★阿修羅♪ > 経世済民96 > 107.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
なぜソニーは終わりのない「リストラ地獄」に陥ったのか。『しんがり 山一證券 最後の12人』の著者が描く、会社人の苦しみ…
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/107.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 03 日 08:33:05: igsppGRN/E9PQ
 

リストラ部屋にも誇りはある! 都合6度、目標削減数8万人。ソニーのリストラ地獄の中で、リストラ部屋の人々はいかに生き抜いたか。講談社ノンフィクション賞受賞作『しんがり』の著者が追ったビジネス巨編!


なぜソニーは終わりのない「リストラ地獄」に陥ったのか。『しんがり 山一證券 最後の12人』の著者が描く、会社人の苦しみと誇りと再生の物語
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42999
2015年05月03日(日) 清武英利 現代ビジネス


社長はリストラ部屋を見たか


(文・清武英利)

苦しくてもその仕事に目的や意味があれば、人は耐えることができる。残業や徹夜続きでも、サラリーマンは何とか我慢して生きていくものだし、時には、「楽しくてたまらない」という者も現れる。

では、「ここで君にはやるべき仕事はない。辞めるまで給料は出す」と上司に告げられたらどうだろうか。

「頑張る必要はない。努力するとしたら、この会社を出ていく努力だよ」と。

「リストラ部屋」の人々はそんな通告を受けて、「キャリア開発室」という名の部屋に収容されている。表向きは「社員がスキルアップや求職活動のために通う部署」と説明されていたが、実際は仕事だけでなく働く意味や目的を奪われ、会社から出ていくことを期待されている面々だ。

そんな彼らを訪ね、聞き取りを始めたのは2012年秋のことである。

ソニーの友人たちが次々にリストラの対象になっていくのを見て、私は不思議に思っていた。ソニーは、創業者の一人である盛田昭夫氏が、「わが社はリストラをしない」という趣旨の宣言をしていた会社だったからだ。

これは近著『切り捨てSONY リストラ部屋は何を奪ったか』にも記したことだが、志の高い大企業経営者が従業員に寄り添う時代があったこと、そして後継者はその創業者が亡くなると、時として十分な説明もなく終身雇用の方針を大転換することを思い起こしていただきたいので、あえてここにも書く。

盛田氏は欧米の経営者を前に、しばしば「経営者はレイオフの権利があるか」と訴えた。その講演の一部を、彼の著書『21世紀へ』(WAC)から引く。

「あなた方は、不景気になるとすぐレイオフをする。しかし景気がいいときは、あなた方の判断で、工場や生産を拡大しようと思って人を雇うんでしょう。つまり、儲けようと思って人を雇う。それなのに、景気が悪くなると、お前はクビだという。いったい、経営者にそんな権利があるのだろうか。だいたい不景気は労働者が持ってきたものではない。なんで労働者だけが、不景気の被害を受けなければならんのだ。むしろ、経営者がその責任を負うべきであって、労働者をクビにして損害を回避しようとするのは勝手すぎるように思える。われわれ日本の経営者は、会社を運命共同体だと思っている。だから、いったん人を雇えば、たとえ利益が減っても経営者の責任において雇い続けようとする。経営者も社員も一体となって、不景気を乗り切ろうと努力する。これが日本の精神なのだ」

これは2000年に、石原慎太郎氏や小林陽太郎元経済同友会代表幹事、キッシンジャー元米国務長官の推薦を受けて出版された本だ。小林氏はその後、ソニーの取締役会議長にも就いている。

だが、そのソニーは出版の前年の1999年3月から現在まで計6回、公表されただけで計約8万人の従業員を削減している。

若い新聞記者や忘れっぽい記者はリストラに寛容だが、少し前までは日本経済新聞でさえ、無計画な採用の末、人減らしに狂奔する大企業の姿勢を厳しく批判していたのだ。

ソニーは「理想工場」を目指した会社として知られている。普通の感覚ならば、そんな会社がなぜ、17年間も延々とリストラを続けるのか、後継者たちは何をしていたのか、最近の経営陣が厳しいリストラの一方でどうして巨額の報酬を取れるのか、疑問に思わない者はいないのではないか。

