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普通預金はダメ? 唯一銀行で買っていい運用商品は? 就職先としては? ほか、低金利時代に「銀行」をどう考えるか
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/441.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 13 日 08:17:15: igsppGRN/E9PQ
 

       逆ざやでも最高益圏内!? photo Getty Images


普通預金はダメ? 唯一銀行で買っていい運用商品は? 就職先としては? ほか、低金利時代に「銀行」をどう考えるか
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43298
2015年05月13日(水) 山崎 元「ニュースの深層」 現代ビジネス


■2メガ銀で逆ざや

国債市場が日銀に制圧された状態が継続しており、長期金利は0.39%だ(5月12日)。こうした環境下、メガバンク3行中1位の三菱東京UFJ銀行と3位のみずほ銀行の利ザヤ(貸出・運用の利回りと、預金・経費等の調達コストの差)はマイナス状態にある模様だ。

他方、メガバンク3グループの2015年3月期の純利益は最高益圏にある。

地方銀行は地域や個別の経営によってバラツキがあるが、低金利による運用難とその割には当面の業績の良い状況は概ね同じだ。

こうした状況下、我々は「銀行」というものの諸々をどう考えたらいいのだろうか。

■普通預金は「案外悪くない」

銀行は、先ず最もポピュラーなお金の預け先だが、この低金利下で銀行預金にお金を預けておく事についてどう考えるべきだろうか。俗に、銀行預金にお金を「遊ばせておく」という表現があるし、「銀行預金は止めなさい」という趣旨のタイトルを付けた書籍も少なくないが、どうなのだろうか。

筆者は、普通預金に関しては「案外悪くない」と感じている。その理由は、機会費用が小さいからだ。

10年国債に投資するリスクを取っても得られる利回りは0.3%程度しかない(個人の場合、税金が約20%掛かる)。端的にいって、普通預金にお金を置いておく事が通常の環境下と比較して殆ど「もったいなくない!」のだ。

普通預金は、いつでもATMを通じて出し入れ出来るし、カードの支払いや各種の送金も含めて決済に使える高度な利便性を持っている。

少々の利回りの差を求めてリスクを取るよりは、普通預金にお金を置いておく方が便利だし分かりやすい、という判断は、今の状況なら大いにあり得る。

現状で良くないのは、小さな利回りアップを狙って、たとえば個人向けに売られている社債を買うような運用だ。個人に社債の信用リスク判断は難しいし、そもそも機関投資家が魅力を感じない発行体及び条件だからこそ、「情弱」な個人を狙ってリテール網で社債を売っているのだ。買わない方がいい。

一方、定期預金は、普通預金の利便性を手放す割には利率が悪いから、目下魅力的ではない。

■預金の安全性は「数年後に」疑問あり?

普通預金にお金を置いておいても腹が立たないとしても、「1人、1行、1千万円まで」という預金保険の上限は愚直に守る方がいい。

政府の中長期見通しでも長期金利は2〜3年後に2%に達する予定であり、「インフレ率2%」が達成された後、日銀は少なくとも現在のようなペースで長期国債を買うことはないはずだから、数年後に、長期国債の利回りが2、3%に達する可能性は十分ある。この場合、長期国債の価格は2、3割下落することになる。

さすがに、有価証券運用で丸々全額を長期国債に回している銀行はなかろうが、銀行のポートフォリオが大きく傷む事は避けられそうにない。

特に、預貸率の低い有価証券運用への依存が大きな銀行にあっては、運用の失敗で債務超過に陥るような事態がないとも限らない。

また、率直に言って、国債運用では十分な利ザヤが確保出来ない現状で、銀行が一体どうやって運用しているのかに関して、大きな不安を禁じ得ない。銀行だから外債などの為替リスクを裸で取っているケースは少なかろうが、為替以外のリスクも含めて、当面の時価評価に反映しにくい形で何らかのリスクを取って、当面の期間当たりの利回りを稼ごうとしている金融機関が多いのではないか。

例えば、仕組み債への投資や、ファンドの形を取ったベンチャー企業、不動産などへの出資だ。これらは、「当面」リスクが決算に反映しにくいが、2、3年経過して、経済的な状況が大きく動いた時に突然表面化する可能性が大いにある。

かつての外資系証券会社への勤務経験から判断して、「利ザヤが稼げなくて困っている金融機関」は、仕組み債(ろくでもない暴利の商品なのだが、決算の誤魔化しには役立つ)などの営業にとって絶好のターゲットのはずだ。

金融庁も日銀も、銀行の破綻は避けたいと考えて手を打って行くはずだが、2、3年後くらいに「制御不能」の巨額損失が突然出てこないとも限らない。

仮に長期金利が高騰して日本の財政が危機に陥ることがあるとすると、銀行の破綻は、そのずっと手前で起こるだろう。

銀行の経営者、さらに金融監督当局には、現在の銀行の資金運用内容がどうなっているか、詳細なチェックをお願いしたい。

一方、預金者としては、銀行に過大なお金を預けないことだ。

■銀行で買っていい運用商品は「個人向け国債・変動10年」のみ!

