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小宮一慶:異次元緩和継続のリスクと出口戦略を考える 異次元緩和スタートから2年 日本経済に与えた影響と現状を考える
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投稿者 rei 日時 2015 年 5 月 02 日 09:55:29: tW6yLih8JvEfw
 


小宮一慶:異次元緩和継続のリスクと出口戦略を考える
2015.04.24
 2013年4月4日に異次元の量的金融緩和が発表された当時、日銀の黒田総裁は「2015年3月末までに、マネタリーベースを2倍まで増やす」と言っていました。確かにその発言の通り、マネタリーベース(日銀券と日銀当座預金残高の合計)は急速に増加。しかし、昨年10月に2度目の異次元緩和が打ち出されたことで、さらに増え続けています。私は、この現状に非常に強い危機感を覚えています。日銀はますますリスクを背負い、出口は遠のいていくからです。
 この金融政策によって、国内の経済はどのようになっていくのでしょうか。問題点を探ります。現状は、ある程度の景気の状態を保っていますが、大きなリスクをはらんでいることの認識が必要なのです。
 前回もお話ししましたが、異次元緩和は「戻れぬ賭け」です。ところが、昨年10月に2度目の量的金融緩和となる「黒田バズーカ」を撃ったことで、ますます戻れなくなってしまいました。スタートから2年経った今も、出口は全く見えません。それどころか、緩和の規模を年間80兆円まで増加させることにギアアップしたために、さらに出口は遠のいています。
 米国でも、昨年まで量的金融緩和第3弾(QE3)を続けていました。しかし、ある程度順調に景気が回復してきたことで昨年10月に終了し、マネタリーベースを徐々に減らそうとしています。日銀も同じようにしたいわけですが、今のところその気配はなく、年間80兆円のスピードでマネタリーベースを増やし、その分、市中から主に国債の購入を続けています。
 日銀は、いつマネタリーベースの増加額を縮小していくのか。そして、どこでやめるのか。この点が、非常に大きなポイントになります。

次ページ:異次元緩和はいつまでも続けられる政策ではない
ただ、日本政府は、これからも国債の発行残高を増やさざるを得ません。年々膨らむ社会保障費などを賄うためには、国債の発行が必須だからです。
 ですから、消費増税を行っても、その発行額は幾分かは減少しますが、残高は増え続けるのです。基礎的財政収支(プライマリーバランス)もバランスしません。2020年度を目標としている基礎的財政収支のバランスも現状では困難と言われています。
 基礎的財政収支とは、政府の一般会計予算の中で、国債に関係する部分を除いた収支のことです。具体的には、国債費には「国債の利払い」と「国債の償還」があります。一方、入ってくるお金は「国債を発行することによる収入」です。この双方を除いた収支(つまり、一般的な税収などと一般的な経費)が均衡するかどうかを見るものが、プライマリーバランスです。
 ちなみに、プライマリーバランスをバランスさせても、財政赤字が減るわけではありません。なぜなら、現状10兆円程度の国債等の利払いは続けなければならなく、その分の国債を追加発行しなければならない可能性が高いからです。財政改善のためには、基礎的財政収支をバランスさせることはとても大切なことですが、それは財政再建の一歩に過ぎないということです。先ほども述べたように、今、2020年度までにバランスさせるという目標を掲げていますが、その達成すら難しいと言われています。日本は財政赤字を抱えすぎているのです。
 いずれにしても、日本はこれからも国債発行残高が増え続けていくでしょう。今年度の一般会計予算は96兆3420億円となり、過去最高額を更新しました。このうち、税収で賄えるのは50兆円強しかなく、国債の発行を除けば、あとは資産の切り売りをするしかありません。それも大した額にはなりませんから、やはり国債を増発していかなければならないのです。
 一方、今、異次元緩和によって、日銀が「国債の最大の引き受け手」になってなんとか増加する国債を消化しているわけですが、このような政策はいつまでも続けられるものではありませんし、続けるべきでもありません。
 
