消費税は日本人にとっては稀代の悪税。
繰返すが、日本人とっては、だ。

欧州の税制を参考にして、日本でも仕方がないだろうと導入した、読みの甘さと、哲学の無さがその基にある。

その間違いは、日本の歴史を知らぬこと、あるいは軽んじているのが原因。
それは、日本人のルーツへの、敬意そのものを否定した、戦後の流れが生んだものでもあろう。

日本という国は、その連続性が断たれたことが無い、希有な国なのをご存知だろうか。
隣国の大陸に見る如く、王朝が倒れ統治する民族そのものが入れ代わる‥経験が日本は無い。
その遥かな太古まで、連続しているのは納税意識も同じ。ずっと続いて今に至る。
大陸や、欧米の、目まぐるしく変る国とは全く状況が違うことを、この悪税を導入した者達は考えたことが果してあるのだろうか。

日本の税は、それこそ神代に始まる。
早くは「初穂（はつほ）」といい「ちから」ともある。
その祖形は神への感謝であり、神社の賽銭箱とも無関係ではない。
その神代から現代まで、一貫して流れている哲学が、稼いだ一部を捧げる‥だ。
そして、富むもの、贅沢に預かる者から進んで捧げる‥だった。

消費税は、そのいずれにも該当しない。
稼ぎの無い者からむしり取り、貧苦に喘ぐシングルマザーや老人も免除されることが無い。
こういうものを悪平等という。
日本の、少なくとも千数百年にわたり倣うてきた税の哲学を、見事に否定したこの税制。
それがもたらす状況は、この現実をみるまでもなく予想できたものだ。