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富士フイルムの大ばくち 巨額赤字企業買収が波紋 「再生医療世界一」へ英断or暴挙?(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/103.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 03 日 07:46:05: igsppGRN/E9PQ
 

富士フイルムの大ばくち 巨額赤字企業買収が波紋 「再生医療世界一」へ英断or暴挙?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150503-00010003-bjournal-bus_all
Business Journal 5月3日(日)6時0分配信


 富士フイルムホールディングス(HD)が、再生医療事業拡大に大きく舵を切った。昨年11月に施行された薬事法の一部改正が、同社の決断を促したともいわれている。

 3月30日、富士フイルムHDはアメリカのセルラー・ダイナミクス・インターナショナル(CDI社)を約370億円で買収すると発表した。4月中にTOB(株式公開買い付け)でCDI社の全株を取得し、完全子会社化を目指す。

 CDI社は、世界で初めてヒトES細胞を開発したウィスコンシン大学のジェームス・トムソン教授らが2004年に設立、13年にNASDAQに上場したバイオベンチャーだ。同社は、iPS細胞を大量かつ安定的に製造する技術を強みにしており、大手製薬会社や先端医療研究機関に各種再生医療製品を供給している。創薬支援、細胞治療、幹細胞バンク向けiPS細胞などの開発・製造も行っている。

 一方、富士フイルムHD傘下の富士フイルムは、写真のフィルム技術を応用し、細胞増殖に不可欠な人工たんぱく質「リコンビナントペプチド」を開発済みだ。さらに、昨年末には再生医療製品販売のジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)を連結子会社化し、再生医療事業拡大の準備をしてきた。

 CDI社買収を発表した日、富士フイルムHDの古森重隆会長は、記者会見で「CDI社の買収は、再生医療事業拡大に向けて重要なステップだ。当社、J-TEC、CDI社の3社の技術を組み合わせれば、細胞組織や臓器など、さまざまな再生医療に貢献できる。今後は、再生医療事業で世界一のメーカーを目指す」と自信を見せた。

 富士フイルムが開発したリコンビナントペプチドは、iPS細胞が育ちやすい立体的な培養が可能だ。より実際に近い環境を体外に再現できるため、新薬テストの精度が向上する。また、J-TECは細胞培養の高い技術を持ち、国内で唯一、再生医療製品を販売している。そこに、CDI社という、iPS細胞そのものの供給源も確保することになり、富士フイルムHDは、再生医療事業拡大に重要な技術を揃えたことになる。

 それが、「再生医療事業で世界一」の花火を打ち上げた、古森会長の自信の裏付けになっているわけだ。しかし、CDI社は14年度業績で3000万ドル(約36億円)の赤字を抱えている。期待を集める一方で、株式市場関係者の間には不安の声も聞かれる。

●遅れている、日本の再生医療製品開発

 3月19〜21日に神奈川県横浜市内で開催された「第14回日本再生医療学会総会」。過去最多の約3500人が詰めかけ、医療業界関係者の再生医療への関心の高さをうかがわせた。

 同会の基調講演には、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授が登壇、同研究所が行っている再生医療研究の最新状況が説明された。年内には、同研究所の高橋淳教授らがパーキンソン病治療の臨床研究計画を申請する予定で、ほかに輸血用の血小板の作製、腎不全、筋ジストロフィー、関節疾患の治療などでも、iPS細胞を利用した研究が進んでいるという。

 再生医療は、まだ臨床研究が緒に就いたばかりだ。山中教授のiPS細胞研究で世界の脚光を浴びた日本の再生医療はいつ実用化されるのか、関心を集めている。

 特に、国内外の医療関連企業が注目しているのが、再生医療製品の早期承認を可能にした、薬事法の一部改正による追い風効果だ。再生医療を規制していた改正前は、iPS細胞を利用する再生医療製品にも、化学合成の薬と同じように均一な品質や多くの患者での比較試験を求めるなど、再生医療の性質をまったく踏まえていないものだった。

 その結果、国内で実用化された再生医療製品は、J-TECが開発した人工軟骨と重症熱傷用の人工表皮の2品目にとどまっていた。一方、アメリカは9品目、ヨーロッパは20品目、韓国は14品目が発売済みで、日本は海外に大きな後れをとっている。

 そこで薬事法に、従来の「医薬品」「医療機器」とは別に、「再生医療等製品」というカテゴリが新設された。これにより、再生医療製品は従来の薬と同様に、安全性が確認され、一定数の患者データから有効性が推定されれば、発売可能になった。これまで10年近くかかっていた再生医療製品実用化のプロセスが大幅に短縮され、早ければ2年程度で国の承認を得て発売することもできる。これは、世界的にも類を見ないスピード感だ。

 現在、国内で製品化を目指して治験中または承認申請済みの製品は、テルモの重症心不全用の骨格筋芽細胞シートなど、約20品目だ。薬事法改正による早期承認制度の恩恵を受け、これらの早期発売も期待されている。

●道筋が見えない、富士フイルムの再生医療事業

 このような追い風の中でCDI社買収に踏み切った富士フイルムHDは、再生医療事業拡大に向けて、「まずは社内外の創薬支援向けにiPS細胞を開発・製造」という方針を掲げている。「iPS細胞の産業応用のうち、いち早く立ち上がるのが創薬支援」(同社関係者)と分析しているからだ。

 動物実験ではなく、ヒトiPS細胞で薬剤を評価することで、薬剤開発の「スピードやコスト、確実性が格段に改善する」と同社は見ている。中長期的には、治療用のiPS細胞のバンキングや培養受託、臓器再生医療などにも展開する構えだ。

 だが、同社のCDI社買収について、「決してバラ色ではない」と指摘する株式市場関係者もいる。前述したが、CDI社の14年度の売上高1670万ドル(約20億円)に対して、営業損益は3000万ドル(約36億円)の赤字だ。売上高の倍近い損失を垂れ流している会社の全株式を、富士フイルムHDは直近株価の倍以上の1株16.5ドルで買うという。その総額が、冒頭で記した約370億円だ。

 同社は近年、毎期のように1000億円台の営業利益を稼ぎ出しており、CDI社の赤字が今後も続いたとしても、致命傷になる可能性は低い。しかし、いつになればCDI社の営業損益が黒字化するかは不明だ。当然、膨らんでいると思われる累積債務額もわからない。

 前出の株式市場関係者は、「CDI社買収の記者会見で、富士フイルムHDは明るい話をするだけで、実際はなにも明らかにしていない。不安が高まるばかりだ」と眉をひそめる。富士フイルムHDがどのような深謀を巡らせてCDI社を買収することにしたのか、今は知る由もない。

 加えて、再生医療は医療業界にとっては新たな有望市場だ。例えば、経済産業省は、50年に国内で1.3兆円、世界全体で15兆円規模に成長すると予測している。世界中の大手製薬会社と有力バイオベンチャーの激烈な競争が予想される中、富士フイルムHDがどんな道筋で世界一を目指すのか、現時点では不明だ。

 株式市場関係者の不安を払拭するためにも、同社にとってはCDI社の早期黒字化が緊急課題だろう。「再生医療事業で世界一」の宣言がホラで終わるのか、有言実行となるのか、今後の成り行きが注目される。

文=福井晋/フリーライター

 

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コメント
 
01. 2015年5月04日 23:52:43 : ra6V2xizco
赤字企業を買収しても、本体の従業員を買収した企業に転籍すれば博打ではないと思いますが。本体には優秀な従業員を残し。経営者なら考えると思いますが。

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