次ページ:GPIFの放出国債から異次元緩和縮小の時期を読む
日銀は、いつかは出口を目指さなければなりません。では、具体的にいつから出口を目指すのでしょうか。これは私の希望的観測ですが、日銀は国債を買い入れる量を、1年後くらいには50兆円くらいまで減らすのではないかと思います。
 なぜかといいますと、今、日銀は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がリバランスのために放出している国債も買い入れていますが、それがあと1年ほどのうちには、買い上げる量がなくなってしまうと考えられるからです。
 前回お話ししましたが、GPIFは137兆円の資産のリバランスを行い、株式の運用比率を12%から25%へ引き上げました。一方で、その分の国債を放出し、理論的にはそれを日銀が買い入れているという形になっているのです。
 このやり取りがほぼ終了すると考えられる1年後くらいには、日銀は異次元緩和の縮小を始めるのではないかと期待しています。逆に言えば、市場に出回る国債の量が以前に比べて大幅に減少している中では、国債の買い入れ量を減らさざるを得なくなる可能性が高いのです。これは、日銀が保有する国債の価格変動リスクの観点からも望ましいことです。
 ただ、仮にマネタリーベースの増加量を50兆円まで縮小すると言っても、マネタリーベースを増やし続けること、さらには保有国債の残高が増え続けることには変わりありません。その点を考えますと、できるだけ早急にマネタリーベースの増額を縮小し、終了の目処を立てるべきです。
次ページ:日銀が買い入れた大量の国債の引き受け手は?
 もう一つ考えなければならないのは、日銀が買入れを終えた際に放出されていく国債の引き受け手です。
 もちろん、一部は民間金融機関が引き受けるでしょう。しかし、ここで問題なのは、「銀行の自己資本比率規制(BIS規制)」を考えなければならないことです。
 以前から、バーゼルの銀行監視委員会が、先進国の国債であっても、その一部をリスク資産と見なそうとしています。もしこれが実施されれば、メガバンクは、例えば保有国債額のうち10%の掛け目をかけて、資産として計上しなければならなくなる可能性があるのです。
 これが何を意味するか。もう少し詳しく解説しますと、銀行や企業の安全性を調べるためには、「自己資本比率(純資産÷資産)」という指標を使います。そこでもし、国債保有額の10%を資産に入れなければならなくなりますと、現状は資産への算入がゼロですので、資産額が膨らみ、自己資本比率が低下してしまいます。つまり、国債を保有するほど、自己資本比率が低下する可能性が出てくるのです。
 しかも、日本国債の格付けはそれほど高くありません。シングルAプラスという、上から5番目の格付けです。ですから、リスク資産に計上される際、掛け目が大きくなる可能性もあります。
 こうした流れの中にありますと、日銀が異次元緩和をやめたとき、日銀が大量に抱えた国債を民間金融機関がそのまますべてを引き受けるのは難しいのではないかと思うのです。それも、異次元緩和当初よりも、国債の残高は増加しているのです。
次ページ:出口戦略という点で非常に難しい問題を抱える
では、海外の投資家などに引き受けてもらえばいいのではないかと考える人もいるかもしれません。しかし、海外勢に売るのであれば、今のような低い利回りでは売れません。為替リスクもありますし、格付けもドイツや米国と比べると大きく見劣りしますから、現状の金利では売れないでしょう。そうなると、金利を高くする必要が出てきます。
 つまり、異次元緩和を終了するにしても、日銀が買い入れた大量の国債の引き受け手が十分にあるとは言えず、場合によっては金利がかなり上昇する懸念があるのです。ここが大きな問題です。世界中もこの点を懸念していますから、日銀が出口戦略を考え始めたとき、市場はかなり動揺する恐れがあります。
 先ほど、米国がQE3を終了した話をしましたが、この時、同じ問題はなかったのでしょうか。米国の場合は、国債発行残高のうち半分くらいは、もともと海外勢が引き受けています。米ドルが基軸通貨であることもあり、米国債に対する需要も低くはありません。このように米国債に関しては、世界中に懐がありますから、引き受け手の問題はあまり心配しなくてよいのです。
 しかも、米国では財政赤字の上限に議会承認が必要で、それが対名目GDP比110%程度ですから、ある一定限度を超えての国債の発行はできません。
 以上のことを考えますと、異次元緩和は、一時的には景気浮揚策としてある程度成功しましたが、長期的には成功するかどうかは未知数である上、出口戦略という点で非常に難しい問題を抱えていると言わざるを得ないのです。私たちは、この点を十分理解しておかなければなりません。
次ページ:東京五輪は消費増税を乗り越えられるのか
 日銀は、国債だけでなく、上場投資信託(ETF)も買っています。先ほども触れましたように、GPIFも株式の運用比率を上げているわけですから、今、日本の株価は実力以上に上がっていると考えられます。一部では、今の相場は「官制相場」と呼ばれていますね。
 日銀が出口戦略を考え始めたときに、その時点で企業業績がよければいいのですが、もし、不景気がやって来て企業が厳しい局面にあったら、かなり大変な事態になってしまいます。それに関連して、2017年4月に消費税を10%に増税するという問題もあります。
 2020年の東京オリンピックまでは景気が良いだろうという楽観的な意見もありますが、さしたる根拠はありません。むしろ、消費税増税を乗り越えられるかを心配しなければなりません。
 いずれにしても、出口がどうなるか、どうしていくか。日銀にもおそらく今のところ、十分なシナリオが描けていないのではないでしょうか。政府は、「株が上がって、企業業績がそこそこよければいいのではないか」と思っているかもしれませんが、頼みの綱の株価も先ほど述べたように、本物の実力なのかどうかも考える必要があります。
 もし、異次元緩和が失敗したら、日本経済はどうなってしまうのでしょうか。マネタリーベースがどんどん増えてしまっているわけですから、下手をすれば予定している以上のインフレが起こる可能性があります。金利上昇が起これば、国債価格は下落する一方、政府の利払いは急増します。
次ページ:国債の暴落と日銀の破綻という最悪のシナリオも
 私が最も恐れているのは、国債の暴落と日銀の破綻が同時に来てしまうことです。
 万が一、国債が暴落することがあれば、どうなるでしょうか。今まででしたら、民間金融機関が巨額の含み損を抱えてしまって、危機に陥ります。ただ、そこで、「最後の貸し手」である日銀が民間金融機関を支えればよかったのです。
 しかし今は、最大の国債保有者は日銀ですから、暴落すれば日銀が危機に陥ります。当然、そこまで状況が悪化すれば、民間金融機関も危機的状況に直面しますが、日銀は彼らを救うことはできません。つまり、日本の金融が大混乱に陥るのです。
 国際通貨基金(IMF)に頼るにしても、日本は世界第3位の経済大国ですから、IMFが救うには規模が大きすぎます。この時、日本政府はどうするのでしょうか。このような最悪のシナリオを考えたくはありませんが、このままの状況を続けるとその可能性は高まっていくのです。
 このような事態に陥らないためには、日銀が保有する国債等の残高を徐々にでも減らしていくことが大切ですが、現状ではその道筋が全くと言ってよいほど見えず、先ほどから見ているように、むしろ、その残高は今後も増え続ける一方です。
 異次元緩和には大きなリスクがあるということと、成長戦略などにより順調に景気が拡大し続けない限り、日銀はこれから非常に難しい出口戦略を模索しなければならないことを、私たちも認識しておく必要があるのです。
(構成=森脇早絵)