銀行の預金に1行1千万円以上のお金を置かないことを厳守するとして、もっと大きなお金を持っている人はどうしたらいいのか。

大事なことは、銀行の窓口で決して投資信託や個人年金保険のような運用商品を買わない事だ。銀行の窓口で売っている投信は、銀行員が手間を掛けるコストと銀行の高い経費を賄うべく手数料の高い商品ばかりが並んでいる。

敢えて探すなら、ネット取引専用の投資信託の中に、他の金融機関で買える優良商品と比較して大きな遜色のないものが、少数混じっている場合がある。絶対の条件は、@ノーロード(購入時の手数料ゼロ)、Aインデックスファンド(株価指数に連動する投信)、B信託報酬(運用管理の手数料)率1%未満だ。

しかし、こうしたものを探すくらいの金融とネットのリテラシーのある人は、ネット証券でもっといい商品(たとえば手数料がさらに安いETF等)を探して投資出来るだろう。

銀行の窓口でも買う事が出来る運用商品で唯一購入対象にしていいのは、個人向け国債だけだ。変動金利で10年満期のものを買おう。

理由は、さすがに財務省もそこまで踏み込んだ宣伝はしないが、(1)個人向け国債の方が銀行よりも信用リスク面で安全であることから始まって、(2)将来長期金利が上昇しても元本割れしない事、(3)現状では利回り面で銀行預金よりも少しマシであること、の3点だ。

購入の際の注意点は、他の商品に対する勧誘に耳を貸さない事だ。個人向け国債は、これを売っても銀行が得る手数料が小さく(販売代金の0.5%を国から貰えるだけ)、しかも、資金が10年も「寝る」可能性が大きいので、投資信託(販売手数料だけで3%程度、信託報酬で毎年1%台後半のものが多い)を売りたがるケースが多いのだが、「絶対に」セールスに乗ってはいけない。

■敢えて「銀行株」を買う理由はない

現在市場での売買が活発で流動性が高いこともあって、個人投資家で銀行株に興味を持つ方が時々いる。メガバンクのように最高益レベルの稼ぎを叩きだしている銀行もあるので、関心を持たれてもおかしくはない。

但し、銀行の好決算は、保有株式の値上がり、不良債権の改善による与信費用の戻り(信用リスク区分の改善)など、相当程度一時的な好要因を含むものなので、今後については楽観は出来ない面がある。

もっとも、メガバンクで外国への投資が収益化して好決算を後押ししているような好要因もあるので、「利ザヤがマイナスになっているのだから上がり目はない」と決めつけるのも評価としてフェアではない。

現在の株式市場の好調がどこまで続くかに関して見方は論者によって様々だが、「アベノミクス相場」が後半に差し掛かっていることについて、大方の意見は一致するのではないか。

銀行株をはじめとする金融株がセクターとして好調なのは、長期金利低下で運用ポートフォリオが利益を出し、不良債権が改善する、主に金融緩和の前半期だ。

現在の銀行株を忌避する理由は無いが、取り立てて投資に妙味のある時期だとは思えない。日本株全体に対する分散投資の一部としてマーケット並みに持つことで十分ではないだろうか。

■就職先としての「銀行」には疑問

景況感の改善により銀行業界も新卒の採用に積極的だ。他方、学生から見た就職先として銀行の人気は相変わらず高い。例えば、メガバンクの内定を取ると、学生の間でも「就活の成功者」として評価されるようだし、親も喜ぶようだ。

但し、現在の金融環境は、これからの若手銀行員にとって必ずしも喜ばしい職場環境とはいえまい。

先ず、現在、融資を巡る銀行間の競争は激烈であり、借り手に対する銀行の立場は強くない。例えば、首都圏では、地元に十分な融資先がない関東圏の地銀がビジネスを求めて東京に進出しており、驚くような低利を提示するケースが頻繁にあるという。

また、銀行が利ザヤの確保に苦しんでいるということは、職場では、経費削減に向けた圧力が掛かりやすいということだ。

加えて、預金を集めても儲からないとなれば、投資信託のような商品を売って手数料を稼ぐ方向に向かわざるを得ないが、せっかく(証券会社でなく)銀行に入ったのに、顧客のためになるとはとても思えない暴利の商品を、場合によっては販売目標数字(要は「ノルマ」だ)に追われて売らなければならない。

採用時の学歴等の序列がずっと付いて回る硬直的な人事評価システムを考えると、特に有利な学歴を持っている学生以外には銀行への就職は勧めにくい。

また、第一線を退くのが他業界よりも5年位早い選手寿命の短い「人材の無駄遣い」とも呼ぶべき人使いも気になる。例えば、大手商社の役職定年は55歳だが、メガバンクでは50歳前後で大半の銀行員が出向になる。

こうした、もともと就職先として勧めにくい長期的・構造的な要因に加えて、当面の環境も銀行への就職を後押ししたくなるようなものではない。

銀行的な序列に基づく人事競争によほどの適性がある人(出世が好きであり、かつ有利なポジションを取ることが出来る立場にある人)でない限り、学生には銀行への就職を勧めない。


 

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