リストラの渦に巻き込まれた中には以前、ソニー広報部からも「ソニースピリッツを持ったエンジニア」と紹介され、私自身が取材した社員も含まれている。「リストラをしない」はずの会社で、その会社のお墨付きを受けたエンジニアたちが早期退社していくのを見て、「なぜだ?」と問いかけをしない記者はいないに違いない。

ほかにも私を取材へと引き寄せたことがある。

私は、リストラ部屋の取材を始める前に、「辞めても幸せ」という、今から考えると何とも曖昧なテーマで、ソニーの元サラリーマンたちを取材していた。

会社を辞めてなお、「私は幸せに生きている」という元サラリーマンたちに、「あなたは会社のなかで何を支えに生き、組織を離れた後、本当に幸せに暮らしているのか」と聞き歩いていたのだった。ソニーを選んだのは、そこに友人が多く、実際に「辞めても幸せ」と答える人が多かったからだ。

そのうちに、彼らのトップだった人物にも聞いておかねばならないと思い、2012年9月、ソニーの6代目社長だった出井伸之氏にインタビューをお願いした。会長兼CEO(最高経営責任者)を務め、最高顧問を経て、ソニーのアドバイザリーボード議長を務める人物だ。彼は当時、東京・丸の内の東京銀行協会ビル16階にビジネス開発・支援会社「クオンタムリープ」を構えていて、そのオフィスで快く応じてくれた。率直で逃げない人である。

出井氏はソニー時代の思い出や引退後の生き甲斐だけでなく、リーダー論や社長時代の権力抗争についてもかなり長い時間を割いて語ってくれた。そして、「会社や人間社会は基本的にシェイクスピアで終わっていますよ」と言った。

「シェイクスピアの物語はよくできている。権力を持った人の物語が多いじゃないですか、裏切りとか、密告とか、人を殺すんだったら、首を抱いたまま、うしろから刺しちゃうとかね。会社も組織である限り、全部が清く正しく美しくなんていうことはあり得ないんですよ」

そして、トップというものは経験した者でないとその苦しみはわからないのだ、と力説した。

「清武さんが読売グループで経験されたようなことっていうのも、ソニーでは何度も起こっています。それは組織である限り、3人集まれば意見も違うし、権力を得る人もいれば、そうでない人もいれば、裏切り、密告もあるわけですよ。それに(社長として)10年も耐えていると、もういい加減、疲れてくるっていうかね。顔つきが悪くなりますよね。副社長なんか全然駄目だよね。トップはやっぱり一人なんですよね。辞めるとほっとするっていうか、顔つきが良くなりますよ」

顔つきが良くなったという出井氏はそしてインタビューから2ヵ月先の11月に、六本木ヒルズクラブで取り巻きが開いてくれる75歳の誕生パーティを楽しみにしているのだと言った。それまで毎年、誕生日ごとに7〜8組がパーティを開いてくれていたが、それをまとめてやるのだという。

私はがっかりした。そのパーティの模様をテレビで見て、もっとがっかりした。早稲田大学の同期生である森喜朗元総理を招き、ベンチャー起業家や元部下ら約200人に紹介していた。会場にNHKの取材クルーを入れ、大はしゃぎに見えた。パーティ開催には何の問題もないが、その時期は「管理職の3割削減」の号令のもと、ソニー本社の中堅社員までが大量にリストラされ、会社を追われた時期である。

私はこう考えた。トップにしかわからない苦しみはきっとあるのだろう。だが、そのトップが理解しようとしない社員の呻吟があるのだ。丁寧に取材してそれを描こう。

もう2年半以上も前のことである。

(きよたけ・ひでとし ジャーナリスト)
読書人の雑誌「本」2015年5月号より

* * *

清武英利(きよたけ・ひでとし)
1950年宮崎県生まれ。立命館大学経済学部卒業後、75年に読売新聞社に入社。青森支局を振り出しに、社会部記者として、警視庁、国税庁などを担当。中部本社(現中部支社)社会部長、東京本社編集委員、運動部長を経て、2004年8月より、読売巨人軍球団代表兼編成本部長。2011年11月18日、専務取締役球団代表兼GM・編成本部長・オーナー代行を解任され、係争中。現在はジャーナリストとして活動。著書『しんがり 山一證券 最後の12人』で2014年度講談社ノンフィクション賞受賞

