［アテネ　１２日　ロイター］ - ギリシャ政府当局者は１２日、同国が国際通貨基金（ＩＭＦ）に前日返済した７億５０００万ユーロについて、ＩＭＦの口座から緊急準備金を取り崩して、返済の一部に充てたことを明らかにした。

当局者がロイターに対して述べたところによると、ギリシャ政府はＩＭＦの口座から約６億５０００万ユーロを引き出した。残りのおよそ１億ユーロについては、ギリシャ政府の現金準備を充てたとしている。

ＩＭＦの口座から引き出した資金は、「数週間以内に」同口座に入金する必要がある、という。

ギリシャは資金が枯渇しつつあると見られ、国際債権団との支援協議もまとまらないなか、ギリシャ政府がＩＭＦに融資を返済するのか、月内の給与・年金支払いに備えて返済を見送るのか、注目されていた。

ギリシャは結局、融資を期日の１日前に返済。目先のデフォルト懸念は後退した。しかしギリシャのバルファキス財務相が１１日、流動性は「極めて逼迫している」と述べるなど、なお予断を許さない状況だ。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0NX11820150512

かように、トロイカサイドはタガをはめての交渉にもっていこうとしている。

ブリュッセル官僚にまかせざるを得ないシステムができあがっており、貸し手のほうが強いという経済的な狭い論理を推し進めようとするであろう。この交渉の真の目的は経済を梃子にして、ギリシャの内政・外交を支配する、すなわちギリシャ国民の主権を奪い去ろうとの思惑であろう。

早速、１２日にはロシアから、ギリシャへのオファー、ブリックス各国によって設立される投資銀行への６番目の誘いをしているとの情報がながれている、おまけに、６月下旬にはペテルスブルクでのギリシャ首相とロシア大統領の会談も発表されている。

ロシアは口先介入でギリシャに塩を送っている。

ギリシャに残された時間がないのは、そのとおりだろうが、時間切れでのオプションの拡がりは、狭くはない。

外からの局面を拡大する動きがあり、ドイツのあせりが、うかがわれる。

理不尽な要求で、デフォルトに至ってしまった、そうならないように交渉するのはさぞや難儀なことであろう。