小宮 一慶(こみや・かずよし)

 経営コンサルタント。小宮コンサルタンツ代表。十数社の非常勤取締役や監査役も務める。1957年、大阪府堺市生まれ。81年京都大学法学部卒業。東京銀行に入行。84年から2年間、米国ダートマス大学エイモスタック経営大学院に留学。MBA取得。主な著書に、『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』(以上、ディスカバー21)、『日経新聞の「本当の読み方」がわかる本』、『日経新聞の数字がわかる本』(日経BP社)他多数。最新刊『ハニカム式 日経新聞1週間ワークブック』(日経BP社)――絶賛発売中!
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皆様からお寄せいただいたご意見(10件)
1. 2012年11月、安倍内閣誕生でFRBの2兆ドル約200兆円の巨額金融緩和に対抗する金融緩和が確実視された時から、日本経済復活が始まり、日銀の金融緩和150兆円で、やっとドル円レートも株価も正常に戻る途上です。日本の金融緩和はGDP500兆円の30%、個人金融資産1600兆円の1割以下で、心配いりません。
金融緩和前のマネタリーベースは、米国1兆ドル、日本100兆円(約1兆ドル)でほぼ同額でした。米国は会社も個人も借金で物を買う。日本は貯金がたまったらものを買う。即ち米国は日本より資金の回転が速く、その結果、GDP比のマネタリーベースは、元々日本が米国の4倍近く大きい。
米国は、シェールガスオイル開発で経済力を復活し、金融緩和を止めて金利引き上げ時期を探っています。日本は、規制改革、アベノミクスの第三の矢を達成すればよい。
日本国内相手に商売する皆さんが、政治の保護・官僚の規制・業界の談合を止め、知恵と工夫と努力の力を発揮すれば、日本全体の国際競争力が高まります。増えつつある外国人観光客に金を落としてもらい、流通や飲食等の海外進出で外貨を稼ぎ、日本経済を盛り上げましょう。(富士 望2) (2015年04月30日 13:56)
2. 下記URLは格付け会社による日本国債格付けに対する財務省の反論です。
(去年末の格下げではなく、その前の格下げに対する反論)
https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm
https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140724m.htm
一部を記載すると、
・マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国
・その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている
・日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高
こんな国が破たんするなら世界中が破たんしますゎ。。。
金融緩和だって米国・中国・韓国などがやっていて日本流行らなかったために超円高及び企業収支悪化となったのを遅ればせながら始めただけ。
その結果はまだこれから出るものでしょう。
危機感を煽るのも、それはそれで必要な事ですが、結果大恥をかくことにならなければ良いですね。。。(kann) (2015年04月28日 10:50)

