貯蓄と投資を均衡させる実質金利がプラスなのかマイナスなのかという違いになる。
もちろん、バーナンキ氏も、実質金利を一時的にマイナスにできることはよく知っている。量的緩和をして予想インフレ率を高めれば、実質金利は一時的にマイナスになる。その場合、均衡実質金利がプラスであれば、経済は上向きになる。しかし、均衡実質金利がマイナスであると、量的緩和をしてもなかなか経済は上向かない。
つまり、量的緩和で経済を上向きにできるかできないかという点において、両氏の意見の違いが出てきているとみていい。
サマーズ氏は経済学者一家である。父の兄はサミュエルソン氏、母の兄はアロー氏で、ともにノーベル賞経済学賞受賞者。バーナンキ氏はサミュエルソン氏、つまりサマーズ氏の伯父から習ったこともあるという。
そんなバーナンキ氏が「均衡実質金利がマイナスはありえない」と主張。サマーズ氏も負けておらず、20世紀のアメリカでは少なくとも30%の時期において金利はマイナスだったという実証研究を持ち出している。
こうした論争は、現実の世界がどうなるかで決着をつけるしかない。量的緩和で経済が持ち直せばバーナンキ氏の勝ち、そうでなければサマーズ氏の勝ち。サマーズ氏が長期停滞論を言い始めたのは'13年11月だが、その後の経済の動きをみると、ややバーナンキ氏に有利になっているようだ。
長期停滞論は、'38年にハーバード大学の経済学者であるアルビン・ハンセン氏が提唱したことがある。歴史的な事実としては、その後、米国経済は回復し、ハンセン氏は間違っていたというのが定説になった。サマーズ氏も「何よりも自分が間違いであって欲しいところだ」と述べており、やや弱気になっているのではないだろうか。
『週刊現代』2015年5月2日号より
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