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2015年5月03日 21:48:55 : Q4a2FyM5hw
ここに盛田昭夫氏が「わが社はリストラをしない」と言ったと書かれているが、この当時、創業者世代の盛田昭夫氏は高齢で、引退後であった。彼は1999年に亡くなった。

盛田昭夫
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%9B%E7%94%B0%E6%98%AD%E5%A4%AB

●リストラをしない…と言うのは、単なる美談だろう。上のリンク先でも、次のように書かれている。

★「日本は福祉国家ではない。」が持論で大きな政府に否定的な立場であったとされる。

●自分の時代だけリストラせずにやっていけると思ったのかも。そのソニーだが、1980年代に購入したソニー製品が次々とぶっ壊れて困ったことを思い出す。今でこそネット時代で誰もが知っているが、当時は自分の購入したソニー製品だけかな ? と思ったものだ。ところが職場でも、ソニー製品を買うと1年で壊れるとか、よく聞くようになった。

ソニー製品は独自の記録媒体を用いるので、他社製品と互換性がなくて困ったものだ。家庭用ビデオデッキのベータ方式が最たるものだが、その後も8ミリビデオやメモリースティックなど繰り返された。壊れてしまって子供の運動会を録画できなかったとか、修理が間に合わないので友人の機械を借りようとしたが、うちのソニー製品と規格が違うとかで、ユーザーの怒りが爆発。ユーザーのソニー離れが始まったのである。1990年代には本格的になっていった。

うちの製品が売れない。そう思ったソニー経営者は、分析しろと命じた。ところが調査した部署は、社長の怒りを買わないために真実を伝えなかった。このために抜本的対策が取れなかったのである。

ソニー製品は記録媒体が独自であっただけでなく、内部部品も汎用品ではなく、ソニー独自のカスタム部品が多かった。ラジオでも製品のサイズを小さくするために、独自のチップ部品をつくった。これのコンデンサが製造後、僅か数年で液漏れを起こし、壊れる。修理に出したら、高い料金を取られる。しかも、戻ってきて間なしに別の部品が壊れる。これの繰り返し。ユーザーの怒りは募るばかりであった。

2000年代に入ると中国製品が強力なライバルに浮上してくる。低価格を武器に、ソニー製品を侵食していった。ソニーは中国製品に敗れ、撤退する。その過程で膨大な余剰人員が発生する。そこでリストラ部屋に強制的に送り込む。このリストラ部屋は、かつて政府が行なった国鉄の分割解体がモデルだ。労働者の人権を無視したリストラを政府が自ら強行したのだ。これが前例になった。政府がしたのだから、民間企業がやっても許されるだろう。そう受け取った業績不振企業は、次々とリストラを行なったのである。

ソニーが欧米に製品を大量に輸出して空前の繁栄を誇っていた1970年代。ソニー製品に市場を奪われて経営不振に転落する欧米電機メーカーが続出した。西ドイツの名門、グルンディッヒやITTシャウブ・ローレンツである。前者は倒産してトルコの財閥が買収。中国製品にグルンディッヒのマークをつけて販売している。後者はITTの西欧撤退に伴ってフランスのC.G.E.が買収。音響、映像部門をノキアに転売。ノキアは同部門を閉鎖して、戦前から続く由緒ある歴史は幕を閉じた。

この動きを盛田昭夫氏が知らない筈がない。それなのに、ソニーはリストラしないと豪語した。よく考えたら無責任な経営者ですね。彼と同じく、ナショナルの松下幸之助氏も、存命中はリストラしなかった。しかし没後、南朝鮮や中国大陸メーカーの伸長で海外市場を奪われ、リストラするしかなかったのである。