1. 日本政府の総債務残高は年々増え続けて1200兆円を超すが、国内金融機関の引受困難は起こらなかった。国債が増えた分、日本人の預金も増えている。日銀の異次元金融緩和・国債買受は「国債の最後の引受手」ではなく、物価上昇狙いのマネタリーベース増額だ。その証拠に市中銀行の日銀当座預金は積まれたまま残っている。
買入れる国債がなくなる事態は国債増発停止で喜んでよい。また、異次元金融緩和の出口での海外の引受手探しや市中銀行の自己資産比率の心配などは、市中銀行が運用先を必死に探す金余り状態の今の日本では全く必要がない。
米国の金融緩和は既に終了し、金利はやがて引上げられるが、マネタリーベース縮小はなさそうだ。日銀もやがて国債買入を止め、マネタリーベース横ばいに移るだろうが、国債を放出・減額してマネタリーベースを減らしては、はまた景気を悪化させる.。
日本人の預金好きは、資金回転を悪くし、日本経済が低迷する大きな原因になっている。日銀が市中銀行から国債等を買い入れてマネタリーベースを増やす政策は、日本の資金回転を速めて日本経済を活性化する決め手だ。ケチを付けたら日本の景気はまた悪くなる。(福岡の年金受給者) (2015年04月28日 00:06)
2. 小宮さまは7ページで『日本国債が暴落すれば、最大の国債保有者日銀が危機に陥ります。』といわれるが、3ページで『市場に出回る国債の量が以前に比べて大幅に減少している中では、国債の買い入れ量を減らさざるを得なくなる可能性が高いのです。』と書かれている。今、市場に出回る日本国債は減り、日本の市中銀行は資金運用先に困っている。この状態で、日本国債の引受手がなくて売買価格が暴落(金利上昇)するだろうか。もし暴落の兆しがあるなら、日銀はさらに日銀券を発行して日本国債を買い占めればよい。
日本は世界GDPの6%を占める第三位の経済大国だ。国内ではGDP約3年分の個人金融資産を蓄えている。対外収支では前年度の僅かな経常収支赤字の50倍、GDPの約4か月分に当たる1.3兆ドルの十分な外貨準備がある。国内の負債は日銀券を刷り増せば解決する。外貨準備は多いから外国からの資本注入は全く必要がない。国内でも国際的にも蓄積が十分ある日本の中央銀行、日本銀行の破綻は現実に起こり得ない。
小宮様は、金融緩和で立ち直りつつある日本経済の足を引っ張りたくて、実際に起こらない危機を書き立てられるのだろうか。どなたか反論があればお聞きしたい、(伊豆の老人) (2015年04月27日 20:10)
3. 日本政府は財政赤字で多額の国債を発行し、日銀は異次元金融緩和で国債を大量に抱えましたが、日本を一体に見たら全く問題ありません。
財政赤字発生原因は、資金が回らぬ公共投資などではなく、高齢者の暮らしを支える年金や医療費の支払いです。政府支出は直ぐ国内消費に好循環します。しかも赤字国債は日本国民の預金運用に市中銀行が買います。異次元金融緩和開始後、日銀が市中銀行から国債を買いましたが、その金は日銀当座預金に積まれたままで、今も政府赤字は国民の預金が賄う状態です。日本国の破綻はあり得ません。
年金支給を減らして日本政府の財政赤字を減らし、高齢者は預金を引出して暮らす姿が最も健全ですが、多数を占める高齢者の反対が強く、年金支給額はなかなか減らせません。高齢者は退職金等を銀行に預け、銀行は預金で日本国債を買い、日本政府は国債を売った金で年金を支給する。この高齢者⇒銀行⇒政府⇒高齢者の資金循環は当分続くでしょう。
ギリシャのように年金等を外国からの借金で賄うなら、やがて日本全体が破綻しますが、日本は高齢者の生活費を高齢者中心の預金で賄っています。当分日本国破綻の恐れはありません。(玄海 望) (2015年04月27日 13:18)
4. いつも丁寧なご説明で感謝しております。今回の記事には、大変空恐ろしいものを感じます。核廃棄物の後処理を考えずに、原発を作りまくった事の二の舞でしょうか。こちらは上限が決まっており(新規がないとして)ますが、国債残高はまだ増え続けるわけですので、恐怖です。そこで、お願いです。経済成長がどの程度で、歳出を削減して国債発行高をどの程度に抑えていけば、破局を回避して安定に向かう事ができるのでしょうか。フローとストックの考えで、何か関係式は得られないのでしょうか。目標が明確になれば、日本も頑張れるのではないでしょうか。よろしくお願いいたします。(FractM) (2015年04月27日 09:06)
5. 小宮先生
いつもすばらしいレポート、他にしく読まさせていただいております。
日銀のバズーカは、誰に対して打っているかというと、所詮金融業界だけです。一般消費者、及び産業界特に製造業に対しては、どんな効果があるのか疑問です。アベノミックスにおいても、第三の矢は空砲です。それに合わせて日銀のバズーカも一般庶民及び産業化にとっては、空砲もしくは自殺点です。円安は海外旅行にとってはマイナスであり、中小企業にとっては原材料アップです。石油価格の定家の恩恵も少ないです。
日銀の出口は、1980年代のような成長期が、来なければ、永遠に国債を買い続けるしか方法は無い。
政府が本気で、人口問題、規制緩和に取り組み、暴走するくらいの意気込みで取り組むことである。それと同時に、各省庁にぶら下がっている特殊法人の3分の2廃止し、歳出削減、天下り先の廃止など、むちゃくちゃなことに取り組まなければ、日銀のみでは無理である。そろそろ、本気で歳出削減を第一に取り組む時期に来ているのではないですか?
先生のご意見を楽しみにしております。(高橋生宗) (2015年04月27日 08:20)
6. 日銀は今以上に国債を増やさなければならないでしょう。バーゼル委員会が銀行の国債保有に関する規制がでそうです。円安、低金利の日本国債は外国からは魅力なく引き受けは日銀以外は考えられない。国債の金利高騰は日本の財政破たんの引き金になる以上、金融緩和は避けられない。(政治家は喜びそうですが)日銀に買ってもらったお金はインフレと経済成長が期待できる東南アジア、ドル高、高騰が予想される米国債に向かうでしょう。大企業も海外需要と円安ドル高を見越して(金利、配当、資産価値が上がる)海外に資金をシフトするでしょう。国内は需要不足という理由で資金が回らない(マネーストックが伸びてない)。日銀はこの調子でいけば国債の半分を保有する異常事態になるかもしれません。株価と大企業の収益があがって喜んでいるのは、あまりにも能天気といわざるえない。これは現代版、大本営発表ではないだろうか?(とよひょん) (2015年04月26日 13:47)
7. 小宮様は、日銀の金融緩和に強い危機感を抱いておられますが、現状把握を間違っておられるようです。
先ず、FRBのマネタリーベースは昨年8月6日に4121B$のピークを記録した後、同年11月26日に3812B$迄減少しましたが、その後4000B$ を挟んで増減を繰り返し、最新の本年4月15日には4167B$と昨年より膨らんでいます。FRBは金利上昇を模索しますが、マネタリーベースを減らす模様は見えません。小宮さまのFRBがマネタリーベースを徐々に減らそうとしているの指摘は明らかに間違いです。
次に、日本財政はプライマリーバランスもとれずに赤字が増え続け、日銀が「国債の最大の引き受け手」だから大変危険といわれます。しかし、日銀が異次元金融緩和で保有した国債は、市中の金融機関が預金運用のために保有していた国債を購入したもので『日銀が国債の引き受け手』は現状を正しく表していません。前回、小宮さまは、国債を売った銀行が日銀の当座預金をほとんど引きださないから日銀券発行額はほとんど増えないと書かれました。『日銀が国債の引き受け手』の程に市中銀行が資金不足なら、当座預金が日銀に詰まれたままなどあり得ないことで、ここも明らかに間違いです。(富士 望) (2015年04月25日 00:20)
8. 二回の総括お疲れさまでした。
私も、日銀が異次元緩和を縮小した時に、放出される国債を誰が引き受けるのかが気になっています。
金利が低く、増える一方な債券なんて本来買いたい人は居ないはずですから。
今まで成り行きで買っていた銀行や生保もどうするのか。
ただ、一つの可能性として、中国政府が政治的意図で買うというシナリは有るかなと思っています(中国政府の財政が堅調であり続けるなら)ので、少し先延ばしが出来るかもしれません。
理想は名目GDPがぐんぐん伸びて税収が増え、財政が均衡して国債の危険度が低下したなかで徐々に放出出来るのが理想ですが、そのためには高度成長期並の伸びが要るようで厳しいですね。(エンジニア) (2015年04月24日 07:59)
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/129957/042300011/?P=7 

 
異次元緩和スタートから2年 日本経済に与えた影響と現状を考える
2015.04.17  http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/129957/041600010 
 2013年4月4日、日銀の黒田東彦総裁が「異次元の金融緩和」を発表しました。翌日の日経新聞1面には「日銀、戻れぬ賭け」という記事が大きく出ていたのを思い出しますが、まさに日銀は、後戻りできない政策を打ち出したのです。
 それからちょうど2年間が経ちましたが、日本経済はどのように推移していったのでしょうか。確かに日経平均株価は大幅に上昇しました。円安にも振れました。国内景気も回復してきていると思います。しかし、その裏側には、日銀が抱えるリスクがどんどん高まっているという点も見過ごせません。
 今回は、異次元緩和から2年間の日本経済を振り返りながら、日銀のリスク、ひいては日本経済のリスクと、今後の注目点について解説します。
 日銀は、これまで2度の異次元緩和を行ってきました。1度目は2013年4月の金融政策決定会合で決定されたものです。
 復習になりますが、異次元緩和ではどんなことが行われたのでしょうか。
次ページ:日銀は「異次元緩和」で何をしたのか
発表当時、日銀券が約85兆円、日銀当座預金の残高が約50兆円、合計約135兆円の「マネタリーベース」がありました。これを、2年間で2倍にすると言いだしたのです。日本経済に大きなインパクトを与えると市場は考え、直後に株価と円相場が極端に反応しました。
 なぜ、これが「異次元」なのでしょうか。
 先ほども触れましたが、マネタリーベースとは、「日銀券」と「日銀当座預金」の合計です。これは、日銀が直接コントロールできる資金量なのです。では、どのようにしてマネタリーベースを増やすかと言いますと、まず、日銀が市中銀行から国債を買い取ります。その時、日銀は代金を支払いますから、市中銀行はお金を受け取ります。これが市中に流れていくというわけです。
 では、日銀が支払う代金はどこから出ているのでしょうか。答えは、「日銀が通貨を作り出す」のです。日銀は国債を売った銀行の口座に買い入れ額を記帳するだけで、日銀券を発券するのと同様に「お金」をつくり出せるのです。つまり、これによって2年間で2倍の量までマネタリーベースを増やしていく、というわけです。
 これほどまでに大規模な金融緩和を行ったにも関わらず、日銀は2度目の異次元緩和を打ち出しました。2014年10月末の金融政策決定会合で発表されたものです。
 昨年は、消費増税の影響で消費が冷え込み、景気が減速していました。想像以上に消費の回復が遅れ、景気低迷が長引いていたのです。そこで日銀は、景気浮揚策として2度目の異次元緩和を決定したのです。
次ページ:異次元緩和から2年で急速な円安株高が進んだ
2年前の異次元緩和直前の日銀当座預金残高は約50兆円でしたが、今は205兆2300億円まで積まれています(4月14日現在)。2度の異次元緩和によって、4倍以上に膨らんでしまったのです。逆に言えば、それだけ市中から大量の国債を買ったということでもあります。
 これによって、日本経済はどのような影響を受けたのでしょうか。大きく動いたのは、株価と円相場です。急速な円安株高が進んだのです。
 まずは日経平均株価が跳ね上がりました。