02. 2015年5月04日 12:42:42 : NiZLEwiMVo
「あなた方は、不景気になるとすぐレイオフをする。しかし景気がいいときは、あなた方の判断で、工場や生産を拡大しようと思って人を雇うんでしょう。つまり、儲けようと思って人を雇う。それなのに、景気が悪くなると、お前はクビだという。いったい、経営者にそんな権利があるのだろうか。だいたい不景気は労働者が持ってきたものではない。なんで労働者だけが、不景気の被害を受けなければならんのだ。むしろ、経営者がその責任を負うべきであって、労働者をクビにして損害を回避しようとするのは勝手すぎるように思える。われわれ日本の経営者は、会社を運命共同体だと思っている。だから、いったん人を雇えば、たとえ利益が減っても経営者の責任において雇い続けようとする。経営者も社員も一体となって、不景気を乗り切ろうと努力する。これが日本の精神なのだ」

これこそが、キャリアコンサルタントから見た、日本的経営というものに対する本質的な見立てではないかと見れば、この問題こそ、こうした日本の企業を取り巻く様々な環境的な要因との相互関係の中で培われたものであるということこそが、本質的な要因であるとするならば、年功序列制度や終身雇用制などの制度的なものばかりでなく、日本の経営者にとっても、労働者にとっても、自ら解決すべき課題ではないかと見て間違いありませんね。

経営者サイドから見れば、この中で「われわれ日本の経営者は、会社を運命共同体だと思っている。」ということが、先ずはキャリアコンサルタントから見た本質的な見立てであるとするならば、経営者の皆様が自ら、発想の転換により、「労働者というのは、会社の利益を生み出すための単なる道具ではない」という認識に改めることで、労働者からすれば、

「ここで君にはやるべき仕事はない。辞めるまで給料は出す」と上司に告げられたらどうだろうか。

「頑張る必要はない。努力するとしたら、この会社を出ていく努力だよ」と。

等ということ自体が、言語道断であるということを、先ずは会社側が自ら認識する必要があるということは言うまでもありませんが、

労働者が、自ら「このまましがみついていても利益に貢献することができないので、別の道を探してみたい」ということで、退職を希望するのであれば、「キャリアコンサルタントとして、「これまでの仕事を振り返りながら、転職を希望するにしても、転職後は、どんな仕事がしたいのですか?」ということを仕事理解の目標に置くことで、これまでの職業人生を振り返りながら、自らが持つ潜在能力を顕在化させ、逆に、もう捨てるべきものは、そっと静かに葬り捨ててしまうことで、自己理解を深めながら、「共に支え合い、助け合い、分かち合いながら、共に幸せに暮らすことが出来る様になること」を長期的な目標に置くことで、この目標に近づくための方向性や戦略を、自らのライフキャリアプランとして描いて行くことが出来る様になることを具体的な自己実現のための目標に置くことで、そのための第一歩として、これもまた一つの転機なのだと捉えて、この転機を乗り越えた先に、どんな仕事に就きたいのかということで、共に探して参りましょう」ということで、仮に転職しなかったとしても、その仕事に就くことが出来る可能性もあるのであれば、会社の中で、誰に、どのように、相談すれば良いのか」ということと、同じような悩みを持っている人たちに、一度話を聞いて見ては如何でしょうか、ということで、自らが、必要な情報を収集し、場合によっては、ロールモデルとなる人を見つけて行くことで、合理的な推論に基づく職業選択の意思決定が出来る様になることで、自らの選択に従い、その仕事に就くために解決すべき課題というものを、自ら解決して行くことが出来る様に、暖かく見守り、寄り添って行くことで、会社としても、結局こうなったのも、労働者ばかりの責任ではないことは言うまでもありませんが、会社側もまた自ら招いたことであるということを、肝に銘じておかなければなりませんし、会社側としては、今後の経営戦略の見直しなどにより、労働者にとっての自らのキャリア発達と連携した、キャリア開発や人材育成、雇用環境の改善などに取り組んで行く必要があるということも、また経営者が自ら解決すべき課題ではないかと見て間違いないのではないでしょうか。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民96掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民96掲示板  
次へ