 1度目の異次元緩和が発表される直前の2013年3月末、日経平均株価(終値)は1万2397円でした。それから2年間、一時的な下落はあったものの、長いスパンでは順調に上がり続け、今では2万円近くまで上昇しています。2年前から8000円ほど上がっているのです。
 同時に、円安が急速に進みました。異次元緩和スタート当時には1ドル=93円ほどだったのが、今では1ドル=120円まで円が下落しています。この2年間で約30%も円安ドル高が進んだというわけです。
 日経平均株価が上がり続けたのは、円安が進んだことによって輸出関連株(正確には、グローバルに事業を展開している企業の株)が買われたということが大きいでしょう。ただし、要因はそれだけではありません。見過ごしてはならない理由が2つあるのです。
次ページ:日経平均株価が上がり続けた2つの理由
 一つは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が資産のリバランスを行ったことです。以前は、株式の運用比率が12%しかなかったのが、25%まで引き上げると発表されました。
 GPIFの積立金残高は、昨年12月末の時点で137兆円。株式の運用比率を12%から25%まで上げるわけですから、単純計算で約18兆円が株式市場に流れ込むことになります。これが心理的にも株式市場に与えた影響は大きいでしょう。
 もう一つは、日銀が日経平均株価をベースにした上場投資信託(ETF)を買い入れていることです。「官制相場」と言われるのもそれゆえです。
 つまり、日本株は公的資金によって買い支えられているのです。これと円安が相まって、株高が進んでいるというわけです。
 日経平均株価が上昇することは喜ばしいことですが、その一方で無視できない問題点もあります。それは、日銀が抱えるリスクがますます大きくなってきているということです。
 問題は、ここからです。先ほどもお話ししましたが、日銀は国債を大量に買い入れています。「買いまくって」と言っていいくらいに買っています。これはどういうことを意味するのでしょうか。
次ページ:「日銀券ルール」が完全に無視されている
異次元緩和以前は「日銀券ルール」という暗黙のルールを守っていました。日銀券ルールとは、日銀券の発券残高を超える量の国債を保有しないということです。価格変動のある国債はリスク要因になるからです。さらには、残存期間3年未満の国債しか買わないというルールも守っていました。これによって残存期間の長い国債を保有しないようにしていたのです。

 中央銀行である日銀が、価格変動リスクのある国債を大量に持ったり、残存期間が長い国債を持ったりすると、中央銀行が不良資産にあえいで危機に陥ってしまう危険性も出てきます。そうなれば、日本円も紙くずになりますし、日本国内の金融システムそのものが崩壊しかねないわけです。
 しかし、そのルールは今、完全に無視されています。日銀は14年度末の段階で国債保有額が269兆円まで膨らみ、日本最大の国債保有者となっています。
 そこまで国債を買っていますから、市中には買い入れる国債が極端に少なくなり、国債の利回りが大きく下がりました。表は「新発10年国債利回り」です。2015年3月は0.4%となっていますが、一時期、0.2%台をつけていました。
 このような状況では、金融市場が非常にいびつな状態になっていると言わざるを得ません。
 また、もし、ここで金利が上昇するような局面があれば、日銀は非常に大きな含み損を抱える可能性があります。その結果、日銀の信任が失われ、国債の急落や、日本の通貨が急速に下落するといった悪影響が生じることもありうるのです。
次ページ:「2015年度末までに物価2%」の目標達成は難し
「2015年度末までに物価2%」の目標達成は難しい
 もう一つ、注意しておきたいことがあります。日銀は、異次元緩和を打ち出した当時、「2015年3月までに、消費増税の影響を除いて2%の消費者物価指数(前年比)の上昇を目指す」と言っていました。
 ところが、消費増税後に消費が冷え込んだことや、大幅な原油価格の下落などが重なって、日銀は目標の達成が難しいと考えました。今は、「2015年度頃で2%程度の物価上昇」という幅を持たせた表現に変わっています。
 ここで、消費者物価指数(前年比)の推移を見てみましょう。

 昨年夏以降、じわじわと低下し続け、直近の2015年2月は2.0%となっていますね。このうち2%は消費増税分ですから、実質的には0%だということです。
 ただし、これは「悪い物価下落」ではないのです。昨年7月あたりから、世界的に急速な原油価格の下落が進みました。ドバイ原油では、昨年7月に1バレル=100ドル前後で取引されていましたが、今では1バレル=50ドル程度まで下落しています。原油安による物価下落ですから、今のところ日本企業も個人も、その恩恵を受けている状態なのです。
 ただし、これが長期化すると少しややこしい状況になります。短期的には確かに悪い物価下落ではありませんが、「期待インフレ率」を下げることにも繋がるからです。
 好景気を持続するためには、期待インフレ率を高めることが必要です。この先、物価が上昇すると皆が思い、早め早めにお金を使ってもらう必要があるのです。しかし、物価が下落しますと、期待インフレ率が下がってしまいます。しかも日銀は、これに対してすでに打つ手がなくなりつつあるのです。
 このままでは、原油価格が上昇に転じない限り、「物価目標2%程度」を達成するのは難しいでしょう。
次ページ:現金給与総額の上昇がポイントに
ただし、前年比という点を考えますと、原油安が加速した時期の約1年後である今年冬以降消費者物価指数の原油安要因が剥げ落ちる可能性があります。このままの水準が続けば、前年比という点では、物価下落が止まるということです。
 しかし、原油安の要因を除いても、物価の上昇力はそれほど強くありません。ディマンドプル型の「よいインフレ」を起こすためには、給与が上がらなければなりません。「現金給与総額」の推移をご覧ください。 

 今のところ、現金給与総額は1%以下の伸びに留まっています。これが物価上昇分を超えてくれば、実質賃金が上がるということですので、ディマンドプル型の物価上昇が起こる可能性が出てきます。
 特に4月以降は、上場企業を中心としたベースアップが反映されますので、現金給与総額の上昇が見込まれ、消費者物価の上昇分を上回ると考えられます。この点は注目ポイントの一つになります。
 それに伴って、個人消費がどれだけ伸びるか。消費増税以降、「消費支出2人以上世帯」は前年比マイナスが続いていますが、これが反転するかに注目です。
小宮 一慶(こみや・かずよし)

 経営コンサルタント。小宮コンサルタンツ代表。十数社の非常勤取締役や監査役も務める。1957年、大阪府堺市生まれ。81年京都大学法学部卒業。東京銀行に入行。84年から2年間、米国ダートマス大学エイモスタック経営大学院に留学。MBA取得。主な著書に、『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』(以上、ディスカバー21)、『日経新聞の「本当の読み方」がわかる本』、『日経新聞の数字がわかる本』(日経BP社)他多数。最新刊『ハニカム式 日経新聞1週間ワークブック』(日経BP社)――絶賛発売中!
小宮コンサルタンツ facebookページ:http://www.facebook.com/komiyaconsultants

 

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コメント
 
01. 2015年5月02日 10:12:00 : nJF6kGWndY

根本的に間違った議論が多いが

QEによってハイパーインフレや財政破綻になるわけではない

政府が規制緩和などの改革ができず、民間の投資が抑制されて生産性の上昇が起こらないのに

社会保障や地方への非効率なバラマキ、財政膨張を抑制できない場合に、

海外で景気が改善していけば、通貨安や資源価格が上昇し、最終的に高インフレと高税率で、国民生活が貧困化するということだ

いくら日銀に期待してもムダであり、国民(企業、労働者、消費者)と、その代表である政府が、マトモに機能しなければ、

貧しくなるという、途上国や昔を見れば、当たり前のことが起こるだけ

まあ、そういう現実が認められない無責任な愚民が増えるから、どんな帝国も衰退し、周囲からの侵略を招いて崩壊していくことになるのだが

それもまた必然ということだろう


02. 2015年5月02日 22:56:58 : bfiJIUelwU
日銀の量的緩和の出口はない。日銀は量的緩和を完結せよ。

日本国債をすべて利息の付かない現金にして、ゼロ金利のもとで、財政再建するのが正しい経済政策だ。

当然、リフレ理論は消滅する

リフレが成功しない理由は大きく二つある。

すでに国債は、ほとんど減価しない担保資産として金融市場で現金のように機能しているから、インフレメカニズムは働かない。

国民は今の金融資産が見返りのない増税で将来確実に目減りすることを学習するから、インフレメカニズムは働かない。

ゼロ金利で国債を購入する資格があるのは中央銀行だけである。大量の不良債権を抱えてしまった日本は非常事態なので、今の金融政策を受け入れるほうが正しいだろう。


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